社内便を効率化する方法は?役立つシステム・ツールや事例を紹介!
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ビジネスシーンのペーパーレス化が進む一方で、現在も紙文書でのやり取りを行っているという企業も少なくないでしょう。
そして、紙ベースでの情報伝達に用いられる手段のひとつに、「社内便」が挙げられます。
今回は、社内便の基礎知識からメリット・デメリット、社内便の課題解消に役立つシステム・ツールをご紹介します。
社内便の課題解消に成功した事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ペーパレス化だけでは不十分!
ドキュメントDX(文書業務のデジタル化)が業務工数を大幅に削減
社内文書のペーパーレス化により業務効率や生産性を向上するためのポイントや役立つソリューションについてご紹介しています。
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・社内文書に紐づく業務が負担になっている。
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が業務工数を大幅に削減.pptx-3.png)
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
社内便の基礎知識
本社のほかに支社・支店や営業所、工場など複数拠点を展開しているという企業は少なくないことでしょう。
社内便とは、企業の各拠点を定期的に巡回して、文書や物品を回収・配送するサービスのことを意味します。
たとえば、重要な意思決定を行う際、各拠点の関係者の承認を得たうえで決裁を行うこともあるでしょう。そのような際、社内便で稟議書を回付し、各拠点の関係者が順々に稟議書を確認・承認することがあります。
また、各拠点で従業員の勤怠情報を取りまとめ、その情報を本社に集約して給与管理システムに入力する、という業務フローを採用している企業もあるでしょう。このように各拠点の情報を本社に集約する際などにも社内便は用いられます。
社内便を利用するメリット
次に、社内便を利用することで得られるメリットについて見ていきましょう。
社内便のメリット
- 一元管理によるガバナンス強化
- フロントオフィスの生産性向上
一元管理によるガバナンス強化
社内便を利用する場合、社内にメール室(メールルーム)などの部門を設け、社内便に関する業務を担当するのが一般的です。
社内で発生する文書・物品の配送に関する作業が担当部門に集約されるので、一元的な管理が可能になります。
それぞれの部署・部門で独自に送付作業を行うよりも、統一的なルールで運用しやすくなるためガバナンス強化に有効で、文書・物品の紛失や持ち出し・改ざんといった不正リスクを抑えることができるでしょう。
フロントオフィスの生産性向上
社内便の活用は、フロントオフィスの生産性向上という面でも有効です。
先述の通り、社内便の運用では文書・物品の配送に関する作業がメール室などの担当部門に集約されます。そのため、営業部門や生産部門をはじめとしたフロントオフィス部門は、送付手続きや封入封緘といった作業を個別に行う必要がありません。
間接業務が削減されることで本来の業務に注力することが可能になり、生産性の向上につなげることができるでしょう。
社内便のデメリット

社内便を利用することでガバナンス強化やフロントオフィスの生産性向上など一定の効果が期待できる一方で、デメリットも存在します。
社内便のデメリット
- 業務負荷の集中
- 情報伝達・共有の遅延
- テレワークへの対応が難しい
次は、社内便のデメリットについて確認していきましょう。
業務負荷の集中
社内便の運用では、メール室などの担当部門に業務負荷が集中することになります。
本来であれば各部署・部門で対応する送付作業を一手に引き受けることになるので、担当部門の業務負担は大きくなりがちです。
また、社内便に関わる業務は、送付物の仕分けや封入封緘など手作業が数多く発生するため、授受する文書・荷物の量が増えるほど負荷が増大し、ボトルネックとなってしまう可能性が高まります。
情報伝達・共有の遅延
社内便は、情報伝達・共有が遅延しやすいというデメリットも存在します。
企業によって社内便の運用方法は異なるものの、送付が必要な文書等を随時メール室に集約して、集荷のタイミングでまとめて配送するのが一般的です。
