ペーパーレス化とは?意味や取り組みのメリット、成功事例を紹介!
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近年、企業におけるペーパーレス化の動きはますます活発化しています。
2022年1月に改正された電子帳簿保存法でも、帳簿書類の電子保存に関する要件が緩和されたため、その傾向はますます顕著化すると予想されます。
しかし一方で、 「そもそもペーパーレスってなに?」 「なぜ注目を集めているの?」 「ペーパーレス化を推進するポイントは?」 といった疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、ペーパーレスの基本的な知識からペーパーレス化の現状、推進のポイントや成功事例をご紹介しています。
これからペーパーレス化に取り組みたいと考えている企業や、すでにペーパーレスの取り組みを進めている企業の方も、ぜひ参考にしてみてください。
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・社内文書に紐づく業務が負担になっている。
・社内文書の何から電子化していいのか分からない。
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ペーパーレスの基礎知識
まずは、ペーパーレスとはどのような状態を指すのか、そしてなぜ注目を集めているのかといった、ペーパーレスの基礎知識をご紹介します。
ペーパーレス化とは?
ペーパーレスとは、紙媒体を電子化してデータとして活用・保存することを指します。「ペーパレス」や「ペーパレス化」と表記・呼称するケースもあります。
ビジネスにおいては、紙で運用されていた文書・資料を電子化して、業務効率改善やコスト削減を図ることをペーパーレス化と呼びます。
また、広い意味では、紙の本・雑誌から電子書籍、紙のチケットから電子チケット、といった変化もペーパーレス化と言えます。
ペーパーレス化はなぜ必要?
では、ペーパーレス化はなぜ必要とされているのでしょうか。
そこには、ビジネスと法対応、環境保全という3つの観点があります。
ビジネスにおける必要性
まずは、ビジネスの観点から必要性を見ていきましょう。
社内で扱っている文書を電子化することによって、業務効率改善やコスト削減、セキュリティ強化、オフィスの省スペース化といったメリットを期待できます。
従来書面で扱っていた情報をデータとして活用できるようになることで、DXの促進やデータドリブン経営にも効果的だと言えます。
また、テレワークなどの新しい働き方に対応する上でも、ペーパーレス化の推進は非常に重要な役割を果たします。
法対応の観点での必要性
法対応という面でもペーパーレス化は重要です。
電子帳簿保存法の改正により、電子データで受領した帳票類は電子データのまま保存することが原則となりました。
一定の経過措置は認められているものの、電子データで受領した帳票類を印刷して保存していた企業は、電子データとして保存する仕組みの整備が必要です。
また、2023年10月に施行されたインボイス制度により、今まで以上に経理関係の事務処理の負担が大きくなりました。
インボイス制度下での経理部門の負担軽減を図り、ペーパーレス化に取り組む企業も増えつつあります。
環境保全の観点での必要性
次に、環境保全の観点からペーパーレスの必要性を見ていきましょう。
紙の生産には、原料となる森林を伐採する必要があります。紙の大量生産によって、二酸化炭素を酸素に変える森林が減少しているほか、紙の生産・廃棄の過程で二酸化酸素が排出されることから地球温暖化への影響も懸念されています。
こうした背景から、環境保全への取り組みとしてペーパーレスの推進が重要視されているのです。
政府が推進するペーパーレス化
ペーパーレス化は、企業単位の取り組みとしてではなく、政府主導のもと国家単位で推進されています。
ペーパーレス推進のための法整備も進められており、1998年には国税関係の帳簿類や証憑類の電子保存を認める「電子帳簿保存法」が、2004年には商法や税法で保管が義務付けられている文書の電子保存を認める「e-文書法」が施行されています。
さらに、2019年に施行された「働き方改革」の重要施策のひとつとして「ペーパーレス化」が掲げられています。
ペーパーレスの対象となる書類は?
