内部統制とは?目的やメリット、成功事例をわかりやすく解説!
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企業が事業活動を行う上で欠かせない取り組みのひとつに、「内部統制」があります。
しかし、 「内部統制とは具体的にどういったものか」 「なぜ企業が取り組むべきなのか」 など、その内容については意外と知られていません。
そこで今回は、内部統制の意味や目的といった基礎知識から、内部統制強化に役立つシステムや成功事例まで、わかりやすくご紹介します。
内部統制について詳しく知りたい方や、内部統制強化に取り組む企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
IPOを目指す企業は必見!
強固な内部統制の構築にワークフローシステム
内部統制の基礎知識と強化する方法、効果について詳しく説明しています。
こんな人におすすめ
・自社の内部統制に課題がある。
・内部統制を構築・強化する方法が知りたい。
・成功事例を知りたい。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
内部統制とは?
内部統制とは「企業が健全かつ効率的に事業活動を行うために必要な仕組み」であるとともに「組織内の全従業員が遵守すべきルール」だと言えます。
まずは、内部統制の意味・定義や制度、コーポレートガバナンスとの違いなど、基本的な知識を確認していきましょう。
内部統制の意味・定義
金融庁が公表している「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」では、内部統制について以下のように定義されています。
内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。
上記の定義を見ると難解な印象を受けますが、先述したように内部統制とは「企業が健全かつ効率的に事業活動を行うために必要な仕組み」であり「組織内の全従業員が遵守すべきルール」と理解しておくとよいでしょう。
IPOで対応必須となる内部統制報告制度とは?
事業目標や経営目標を達成するためには、内部統制の強化はどの企業にとっても必要な取り組みといえます。
とくに、IPOを目指す企業においては、内部統制の構築は避けては通れない必須課題です。
なぜなら、内部統制は上場時の審査基準に含まれており、東京証券取引所が定める有価証券上場規程第207条でも「コーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制が適切に整備され、機能していること」が審査基準として挙げられています。
また、上場企業は金融商品取引法に定められている内部統制報告制度(J-SOX法)に対応する必要があります。
内部統制報告制度とは、上場企業に対して事業年度ごとに内部統制報告書の提出を義務付ける制度のこと。上場企業の経営者は、内部統制が有効に機能していることを自ら評価して「内部統制報告書」を作成し、公認会計士もしくは監査法人の監査を受ける必要があります。
このことから、IPO準備の段階から内部統制の構築に取り組み、上場後も内部統制の状況を評価・報告できるよう体制を整えておく必要があります。
内部統制とコーポレートガバナンスの違いは?
内部統制と混同しやすい用語に「コーポレートガバナンス(企業統制/企業統治)」があります。
コーポレートガバナンスは、企業経営において公正な判断や運営がなされているかを監視する仕組みを指します。
これは、企業は株主や投資家、取引先といったステークホルダー(利害関係者)に対して最大限の利益を還元すべきという考え方に基づいており、具体的には以下のような取り組みがコーポレートガバナンスに該当します。
- 取締役と執行役の分離
- 社外取締役の設置
- 社内規定の明確化など
「対外的な取り組みであるコーポレートガバナンス」と「対内的な取り組みである内部統制」という違いはあるものの、どちらも経営の透明性や財務報告の信頼性を担保するうえで必要不可欠な取り組みと言えるでしょう。
内部統制とコンプライアンスの違い
「コンプライアンス」もまた、内部統制と混同しやすい用語のひとつです。
コンプライアンスとは法令遵守を意味し、ビジネスにおいては法律はもちろんですが就業規則や企業倫理、社会的規範を守ることを意味します。
つまり、内部統制はコンプライアンスを徹底するための手段だと言えます。
内部統制の4つの目的
内部統制には、以下のように大きく4つの目的があります。
内部統制の目的
- 業務の有効性および効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令などの遵守
- 資産の保全
各目的について、その内容を詳しく見ていきましょう。
業務の有効性および効率性
内部統制を行う1つめの目的が「業務の有効性および効率性」です。
企業活動においては、「ヒト・モノ・カネ・情報」という4つの経営資源を有効活用することが非常に重要です。これらの経営資源を最大限活かせていない場合、業務効率が低下して経営状況を悪化させる要因となります。