そのため、送付の必要が生じたタイミングから実際に送付するまでにタイムロスが発生してしまい、配送中の期間も含めると大きなタイムラグが生じてしまいます。
これにより、情報伝達・共有が遅延したり、文書や物品が届くまで作業が停滞してしまったりといった事態に陥りやすく、意思決定スピードの低下を招く恐れもあります。
テレワークへの対応が難しい
社内便を利用していることで、テレワークへの対応が難しいという課題も存在します。
社内便の担当部門では、配送する文書・物品の仕分けや準備、他拠点から届く文書・物品の受け取りなど、オフィスに居なければ行えない作業が数多く発生します。
また、場所の制約が発生するという点は、メール室などの担当部門以外も同様です。文書・物品の送付が必要になった際、メール室に受け渡す必要があるため、拠点以外の場所では作業を完結することができません。
そのため、テレワークを導入することができない、あるいは導入したものの定着しないといった状況に陥りやすくなります。
社内便の課題解消にワークフローシステム

社内便には、業務負荷の集中や情報伝達・共有の遅延、テレワーク対応が難しいといった課題があることをご紹介しました。
そして、こうした課題の解消に有効なソリューションが、ワークフローシステムです。ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請や稟議といった手続きを電子化するシステムのこと。
ワークフローシステムを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
ワークフローシステムの導入効果
- 情報伝達・共有のスピードアップ
- 申請・承認の効率化
- 文書にまつわるコスト削減
- ガバナンスの強化
- テレワークの促進・定着
- 環境負荷の軽減
次は、ワークフローシステムを利用するメリットについて詳しく確認していきましょう。
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情報伝達・共有のスピードアップ
ワークフローシステムを活用することで、情報伝達・共有のスピードアップを実現できます。
先述したように、社内便を利用していると文書が送付先に届くまでにタイムラグが発生してしまいます。
一方、ワークフローシステムを導入していれば、社内文書をPCなどのデバイス上で作成・申請することができ、リアルタイムに関係者に送付することができます。システム上で未読・既読の確認もできるので、情報伝達・共有の徹底という面でも役立ちます。
申請・承認の効率化
ワークフローシステムは、申請・承認の効率化にも有効です。
文書の種類や内容に応じて、然るべき承認ルートを自動判別し、スピーディーに回覧を始めることができます。また、承認者・決裁者は、PCだけでなくスマートフォンやタブレットで文書の内容を確認することができ、承認・決裁もデバイス上で行えます。
そのため、承認者・決裁者がテレワークや出張などで不在の場合でも手続きを進めることができ、スピーディーな意思決定につなげることができるでしょう。。
文書にまつわるコスト削減
ワークフローシステムの活用により、社内便の利用で発生していたコストを削減することができます。
社内便を利用している場合、配送コストが発生するだけでなく、文書の印刷費や封筒などのコストがかかります。また、紙の文書を保管しておくためのファイルやキャビネットといった備品コスト、場合によっては外部に文書保管のための倉庫を借りる必要があるかもしれません。
ワークフローシステムであれば、拠点間での文書のやり取りの度に発生していた配送コストが不要で、印刷費や封筒代、文書保管のための設備や備品代も必要ありません。
また、文書に関わる作業工数が削減されることで、人的コストの節約にもつなげることができるでしょう。
ガバナンスの強化
ワークフローシステムの導入は、ガバナンス強化の観点でも有効です。
ワークフローシステムであれば、然るべき承認を経ずに決裁されてしまうリスクを防ぐことができ、過去に処理したデータについても「いつ・誰が・何を申請・承認したのか」という証跡を確認することが可能です。
また、処理済みのデータはワークフローシステムに保存され、必要に応じて速やかに検索・出力することができます。
そのため、監査で証跡の提示を求められてもスムーズに対応することができ、社内外からの問い合わせ対応の効率化にもつなげることができるでしょう。