ペーパーレスと聞くと、「すべての書類を電子化して紙をなくした状態」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ペーパーレスはオフィスからすべての紙や資料を取り除くことではありません。
紙で残すべき書類は残しつつ、電子化することで運用や管理が効率化する書類を見極め、紙とデータの書類を並立させることが大切です。
次は、ペーパーレス化の対象となる書類と、紙として残すべき書類について見ていきましょう。
ビジネス文書
企業がペーパーレス化を進めるにあたり、真っ先に電子化に取り組むべき対象となるのがビジネス文書です。
企業では、各種申請・稟議などの社内手続きに用いる文書や、取引先との間で授受する帳票類など、社内向け・社外向けを問わず数多くの文書を扱います。
先述の通り、従来は紙での保管が義務付けられていた書類であっても、「電子帳簿保存法」や「e-文書法」の要件を満たすことで電子データとして管理・保存することが可能です。
日々の業務で扱っている大量のビジネス文書を電子化することによって、ペーパーレス化を大きく前進させることができるでしょう。
会議資料
会議やミーティングで使用する資料も、ペーパーレス化の対象となります。
近年、WEB会議・オンラインミーティングが普及したことにより、資料を紙に印刷せずデータ化した資料を共有・閲覧する「ペーパーレス会議」が注目を集めています。
ペーパーレス会議であれば、会議の度に人数分の資料を印刷・配布する手間をなくすことができるでしょう。
パンフレットやカタログ
会社パンフレットや製品・サービスカタログなども、ペーパーレスの対象です。
これらをデータ化することで、営業の際はノートPCやタブレットを持ち運ぶだけですみ、掲載内容に関する情報のアップデートも容易になります。
チラシ等の販促物
チラシやポスター、ポップなどの販促物もペーパーレスの対象になります。
紙などの物理媒体の場合、一度デザインしたものに修正を加えることはほぼ不可能です。データ化したデザインであれば、必要に応じて内容に変更を加えることができ、作業効率が格段に上がります。
ペーパーレス対象外の文書もある
ペーパーレスの対象から外れる文書も存在するため注意が必要です。
たとえば、e-文書法では以下の文書を対象外としています。
- 緊急時など即座に閲覧する必要がある書類
(例)船舶に備える手引書など - 現物性が高い文書
(例)免許証・許可証など
船舶に備える手引書など、緊急時に速やかに閲覧する必要がある書類をデータ化すると、端末のバッテリー切れやネットワーク接続が不安定になった際、閲覧することができなくなってしまいます。
また、免許証や許可証などの文書は現物を保有していることで効力を発揮するため、ペーパーレスの対象外となります。
ペーパーレス推進の現状
政府主導のもと進められているペーパーレス化ですが、企業におけるペーパーレス化の取り組みはどの程度進んでいるのでしょうか。
52.4%の企業がペーパーレスに着手
ペーパーロジック株式会社は、東京に本社を構える企業の経営層107名を対象に実施した「ペーパーレス化に伴う2023年度予算」に関する調査を2023年2月に公表しました。
この調査によれば、「2022年に社内のペーパーレスの推進を実施したか」という質問に対し、「積極的に行った」という回答が17.8%、「ある程度行った」という回答が34.6%となっています。つまり、回答者の半数以上である52.4%の企業が2022年に社内のペーパーレス化に取り組んだことになります。
また、「積極的に行った」「ある程度行った」と回答した企業を対象に、ペーパーレス化促進のために導入したシステムについて質問したところ、53.6%の企業が「電子ワークフロー(稟議書・申請書)」と回答しています。
このことから、すでに多くの企業がペーパーレス化の取り組みを進めており、とくにワークフローシステムを導入して稟議書や申請書といった社内文書の電子化から着手している企業が多いことがわかります。(出典元:「ペーパーレス化に伴う2023年度予算」に関する調査|ペーパーロジック株式会社)
ペーパーレス化が遅れてしまう理由
多くの企業がペーパーレス化に取り組む一方で、なかなかペーパーレス化に着手できない企業があるのも事実です。
