これからの働き方を考える

ワクワクする働き方カンファレンス~セッション1 残業なしで結果を出す働き方~

ワクワクする働き方カンファレンス~セッション1 残業なしで結果を出す働き方~

2023年9月26日、『エイトレッド・ワークフローの日』を記念して、「ワクワクする働き方カンファレンス」を開催いたしました。

お陰さまでたくさんの方にご視聴いただき、「働きがいに繋がる仕事を作り出す必要性をあらためて実感した」「他の人の意見を取り入れて自分の考え方を見直す必要があると感じた」「業務への良い刺激になった」などの声をいただきました。

そこで、本コラムでは「ワクワクする働き方カンファレンス」の各セッションのセミナーレポートをお届けしたいと思います。

セッション1:残業なしで結果を出す働き方

スピーカー:
沢渡あまね(あまねキャリア株式会社CEO 兼 ワークフロー総研フェロー)
岡本康広(株式会社エイトレッド代表取締役社長 兼 ワークフロー総研所長)

こんな人におすすめ:
・残業が多く、職場環境の改善を求めている人
・ダイバーシティー&インクルージョンの本質を理解し、組織とそこで働く人が成長していく方法を探している人
・新しいチャレンジや学習の機会を作り出す方法を探している人
・スタートアップ企業で働いており、成長率を求められつつも、長時間労働を前提としない組織開発の方法を知りたい人

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残業なしで結果を出す働き方

あまねキャリア株式会社CEO 兼 ワークフロー総研フェローの沢渡あまね氏と株式会社エイトレッド代表取締役社長 兼 ワークフロー総研所長の岡本康広が表題についてトークセッションを行いました。

TOPIC

・残業の多い会社と少ない会社どこがちがう?
・今すぐやめたい無駄な業務とは?
・残業なしで結果を出すために必要な業務とは?

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残業の多い会社と少ない会社どこが違う?

まずは組織の文化に正しく違和感を持とう

岡本:
はい、皆さんこんにちは。エイトレッド岡本と申します。まずセッション1は、アマネキャリアCEOの沢渡あまねさんと一緒に、残業なしで結果を出す働き方というテーマで、話していこうと思います。 それでは早速本題に入っていきたいのですが、最初のテーマ、残業が多い会社と少ない会社はどこが違うということですが、沢渡さんの今までのキャリアを見ていると、以前かなり苦労されたという話を聞いたことがあったので、残業が多い会社にいたんじゃないかなと思うのですが。

沢渡:
プロフィール上は大企業を並べているのですが、実は私のキャリアのスタートって、いわゆる今でいうスタートアップで、大きくなり始めた200名前後のある商社にいたのです。 ここの会社が、一言で言うと、気合い、根性、長時間労働、休日出勤常態化で、当時は今ほどコンプライアンスが厳しくなかったものですから、代休なんて取れるんだっけ、みたいな状態だったわけですね。
もちろんいい経験もすることができる、一生懸命に夜遅くまで働いて、経験値を積むことができたという部分もあるんですが、やはり一言で言うと、このままここで働き続けられるのだろうか、と将来に対して不安になってしまったんですね。
また、もう一つ大きな問題があって、これはその会社だけではなく、私が向き合ってきた企業においてもそうなんですが、長時間労働が常態化している企業に本当にありがちなのが、改善をするとか、あるいは一人一人のスキルアップをするというようなカルチャーがまるで育ってないということです。
今時、ITシステムに乗っかれば、秒で終わるような仕事を、気合い根性でカバーしながら一生懸命残業していて、お父さんお母さん、僕は頑張ってますってムードになってしまうわけですよね。
スタートアップ企業にとって、残業はある意味宿命的な部分もあると思うんですが、10名、20名、さらに50名超えて100名、200名にもなって、気合い根性長時間労働型のやり方を続けていると、やはり後から入ってきたメンバーはついていけなくなりますよね。
若手の頃の私のように将来不安を抱えて、この働き方がいつまで続くんだ、さらには改善やスキルアップのカルチャーがないものですから、自分たちの能力も育たない、さらには本来やめられる無駄なことまみれで、時間が溶かされていくことに対して不安を抱えて、どんどんエンゲージメントが下がっていくと、負のスパイラルが始まってしまいます
長時間労働体質、カルチャーを変えていこうとかじ切りしているところとしていかないところで、血の流れ方に違いが間違いなく出てきていると、日々実感しています。ある意味ブラックな状態が続くと、結局人が入ってもやめていくわけですよね