テレワークの促進・定着
ワークフローシステムの導入は、テレワークの促進・定着にも役立ちます。
先述の通り、社内便を利用しているとオフィスに居なければ行えない作業が発生するため、テレワークの導入が妨げられてしまうケースが少なくありません。
一方、ワークフローシステムを利用していれば、文書の作成から社内共有、承認・決裁までデバイス上で完結できます。社内便の手配や封入封緘、文書の受け取りのためにオフィスに出社する必要がなくなるため、テレワークの促進・定着につなげることができるでしょう。
環境負荷の軽減
ワークフローシステムを導入することで、環境負荷の軽減にも効果が期待できます。
ワークフローシステムの導入により今まで印刷して運用していた社内文書のペーパーレス化が進み、紙資源の使用量が削減されます。さらに、社内便での配送により発生していたCO2も排出されなくなります。
そのため、環境負荷の軽減およびSDGsの取り組みという観点でも有効だと言えるでしょう。
ワークフローシステムで業務効率化を実現した事例
最後に、ワークフローシステムで社内における情報伝達や承認業務の効率化を実現した事例をご紹介します。
ここでは、シリーズ累計導入数4,000社以上を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」で社内における情報伝達や承認業務を効率化した企業の事例を見ていきましょう。
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社内便を1/4以下に縮小し、大幅な経費節減を達成
三重県を中心に全国でホテル・レストラン事業を展開する株式会社グリーンズは、経費削減や意思決定の迅速化を図り「X-point」を導入し、紙帳票を大幅削減することに成功しました。
「オリジナルブランド」の店舗運営および「チョイスブランド」のフランチャイズ運営という2つの事業を主軸としている同社。
それぞれの事業で申請業務の承認経路が異なり、これらの申請を紙ベースで行っていたことで、申請書の種類が約200種類にのぼるなど紙帳票の増大を招いていました。また、日本全国に店舗を展開している同社では、紙帳票の回収・返送のために週3回の社内便を運用しており、多大な人件費や配送費が費やされていただけでなく、意思決定の遅れも課題となっていました。
そこで同社は、紙帳票の課題解消を目的にワークフローシステムの導入を検討開始。複雑な承認経路にも対応できる柔軟性が決め手となり、「X-point」の導入に至りました。
導入から約10年が経過し、同社では約180種類の申請書を電子化することに成功。年間申請数は約80,000件にのぼり、社内便の運用は従来の週3回から月3回まで減少しました。これにより、人件費や配送費が大幅に削減され、1週間以上を要していた遠隔拠点からの申請も即日での承認が可能になるなど、意思決定の迅速化に効果を得ています。
「攻めの情シス戦略」の一環として稟議書の電子化を実施
熊本市に本社を構える医薬品メーカーであるKMバイオロジクス 株式会社は、ワークフローシステム「X-point」を導入して稟議書の電子化を実現しました。
同社の情報システム課は、DX時代においては経営とICT利活用はワンセットで取り組むべきという考えから、会社に貢献できる「攻めの情シス」への転換を図っていました。
そうしたなか、同社の情報システム課が注目したのが紙ベースで運用していた稟議書の電子化でした。同社には本社のほかにも県内4か所に研究所や事業所があり、従来は稟議書を社内便で送付していました。
しかし、紙ベースでの運用は稟議書の所在をリアルタイムで把握することが難しく、外出や出張が多い下院離職の承認が滞ったりといった課題がありました。また、急ぎの場合には承認者の予定を電話などで確認したうえで、書面を持って拠点間を2~4時間かけて往復しなければならないケースも少なくありませんでした。
そこで同社は、紙と同じイメージで稟議書を電子化することができ、サンプルフォームが豊富な「X=point」の導入を決定。導入決定から2か月という短期間で、「X-point」による稟議書ワークフローを全社で稼働することに成功しました。
従来、1か月程度かかっていた稟議期間が20日程度に短縮され、移動や待ち時間に費やしていた工数を別業務に充てることが可能に。また、業務フローが明確になったことで業務標準化にも効果を実感しています。
