会社文書の保存期間は?保管期間別に文書の種類を紹介!
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業種・業界を問わず、会社では数多くの文書が扱われています。
文書の保管は整理の手間やスペースの確保が必要になるため、できることならば過去の文書を処分したいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、会社文書には適切な保存期間があり、知らずに処分してしまうと法律違反となってしまう可能性もあります。
そこで今回は、会社で扱う文書(書類)の保存期間について詳しくご紹介します。
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会社文書(書類)は法律で保存期間が定められている
会社で扱われる文書の多くは、会社法や法人税法をはじめとした各種法律で保存期間が定めれらています。
法律で定められた保存期間を満たさずに文書を廃棄してしまうと、過料が課せられるほか、企業としての信頼を失いかねません。
一方で、保存期間を過ぎた文書を廃棄せずに残していると、次第に保管スペースが圧迫されてしまい、文書の管理も難しくなります。
そのため、文書の種類ごとの保存期間を理解したうえで、適切なタイミングを見極めて廃棄する必要があります。
保存期間別に文書の種類を紹介

ここでは、保存期間別に主な会社文書の種類を確認していきましょう。
永久保存する必要がある文書
- 定款
- 株主名簿・新株予約権原簿・端株原簿・社債原簿・株券喪失登録簿
- 登記・訴訟に関する書類
- 官公署への許認可関係の届出書類および重要文書
- 社規・社則に関する通達文書
- 効力が永続する契約にまつわる文書
- 権利や財産に関する書類
- 製品開発・設計に関する重要文書
- 重要な人事に関する書類
- 労働組合との協定書
これらの文書は、法令により永久保存が義務付けられているわけではありませんが、文書の性質上、永久保存することが必要だと考えられています。このほか、株主総会や取締役会などの議事録や、稟議書・決裁文書などは法定の保存期間を超えて永久保存している企業が多くあります。
10年間保存する必要がある文書
- 株主総会議事録
- 取締役会議事録
- 重要会議記録
- 満期もしくは解約となった契約書
- 決算書
- 貸借対照表・損益計算書などの計算書類や附属明細書
- 総勘定元帳・各種補助簿などの会計帳簿や事業に関する重要書類
7年間保存する必要がある文書
- 仕訳帳・現金出納帳など取引に関する帳簿
- 決算に関連して作成された書類
- 領収書・預金通帳・手形控・振込通知書・請求書・契約書・見積書
- 扶養控除等(異動)申告書
- 源泉徴収簿
5年間保存する必要がある文書
- 従業員の身元保証書、契約書
- 産業廃棄物管理票
4年間保存する必要がある文書
- 雇用保険の被保険者に関する書類
3年保存する必要がある文書
- 労働者名簿
- 雇入れ・解雇・退職に関する書類
- 災害補償に関する書類
- 郵便物等の発受信簿
2年保存する必要がある文書
- 健康保険・厚生年金保険に関する書類
保存期間が定められていない文書の扱い
法律で保存期間が定められていない文書は、自社内で保存期間を決めて管理する必要があります。
保存期間を決定する際は、以下の観点から期間を検討してみるとよいでしょう。
- 業務を遂行する上での必要性
- トラブル・訴訟時に立証するための必要性
- 会社の歴史上の重要性
保存期間を過ぎた会社文書の廃棄方法

会社文書のなかには、個人情報や機密情報が記載されているものも少なくありません。
そのため、保存期間を過ぎた会社文書は適切な方法で廃棄する必要があります。
次は、保存期間を過ぎた会社文書の主な廃棄方法について見ていきましょう。
シュレッダーによる廃棄
会社文書の主な廃棄方法のひとつが、シュレッダーによる廃棄です。
文書が少量であれば、業者を使わずオフィス用のシュレッダーで処分することができます。一方、文書を大量に処分する場合、手間と時間が大きくなってしまいます。また、目の粗さによっては書類が復元されてしまう可能性があるため注意が必要です。
溶解処理による廃棄
業者に依頼して溶解処理を行う方法もあります。
段ボールに書類を詰めたまま回収してもらえるので、大量の文書であっても手間がかからないのがメリットです。
ただし、回収から溶解処理までの間に情報漏洩が発生するリスクがあるため、信頼できる業者を選ぶことが重要になります。
文書の電子化で保管が楽に!
会社文書は種類によって保存期間が異なり、長年にわたって保管しなければならない文書も少なくありません。
また、年々増えていく紙文書の保管スペースを確保しなければならず、廃棄するのにも手間・コストが発生してしまいます。
このような紙文書ならではの負担を軽減する方法が、文書の電子化です。
ペーパーレスの動きが活発化している昨今、会社文書を電子保管するための法整備が進んでおり、「e-文書法」(※1)や「電子帳簿保存法」(※2)の要件を満たしている場合には文書の電子保管することができます。
※1:e-文書法とは、2005年に施行された「文書の電子保存」について定めた2つの法律の総称。「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つを指す。(参照:e-文書法の施行について|高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)
※2:電子帳簿保存法とは、1998年に施行された「国税関係帳簿書類の電子保存」について定めた法律。(参照:電子帳簿保存法関係|国税庁)
文書の電子化にワークフローシステムを活用!
近年では稟議書や申請書などの各種文書を電子化して運用・保存できるワークフローシステムが多くの企業で導入されています。
ワークフローシステムを用いることで、各種文書をシステム上で一元管理することができ、文書保管の負担を大幅に軽減することができます。
一方で、書類を電子化した場合でも紙に印刷しなくてはならないシーンがあるのも事実です。
業務効率改善やコスト削減、ガバナンス強化などの観点からペーパーレスの推進は必要ですが、必要に応じてこれまでと同じように印刷ができるかどうかもワークフロー製品を選定する際のポイントとして覚えておくとよいでしょう。
会社文書を電子化し管理の効率化に成功した事例
株式会社明光商会様
稟議書や申請書などの決裁業務について、ワークフローシステム導入以前は複写式の専門用紙に手書きしていたという株式会社明光商会様。
決裁に時間がかかるだけではなく、書類の紛失や書類の進捗が把握できない、過去の決裁済みの処理を探すのに手間がかかるなど管理の面でも様々な課題を抱えていました。
ワークフローシステムを導入したことにより、書類をデータベースとして取り扱うことができるようになったため、決裁の迅速化に加え正確性や透明性、検索性が向上し、監査業務の効率化や会社全体としての内部統制の強化を実現しました。
まとめ
今回は、会社で扱う文書の保存期間についてご紹介しました。
普段何気なく扱っている文書であっても、知らずに廃棄してしまうと大きなトラブルに発展してしまう恐れがあります。
今回ご紹介した情報も参考に、会社文書の管理方法を見直してみてはいかがでしょうか。
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