岡本:
なるほど、その思いが今の仕事に繋がっているということですね。

沢渡:
そうですね。大企業にいた頃も残業が多かった時もあったんですけど、このままでは、いわゆるサステナブルでないなと。メンバーが増えていけば、多様な違う考え方を持った人だとか、あるいはライフステージ、例えば今は育児に集中したいけども、落ち着いたらもっとバリバリ働きたいだとかが出てくると思うんですけど、長時間労働前提の同調圧力でこれらの考え方の違いやライフステージに応じてギアチェンジをできないと、せっかくファンだった人がアンチに変わっていってしまう、これは会社組織にとっても不幸だよなと思ったんですね。

岡本:
なるほど、すごいですね。私も昔そういう会社にずっといたんですけど、スタンダードだと思っていたので、疑問を感じていなかったです。
そこから考えると、今のエイトレットって逆に残業が少なくて、着任してから平均残業5時間くらい、有給も8割くらい取得できるような感じです。これって何かなと思うと、本当にさっきの同調圧力だったと思うんですけど、もともとの文化というか、休むことは当たり前なんだというような文化が定着しています。
ただ、素晴らしいなって今思っているところはあるんですけど、その一方で問題提起というか、やっぱり残業が少ないということは、工夫がされていないんじゃないかなと思ったりもします
うちはそれこそワークフローの会社なので、業務の型とかをちゃんと作ったり仕組み化が出来ているのですが、それゆえ、経験を積む機会、例えばお客様の納期になんとか間に合わせようとしたり、クオリティを高める活動というのがあるときに、残業してでもきちっと間に合わせるというところが、成り立たないんじゃないかというのは、ちょっと気になっています。
私は残業全てが悪ではないと思うんでが、そこはどう思いますか?

沢渡:
例えばトラブル対応だとか、あるいは今はどうしても力を入れたいという時期は、少し残業する時期があってもいいと思います。でも、それが前提になるとおかしなことになっていくという話だと思うんですね。
カルチャーを言い訳にして、気合い、根性、長時間労働の同調圧力を続けていくと、それこそもっと能力をのばしたいという意欲持った人が遠ざかってしまいます。これは、もはや経営リスクですよね。
今日はダイバーシティ&インクルージョンの推進室の方もいらっしゃいますが、本当のダイバーシティ&インクルージョンを実現するには、やはり組織の景色を固定化せず、様々な考え方、能力、意欲を持つ人がきちんと参画できるように、自分たちのカルチャーだとかやり方に正しく違和感を持つ必要があると思います。
そういう意味で、違和感を持てず、組織の中での経営リスクを固定してしまうと、昨今起こっているような、組織が暴走してガバナンス・コンプライアンス違反みたいな話になっていくわけですね。
様々な景色を組織に取り入れていくために、ダイバーシティ&インクルージョンって大切ですし、さらには様々な熱量だとか、思いを持った人だとか、働き方の人が正しく組織を動かせるようにする、最大公約数が基本的に残業しないライフスタイルで、そこから足し算引き算で、じゃあこの時期は、申し訳ないけど残業お願いします、この時期はやはりみんな、もう少し早く帰ろうかとかですね、こういう対話と議論を正しくしていてほしいと思っています。

余白を生み出し、「未来時間」に投資

岡本:
なるほど。残業が多いか少ないかっていうことよりも、これが多いことによって当たり前はもちろん革新的なことができないようになってしまってないか、というのが一つの指標になっているってことですよね。