企業が経営目標を達成するには、業務の有効性や効率性の改善は不可欠だと言えるでしょう。
財務報告の信頼性
内部統制の2つめの目的が「財務報告の信頼性」です。
財務報告は企業の経営状況を判断する上で欠かすことができない要素です。その財務報告において、粉飾決算や虚偽の記載が行われた場合、投資家や取引を行う金融機関、取引先企業などのステークホルダーに大きな損失を与えることになります。
反対に、財務報告の透明性が高ければ、ステークホルダーからの信頼獲得につながり、良好な関係性を築くことができるでしょう。
事業活動に関わる法令などの遵守
内部統制の3つめの目的は「事業活動に関わる法令などの遵守」です。
事業活動に限らず、あらゆる社会活動を行う上で法令遵守は欠かせません。
企業であれば、利益の追求だけに目を向け、法令遵守を怠った場合、社会的信用を失うだけでなく事業を継続することがままならなくなります。
事業活動を継続するためにも、法令遵守はもちろん、企業倫理の徹底も含めたコンプライアンス強化への取り組みは必須と言えるでしょう。
資産の保全
内部統制の4つめの目的は、「資産の保全」です。
企業は資本金という資産を元手として事業を行います。当然ではありますが、資産が尽きれば事業活動を継続することはできません。
経営状況を安定させて事業を継続するためには、資産の適切な管理・運用が不可欠であることは言うまでもないでしょう。
内部統制に欠かせない6つの構成要素
上に挙げた内部統制の4つの目的を実現するには、以下の6つの要素が必要になります。
内部統制の6要素
- 統制環境
- リスクの評価と対応
- 統制活動
- 情報と伝達
- モニタリング
- ITへの対応
それぞれの構成要素について詳しく見ていきましょう。
統制環境
「統制環境」とは、内部統制を遵守して適切に運用する環境を整えることであり、その他5つの要素の基盤とも言えます。
内部統制を実現するには、企業内のすべての従業員が内部統制の意義や目的を理解する必要があります。
そのためには、企業理念や経営方針、経営者の意向など、組織の根本的な気風を浸透させることも重要になるでしょう。
リスクの評価と対応
内部統制を実現するには、「リスクの評価と対応」、つまりリスクマネジメントが不可欠となります。
この「リスク」とは、内部統制の目的達成までの障壁・障害となり得る要因のこと。
内部統制の4つの目的を達成する上で、どういったリスクが存在するのかを把握し、分析・評価を行います。その上で、想定されるリスクに対応するためのプロセスを整備する必要があります。
統制活動
「統制活動」とは、組織としての決定事項を確実に遂行するための仕組みづくりを指します。
統制活動の具体的な取り組みとしては、職務権限や職責の整理・付与、職務の分掌、社内規定や業務マニュアルの作成・整備などが挙げられます。
情報と伝達
「情報と伝達」とは、社内外における情報伝達を適切に実行するためのプロセスを指します。
内部統制を実現するためには、必要な情報を然るべきタイミングで関係者へと伝達する必要があります。そして、従業員は伝達された情報を正しく識別・把握するとともに、その情報の扱い・処理についても理解する必要があります。
モニタリング
内部統制の構成要素として、「モニタリング(監視活動)」も挙げることができます。
内部統制はただ取り組むだけでなく、有効に機能しているかを継続的に監視し、評価および改善を行う必要があります。
モニタリングには、普段の業務のなかで行われる「日常的モニタリング」と、経営者や取締役会、監査役、内部監査部門などによって行われる「独立評価」の2つがあります。
ITへの対応
「ITへの対応」とは、事業活動に必要なIT技術を導入し、適切に整備・運用することを指します。
業種業界を問わず、現代社会においては効率的に業務を遂行するためにIT技術は不可欠です。また、内部統制に必要な上記5つの構成要素を機能させる上でも、IT技術は重要な役割を担います。
内部統制に関わる人物とその役割
次は、組織内の従業員がどのような形で内部統制に関わるのかを見ていきましょう。
経営者
経営者は、内部統制が適切に機能するように整備・運用を行い、代表者として内部統制報告書を提出する義務があります。
取締役会
取締役会は、内部統制の基本方針決定に携わり、内部統制の整備・運用を監視する責任を持ちます。
監査役・監査委員会
監査役・監査委員会は、取締役や執行役の職務を監査する一環として、独立した立場から内部統制を監査・評価を行います。
内部監査人
内部監査人は、組織の内部から内部統制の整備・運用状況の評価を行います。
組織から独立した立場の監査役と、組織内から評価を行う内部監査人という2つの視点から、組織の内部統制を監査します。
全従業員
内部統制は社内のあらゆる業務に組み込まれるものであり、全従業員が遵守・遂行するルールです。
そのため、正社員はもちろん、パート・アルバイトで働く従業員や派遣社員など、組織内のすべての従業員が当事者意識を持つ必要があります。
内部統制の3点セットとは?