次は、企業がペーパーレス化に踏み切れない理由や思うようにペーパーレス化が進まない理由について見ていきましょう。
初期コストのハードル
企業がペーパーレス化に踏み出せない主な原因のひとつに、ペーパーレス化の初期コストを挙げることができます。
ペーパーレス化を進めるには、システムの導入やサーバー・インフラなどの環境整備、セキュリティ対策、PCやタブレットなどのデバイスの用意も行う必要があり、初期コストがかかってしまいます。
一方で、ペーパーレス化の長期的なメリットをみれば、紙代や印刷代、人件費などのコストを大幅に削減できることも確かです。短期的な視点ではなく、長期的な視点でペーパーレス化のメリットを理解する必要があると言えるでしょう。
ペーパーレス化に対する意欲が低い
そもそもペーパーレス化に対する意欲が低いというケースも考えられます。ペーパーレス化しなくても業務を行えているため、必要性を感じていないパターンです。
あらゆる業界でデジタル化が進むなか、市場における競争力を高めていくためにはアナログ業務からの脱却は必要不可欠です。
ペーパーレス化を進めることの意義やメリットを理解し、組織全体にペーパーレス化の必要性を浸透させていくことが大切です。
ITリテラシーの差
社員間のITリテラシーに差があることで、ペーパーレス化の取り組みが進まないケースあります。
とくに年配者のなかにはデジタル機器の扱いに不慣れな方も多く、慣れ親しんだ紙ベースの業務を変えることに抵抗を覚えることが少なくありません。
そのような場合は、紙の業務と同じように直感的に扱えるシステムを導入し、電子化への抵抗感・違和感を軽減する必要があります。
システム障害への不安
災害や停電などによるシステム障害への不安から、ペーパーレス化に踏み切れない企業もあります。
たとえば、システム障害によってデータの閲覧ができなくなったり、データそのものが紛失してしまわないかという懸念が挙げられます。
しかし実際には、データ化された文書や情報はクラウド上に保存でき、バックアップデータから復元することも可能です。
むしろ紙媒体の場合、災害などで文書自体の紛失や閲覧できない状態になる危険性もあるため注意が必要だと言えます。
ペーパーレス化のメリットとは?
先述したような理由から、ペーパーレス化に踏み切れていない企業もありますが、ペーパーレスを実現することによって多くのメリットを享受することができます。
ここでは、ペーパーレス化の主なメリットとして以下の5点をご紹介します。
ペーパーレス化の主なメリット
- コスト削減
- 業務効率化・生産性向上
- セキュリティ・内部統制の強化
- 多様な働き方に対応
- 企業イメージの向上
- BCP対策としても有効
コスト削減
企業がペーパーレス化に取り組むメリットのひとつに、コスト削減を挙げることができます。
書類や資料を紙で運用・管理している場合、以下のように多くのコストが発生します。
- 紙代
- 印刷代
- 印刷機器のメンテナンス費用
- 文書の郵送・運搬費用
- 文書廃棄費用(シュレッダー、廃棄業者の費用など)
紙の文書を電子化することによって、上記のようなコストを軽減することができます。
また、文書保管のためのスペースも縮小することができるため、場合によってはオフィスの賃料も抑えることが可能です。
さらに、後述する業務効率化の高価により、文書関連の作業工数が削減され、人的コストの節約にもつなげることができるでしょう。
業務効率化・生産性向上
ペーパーレス化のメリットとして、業務の効率化や生産性向上も期待できます。
企業では、各種申請や稟議といった手続き業務が至るところで行われています。ペーパーレス化することによって、そうした手続きに関連する業務を効率化することが可能です。
たとえば、以下のような業務の効率を改善し、生産性の向上につなげることができるでしょう。
文書作成の効率化
ペーパーレス化は、文書作成の負担を軽減して作業の効率化につなげることができます。
紙ベースの文書作成では、誤字脱字や必須項目の記入漏れなどの人的ミスが起こりやすく、文書を一から作成しなおさなければならないケースが多々あります。
その点、ペーパーレスの取り組みで文書が電子化されていれば、入力項目を自動チェックし、必要に応じて一部のみ修正することが可能です。
回覧や承認作業の効率化
