グループウェアとは?基礎知識や導入メリット、選び方まで徹底解説!
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近年、業務効率化を目的にグループウェアを導入する企業が増えつつあります。
しかし、
「そもそもグループウェアって何?」
「グループウェアを導入するとどんなメリットがあるの?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、グループウェアの基礎知識や導入のメリットについて分かりやすくご紹介。また、グループウェアの効果をさらに高める方法として、ワークフローシステムとの連携についても解説しています。
グループウェアについて詳しく知りたい方や、業務効率化に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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グループウェアとは?

グループウェアとは、企業内のコミュニケーションを円滑にし、業務効率化を促進するためのソフトウェアのこと。
企業では、複数人のメンバーで業務やプロジェクトを遂行するケースが多々あります。複数人が携わる業務ではメンバー間の意思疎通が不可欠ですが、人数が多くなるほど円滑なコミュニケーションは難しくなります。
そのような際、コミュニケーションの円滑化に役立つのがグループウェアです。
代表的なグループウェアとして、Googleが提供する「Googleワークプレイス」やMicrosoftが提供する「Microsoft Office 365」、サイボウズが提供する「サイボウズ Office」などが挙げられます。
製品によって得意とする領域は異なりますが、グループウェアの主要な機能は以下通りです。
グループウェアの主な機能
- スケジュール管理
- プロジェクト管理
- ファイル共有(ドキュメント・画像など)
- 設備予約(会議室や備品貸し出しの予約管理)
- コミュニケーション(チャット・掲示板)
- 簡易的なワークフロー機能
グループウェアの主要機能について見ていきましょう。
スケジュール管理
個人やグループのスケジュールを管理する機能です。
メンバー同士でスケジュールを把握しやすくなるため、会議やミーティング、その他行事の日程調整をスムーズに行うことが可能になります。
プロジェクト管理
プロジェクトの進捗やタスク管理を円滑にする機能です。
カレンダーやガントチャートなどの形式で、プロジェクトメンバーのタスクや作業状況を確認できます。
ファイル共有(ドキュメント・画像など)
文書や画像などの電子ファイルをメンバー間で共有できる機能です。
会議の議事録や参考資料などをスピーディーに共有することができます。
設備予約(会議室や備品貸し出しの予約管理)
会議室やプロジェクターなど、会社の設備や備品の予約管理を行える機能です。
画面上から予約したり予約状況を確認することができ、重複予約の防止にも有効です。
コミュニケーション(チャット・掲示板)
チャットや掲示板などの形式でメンバー同士のコミュニケーションを図れる機能です。
メールよりも気軽かつスピーディーに、業務上の報告・連絡・相談を行うことができ、コミュニケーションの迅速化・活発化に役立ちます。
簡易的なワークフロー機能
グループウェア上で申請や稟議などの手続きを行う機能です。
紙の申請書・稟議書よりもスピーディーに手続きを進めることができます。
グループウェア導入のメリット・デメリット

次に、グループウェアを導入することのメリット・デメリットについてご紹介します。
グループウェアのメリット
グループウェアを導入するメリットとして、主に以下のポイントを挙げることができます。
グループウェアの主なメリット
- 社内コミュニケーションの活発化
- 情報共有・業務連絡の効率化
- テレワーク環境の整備
各メリットについて詳しく見ていきましょう。
社内コミュニケーションの活性化
グループウェア導入のメリットのひとつに、社内コミュニケーションの活性化を挙げることができます。
メールでの連絡では、わざわざ送信先を指定する手間が発生してしまいます。一方、グループウェアのチャット機能を活用することで、対象者にのみメッセージを送ることはもちろん、グループ単位で一括通知することも可能です。
また、WEB会議機能が搭載されているグループウェアも多く、プロジェクトや部署・部門単位でのチームミーティングで重宝します。
情報共有・業務連絡の効率化
グループウェアは、情報共有や業務連絡の効率化にも役立ちます。
グループウェアのファイル共有機能を使うことで、従来紙で作成していた資料を電子データとして簡単に共有することが可能です。
また、プロジェクト管理機能を使えば、メンバーの業務の進捗を可視化することができるので、個別で行っていた業務連絡の負担を軽減することができます。
テレワーク環境の整備
上記に挙げた社内コミュニケーションの活性化、情報共有・業務連絡の効率化は、テレワークを実施するための環境整備の面でも効果的です。
対面でのコミュニケーションができないテレワーク下では、オフィスでの業務以上に意思疎通が重要になるほか、メンバーの業務の進捗確認も必要になるでしょう。
グループウェアを導入することで、テレワーク化でも手軽に意思疎通を図ることができ、業務進捗も容易に把握できるようになります。
グループウェアのデメリット
続いて、グループウェアのデメリットについても見ていきましょう。
グループウェアの主なデメリット
- 部門・役職を超えたコミュニケーションには不向き
- 導入には費用がかかる
- 活用を促す教育・サポートが必要
部門・役職を超えたコミュニケーションには不向き
多くのグループウェアでは、グループチャットや掲示板などを作成する際、管理者の許可が必要になります。そのため、部門・役職を超えてコミュニケーションを図る用途には不向きだと言えます。
たとえば、稟議では複数の部署・部門をまたいでコミュニケーションを取り、事前に根回しをするケースが多々あります。起案内容によって承認に関わる部署・役職が変わるため、グループウェアでその都度グループチャットや掲示板を作成するのは現実的とは言えないでしょう。
導入には費用がかかる
基本的に、グループウェアを導入するには費用が発生します。
一部、無料で利用可能なグループウェアも存在しますが、機能や利用人数に制限が設けられている場合があります。また、グループウェア製品によって機能の充実度や得意とする領域が異なり、利用料金もピンキリです。
コストを抑えてグループウェアを導入するためにも、「グループウェアを使って何をしたいのか」を明確にし、自社に合った機能・要件を満たす製品を選択する必要があるでしょう。
活用を促す教育・サポートが必要
グループウェアを導入しても、社内に定着しなければ意味がありません。
そのため、グループウェアを導入する目的やメリットについて、実際に利用する従業員の理解を得る必要があります。
また、導入後に定着させるためにも、マニュアル整備や勉強会を実施するなどして、活用をサポートしていくことが大切です。
グループウェアの導入形態

