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電子契約とは?メリットやサービス選びのポイント、利用できない場面についても解説!

電子契約とは?メリットやサービス選びのポイント、利用できない場面についても解説!

業務のデジタル化やペーパーレス化が進む近年、「電子契約」を導入する企業が増えつつあります。

しかし一方で、
「そもそも電子契約とは?」
「電子契約は法律上問題ない?」
「電子契約サービスの選び方は?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、電子契約の基礎知識やメリット、電子契約サービスの選び方についてわかりやすく解説します。

電子契約の導入効果を高める方法についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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電子契約とは?

電子契約とは?

電子契約とは、オンライン上で締結する契約方法・サービスのこと

従来の契約手続きは、契約条項を明記した書面(契約書)を作成し、当事者の署名捺印を施すことで契約を締結する方法が一般的ですが、電子契約は電磁的に作成した契約書データに「電子署名」や「タイムスタンプ」を施して契約を締結するのが特徴です。

では、電子契約の基本的な知識として、法律上の有効性や、タイムスタンプと電子署名の概要、そして電子契約が注目を集める理由について確認していきましょう。

電子契約は法律上有効?

まず、電子契約は法律上有効か、という点について確認していきましょう。

そもそも契約は、当事者間の合意によって成立するため口約束であっても有効であり、契約書の作成は必須要件ではありません。

つまり、電子契約によって締結した契約も、書面による契約や口頭での契約と同様に有効であると言えます。

ではなぜ、契約を交わすさまざまな場面では書面の契約書が作成されているのでしょうか。

それは、書面の契約書に合意内容と当事者の署名捺印を記しておくことで、万が一契約に関するトラブルが発生した際に、合意内容についての客観的な証明を行うためです。

電子契約においては、契約書データに「電子署名」と「タイムスタンプ」を用いることで、契約の真正性を担保することが可能です。

電子署名とタイムスタンプとは?

次に、電子署名とタイムスタンプについてもう少し詳しく確認していきましょう。

電子署名とは、電子文書などのデータに施す署名のことで、データが「本人によって作成されたこと」「改ざんが加えられていないこと」を証明するための技術です。

一方のタイムスタンプは、データの作成日時を記録する技術のことで、「ある特定の時刻にそのデータが存在したこと」や「その時刻以降に改ざんが加えられていないこと」を証明することができます。

契約書データに電子署名とタイムスタンプを付与することで、契約書データが当事者本人によって作成・署名されたものであり、改ざんが加えられていないことを証明することが可能になります。

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電子契約が注目を集める理由

次に、電子契約が注目を集める理由について見ていきましょう。

高まるDXの必要性

電子契約が注目を集める理由のひとつとして、DXの必要性が高まっている点を挙げることができます。

少子高齢化に伴う労働力不足や国際市場における労働生産性の低迷などの理由から、国内のあらゆる業界でDXの必要性が高まっています。

そうしたなか、DX推進の一環として書面による契約を電子契約に切り替える企業が増えつつあるのです。

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テレワークの普及

近年急速に普及したテレワークも、電子契約が注目を集める理由のひとつです。

2020年、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、多くの企業が在宅勤務への移行を余儀なくされました。

しかし、契約手続きをはじめとした紙ベースの業務のために出社しなければならず、テレワークを導入できなかった、あるいは定着しなかったという企業も少なくありませんでした。

このような状況を受け、テレワーク体制の整備を図り電子契約を導入する企業が増えつつあります。

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電子契約が利用できないケースもある?

契約の種類によっては、電子契約を利用できないケースもあるため注意が必要です。

たとえば、以下のような契約は、公正証書によって契約を締結すべきことが法律で定められているため、書面による契約締結が必須となっています。

  • 事業用定期借地契約
  • 企業担保権の設定又は変更を目的とする契約
  • 任意後見契約書

また、訪問販売などの特定商取引の契約についても、消費者保護の観点から書面交付が義務付けられています。

ただし、特定商取引における契約について、電磁的方法での交付を認める法案が可決されるなど、契約書面の電子化や電子契約を認める流れが広まりつつあります。

事実、2022年(令和4年)5月に施行された宅地建物取引業法(宅建業法)の改正により、これまで電子化が認められなかった不動産取引関係の契約について、電子契約が解禁されています。