沢渡:
そうですね。さらに一番大事なのが、残業が少ないということは、それだけ余白、余力を生み出せるということだと思うんですね。
余白、余力を生み出し、正しいことにチャレンジする未来時間、未来の成長、組織の成長、子の成長のための未来時間を作っていく、ここがポイントだと思うんです。
だから単に残業を減らして、淡々と仕事をして早く帰るだけではなく、余白、余力に意味付けをし、そこから例えば、もっと改善できることはないかと模索し、改善すれば組織も改善体験した従業員もバージョンアップできます。また、スキルアップ、リスキリングなんて言葉もありますけれども、新しい知識だとかを学ぶことでも、従業員も組織もバージョンアップできますよね。
いい人がこの会社にいるとどんどん自分も成長できて、利益率も上がって、余白も生まれた新しいチャレンジができる、それが組織の吸収力、エンゲージメントにつながっていくわけですね。
余白、余力を皆さん生み出せていますかと、新しいチャレンジ、学習、もっと言ってしまえば、様々な体験、例えば顧客体験とか、あるいは全く違う業界の人と一緒に働いてみる。そうすると、それだけインプットの選択肢が増えるものですから、そこから新しい発想が生まれたり、新規事業のネタが生まれたり、イノベーションが生まれたり、自分たちの当たり前を疑いながら、景色が固定化されない、社会に対する適応能力も高まっていくわけですね。余白、余力を生み出す、そして改善やスキルアップの投資を正しくしていく。このワルツを奏でていくのが大事なのかなと思っています。

岡本:
なるほど。 余白、余力、これ本当に私も実感します。残業というわけじゃないですけど、私も結構予定詰め込むのが好きなんですよね。 私も反省です。
でもやっぱり、いろんな生み出される仕事とか重要なものとかは、余力とかがないと次の動きができず、業務をこなすだけになっちゃいますよね。

沢渡:
皆さんのチームや組織が、誰にどんな価値を出しているか、誰にどう期待されているかをチームで話し合ってくださいって話をよくするのですが、目先の仕事を一生懸命やるだけではなくて、このチームと接すると、どんな課題解決ができるとか、どう一つ賢くなるかとかがイメージできる組織って、関わりたいと思うじゃないですか。 そういうチームが何やってるかというと、先ほど申し上げた未来時間、未来のための余白とか、新しいことを学ぶとか、新しい体験をするという、未来時間に投資を着実にしているんですよね。

今すぐやめたい無駄な業務とは

見落としがちな間接業務

岡本:
では次のテーマに移りましょう。仕事には、大事な仕事と無駄なものがあると思うんが、無駄な業務、辞めた方がいい業務って何だと思いますか?

沢渡:
一言で言うと、間接業務やコミュニケーション業務に、削る余地あり、改善余地ありです。
例えば、研究部門の研究行為や営業部門の営業活動などの直接業務については、ちゃんと目が向いて、重厚な業務システム入れちゃったりとか既に対応されているところも多いと思うんですけど、間接業務やコミュニケーション業務、例えばスケジュール調整とか、それこそ稟議を書いて判子をもらって回るいわゆるワークフローもそうですが、それらって、意外と朝起きて歯磨くが如く、息を吸うようにやっているものですから、無理や無駄に気づけないものです。
だけど、例えばメール、チャットもそうですけれども、コミュニケーション業務って、汎用的な、どの企業、どの組織もやるものですから、汎用的なツール、クラウドサービス、あるいは知恵が結構たまっていたりするんですね。
また、関係人口が多いという点でも間接業務やコミュニケーション業務は簡略化した方がいいといえます。 例えば、企業の中に営業部門がいて、営業行為する人って人口のどれだけいますかって話で、それと比べてメールとかチャットとか、会議とかって日々、いろんな人がやると思うんですよ。
さらには、社外のお取引先だとか、顧客だとか、こういった社外の方々も関わるものですから、効率化できると、それだけ改善効果が大きいですし、楽になったな、あるいは新しいことを学んで成長したな、これを僕は成長体験、快感体験って言ってるんですけども、成長体験、快感体験に共感する人口が多いと思うんです。

岡本:
確かにそうですね。間接業務、意外とそんなにないような気もしたんですけど、人によっては間接業務で1日終わっちゃうっていう人もいますよね。
あと、うちもスラック導入してコミュニケーションが変わりました。以前はメールの文面を考えるのに時間とられたりしてたけど、いまだと言葉より意外と伝わったりすることもあるから、あえてスタンプで気持伝えたりしてます。

