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目標管理(MBO)とは?意味やメリット、効率的な運用方法を解説!

目標管理(MBO)とは?意味やメリット、効率的な運用方法を解説!

ビジネスシーンにはさまざまなマネジメント手法が存在しますが、なかでも多くの企業で取り入れられている手法のひとつが「目標管理(MBO)」です。

一方で、
「目標管理(MBO)とは?」
「目標管理を行うメリット・デメリットは?」
「目標管理の手順や効率化する方法は?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、目標管理の意味やメリット・デメリット、手順や効率化を実現するソリューションを紹介します。

目標管理制度の導入を検討している企業や運用効率に課題を感じている企業は、ぜひ参考にしてみてください。

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目標管理(MBO)とは?

目標管理(MBO)とは?

目標管理とは、社員が自ら目標を設定し、その進捗や達成までのプロセスを管理することであり、「MBO(Management by Objectives)」とも呼ばれます。

この目標管理(MBO)は、アメリカの経営学者であるピーター・ドラッカーが1950年代に提唱したもので、日本においては1990年代後半頃から主に人事評価の一手法として定着しはじめました。しかし厳密には、目標管理(MBO)はあくまでマネジメント手法であり、人事評価のためだけの手法ではありません。

社員一人ひとりが目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを通じて社員のパフォーマンスやモチベーション、スキルの向上を促進したり、最終的に組織の成長に貢献することが目標管理の主な目的です。

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OKRとの違いは?

目標管理(MBO)と混同しやすいキーワードに、「OKR」があります。

OKRとは、「Objectives and Key Results」の頭文字を取った略語で、日本語では「目標と主要な結果」と訳されます。

MBOとOKRはどちらもマネジメント手法であり、組織と社員で目標を共通化する点は同様です。

両者の異なる点としては、目標の共有範囲を挙げることができます。MBOは社員が設定した目標を上司と共有するケースが一般的ですが、OKRでは個人の目標を組織全員で共有するのが特徴です。

目標管理が注目を集める背景

目標管理が日本に浸透し始めた背景には、成果主義の導入があります。

1990年代のバブル崩壊を機に、国内では仕事の成果を評価基準とする成果主義を取り入れる企業が増加しました。そうしたなか、個人の仕事の成果を評価する手法として注目を集めたのが、ドラッカーが提唱したMBOでした。

また近年では、企業がステークホルダーに開示すべき情報量が増加し、今まで以上に厳しい目標達成が企業に求められています。中長期的に組織を成長させていくためには、戦略的な人材育成や組織構築が不可欠であり、その点からも目標管理の重要性が見直されつつあります。

目標管理(MBO)を行うメリット・デメリット

目標管理(MBO)を行うメリット・デメリット

次は、目標管理を行うことのメリット・デメリットについて確認していきましょう。

目標管理のメリット

目標管理を行う主なメリットとして、以下の3点を挙げることができます。

目標管理のメリット

  • 組織と社員の方向性をすり合わせできる
  • 社員の成長・育成につなげられる
  • 人事評価の効率性・透明性を高められる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

組織と社員の方向性をすり合わせられる

目標管理においては、組織としての経営理念・事業戦略に紐づく形で社員一人ひとりが目標を設定します。

そのため、目標設定を行う過程で組織と社員の間で目指すべき方向性をすり合わせることができ、組織全体に経営理念・事業戦略を浸透させることができます。

社員の成長・育成につなげられる

目標管理を実施することで、社員の成長・育成につなげることができます。

社員が自ら目標を設定し、達成に向けて取り組むことで主体性を育むことができ、やるべきことが明確化されることでモチベーションのアップも期待できます。

人事評価の効率性・透明性を高められる

目標管理に取り組むことで、人事評価の効率性や透明性を高めることも可能です。

目標管理では、目標や期限が明確に定められるため、達成度合いを定量的に評価しやすくなります。また、社員にとっては自ら設定した目標に対する達成度合いで評価されるため、納得感も得やすいでしょう。

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目標管理のデメリット・課題

さまざまなメリットが期待できる目標管理ですが、注意すべきデメリット・課題も存在します。

目標管理のデメリット・課題

  • 定量的な目標設定が難しい職種もある
  • 協調性が損なわれる可能性がある

では、目標管理で注意すべき点について確認していきましょう。

定量的な目標設定が難しい職種もある

職種によっては、目標を立てづらいケースが存在します。

たとえば、営業職などのフロントオフィス部門であれば、商談件数や売上金額など定量的な目標を立てやすいと言えます。一方でバックオフィス部門(間接部門)においては、定量的な目標を設定しづらい場合があります。