紙の申請書・稟議書の場合、文書を手渡しして回ったり、他拠点に郵送したりと、回覧の手間がかかってしまいます。また、承認者や決裁者がオフィスに不在の場合、回覧・承認待ちの無駄な時間が発生します。
ペーパーレスで電子化された文書であれば、ネットワークを介して文書を速やかに回付でき、どこからでも閲覧・承認することができます。
文書管理・保管の効率化
ペーパーレス化は、文書管理・保管の効率化にもつながります。
紙ベースで文書を管理・保管する場合、種類ごとに分類して、保管場所へと収納する手間がかかります。また、保管された大量の書類のなかから、必要な文書を探し出すのは非常に大変です。
電子化された文書であれば、物理的なスペースではなくサーバー上にデータを保管しておくことができ、過去文書の検索も容易です。必要に応じて出力することもできるので、文書管理・保管業務を効率化することができるでしょう。
DX推進の基盤構築
ペーパーレス化の取り組みは、DXを推進するための基盤づくりとしても有効です。
書面の情報は、そのままではデータとして扱うことができないため、その他のITシステム・ツールと連携したり、データ分析に利用することができません。
一方、ペーパーレスを推進して電子データ化した文書であれば、ITシステム・ツールとの連携やデータ分析への利用も可能です。
ペーパーレス化による文書のデータ化はDX推進の第一歩だと言えるでしょう。
内部統制・セキュリティの強化
ペーパーレス化によって、内部統制やセキュリティの強化にもつなげることが可能です。
紙の資料の場合、鍵付きのキャビネットで保管するなど、物理的なセキュリティ対策が必要になります。
一方、ペーパーレス化によって電子化された文書は、アクセス権限や閲覧権限の設定が可能で、不正な持ち出しや文書の改ざんといったリスクコントロールが容易です。
また、文書データは劣化の心配がなく、万が一パソコンやサーバーの不具合があったとしても、バックアップデータから文書を復元することができます。
多様な働き方に対応
従来の紙ベースの業務では、オフィスで文書を作成し、ハンコによって承認・決裁を行い、決裁後の文書はファイリングした後に保管しなければなりません。
しかし、ペーパーレス化によって文書の電子化が進むことで、時間や場所にとらわれることなく業務を進めることが可能になります。
テレワークをはじめとした多様な働き方に対応する上で、ペーパーレス化の取り組みは必須と言えるでしょう。
企業イメージの向上
近年、企業は利益を追求するだけでなく、さまざまな社会的責任を果たすべきとする考え方が主流になってきています。
そんななか、ペーパーレス化を推進することで、環境問題やサステイナビリティへの取り組みをアピールすることができます。
その結果、環境保護やSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)に積極的に取り組む企業として認識され、企業イメージの向上にもつながるでしょう。
BCP対策としても有効
ペーパーレス化の推進はBCP対策としても有効です。
BCPとは「事業継続計画」のことで、緊急事態が発生した際に事業を継続したり早期復旧したりするための計画や取り組みを意味します。
「VUCA時代」とも言われる現代、地震や水害などの自然災害をはじめ、テロや戦争などの人的災害、感染症などによるパンデミック、従業員の不祥事や過失など、事業の存続を脅かすリスクが数多く存在しています。
先述したように、ペーパーレス化はテレワークへの対応、内部統制・セキュリティの強化などに有効です。
緊急事態が発生しても事業を継続できる体制、そして過失や不正などが起こりにくい体制を整えられるという点で、BCP対策にも有効だと言えるでしょう。
ペーパーレス化推進のポイント
コスト削減からセキュリティ対策、企業イメージの向上までさまざまなメリットを得られるペーパーレス化。
ペーパーレス化を円滑に進めるためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。
ペーパーレス化の必要性について理解を深める
ペーパーレス化を実現するには、経営層から現場の従業員まで、ペーパーレスについての理解を深めた上で取り組みを進めることが大切です。
とくに、経営層はペーパーレスの意義や目的、費用対効果を把握し、どのようにペーパーレス化の取り組みを進めていくのかを明確にする必要があります。