作文をなくす、減らす、代替する

沢渡:
私は今、静岡県浜松市で経営者をしておるのですが、まず社内のコミュニケーションをスラックに変え、さらにスケジュール調整をいちいち紙に書きに行くのをやめて、アウトルックのようなものを使う、そこから始めて、さらにそこに新しいチャレンジとして、何かITを使って新しい生産管理のやり方を試してみるとか、IoTを入れてみるとか、強制的に余白を生んで、さらに余白に投資するということをすることで、そこから組織が変わり始めた、新たな事業が生まれるようになったという企業をいくつも知っています。
また、今日は本当に泥臭い話をしたいと思っているんですけど、今すぐやめたい無駄な業務、間接業務、コミュニケーション業務として、まずは作文を見直してほしいと思っているんですよ。
なぜなら、作文って、無自覚にいろんなところで行われているんです。
例えば、稟議。稟議書を毎回ゼロから一人で悩んで作文して差し戻し食らうみたいなこと。それこそワークフローシステムを使えば、みんなが見れて、みんながそのノウハウを共有できて、あるいはいいところはコピー&ペーストするようにすれば、ゼロから作文する稼働ってなくなるわけですよね。

岡本:
そうですね。

沢渡:
または、日報とかね。これも結構悩ましくて、もちろんすごくいい部分もあるんですけれども、20名、30名ぐらいの規模であれば、日報で日々の気付きを共有するとか、そこから何か新しい行動を起こすってありだと思うんですけれども、20名、30名超えて100名、200名超えても、全員が全員当て社長当ての日報を書くっていうことをやっている会社があるんですよね。
社員の話を聞くと、その作文だけで10分、20分かかったり、あるいは人が増えると、例えば作業しかやらない部署とかもあるわけで、作業をやったことに対して新しい気付きってそんな毎日ないので、それを毎日作文で提出するのが非常に心苦しいっていう話も出てきたり。他にも、隠れて残業時間にそれをやっちゃったり長時間労働の温床になってしまったりしている組織もあるんですよね。
例えばこれも日報ではなく週報にするとか、あるいは、20名単位のチーム内ではスラックとかで日々業務を共有していればそれで良くって、あとは気付きだとかがある部分に関しては、グループウェアのところに書き込むとか、定期的に対話会を行うとかで問題・課題を顕在化していくとか、やり方はいろいろあると思うんですね。
あと、さっき出たメール・チャットの問題もそうですけれども、メールって手紙の置き換えですから、作文行為が入るわけですね。
宛先の順番に失礼がないかとか、何とか部長って書いたけども、あの人もしかしたら昇格してるかなとか、いろいろ考えたり、結構これカロリーを奪われるんですよ。 チャットにしてメンション入れたり、スタンプで反応するようにすれば、作文の稼働から我々自由になれるわけですね。ですから、作文をなくす、減らす、代替する、ここは、結構バカにならないです。

岡本:
これもTPOじゃないですけど、例えばお礼のメールとか、これは大事だと思うんですよね。やっぱり人の思いとか礼儀とかなので、これを適当にというわけにはいかないです。ただそれが社内でも必要かといわれるとそうでもないよねって話で。ケースバイケースでちゃんと使い分けていけば、無駄なものをどんどん削ぎ落とすことができますね。

沢渡:
対外的にも、いわゆるデジタルネイティブですとか、モダンな働き方にスタイル変えている企業は増えていますから、他社との間でも、いや、もうチャットでカジュアルにいきましょうっていうスピード感を持って、やれる仕事の領域って私も間違いなく増えてきているって感じています。

岡本:
なるほど。確かにメインの業務を改善するっていうことに着目しがちで、もっとうまくできないかっていうことはあるんですけど、意外とこれってきちっとできてるけど、 間接業務は見落としがちですよね。

沢渡:
そう。ですから間接業務に赤丸チェック。

残業しないで結果を出すために必要なこととは

仕事の仕方をモダンスタイルにアップデートせよ!

岡本:
今日は最後にもう1個テーマがあって、残業しないで結果を出すために必要なことについて、沢渡さんの思いというか、解決策って何かありますか?

沢渡:
最近よく言うフレーズなんですが、一行で言うと、仕事の仕方をモダンスタイルにアップデートしていってください。

岡本:
モダン?