そのような場合であっても、達成度合いをできるだけ定量的に測れるような目標を立てることが大切です。

協調性が損なわれる可能性がある

目標管理の課題として、社員間の協調性が損なわれてしまう可能性が挙げられます。

目標管理だけを人事評価の基準にしてしまうと、個人の目標達成だけに固執しやすくなり、社員間のチームワークが低下してしまうケースがあります。

そのような事態を防ぐためにも、個人の目標管理だけでなくチームでの目標を設定したり、多角的な人事評価を行うことが重要です。

目標管理(MBO)の大まかな手順

目標管理の手順

次に、目標管理(MBO)を実施する際の大まかな手順を見ていきましょう。

  1. 組織目標とリンクする個人目標を設定
  2. 目標達成までの計画を立てる
  3. 目標達成に向けた計画の実行
  4. 評価と振り返り

組織目標とリンクする個人目標を設定

まずは、組織目標に紐づいた個人目標を設定します。そのためにも、組織としての方針や戦略を明確にし、全社員に周知しておく必要があります。

そのうえで、組織の目標を達成するために個人が果たすべき役割を検討し、定量的に測定可能な目標を設定します。

目標達成までの計画を立てる

個人目標が決まったら、目標達成までの計画を立てていきます。

どのような手段で目標達成を目指すのか、期日から逆算して計画を立てましょう。

この際、Excelや専用システムなどで目標管理シートを作成し、上司の確認および承認を得るのが一般的です。

目標達成に向けた計画の実行

目標と計画を設定したら、達成に向けて行動を起こします。

定期的に目標管理シートを確認するとともに、上司との面談等を実施し、進捗状況や達成度合いを確認しながら行動します。

評価と振り返り

目標達成の期日を迎えたら、評価と振り返りを行います。

本人による自己評価と上司による客観的評価を行い、設定した目標に対しての達成度合いを導き出します。

また、達成・未達成を問わず、良かった点や改善すべき点を振り返り、次の目標設定に活かしていくことも大切です。

目標管理(MBO)でよくある課題

目標管理を行うにあたり、まずはExcelなどで作成した管理シートで運用を開始する企業は多いことでしょう。しかし、Excelでの目標管理にはいくつかの課題が存在します。

たとえば、Excelの目標管理シートはフォーマットの一元化が難しいというデメリットがあります。各自が自分のPC内にファイルを保存して管理シートに入力するため、形式がバラバラになりやすく、人によっては旧バージョンを利用しているという状況も発生しがちです。また、各自で目標管理シートを保存することになるため、上司による承認後に入力内容の変更・削除が行われてしまう可能性も否定できません。

さらに、Excelで作成した目標管理シートを印刷して回覧・承認を行うフローの場合、回覧途中での紛失や承認者不在による遅延なども起こりやすくなります。

このように、Excelを使った目標管理は、運用時の業務負担が大きくなりがちで、セキュリティの観点でもリスクが懸念されます。

また、Excelや紙媒体での目標管理の課題を解消する方法として、目標管理システムや目標管理機能が付属している人事管理システムなどの導入を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

たしかに、目標管理システムや人事管理システムを利用することで、Excelや紙媒体よりも効率的に目標管理を行うことができるでしょう。しかし、目標管理システムや人事管理システムは用途が限定的であり、導入・運用コストがネックになりがちです。

そこでおすすめしたいのが、この後に紹介するワークフローシステムの活用です。

ワークフローシステムが目標管理に役立つ理由

ワークフローシステムで目標管理を効率化

ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請や稟議といった手続きを電子化するツールのことで、目標管理にも役立てることが可能です。

次は、ワークフローシステムが目標管理に役立つ理由を見ていきましょう。


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目標管理をシステム上で運用可能

ワークフローシステムを活用することで、目標管理をシステム上で行うことが可能です。

ワークフローシステムにはフォーム設計ツールが備わっているので、自社で運用している目標管理シートの様式を再現したり、新たにフォームを作成したりすることが可能です。製品によっては、目標管理に使えるテンプレートが用意されている場合もあります。

また、ワークフローシステムは承認ルートを柔軟に設定することができ、提出期限の管理や確認・承認状況のチェックも行えます。

そのため、目標管理シートの作成・提出から承認・フィードバックまでワークフローシステム上で完結することができるでしょう。

目標管理だけでなく多様な手続きを電子化

目標管理に留まらず、ワークフローシステムは社内で行われるあらゆる手続きを電子化することができます。

ワークフローシステムを利用することで社内業務のペーパーレス化が進み、紙ベースの業務で発生していたムダや非効率を解消できるでしょう。

また、ワークフローシステムはPCなどのデバイス上で申請・承認・決裁を完結できるため、紙ベースの業務で発生する時間や場所の制約がありません。そのため、テレワークをはじめとした柔軟な働き方にも対応することが可能です。

外部システム・ツールとの連携で機能を拡張

ワークフローシステムは、外部システム・ツールと連携することで機能を拡張していける点も特徴です。

人事・労務システムや給与管理システムといった業務システムと連携することで、各システムで行っていた入力作業を省力化したり、RPAと組み合わせて転記作業を自動化したりすることも可能です。