電子契約を導入するメリット

電子契約を導入するメリット

次に、電子契約の導入で得られるメリットとして、以下の5点をご紹介します。

電子契約の導入メリット

  • 契約にかかるコストの削減
  • 契約手続きの効率化・迅速化
  • 契約書管理の負担軽減
  • セキュリティ・ガバナンスの強化
  • 働き方改革の促進

それぞれ詳しく確認していきましょう。

契約にかかるコストの削減

電子契約を導入することで、コスト削減の効果が見込めます。

紙ベースの契約では、契約書の印刷・製本コストが発生するほか、契約内容や金額によっては収入印紙の購入・貼付も必要になります。

また、契約書の発送・返送コストや、締結後の契約書の保管コストも発生します。

電子契約であれば、書面の契約手続きで発生するこれらのコストを削減することができ、後述する契約手続きの効率化・迅速化によって作業工数が削減されれば人件費の節約にもつなげることができるでしょう。

契約手続きの効率化・迅速化

電子契約を導入するメリットとして、契約手続きの効率化・迅速化を挙げることができます。

契約手続きを紙ベースで行っている場合、締結までに多くの時間を要してしまうケースが少なくありません。

たとえば、関係者がテレワーク中で契約内容の確認が進まなかったり、代表者が不在で署名捺印ができなかったりと、手続きが停滞してしまう可能性があります。

また、契約書原本の発送・返送で数日のタイムロスがあり、もしも契約書の内容に訂正があった場合には、さらに多くの時間がかかってしまいます。

電子契約であれば、デバイス上で契約内容の確認や署名捺印を行うことができ、相手先への送信も即座に行うことができます。

そのため、紙ベースの契約よりも効率的かつ迅速に契約手続きを完了でき、契約締結までのリードタイムを短縮することができるでしょう。

契約書管理の負担軽減

契約書管理の負担軽減という観点でも、電子契約の導入は有効です。

契約書は締結後も厳重に管理し、契約期間終了後も一定期間の保存が義務付けられています。

また、契約内容について後から確認が必要になるケースも少なくないため、速やかに参照できるよう管理しなければなりません。

しかし、紙媒体で契約書管理を行っていると、保管する際の仕分け・ファイリング作業が手間になりがちで、大量の契約書類のなかから必要な契約書を探し出すのも大変です。

電子契約であれば、締結後の契約書データをPCなどのデバイス上で管理することができ、契約者名や締結日、契約内容などの条件で必要な契約書を速やかに検索することができます。

そのため、紙ベースでの契約書管理よりも大幅に負担を軽減することができるでしょう。

セキュリティ・ガバナンスの強化

電子契約の導入は、セキュリティ・ガバナンスの強化にもつなげることが可能です。

契約書には機密事項が含まれていることも多く、第三者による閲覧や持ち出し、改ざんなどの不正を防止する必要があります。

しかし、紙ベースで契約書を管理している場合、鍵付きの書庫・キャビネットへの格納といった物理的なセキュリティ対策に頼らざるを得ません。また、保管期間中に紛失・破損してしまうリスクも否定できないでしょう。

一方、電子契約であれば、契約データに閲覧権限を設定したり、操作ログで改ざんなどの不正を検知したりといったことが可能です。もちろん、物理的に破損・紛失してしまう心配もないため、紙の契約書よりも強固なセキュリティ・ガバナンスを築くことができるでしょう。

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働き方改革の推進

電子契約の導入により、働き方改革を推進することも可能です。

先述した通り、従来の紙ベースの契約手続きでは、契約書の印刷や製本、署名捺印、発送・返送準備、仕分け・格納など、オフィス以外では行うことが難しい作業が多々発生します。

電子契約であれば、一連の契約手続きをオンライン上で完結できるため、テレワークでも対応することができるでしょう。

また、先述した契約手続きの効率化によって作業工数が削減されれば、働き方改革の重要課題のひとつでもある長時間労働の是正につなげることもできるでしょう。

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電子契約サービス(電子契約システム)の選び方

電子契約サービス(電子契約システム)の選び方

電子契約を導入するには、電子契約サービス(電子契約システム)を利用するのが一般的です。

次は、電子契約サービスを選ぶ際のポイントとして、以下の3点をご紹介します。

電子契約サービス選びのポイント

  • 必要な機能が備わっているか
  • 利用者目線での使いやすさ
  • 外部システム・サービスとの連携可否

それぞれ詳しく確認していきましょう。

必要な機能が備わっているか

電子契約サービスを選ぶ際に重要になるのが、機能面です。

電子署名やタイムスタンプなど、契約の効力を担保するために必要な機能はもちろんですが、契約データの管理機能や証跡管理機能、検索機能など、契約に付随する業務にも対応できるか事前に確認しましょう。