※出典元:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)
内部統制に取り組む際、「内部統制の3点セット」という言葉がしばしば登場します。
内部統制の3点セットとは、以下のことを指します。
内部統制の3点セット
- 業務記述書
- フローチャート
- リスク・コントロール・マトリックス(RCM)
これらの3点セットは、内部統制の状況や課題の把握に役立つため、内部統制報告制度(J-SOX法)の対象企業をはじめとした多くの企業が作成しています。
内部統制3点セットについて、確認してみましょう。
業務記述書
業務記述書は業務内容を記述した書類のことで、業務の流れを整理し、各工程で「誰が」「何を」「どのように行うのか」を記述します。
業務の一連の流れのなかで行われる作業の詳細や、リスクとなり得る工程、担当者の業務理解度などを把握するのに役立ちます。
フローチャート
業務記述書が業務内容を文章化したものであるのに対し、フローチャートは図を使って可視化したものです。
部門ごとの業務の流れを可視化することで、組織全体の業務の流れの全体像を把握するのに役立ちます。
リスク・コントロール・マトリックス(RCM)
リスク・コントロール・マトリックス(RCM)は、業務記述書やフローチャートの作成で把握したリスクと、そのリスクへの対応を一覧にした表です。
リスク・コントロール・マトリックス(RCM)を作成することで、どの程度リスクをコントロールできているのか、内部統制の有効性を把握するのに役立ちます。
内部統制の構築手順
次は、内部統制を構築する際の大まかな流れ・手順を見ていきましょう。
基本的計画及び方針の決定
内部統制の基本方針は、取締役会で決定することが会社法によって定められています。
経営者は、取締役会で決定した基本方針に、組織全体および部署・業務といった各単位で実行するための基本的計画および方針を策定します。
整備状況の把握
内部統制の基本的計画および方針が決定したら、内部統制の整備状況を確認・把握し、その結果を記録・保存します。
この際、フロー図などを活用して整備状況を可視化することで、内部統制の有効性を評価することができます。
不備への対応および是正
整備状況を把握する過程で発見した不備に対し、適切な対応を図ります。
経営者および各業務プロセスの責任者は、内部統制の基本的計画および方針に基づいて、不備の是正措置を講じます。
内部統制の報告
把握した整備状況および是正内容を踏まえ、経営者が評価内容をまとめて内部統制報告書を作成します。
作成した報告書を監査人が確認し、内部統制監査を行ったうえで提出します。
内部統制を行うメリット
内部統制の取り組みは、企業や従業員にとって多くのメリットをもたらします。
次に、内部統制に取り組むメリットについて見ていきましょう。
内部統制を行うメリット
- 業務の可視化・効率化
- 財務状況の可視化
- 社内ルールやガイドラインの整備
- 社員のモチベーション向上
- 企業の社会的信用の獲得
業務の可視化・効率化
内部統制に取り組むと、業務内容や手順を洗い出すことになるため、必然的にワークフローが可視化されます。
ワークフローが可視化されることで、今まで気づかなかった非効率な業務やボトルネックになっている業務を把握・分析できるようになり、業務効率の改善にもつなげることができます。
財務状況の可視化
内部統制に取り組むことで、財務状況の可視化にもつながります。
事業活動の根幹である財務状況を適切に把握することで、精度の高い経営判断が可能になるでしょう。
社内ルールやガイドラインの整備
内部統制を行うことで、社内ルールやガイドラインの整備が進みます。
社内ルール・ガイドラインが全社的に浸透することで、コンプライアンスの向上および不正・セキュリティリスクの防止につながります。
社員のモチベーション向上
業務の効率化が進み、守るべきルールも明確化されることで、従業員にとってはより働きやすい環境となります。
また、適正に評価される体制が構築されることで、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
企業の社会的信用の獲得
内部統制に取り組み、財務状況の透明性やコンプライアンスが向上することで、社会的信用の獲得にもつながります。