また、従業員にとってはどのようなメリットがあり、実際の業務にどのような変化があるのかをしっかりと周知することも重要です。
ペーパーレスの必要性が全社に浸透することで、スムーズにペーパーレス化の取り組みを開始することができるでしょう。
部分的にペーパーレスの取り組みを開始
いきなり社内のすべての書類をペーパーレス化しようとすると、社員の負担が大きく、混乱を招いてしまう恐れがあります。結果としてペーパーレス化が思うように進まず、取り組みが頓挫してしまう可能性も高まってしまうでしょう。
ペーパーレス化をスムーズに進めるためには、部署やプロジェクト、業務単位など、まずは部分的にペーパーレスの取り組みを開始するのがおすすめです。
スモールスタートして小さな成功体験を積み重ねることで、ペーパーレス化の効果や利便性を実感でき、その後の取り組みも円滑になるでしょう。
ITシステム・ツールの活用
ペーパーレス化を促進するには、ITシステム・ツールの活用が不可欠です。
そして、ペーパーレス化の目的や文書の種類によって、選ぶべきITシステム・ツールは異なります。
たとえば社内文書であれば、先述の通りワークフローシステムが有効です。
また、請求書などの企業間取引文書であれば電子帳票システム、契約書であれば電子契約サービスなど、自社に合ったITシステム・ツールの導入を検討しましょう。
ワークフローシステムがペーパーレス促進に役立つ理由
先述の通り、すでにペーパーレス化に着手している企業の多くは、ワークフローシステムで社内文書を電子化することから始めています。
ではなぜ、ペーパーレス化に取り組む企業はワークフローシステムを導入しているのでしょうか。
次は、ワークフローシステムの導入がペーパーレス化に役立つ理由を確認していきましょう。
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社内文書のペーパーレス化を一気に促進
紙ベースの業務が多く残っている企業では、契約書や請求書などの企業間取引文書よりも、稟議書や各種申請書などの社内文書を扱う機会が多いという場合は少なくないでしょう。
ワークフローシステムとは、稟議や申請などのさまざまな業務手続きを電子化するシステムのことで、社内文書のペーパーレス化を大きく推進することが可能です。
印刷の手間やコスト、紙文書の保管スペースを削減することができ、紙ベースの稟議書や各種申請書よりも効率的に作成・回付・決裁を進めることができます。
さらに、システム上で閲覧権限の管理や承認ルートの自動判別、証跡管理を行うことも可能です。
このような特徴から、ペーパーレスのメリットであるコストカットや業務効率化、セキュリティや内部統制の強化をまとめて実現することができるでしょう。
システム連携でペーパーレス化の範囲を拡張
システム連携でペーパーレス化の範囲を拡張していける点も、ワークフローシステムの特徴と言えます。
ワークフローシステムは社内文書のペーパーレス化を実現可能ですが、電子帳票システムや電子契約システムと連携することで、社内向け・社外向けを問わずあらゆる文書のペーパーレス化を推進することができます。
また、各システムの手続きをワークフローシステムに集約することができるため、システム乱立による利便性の低下も防ぐことができるでしょう。
ペーパーレス化のハードルを解消可能
ワークフローシステムは、先述したペーパーレス化のハードルを解消することができます。
たとえば、紙のような見た目で直感的に操作可能なワークフローシステムであれば、専門的な知識がなくても操作することができ、ITリテラシーの有無に関わらず導入・運用することが可能です。
また、クラウド型のワークフローシステムであれば、サーバーやセキュリティールームなどの設備投資は不要で、少人数でのスモールスタートにも適しています。
もちろん、セキュリティに関してもシステム提供側の会社が責任を持って対策していることがほとんどですので、社内に運用・保守の体制を整えられない場合でも安心です。
文書業務全般の効率化が可能
ペーパーレスに取り組んでいるものの、いまいち業務効率化の効果を得られていないという方はいませんか?上手くいかない原因は、「紙をデジタル化しているだけ」のペーパーレス化になってしまっていることにあります。
