効率的かつ効果的なクレーム管理を実現する方法とは~ポイントや役立つシステムをご紹介
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業種・業界を問わず、職務に従事していると「クレーム」に対応しなければならないシーンに出くわすこともあるのではないでしょうか。
クレーム対応は、提供する製品やサービスに対して何らかの不満を持った顧客の対応をすることになるため、細心の注意を払わなければならなかったり、場合によっては多大な時間を要する可能性もあり、少なからず担当者のストレスにつながってしまいます。
しかし、「クレーム」とは、言い換えるなら顧客との大切な接点であり、サービス向上のための貴重なヒントであるため(中には理不尽なものもあるかもしれませんが)、クレームを適切に管理することで、クレーム対応の負担を軽減すると同時に、サービスや顧客満足度の向上につながります。
そこで今回のコラムでは、 「クレーム管理が重要なのは知っているけど、何をどうはじめていいのか分からない」 「クレーム管理を実施しているが時間と工数がかかっている」 「クレームは回答だけして完了している」 という方に向けて、クレーム管理を適切かつ効率的に行い、クレームをサービスや顧客満足度向上の糧とするために方法について説明します。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
クレーム管理はなぜ重要なのか
それでは、まずクレーム管理がなぜ重要なのかについてみてみましょう。
顧客のフィードバックを収集できる
前述にあるように、クレームは顧客からの貴重な意見です。
そのため、単純に対応だけして完了するのではなく、顧客からヒアリングした内容を、ナレッジとして社内共有することで、サービスの向上や新製品の開発などに役立てることができます。
顧客満足度の向上/企業イメージの保護
クレームを管理し、クレーム対応のルールを体系化しておくことで、誰が担当しても適切にクレーム対応することができるようになります。
適切なクレーム対応は、顧客の不満を一転させ、企業や製品への信頼へとつながります。
しかしその一方、対応の仕方を間違えると、一気に信頼を失ってしまいます。
1度失った信頼を回復するのは困難なうえ、昨今ではSNSや口コミサイトも普及しているため、企業に対する悪いイメージがお客様本人以外にも広く波及してしまう恐れがあります。
このような事態を回避するためにも、クレームを適切に管理し、対応の仕方をマニュアル化しておく必要があるといえます。
クレーム対応の負荷を軽減
クレーム管理を適切に行い、クレーム対応をマニュアル化しておくことは、クレーム対応の負担を軽減することにもつながります。
例えば、問題があったときにどうすればいいのか分からず処理が長引いてしまったり、個人で誤った判断をして無駄なトラブルを引き起こすといったリスクを回避することができます。
クレーム管理の手順
クレーム管理の重要性について分かったところで、次はクレーム管理の手順について説明します。
正しくクレーム管理を行うには次の5つのステップを踏む必要があります。
- クレームの収集
- クレームの分類
- 解決と報告
- クレームの文書化
- フィードバックと改善
1.クレームの収集
クレームの収集の際に重要になるのは、顧客が抱える不満を、「最初に」伝えてもらうことです。
前述にもあるように、万が一、先にSNSや口コミサイトに不満を吐露されてしまうと世間に企業や製品・サービスの悪いイメージが先行してしまう恐れがあります。
そのため、このような事態を回避するためにも、電話、メール、ウェブフォーム、SNS、顧客フィードバックフォームなど、複数のクレーム収集チャネルを用意し、できるだけ簡単にコメントできるようにしておく必要があります。
2.クレームの分類
クレームを収集したら、次はクレーム内容を記録・分類することで、どの部門や担当者がクレームを処理するかを決定します。
適切にクレームを分けることで、緊急性の高いクレームに優先的に対処するなどクレーム対応の効率化が見込めます。
3.解決と報告
担当部署とクレームの共有ができたら、、クレームに関連する部門や担当者と連携して調査を行い、顧客に対して結果や解決策を報告します。
また、クレームに対して何の報告もないと顧客の不信感につながりかねないので、解決策の提示までに時間を要する場合は、クレームの進捗状況を追跡モニタリングできるようにしておき、顧客に対して状況を定期的に通知し、透明性を提供できるとなおいいでしょう。
4.クレームの文書化
クレーム対応のステップを詳細に記録し、文書化しておくことで、後から問題の特定や改善が行いやすくなります。
5.フィードバックと改善
4.の記録をもとに、どこに課題があったのかなどを詳しく検証し、将来的なクレームの低減や、サービス・製品の品質向上につなげましょう。
適切なクレーム管理の要は情報共有にあり
前述からもわかるように、適切なクレーム管理を実施するためには、何よりも情報共有が重要になります。
・正確な情報を共有する ・迅速に情報を共有する ・安全に情報を共有する
正確な情報を共有する
適切なクレーム管理を行うには、クレームについての正確な情報を、関係者各位に共有する必要があります。