その結果、企業価値が向上し、資金調達や企業取引、採用活動などもより円滑に行うことができるでしょう。
内部統制構築のカギを握るバックオフィス部門
「内部統制に関わる人物とその役割」の章で、組織内のすべての従業員が内部統制に関わるとお伝えしました。
なかでも強固な内部統制構築のカギを握るのが、バックオフィス部門です。
バックオフィスに該当する部門
- 経理・財務…会計業務や予算管理、資産運用など
- 人事・労務…採用や人事異動、労働管理など
- 法務…契約業務や法令対応など
- 総務…設備・備品等の資産管理や社内規定の整備、社内行事の運営など
- 情報システム…基幹システムの運用・保守や、セキュリティ対策など
ここで改めて、内部統制の4つの目的を振り返ってみましょう。
内部統制の目的
- 業務の有効性および効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令などの遵守
- 資産の保全
いずれの目的もバックオフィス部門なくして達成することはできないと言えるでしょう。
そのため、内部統制の取り組みを加速するためにも、バックオフィス業務の効率化が非常に重要になります。
内部統制強化にワークフローシステムが役立つ理由
バックオフィス業務を効率化し、強固な内部統制を実現するには、ワークフローシステムの導入が効果的です。
ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請や稟議などの手続きを電子化できるシステムのこと。
次は、ワークフローシステムが内部統制の強化に役立つ理由について見ていきましょう。
ワークフローシステムのメリット
- 業務手続きを仕組み化・見える化
- 人為的なミスや不正の防止
- 証跡管理が容易で監査効率も改善
業務手続きを仕組み化・見える化
ワークフローシステムを導入することで、社内で行われる各種申請手続きをシステム上で一元管理することができます。
申請の種類や内容に応じて承認ルートを設定・自動判別することができるため、適切なプロセスで迅速に申請・承認・決裁を遂行できるでしょう。
また、承認状況はシステム上で確認することができ、確認や承認が滞っている場合には通知して確認を促すことも可能です。
このように、ワークフローシステムを導入が、業務手続きの仕組み化・見える化につながります。
人為的なミスや不正の防止
ワークフローシステムは、人為的なミスや不正の防止に有効です。
ワークフローシステムは、申請の種類や内容によって適切な申請フォーマットを選択することができ、入力内容の抜け漏れなどもチェック可能です。
また、文書の閲覧権限を設定できるため、情報漏洩や文書改ざんなどの対策にもなります。
証跡管理が容易で監査効率も改善
ワークフローシステムで申請・決裁された各種文書は、データとしてシステムに保存され、「いつ」「誰が」「何を」決裁したのかという証跡が残ります。
過去の文書・資料を検索することも可能なので、証跡管理が容易になり、監査効率の改善にもつながるでしょう。
コスト削減・業務効率化の実績多数!
ワークフローシステムの導入効果を徹底解説
ワークフロー運用後の具体的な効果について、導入企業様の実際の声を基に数値でまとめたレポートです。
こんな人におすすめ
・導入事例を知りたい。
・ワークフローの導入効果を具体的に知りたい。
・ワークフローの導入を検討している
注目を集める「TOKYO PRO Market(TPM)」と上場支援の取り組み
先述の通り、内部統制の強化は上場準備の観点からも必要不可欠です。
しかし、2022年4月の東京証券取引所の市場再編(※1)によって上場基準が見直され、スタートアップ・新興企業の新規上場ハードルが高くなることが懸念されています。
※東京証券取引所は、2022年4月に既存の4市場(東証一部・二部・JASDAQ・マザーズ)を廃止し、新たに3市場(プライム・スタンダード・グロース)を開設・再編することを発表。
そうしたなか、新興企業の上場の場として注目を集めているのが「TOKYO PRO Market(通称TPM)」です。
次は、TOKYO PRO Market(TPM)の概要と、「ワークフロー×J-Adviser」による内部統制強化およびTPM上場支援の取り組みについてご紹介します。
TOKYO PRO Market(TPM)とは?