沢渡:
もっと言ってしまうとね、仕事の仕方の文化度を上げていってくださいって話をしているんですね。
まず第一に、気合い根性長時間労働を常態化させる企業が今世の中からどう見られているかっていう話で、やはりカルチャーの成熟度合いだとか、世の中に対する感度が鈍くなってしまうと、そこからコンプライアンスだとか、ガバナンスのリスクを抱える時代になってきているわけです。なので、まずは基本的に残業をしないで成り立たせる事業のやり方、カルチャーに変えていくというのが、文化度を上げていく、さらにはモダンスタイルな考え方になっていく第一歩です。
さらに、モダンスタイルに変えていくってどういうことかというと、例えば、口頭だけで済ますのではなく、きちんとテキストで残る形にして、未来の参画してくれる人が苦労しないように、同じことで悩まないように、毎回作文で苦しまないようにしていったり、もちろん最新のクラウドサービスなどを駆使したりですね、あるいはいわゆるハイブリッドワークを取り入れ、日々のオペレーションはオンラインで済ませて、余白、余裕を生んで、今日私が岡本さんとやっているような対話に時間を使うとか、あるいは新しいことをしてみるとか、学習をしてみるとか、これってモダンスタイル、文化度高いと思うんですよね。

岡本:
なるほど。なんかDXっていわれるより、モダンスタイルの方が当たりがいいというか。

沢渡:
僕ね、なんだろう。デジタルトランスフォーメーションって言葉が、もうみんなお腹いっぱいな感じで嫌味っぽかったりもするし、意味わかんないじゃないですか。 仕事のスタイルをモダンスタイルに変えていくとか、文化度を上げていく方が前向きかつ、そこからそれぞれが、それぞれの目指す世界をイメージしやすい気がしていて、最近そういう言葉を使っています。

岡本:
確かに、言葉によって感じ方が違いますね。私も例えば企業文化を変えなきゃいけないって言われると、大事に見えてなかなかどういうところから着手するか本当にわからないですけど、いま文化度って言葉を聞いて、本当に個人単位とか、チーム単位から少しアプローチができるようなイメージができて、取っ付きやすい。

沢渡:
ありがとうございます。少し話が逸れたけど、文化度が低い、ダサい企業やダサい地域に、良い人が集まるわけがないんですよ。仕事のやり方がダサくなっていないか?あるいは、コミュニケーションは?意思決定は?チームビルディングの仕方は?と、仕事の文化度、企業の文化度、カルチャーレベルをアップデートしていくには、常にそれを問いかける必要があるのかなと。
そして、仕事の文化度を上げていく、皆さんの仕事をモダンスタイルに進化させていくためには、3つの思考が僕は大事だと思っています。
まず1つ目が、目的思考。
この仕事、この習慣、何のためにやっているのかな、と目的に立ち返ってアップデートしていくことですよね。 やめるものを決める、やり方変えるものを決めていく。あるいは、これ何の目的でやっているんですか?っていう対話がきちんと組織の中に行われていくようにしていかないと、みんなが無駄だと思っていても、なんとなく今までのそれがカルチャーだと思って、無駄なことを続けていたり、お互い傷つけ合ったりしますから。
次に 2つ目がアップデート思考です。
やり方を最新化していく、新しいやり方を試してみる、ないし、そのための余白を作ったり、あるいは能力が足りなければ能力開発にお金を出して投資をしていく。 とはいえ、自分たちのやり方が悪気なく時代遅れになっていたり、世間ズレしているって案外気づきにくい。
ゆえに3つ目は、影響思考です。
垣根を越えて外を見る、外を体験する。そのために私たちも影響学習プログラムをやっていて、企業間でお互いに自分たちが時代遅れになっていないかな、この部分はイケている、この部分はイケていない、この部分ダサい、この部分ダサくないというように、他者との比較する、僕は窓を開け続けるって言うんですけども、組織の窓を開け続けなくてはならない。
窓を開けて外気入るようにしないと、空気が淀んでしまいますよね。空気の淀んだままだと、人が逃げていく、近寄らない、ファンを遠ざけるということが起こっていくわけですね。

岡本:
なるほど。これが弊社のやり方だみたいな形になっちゃうと、現場の人がいくらおかしいと思っても、なかなかそれに気づけないこともあるでしょうし、耳が痛いことを閉ざす人は、やっぱりコラボレーションしないというか、外を見たくない、それをあんまり良しとしないというのがあったりすると思うんですけど、そういう会社の中で、これを実現するための現場が声を上げて、実現できる具体的なアクションや ヒントみたいなものってありますか?