また、電子帳簿保存法に対応可能かどうかも重要です。

電子契約は、電子帳簿保存法で定められている電子取引に該当するため、契約書をデータとして保存しておくためには法的要件を満たさなければなりません。

電子帳簿保存法の法的要件を満たす製品の証である「JIIMA認証」の有無もあわせて確認しておきましょう。

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利用者目線での使いやすさ

電子契約サービスの使いやすさにも注目してみましょう。

電子契約サービスを利用して契約を締結する際は、自社の担当部門だけでなく、取引先側での操作も必要です。

社内担当者の負担を軽減するためにも、取引先側にスムーズに対応してもらうためにも、操作画面や操作方法の分かりやすさを確認しておきましょう。

また、ベンダー(サービス提供社)によるサポート体制が充実していれば、サービス導入時はもちろん、利用方法などについて疑問が生じた際も安心です。

外部システム・サービスとの連携可否

電子契約サービスの選定では、外部システム・サービスとの連携可否も大切なポイントです。

電子契約サービスを他のシステムやサービスと連携できれば、各システム・サービスを単体で利用するよりも運用の手間を削減することができたり、機能を補完しあうことが可能です。

導入を検討している電子契約サービスが、すでに利用しているシステム・サービスや、今後導入予定のシステム・サービスと連携可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

ワークフローシステムの活用で電子契約がさらに便利に

ワークフローシステムの活用で電子契約がさらに便利に

ここまで、電子契約の概要やメリット、電子契約サービスの選び方について解説してきました。

次は、電子契約の導入効果を高める方法として、ワークフローシステムの活用について説明します。

ワークフローシステムとは、各種申請や稟議など、社内で行われるさまざまな手続きを電子化するツールのこと。

そして、ワークフローシステムのなかには、外部システムやサービスと柔軟に連携できる製品が存在します。

ワークフローシステムと電子契約サービスを連携することで、契約に関する社内承認をワークフローシステム上で処理し、決裁完了後に電子契約サービス上で契約書が自動起票される、といった仕組みを実現することが可能です。

また、電子契約サービスはもちろん、会計システムや受発注システム、勤怠管理システム、グループウェアなど、利用しているさまざまなシステム・サービスと連携することも可能です。

電子契約サービスやその他のシステム・サービスを連携することで、各システム・サービス上で分散している手続きをワークフローシステム上で一元化することができ、業務効率化を高めることができるでしょう。

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改正電帳法への対応とバックオフィス業務を考える~電子契約とワークフローの切れない関係~

ワークフローシステム×電子契約サービスの事例

最後に、ワークフローシステムと電子契約サービスの連携事例をご紹介します。

SIer事業を展開する株式会社ソフトクリエイトは、2008年からワークフローシステム「AgileWorks」を活用し、ペーパーレス化と業務効率化を実現しました。

グループ内150種類以上の申請業務を電子化し、月400~500件の申請業務を「AgileWorks」上で処理しています。

さらに同社は、「AgileWorks」と電子契約サービス「GMOサイン」の連携によるDXソリューションの開発に着手。

社内でのリーガルチェック申請から契約締結、契約書の管理・保管までを一気通貫で行える仕組みを構築しました。

同社内でも秘密保持契約や販売契約などの締結に連携サービスを活用し、契約に関わる業務の効率化・迅速化に効果を得ています。

契約に関わる業務を効率化・迅速化!

株式会社ソフトクリエイトのワークフローシステム導入事例|AgileWorks

まとめ

今回は、電子契約の意味や法的有効性、メリット、電子契約サービスの選び方などを解説しました。

DXの必要性が高まるなか、バックオフィスDXの一環として電子契約を導入する企業はますます増えていくことが予想されます。

そして、電子契約の導入効果を最大限高めるには、ワークフローシステムの活用が有効です。

今回ご紹介した情報も参考に、電子契約サービスの導入、そしてワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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