TOKYO PRO Market(TPM)とは、2009年に東京証券取引所が開設したプロ投資家向けの市場を指します。
一般市場よりも上場基準が柔軟であり、「J-Adviser制度」が導入されている点が特徴です。
J-Adviser(主幹事証券)とは、上場を希望する企業の上場適格性を評価するとともに、上場までの過程において助言・指導を行う証券会社のこと。
TPMでの上場を目指す企業は、証券会社とJ-Adviser契約を結び上場準備を行います。
一般市場においては上場までに通常3~4年程度の期間がかかりますが、TPMでは約2年という短期間での上場が可能です。
TPMでの新規上場の流れ
- J-Adviser契約の申込・締結
- 上場準備(約1.5年)
- 上場審査(約3か月)
- 上場申請(約3か月)
「ワークフロー×J-Adviser」で内部統制強化・上場準備を支援
2022年4月の市場再編に伴い注目度が増しているTPMですが、新規上場にあたっては上場審査をクリアできるレベルの内部統制の整備が必要です。そして、組織として急速に成長する新興企業においては、内部統制を含む社内管理体制の整備が課題となるケースが珍しくありません。
このような背景から、株式会社エイトレッド(以下、エイトレッド)とフィリップ証券株式会社(以下、フィリップ証券)の2社では、新興企業向けに内部統制強化およびTPMでの新規上場を支援する取り組みを開始しています。
エイトレッドは、ワークフロークラウド分野で大きなシェアを持ち、ワークフローからはじめるファーストDX を推進しています。
一方のフィリップ証券はTPM の担当J-Adviser として圧倒的なシェアとノウハウを有する証券会社です。
2021年7月、ワークフローによる内部統制DXのノウハウを持つエイトレッドと、J-Adviserとしての豊富な実績を持つフィリップ証券が業務提携を発表。
2社が持つノウハウのコラボレーションにより、IPOを目指す新興企業の内部統制強化および上場準備をサポートしています。
ワークフローシステムで内部統制を強化した事例
次は、シリーズ累計4,000社以上に導入されているエイトレッドのワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」を導入して内部統制強化に成功した事例をご紹介します。
【国内シェアNo.1のクラウド型ワークフローシステム】
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琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社の事例
プロスポーツチームの運営をはじめとしたスポーツ関連事業を展開する琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社(以下、琉球アスティーダ)は、IPOに向けた内部統制強化の取り組みとしてワークフローシステムを導入。
システム導入前は、人員不足による業務ミスが多く、業務手順が定型化されていないなどの問題を抱えていました。
ワークフローシステムの導入により業務プロセスがデジタル化し、ミスの軽減や業務フローの標準化を実現。
また、フィリップ証券が担当J-Adviserとして琉球アスティーダのIPO準備に携わり、2021年3月にTPMで株式上場を果たしています。
さらに現在は、株式会社エイトレッドとともに、全国の地域企業やスポーツ関連企業の上場支援の取り組みを始めています。
アルコニックス株式会社の事例
非鉄金属の輸入・販売を手掛けるアルコニックス株式会社は、「X-point Cloud」を導入してグループ全体の業務効率化と内部統制強化を実現しました。
国内グループ17法人、海外に12法人15拠点を展開する同社ですが、グループの急拡大に伴いアナログな申請業務の負担が増大化していました。
従業員数が増えるにつれて申請業務に用いる紙の利用量が増加していたほか、グループ各社の申請業務のフローや決裁権限、申請書フォーマットが異なっており、内部統制の観点でも課題となっていました。
そこで同社は、ペーパーレス化に向けた取り組みに着手。社内の文書管理の見直しとともに、ワークフローシステムの比較検討を開始しました。
製品選定にあたっては、ユーザービリティの高さや馴染みやすいUI、すでに導入していたグループウェア「サイボウズ Garoon」とスムーズに連携できる点が決め手となり、「X-point Cloud」の導入に至りました。
現在、グループ17社、約40の部署で「X-point Cloud」が利用されており、60種類以上の申請書が電子化されています。