また、各システムで行っていた申請作業をワークフローシステムに集約することができるので、各部門で導入しているシステム・ツールを統合する基盤としても活用することができます。

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ワークフローシステムで目標管理を効率化を実現した事例

最後に、シリーズ累計4,000社以上の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」の導入事例のなかから、ワークフローシステムを目標管理に役立てている企業事例をご紹介します。

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目標管理シートを含む150種以上の帳票をペーパーレス化

半導体や電気部品のめっき加工事業を展開するニシハラ理工株式会社は、「X-point」を導入して意思決定の迅速化とアナログ業務の大幅削減を実現しました。

「X-point」の導入以前、同社ではすべての申請業務に紙の帳票を用いており、社内では膨大な量の書類が行き交っていました。しかし、紙書類の回付・承認・回収・保管には多くの手間が発生しており、なかでも遠隔拠点からの申請においては決裁までに2週間以上の期間を要するなど課題となっていました。

そこで同社は申請業務のペーパーレス化を決定し、ワークフローシステム導入に向けて検討を開始。限られたリソースであっても運用可能な保守性の高さ、そして複雑な承認ルートにも対応可能な点を評価し、「X-point」の導入を決定しました。

導入から10年以上が経過した現在、同社がペーパーレス化した帳票は150種類以上にのぼり、そのひとつが目標管理シートです。従来は紙で作成・印刷して運用していた目標管理シートを電子化するとともに、関連書類機能で人事評定を紐づけることで、目標管理および人事評定の効率化と紛失リスクの低減を実現しました。

目標管理シートを含む150種以上の帳票をペーパーレス化

ほかにも、2週間以上を要していた遠隔地からの申請が最短即日で決裁可能になるなど、意思決定の迅速化にもつながっています。

意思決定の迅速化とアナログ業務の大幅削減を達成

ニシハラ理工株式会社 ワークフローシステム導入事例|X-point Cloud

マネジメントの可視化と人事考課の適正化を実現

総合アウトソーシングサービスを提供する株式会社グロップは、紙ベースの申請業務を変革するため「AgileWorks」を導入しました。

同社では以前、ほぼすべての申請業務を紙ベースで行っており、グループウェアからフォーマットをダウンロードして記入し、承認を経て本社に申請書を送付するフローとなっていました。しかし、承認者不在による業務の遅延や、全国各地の拠点から送られてくる申請書の処理に多大な工数を要するなど課題となっていました。

そこで同社は、経営層主導による業務改善プロジェクトの一環としてワークフローシステムの導入を検討開始。紙のイメージをシステム上で再現できる点や、組織改編にも柔軟に対応できる点、他システムとの連携による拡張性などを評価し、「AgileWorks」の導入を決定しました。

導入後、以前は1日につき約1時間を要していた処理作業が削減され、業務の遅延も解消。また、各種申請の差し戻し状況や編集履歴が可視化され、各管理職がどのようなマネジメントを行っているかの把握が可能に。管理職へのマネジメントが効率化し、適正な人事考課にもつながっています。

1時間/日を要していた工数がほぼゼロに!

株式会社グロップ ワークフローシステム導入事例|AgileWorks

目標管理にも「AgileWorks」を活用

SCSK株式会社(※)は、全社標準のワークフローシステムとして「AgileWorks」を導入しました。
※導入時の名称は住商情報システム株式会社。2011年10月に株式会社CSKと合併し、SCSK株式会社となっています。

基幹情報システムの刷新に取り組んでいた同社では、その一環として「事業基盤の強化」「内部統制への対応」「働きやすい職場づくり」を目的にワークフローシステムの導入を検討開始。複数製品を比較検討した結果、「AgileWorks」の導入に至りました。

導入後、意思決定の迅速化や社内プロセスの一元化(電子化)、内部統制の強化を実現。

同社内で行われる意思決定には、審査・起案・承認・人事という4つの領域が存在し、導入から半年間で16,500件の意思決定をAgileWorksで処理しています。また、人事領域においては目標管理をAgileWorks上で運用するなど、多彩な用途でAgileWorksが活用されています。

導入から半年で16,500件の文書を処理!

SCSK株式会社 ワークフローシステム導入事例|AgileWorks

まとめ

今回は、目標管理(MBO)の意味やメリット・デメリット、手順について解説しました。

目標管理は、個人と組織の成長を図るうえで重要な役割を果たします。そして、目標管理を効率的に行うには、ワークフローシステムの活用が有効です。

現在、エクセルなどで作成した目標管理シートを利用している場合や、これから目標管理制度を導入したいと考えている企業は、記事内でご紹介した「X-point Cloud」や「AgileWorks」を目標管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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