なお、クレームの詳細について社内で情報共有する場合、必須項目をテンプレート化した「クレーム報告書」などを活用することで、情報の抜け漏れを防ぐことができます。
クレーム報告書の必須項目
- ・受付日
- ・担当者名
- ・発生日時
- ・発生場所
- ・お客様の情報(氏名・連絡先・メールアドレスなど)
- ・クレームの詳細
- ・発生原因
- ・対応
- ・再発予防策
迅速に情報を共有する
クレームの対応が遅れると、顧客の不満がより一層深まり、不信感につながってしまいます。
そのため、クレームの詳細を、担当部署に速やかに共有するのはもちろんのこと、現場の担当者が簡単にマニュアルや過去のケースにアクセスできるような体制を整えておく必要があります。
安全に情報を共有する
クレームにはお客様の個人情報など、取り扱いに注意が必要な情報が含まれていることが多々あります。そのため、閲覧権限を制限するなど安全に情報を共有できるような環境を整備する必要があります。
クレーム管理の方法
クレーム管理を行う一般的な方法として、Excelで管理する方法とクレーム管理システムなど専用のシステムを使って管理する方法の2種類が挙げられます。
Excelでクレーム管理を行う場合、情報の抜け漏れや記入ミスが発生しやすい、情報共有の手段がメール、クレーム処理の進捗をリアルタイムで確認できない、ナレッジへのアクセスが容易でない、閲覧権限の制限が困難など、情報共有の正確性・迅速性・安全性のいずれにおいても問題があるうえに、作業効率が非常に悪くなってしまいます。
一方、クレーム管理システムを導入すれば、オンライン上でクレームの一元管理が可能になるため、上記で挙げたExcelによる管理の課題を解決することができます。
クレーム管理をワークフローシステムで行うのも一手
クレーム管理システムを導入することで、たしかにクレーム管理は効率化できますが、用途が限定されるうえに、コストが大きくなることも少なくなく、導入が難しくなってしまうことも考えられます。
そこで、このような場合におすすめしたいのが、ワークフローシステムです。
ワークフローシステムとは、稟議をはじめとした業務手続きを電子化するシステムで、比較的コストを抑えながら、より幅広い業務で活用することができます。
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ワークフローシステムでクレーム管理が効率化できる理由
1.正確・迅速・安全な情報共有ができる
ワークフローシステムを導入することで、クレーム報告書の作成および回付をオンライン上で行うことができるため、紙やメールでの回付に比べて情報の伝達スピードが各段にアップします。
また、製品によっては、閲覧の権限を細かく設定したり、入力補助のサポート機能が充実しているものもあるため、正確で安全な情報共有や業務の効率化にも役立ちます。
2.ナレッジの蓄積ができる
ワークフローシステムを導入することで、クレーム報告書をオンライン上に保管しておくことができます。
そのため、現場担当者はもちろんのこと、経営層やマネジメント部門も、どこからでもリアルタイムでクレームの情報にアクセスすることができます。
また、自動的に蓄積されたクレームの情報は、マニュアル作成に役立てたり、データとして2次利用することでボトルネックの洗い出しやサービス向上につなげることができます。
3.クレーム管理以外の業務も効率化できる
申請・承認といった業務手続きは、部門・部署を問わず発生します。
そのため、ワークフローシステムは、企業の一部門や限られた人ではなく、全社での活用が可能になるため、クレーム管理に特化したシステムよりも、幅広い業務で役立てることができます。
また、昨今の製品は、連携性に優れたものも多く、グループウェアや経費精算システム、勤怠管理システムなどと連携して活用することで、生産性や業務効率の向上に役立てることができます。
クレーム管理におすすめのワークフローシステム
X-point Cloud
企業戦略における品質向上を考える際、重要な指標となるもののひとつがユーザーやクライアントなどの顧客から寄せられる「クレーム」です。スムーズな改善を行なっていくためには、現場で実際に起こっている事実をリアルタイムで把握できるような仕組み作りが必要不可欠です。
こんなご要望を実現できます!
・クレーム対応シートを全店舗共通にしたい
・サービス品質向上のために対応マニュアルを強化したい
・クレームを集計しデータとして活用したい
まとめ
本日はクレーム管理の効率化についてまとめてみました。
ワークフローシステムは、クレーム管理を効率化するだけではなく、クレームをサービス向上や新商品開発の糧とすることができるツールです。
導入することで、これまで気の重かったクレーム対応を前向きに捉えられるようになるのではないでしょうか。
クレーム管理のシステムを導入したいけど予算がとりにくい Excelでのクレーム管理に限界を感じている
という人はぜひ今一度ワークフローシステムの導入をご検討いただければと思います。
「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。