本社オフィスのキャビネットの数が減り、申請業務に要していた期間が従来の3分の1まで短縮されました。
また、グループ各社でばらついていた業務フローや決裁権限などが統一され、グループ経営における内部統制強化を実現しています。
株式会社 日進製作所の事例
自動車部品・工作機械メーカーの株式会社 日進製作所は、「X-point Cloud」を導入して複数拠点をまたぐ申請業務の改善を実現しました。
同社は京都に3か所、兵庫に1か所の生産拠点を構えるほか、東京と大阪、名古屋に営業所を展開しています。
各拠点をまたぐ申請業務は紙ベースで行われており、業務の停滞を招く要因となっていたほか、承認フローや記載内容の統制についても課題となっていました。
そこで同社は、業務効率化と内部統制強化を目的にワークフローシステムの導入を検討開始。製品選定にあたっては、機能の拡張性と操作性に優れていることを評価し、「X-point Cloud」の導入を決定しました。
現在、同社では約700名の社員が「X-point Cloud」を利用しており、32種類の申請書のデジタル化を実現。
これまでに1万件以上の申請を「X-point Cloud」で処理しており、同社の試算によれば経費削減効果は年間約540万円、申請業務に付随する作業の加味すると経費削減効果は年間約650万円にものぼります。
※キャプチャまた、「X-point Cloud」の導入後は申請業務が適正な形に改善され、監査リスクの低減にも効果を実感するなど、内部統制強化にもつながっています。
株式会社ニーズウェルの事例
金融系システム開発をはじめとした各種ソリューションを提供する株式会社ニーズウェルは、紙文書による各種手続き・管理の問題を解消するためにワークフローシステム「X-point」を導入しました。
ワークフローシステム導入により、稟議をはじめとした各種申請手続きの電子化を実現。
決裁スピードの向上やSDGsへの意識が高まったほか、業務フローの可視化・精査や整理が可能になり、内部統制の強化にも役立てられています。
ブックオフコーポレーション株式会社の事例
中古本販売チェーン「BOOKOFF(ブックオフ)」を展開するブックオフコーポレーション株式会社は、生産性向上と内部統制強化を目的にワークフローシステム「X-point」を導入。
FAXや表計算ソフトで行っていた各種申請業務を電子化したことで、情報漏洩などのセキュリティ対策、決裁処理のミスや無駄の削減を実現。
過去の文書を検索・出力することができるため、監査時の対応も効率化しています。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の事例
日本を代表するSIerである伊藤忠テクノソリューションズ株式会社は、経営統合に伴う申請・承認業務の煩雑化解消を目的にワークフローシステム「AgileWorks」を導入しました。
導入から7か月で約43,000時間の業務時間短縮と約56,000枚の用紙を削減。現在は約300種の申請書を電子化するなど、ペーパーレス化を実現しています。
申請手続きの電子化により内部統制が強化されたほか、コロナ禍におけるリモートワークにも迅速に対応するなど、大きな効果を実感されています。
UiPath株式会社の事例
世界に40以上の拠点を持ち、RPA市場を牽引するUiPath株式会社は、内部統制強化の一環としてワークフローシステム「X-point」を導入。
導入前、組織が急速に拡大するなか、メールなどで行っていた申請・承認業務の負荷が大きくなっていました。
ワークフローシステムで申請・承認業務を電子化したことで、管理体制の一元化を実現。正確な証跡管理を実現するなど内部統制の強化につながっています。
まとめ
今回は、内部統制の意義や目的、内部統制に役立つシステムや成功事例をご紹介しました。
内部統制はIPOを目指す企業はもちろん、すべての企業にとって必要な取り組みです。
内部統制に課題を感じている企業は、今回ご紹介した情報も参考に、ワークフローシステム導入から内部統制強化の取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
もっと知りたい!
続けてお読みください
IPOを目指す企業は必見!
強固な内部統制の構築にワークフローシステム
内部統制の基礎知識と強化する方法、効果について詳しく説明しています。
こんな人におすすめ
・自社の内部統制に課題がある。
・内部統制を構築・強化する方法が知りたい。
・成功事例を知りたい。
「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。