年間150万円の業務削減とSDGs推進を実現
環境関連事業を展開する公益社団法人岡山県環境保全事業団は、「X-point」の導入により申請業務の適正化を図りました。
従来、同法人では紙の申請書に押印して承認業務を行っており、承認に多くの時間がかかり生産性低下の要因となっていました。離れた拠点で作成された申請書に関しては、承認のためだけに自動車で運搬しなければならないケースもあり、多くの用紙や燃料が消費されていました。さらに、承認ルートや申請書の書式が統一されておらず、内部統制の観点で大きな課題でした。
これらの課題を解消するため、同社は申請業務の改革に着手。2016年には申請業務のペーパーレス化を実現するため、ワークフローシステムの導入を検討開始しました。約半年におよぶ情報収集を経て、候補に絞られた2製品を比較検討した結果、「X-point」の導入を決定。決め手となったのは、フォーム作成や承認ルート設定の自由度の高さでした。
各拠点での操作説明会を開催しつつ導入が進められ、約5年が経過した現在、25種類の申請書を電子化して年間5,000~6,000件の申請を「X-point」上で処理。
年間150万円相当の人件費削減を達成したほか、以前は10~15日を要していた遠隔拠点の申請に関しても、速いものは即日、平均でも3~5日程度で承認が下りるようになるなど、大幅な業務効率化を実現しました。さらに、ペーパーレス化の推進により用紙の無駄遣いが削減されたほか、各拠点から自動車で申請書を運搬する必要もなくなったため、SDGs推進にも「X-point」が寄与しています。
3年間で約74,000件分の申請をワークフローシステムで処理
1804年の開業から200年超の歴史を誇る清水建設株式会社は、「AgileWorks」を導入して決裁・申請業務の電子化を実現しました。
同社は2012年に芝浦から京橋へと本社を移転した際、新本社に持ち込める紙書類を制限。また、新本社での働き方を革新するべく「ホワイトカラーイノベーション活動」を発足し、ペーパーレスによる業務効率化を目指すことに。
そこで同社は、紙ベースで行っていた決裁・申請業務をワークフロー化(電子化)することを決め、機能性や操作性、外部システムとの連携性を評価し「AgileWorks」を導入しました。
導入から3年間で約200種類の帳票を電子化し、74,000件の申請を「AgileWorks」で処理。同社の試算では、3年間で段ボール箱約30箱分の帳票管理コストが削減、書類作成にかかっていた工数が月平均1,200時間削減されたと評価しています。
また、以前は複数拠点にまたがる申請を社内便で運搬しており、決裁までの時間が長期化していました。「AgileWorks」の導入により決裁が迅速化され、決裁者が国内外の出張等で不在でも決裁が停滞することがなくなるなど、社内便の課題解消にも効果を得ています。
まとめ
今回は、社内便の意味やメリット・デメリット、社内便の課題解消にワークフローシステムが有効な理由について解説しました。
社内便の利用は、ガバナンス強化やフロントオフィスの生産性向上といったメリットがある一方、担当部門の負荷増大や情報伝達・共有の遅延、テレワークを導入しづらいなどのデメリットも存在します。
ワークフローシステムであれば、社内便でよくある課題を解消しつつ、業務効率化やコスト削減、ガバナンス強化といったさまざまなメリットを享受することが可能です。
社内便の運用に課題を抱えている企業や代替策を探している企業は、今回ご紹介した情報も参考にワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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ペーパレス化だけでは不十分!
ドキュメントDX(文書業務のデジタル化)が業務工数を大幅に削減
社内文書のペーパーレス化により業務効率や生産性を向上するためのポイントや役立つソリューションについてご紹介しています。
こんな人におすすめ
・ペーパーレス化したのに業務効率が上がらない。
・社内文書に紐づく業務が負担になっている。
・社内文書の何から電子化していいのか分からない。
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「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。