文書業務には、書類の作成だけではなく、書類の管理やデータ入力、配信、検索などさまざまな作業が付随しています。そのため、これらの作業全体が効率化できていないと、コスト削減以外の効果を実感しにくいと言えます。
その点、ワークフローシステムは申請書を電子化するだけではなく、そこに紐づく回付や承認、レビュー、管理、検索といったあらゆる文書業務を効率化することができます
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ドキュメントDX(文書業務のデジタル化)が業務工数を大幅に削減
社内文書のペーパーレス化により業務効率や生産性を向上するためのポイントや役立つソリューションについてご紹介しています。
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ワークフローシステムによるペーパーレス化の成功事例
ワークフローシステムがペーパーレス推進に役立つことはわかりましたが、数ある製品のなかから何を選ぶべきか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、シリーズ累計導入数4,000社以上を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」「AgileWorks」です。
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次は、ワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」でペーパーレス化に成功した事例をご紹介します。
株式会社コロナのペーパーレス推進事例
暖房機器をはじめとする空調・家電機器メーカーとして知られる株式会社コロナは、「X-point Cloud」で間接部門のペーパーレス化を推進し、全社展開を機に「AgileWorks」へとリプレイスを行いました。
ワークフローシステム導入前の課題
- 紙文化が根強く、膨大な紙の帳票が残存
- 部門間で承認フローがバラつき、業務効率化を阻害
- 膨大な紙の帳票がDX推進の壁に
ペーパーレス化の効果
- 間接部門で40以上の申請業務のペーパーレス化を実現
- システム導入に伴い業務改善を実施し、業務標準化を推進
- AgileWorksでペーパーレス化を進め、DXの起点として活用
かねてより全社的な生産性向上に取り組んできた同社では、その一環として間接部門の課題の洗い出しを実施。その結果、申請業務に用いている紙の帳票が業務効率化を大きく妨げていることが判明しました。
紙の帳票は意思決定の遅延や管理業務の煩雑化を招いており、間接部門のペーパーレス化に着手することに。
システム選定においては、スモールスタートに適したユーザー課金型の料金体系であった点、すでに導入していたグループウェアとの連携が容易である点などを評価し、「X-point Cloud」の導入を決定しました。
「X-point Cloud」の導入から約2年で41帳票をペーパーレス化することに成功し、年間5万枚の紙帳票の削減を実現しました。
間接部門におけるペーパーレス化の成果に着目した同社は、ワークフローシステムの全社展開を計画。複数製品を比較検討した結果、操作性に優れており、システム連携にも強い「AgileWorks」の導入に至りました。
「AgileWorks」の全社展開により、ワークフローシステムの利用者数は全従業員1,600名まで拡大。
現在、システム連携とRPAの組み合わせにより、申請業務のペーパーレス化にとどまらず業務プロセスのデジタル化に取り組むなど、DXの起点として「AgileWorks」を活用しています。
アルコニックス株式会社のペーパーレス推進事例
非鉄金属の輸入・販売を手がけるアルコニックス株式会社は、ペーパーレス化を目的に「X-point Cloud」を導入し、申請業務をデジタル化を推進しました。ワークフローシステム導入前の課題
- 大量の紙の帳票が業務と保管の両面で負担に
- グループインした会社の決裁申請業務の標準化が必要だった
- アナログな業務スタイルの刷新が急務に
ペーパーレス化の効果
- ペーパーレス化を推進し紙の帳票にまつわる負担を削減
- グループ17社の決裁申請業務を標準化し内部統制を強化
- グループウェアの利用率が大幅に向上し、デジタル活用が加速