半径5メートル以内をカラフルに

沢渡:
実際私が顧問をしている一社なんですけれども、大手製造業で、若手中堅を中心に他の工場に見学に行ってもらうという取り組みをしている会社があります。
その会社の方がですね、若手中堅が他の工場を見ると、こんなやり方があるんだ、この工場の良いところ、自社の工場の良いところというのが比較可能になり、戻ってきて振り返りをするんですって。 さらに、本買って配ったりしながら、良いところをどう取り入れていくかや生産の仕方をどうアップデートしていくか、あるいは新しいテーマとかマネージメントとかチーム作りとか、いろんな学習を率先してやるようになったようです。こんな風に、余白をつくったことで若手中堅の目の色が変わってきて、職場の空気が明るくなって、さらには改善が今まで以上に行われるようになったという話があります。
ですから、本当に余白、余力を生んで外を見る機会、窓を開け続ける機会を作りながら、今までと違う体験をするということは大切で、体験のインプットを増やすことで、組織の文化度を上げていけますし、そこからイノベーションが生まれやすい素地ができてくると思うんですね。
時間を使って様々な体験を増やしていく、ここすごく大事だというふうに思います。

岡本:
なるほど。余白、余力を作ってその時間で新しいことにチャレンジする。そしてそのチャレンジするためのヒントは、越境のような形でもあるし、周りを見ながらそれを生かしていくということですね。 さっきの例っていうのは、やっぱりある程度、マネージャーの人も理解があるから、それが実現したんですか?

沢渡:
そうですね。マネージャーが強い思いを持って、いいチームを作っていきたい、いい職場を作っていきたい、それこそ推される部署、推されるチームになっていきたいという思いを持って取り組まれていることなので、そういう意味では、私たちの半径5メートル以内から、普段接している職場からアップデートってできるって話なんですね。

岡本:
半径5メートル以内って言葉も分かりやすいですよね。
何かやろうとすると大きな動きをしないといけないって思って、結局できないっていうことがあると思うんですけど、身近なところからやっていくみたいな。

沢渡:
そうですね。半径5メートル以内の景色をカラフルにしてほしいと思うんです。
カラフルって、目先の仕事、気合い、根性、長時間労働で乗り切るのではなく、例えば新しいことを学ぶ機会があるとかですね。
あるいは、例えば、デザイナーとかクリエイターだとか、ユニークな目に見えないけれども未来の価値を作る人たちが活躍できる仕事があるとかですね。 こういう、半径5メートル以内からカラフルにしていくことで、本当に多様な人材が、こういう勝ちパターンがあるんだ、こういう価値の出し方があるんだ、今までにない新しい体験がが生まれていくわけですよね。
これが私は、ダイバーシティー&インクルージョンの本質でもあり、組織とそこで働く人が、ワクワク、心地よく成長していくための大事なことなのかなというふうに思います。

岡本:
なるほど。まず、誰かがやってくれるわけじゃなくて、この話を知ったら、まず自分から率先して半径5メートル以内の方を巻き込み、実績を出しながら、自分でも実感を持って徐々にこう、進捗していきながらすれば、会社とか組織も変わっていく可能性があるだろうということですね。

沢渡:
モノトーンの色の職場に、皆さん発で新しいカラーを作っていく。ここが大事かなと思います。

岡本:
カラフルとかモダンとか文化とか、結構キーワードって、言葉で行動とか考え方変わると私も思うので、このキーワードだけを意識するだけでも、何か一つチェンジしていけるものがあるかなというふうにすごく感じます。

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残業なしで結果を出す働き方

あまねキャリア株式会社CEO 兼 ワークフロー総研フェローの沢渡あまね氏と株式会社エイトレッド代表取締役社長 兼 ワークフロー総研所長の岡本康広が表題についてトークセッションを行いました。

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・残業の多い会社と少ない会社どこがちがう?
・今すぐやめたい無駄な業務とは?
・残業なしで結果を出すために必要な業務とは?

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ワークフロー総研編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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