グループウェアは、大きく2種類の導入形態があります。
- オンプレミス型
- クラウド型
それぞれメリット・デメリットが異なるため、特徴を知った上で自社に合った導入形態を選択することが大切です。
オンプレミス型グループウェアの特徴
オンプレミス型グループウェアは、自社が保有するサーバー上にソフトウェアをインストールして利用するタイプのグループウェアです。
オンプレミス型グループウェアの主な特徴は以下の通り。
オンプレミス型グループウェアの特徴
- メリット:目的に応じて細かくカスタマイズ可能
- デメリット:導入コストが高く、運用管理の負担も大きい
環境構築から運用保守まで社内で行う必要があるものの、目的に応じて細かなカスタマイズが可能という点が大きな特徴と言えるでしょう。
このような特徴から、社内リソースに余裕がある企業や、細かなカスタマイズを想定している企業に適した導入形態と言えます。
クラウド型グループウェアの特徴
クラウド型グループウェアは、オンライン上のサーバーで提供されているソフトウェアを、インターネットを介して利用するタイプのグループウェアです。
クラウド型グループウェアの特徴として、以下のようなポイントを挙げることができます。
クラウド型グループウェアの特徴
- メリット:導入コストがリーズナブルで、運用管理の手間が不要
- デメリット:カスタマイズには一定の制限がある
オンプレミス型との最大の違いは、サーバーやインフラ環境を自社で用意する必要がなく、運用保守に関してもシステム提供側が行ってくれる点です。
オンプレミス型よりもコストを抑えて利用を開始できるため、中小企業であっても導入しやすいのがポイントです。
グループウェア導入のポイント

次に、グループウェアを導入する際に押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
導入目的の明確化
グループウェアに限らず、新たにITシステムやツールを導入する際は、目的を明確にしたうえで製品を選定することが大切です。
目的を明確にしないままグループウェアを導入してしまうと、
「導入したものの社内で活用されない」
「既存のシステムと機能が重複してしまった」
といった失敗につながりかねません。
グループウェアを業務効率化や課題解決に役立てるためにも、
「テレワークでも円滑にコミュニケーションできる環境を整えたい」
「プロジェクトメンバーのタスクや進捗管理を効率化したい」
など、導入目的を具体的に設定した上で、目的に合った製品を比較検討しましょう。
既存システムとの相性
既に導入している業務システムとの相性も、必ずチェックしておきたいポイントです。
既存システムと連携できない場合、利便性に不満を感じてしまいやすく、現場が混乱してしまうケースや社内で定着しないといったケースが考えられます。
既存システムとの連携が可能かどうかはもちろん、今後新たにシステム・ツールを導入する可能性も見据え、グループウェアの拡張性を確認しておくことをおすすめします。
無料トライアルの活用
グループウェアには、無料トライアルを用意している製品が多くあります。
導入後のミスマッチを防ぐためにも、まずは社内の一部門で無料トライアルを利用してみることをおすすめします。
無料トライアルを使って試験的にグループウェアを導入することで、現場目線で機能面や操作性を確認することができ、導入後の運用をより具体的にイメージできるでしょう。
ワークフローシステム×グループウェアで業務効率化