国内グループ17法人、海外に12法人15拠点を展開する同社では、グループ拡大に伴いアナログな申請業務による負担が増大化していました。
従業員が増えるにつれ紙の利用料が多くなり、本社オフィスでは数多くのキャビネットで大量の帳票類を保管していました。また、グループ各社で申請業務のフローや決裁権限、申請書フォーマットが異なり、内部統制の観点から業務の標準化も必要性が高まっていました。
こうした状況を踏まえ、同社のペーパーレス化に向けた取り組みが始まりました。ペーパーレス化を目指すにあたり、社内の文書管理を見直して紙の帳票をデジタル化して保存しやすい体制づくりに取り組むとともに、ワークフローシステムの導入を検討開始。
ワークフローシステムの調査・選定を進めるなかで「X-point Cloud」が候補に挙がり、すでに導入していたグループウェア「サイボウズ Garoon」との連携が容易な点が決め手となり導入に至りました。
当初はペーパーレス化した申請書は20種類程度でしたが、継続的にペーパーレス化の範囲を拡張し、現在は国内グループ17社で60種類以上の申請書をワークフローシステムで運用。
ペーパーレス化により紙帳票の保管スペースが削減されたほか、申請から決裁までに要していた期間が3分の1程度まで短縮。グループ全体で業務効率化および生産性向上に成果を得ています。
また、グループウェア連携により、「サイボウズ Garoon」のトップページ上に「X-point Cloud」を表示させる仕組みを構築。
サイボウズ Garoonを窓口にX-point Cloudを展開。サイボウズGaroonの利用率が向上し、DXに向けた基盤が構築された。
これにより、「サイボウズ Garoon」の利用率が大幅に向上するなど、アナログな業務スタイルの変革に効果を実感されています。
株式会社大和総研のペーパーレス推進事例
株式会社大和総研は、社内の申請・決裁業務を支えるインフラとしてワークフローシステム「AgileWorks」を導入。
900種類以上の申請書をペーパーレス化し、月間2万5千件の処理をワークフローシステムで行っています。
ワークフローシステム導入前の課題
- 独自のワークフローシステムでは、扱える業務の幅や維持管理に限界があり、全社標準に至らなかった
- 400種類もの申請書を紙で処理していて、時間や人的コストがかかった
ペーパーレス化の効果
- 承認・決裁のスピードアップ
- 業務の精緻化
- 業務の効率化
- データの活用・連携
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社のペーパーレス推進事例
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社では、グループ会社との経営統合に伴う申請・承認業務の煩雑化解消を目指し、ワークフローシステム「AgileWorks」を導入。
承認・申請業務のペーパーレス化を実現し、リモートワークへの対応にもつながっています。
ワークフローシステム導入前の課題
- 経営統合に伴い、社内の承認申請作業が煩雑化
- 内部統制の強化を狙い、申請書の電子化に着手
- リモートワーク推進のため、ペーパーレス化が急務に
ペーパーレス化の効果
- 導入7か月で約43,000時間の業務時間、約56,000枚の用紙を削減
- 申請書のほぼ完全なペーパーレス化を実現
- コロナ渦におけるリモートワークの実施にも迅速に対応
株式会社プレミアムウォーターホールディングスのペーパーレス推進事例
株式会社プレミアムウォーターホールディングスは、ペーパーレス化の推進および業務効率・正確性の改善を図りワークフローシステム「X-point」を導入。
ペーパーレス化によって意思決定の迅速化・業務の見える化を実現し、電子契約サービスやRPAとの連携など、さらなる効率化を追及しています。
ワークフローシステム導入前の課題
- ペーパーレス化の推進
- 業務スピード向上のため、紙やメールでの申請を廃止したい
- 業務の正確性を確保するため、業務エビデンスを残したい
ペーパーレス化の効果
- 場所を問わず申請、承認が可能で意思決定が迅速化
- 進捗と過去の履歴の見える化による効率化
- クラウド電子契約サービス、RPAとの連携による自動化など、さらなる効率化を追求
学校法人 帝京大学のペーパーレス推進事例
学校法人 帝京大学は、紙の稟議書の電子化や全学的なIT基盤の統合を目的にワークフローシステム「AgileWorks」を導入。
決裁業務の効率化やガバナンスの強化を実現し、全学的なIT基盤統合も進められています。
ワークフローシステム導入前の課題
- 拠点ごとのシステム運用が異なり、IT基盤が統合されていない
- 紙の稟議書により、決裁業務で時間を要し、迅速な意思決定が阻害されている
- 決裁業務の共有化や検索・閲覧の煩雑さが、ガバナンス強化の妨げになっている
ペーパーレス化の効果
- 紙の稟議書のデジタル化による、決裁業務の効率化・迅速化
- 決裁業務のデータが一元化され、全体が可視化できた
清水建設株式会社のペーパーレス推進事例
清水建設株式会社は、ホワイトカラーイノベーション活動(ホワイトカラーの働き方を革新すること)の一環としてワークフローシステム「AgileWorks」を導入。
ペーパーレス化によるコスト削減や業務効率化に効果を実感されています。
ワークフローシステム導入前の課題
- 複数拠点にまたがる申請で、決裁までに時間がかかっていた
- 本社移転に伴い、紙の文書の削減が求められていた
- 帳票ごとに異なるシステム・ツールを利用していたため運用不可が高かった
ペーパーレス化の効果
- 文書の作成や承認・決裁が迅速化され、月1,200時間の作業工数が削減
- 3年間で段ボール約30箱分の保管スペースが削減され、保管・管理の手間も軽減
- 200種類以上の帳票をペーパーレス化し、システム上で一元管理を実現
ペーパーレス化に役立つITシステム・ツール
ワークフローシステム以外にも、ペーパーレス化に役立つITシステム・ツールが存在します。
次は、ペーパーレス化に役立つITシステムやツールとして以下の3点を紹介します。
- OCR/AI OCR
- 電子帳票システム
- 電子契約サービス
OCR/AI OCR
すでに保管している紙の文書をデータ化するのに役立つのが「OCR(オーシーアール)」です。
OCRとは、「Optical Character Recognition/Reader」の頭文字を取った言葉で、日本語では「光学的文字認識」と訳されます。
OCRを用いることで、スキャナやカメラで読み込んだ紙の文書を、PDFファイルなどに変換することが可能です。
読み込んだ文字はテキストデータとして扱うことができるため、業務システムへの入力工数を軽減したり、ファイル名や文書内の情報で検索することが可能になります。
また、AI技術と組み合わせた「AI OCR」も登場しており、手書き文字でもテキストデータに変換することができます。
電子帳票システム
企業間でやり取りする帳票のペーパーレス化に役立つのが「電子帳票システム」です。
電子帳票システムを用いることで、請求書や見積書などの対外的な文書をデータとして電子配信(Web上で送受信)することが可能になります。
社内文書のペーパーレス化に効果的なワークフローシステムと組み合わせることで、ペーパーレス化を大きく推進することができるでしょう。
電子契約サービス
電子契約サービスは契約手続きをWeb上で完結できるサービスで、契約書のペーパーレス化を推進することが可能です。
タイムスタンプや電子署名などの技術を用いることで、書面の契約書と同等の法的効力を担保することができます。
まとめ
今回は、ペーパーレスの基礎知識や現状、推進のためのポイントや成功事例についてご紹介しました。
ペーパーレス化は、業務効率化やコスト削減など多くのメリットが期待でき、環境保全の観点からも重要な取り組みだと言えます。
ペーパーレス化の推進を検討している企業は、まずはワークフローシステムで社内の業務手続きを電子化するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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ペーパレス化だけでは不十分!
ドキュメントDX(文書業務のデジタル化)が業務工数を大幅に削減
社内文書のペーパーレス化により業務効率や生産性を向上するためのポイントや役立つソリューションについてご紹介しています。
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