社内の情報共有を円滑にするグループウェアですが、ワークフローシステムとあわせて活用することで、さらに業務を効率化することが可能です。
ワークフローシステムとは、社内で行われるさまざまな申請手続きや稟議を電子化するシステムのこと。
次は、ワークフローシステムとグループウェアの併用が業務効率の改善に役立つ理由を見ていきましょう。
ワークフローシステムについて詳しく知る
ワークフローシステムとグループウェアの違い
まずは、ワークフローシステムとグループウェアの違いについて確認しておきましょう。
それぞれの目的は以下の通りです。
- グループウェア:組織内の情報共有の効率化
- ワークフローシステム:組織内で行われる業務手続きの電子化・効率化
情報共有の効率化に特化したグループウェアと、業務手続きの効率化に特化したワークフローシステムを併用することで、社内で行われる業務を大幅に効率化することができます。
グループウェアのワークフロー機能では不十分?
先述の通り、グループウェアにはワークフロー機能が搭載されている場合があります。
しかし、グループウェアのワークフロー機能はあくまでも簡易的なものであり、扱える申請書の種類が限られていたり、複雑な承認ルートを設定できなかったりといったケースがほとんどです。
そのため、本格的に手続き業務を電子化するのであれば、グループウェアのワークフロー機能では十分と言えません。
テレワークの実現には手続きの電子化が不可欠
グループウェアの導入は、テレワーク環境の整備に役立つとお伝えしました。
しかし、グループウェアだけを導入しても、テレワークを実現することは難しいのが現実です。
グループウェアで社内の情報共有が円滑になったとしても、申請手続きや稟議などが書面で行われていれば、書類確認や捺印のために出社しなければならない、といった状況が発生していまいます。
情報共有と業務手続きの両軸で電子化を進めることが、テレワーク定着の鍵だと言えるでしょう。
ワークフローシステム×グループウェアで業務効率を改善した事例
ワークフローシステムとグループウェアを併用することで、業務効率をより高めることができるとお伝えしました。
次は、実際にワークフローシステムとグループウェアを連携して業務効率の改善に成功した事例をご紹介します。
株式会社ルミカ 様の事例
化学発光分野のトップメーカーとして知られる株式会社ルミカ 様は、書類による申請業務の負担を解消するため、ワークフローシステムを導入しました。
シングルサインオン(※)により、グループウェアのポータル画面上でワークフローシステムを利用。
申請・承認手続きが効率化されたほか、ユーザー情報をグループウェアとワークフローシステムで共有できるため、運用管理の負担が軽減されています。
※シングルサインオン:1度のユーザー認証で、複数のシステムを同時にログイン・利用できる仕組みのこと。
株式会社明光商会 様の事例
シュレッダーのトップブランドとして業界を牽引する株式会社明光商会 様は、拠点をまたいだ承認業務および意思決定の迅速化を目的にワークフローシステムを導入しています。
グループウェアのポータル画面からワークフローシステムを呼び出せる仕組みを構築し、スムーズに利用できる環境を整備。
稟議や申請手続きの電子化により業務効率が改善するとともに、内部統制の強化にも手ごたえを感じています。
学校法人 独協学園 獨協大学 様の事例
学校法人 独協学園 独協大学 様は、文書決裁の迅速化およびペーパーレス化などを目的にワークフローシステムを導入。
申請手続きのペーパーレス化により、場所に縛られずに承認・決裁を行うことが可能になりました。
また、かねてより使用していたグループウェアと連携し、シングルサインオンを活用。グループウェア上から承認状況を確認でき、決裁スピードの向上につながっています。
株式会社ソーキ 様の事例
測量・計測機器サービスを提供する株式会社ソーキ 様は、情報共有環境の整備を目的にワークフローシステムを導入。
ワークフローシステムの導入以前、グループウェアのワークフロー機能を利用していたものの、帳票の再現性や使い勝手に不満を感じていました。
ワークフローシステムを導入したことで、紙と遜色のない帳票をシステム上で再現できるようになり、操作もより直感的に。
また、グループウェアとの連携により、申請承認業務および情報共有の効率化に手ごたえを感じています。
社会福祉法人 秀峰会 様の事例
福祉・介護事業施設を運営する社会福祉法人 秀峰会 様は、経営効率化の一環としてワークフローシステムを導入。
紙で行われていた稟議・申請を電子化するとともに、グループウェア連携でシングルサインオンを実現。
グループウェア画面上で承認状況を確認でき、約2週間かかっていた決裁期間が約3日に短縮されるなど、業務手続きの迅速化・効率化で大きな効果を得ています。
まとめ
今回は、グループウェアの基礎知識や、ワークフローシステムと連携することのメリット・事例についてご紹介しました。
グループウェアは社内コミュニケーションの円滑化など、さまざまなメリットが期待できます。そして、ワークフローシステムとの連携により、その効果をさらに高めることが可能です。
業務の効率化や柔軟な働き方への対応に課題を抱えている企業は、グループウェアの導入、そしてワークフローシステムの連携を検討してみてはいかがでしょうか。
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