内製化とは?意味やメリット・デメリットをわかりやすく解説!
- 更新 -

ビジネスにおいては、ノンコア業務と呼ばれるような定型作業や、ITシステムの開発・保守などの専門的な業務を、外部委託することが珍しくありません。
しかし近年では、従来外部に委託していた業務を「内製化」する企業が増えつつあります。
この記事では、
「そもそも内製化とは?」
「内製化することのメリットやデメリットは?」
「内製化を進める際のポイントは?」
といったよくある疑問をわかりやすく解説するとともに、内製化の推進に役立つワークフローシステムを紹介します。
DX推進に悩むあなたへ
DX最初の一歩はワークフローシステム
DXの基礎知識やDX推進を成功に導くための秘訣をお伝えいたします。
こんな人におすすめ
・DXの基礎知識が知りたい。
・DXの進め方が分からない。
・成功事例が知りたい。

OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
内製化とは?

内製化(ないせいか)とは、外部に委託していた業務を、社内リソースで対応する体制に切り替えることを指します。
英語では内製化を「insourcing(インソーシング)」と言い、内製化の対義語としては「外部委託」や「外製化」、「outsourcing(アウトソーシング)」などが挙げられます。
外部委託していた業務の内製化を進めることで、外部委託に伴うコストやセキュリティリスクの低減、生産性向上やナレッジの蓄積といった多くのメリットが期待できます。
一方で、体制構築のための初期投資や人材教育・獲得のハードルといったデメリットもあるため、経営戦略や事業環境に応じて内製化を進めるべきか、どの業務領域を内製化するのかといった点を慎重に検討する必要があります。
内製化のメリット・デメリット
内製化には、多くのメリットが期待できる一方で、いくつかのデメリットが存在するとお伝えしました。
では、内製化のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
内製化の主なメリット

内製化の主なメリットとして、以下の4点を挙げることができます。
内製化のメリット
- 生産性の向上
- セキュリティの強化
- 外注コストの削減
- ノウハウ・ナレッジの蓄積
それぞれ詳しく確認していきましょう。
生産性の向上
内製化のメリットとして、生産性の向上を挙げることができます。
外部に委託していた業務を社内で行うことにより、自社の要望に応じて成果物の品質やコスト、納期などをコントロールしやすくなります。
システム開発を内製化するのであれば、自社に最適化された機能開発を行うことができるでしょう。
結果として、業務を外部委託する場合よりも生産性を高めることが可能です。
セキュリティの強化
業務を外部委託するということは、業務上必要な情報を委託先に共有することになります。
共有する情報のなかには、自社が保有する技術に関する情報や顧客情報といった機密情報も含まれるかもしれません。
委託先のセキュリティ体制を厳密にコントロールすることは困難であり、そうした機密情報を社外の委託先に共有することは情報漏洩などのリスク要因になりえるでしょう。
一方、業務を内製化している場合、業務上必要な情報を社内関係者のなかで留めておくことができ、必要に応じて適切な対策を施してセキュリティを強化することが可能です。
外注コストの削減
当然ではありますが、委託していた業務を内製化することで、外注コストを削減することができます。
金銭的なコストはもちろんですが、メールや電話、Web会議ツール等により委託先とのやり取り、そして注文書の発行や請求書の回収など、多くのコミュニケーションコストが発生します。
業務を内製化することで、上記のようなコストを抑えることができ、浮いた金額・工数を別の業務や事業投資に割り当てることができるでしょう。
ノウハウ・ナレッジの蓄積
業務を外部委託している場合、その業務を遂行するにあたって得られるノウハウ・ナレッジが社内に蓄積されません。
とくにシステム開発・運用を外部委託している場合、委託先の企業に開発・運用を丸投げしていて、仕様を理解している担当者が社内にいない、という状況も珍しくありません。
そのような状況では、委託先が撤退してシステム開発・運用が困難になってしまうケースや、委託料の引き上げに応じざるを得ないというケースも考えられます。
一方、業務を内製化することで、業務遂行や課題解決に必要なノウハウ・ナレッジが社内に蓄積され、継続的な業務改善につなげることができます。
内製化のデメリット

内製化を進めることのデメリットとして、以下の3点が考えられます。
内製化のデメリット
- 初期・運用コストの負担
- 人材獲得・育成のハードル
- コスト意識が低くなる可能性
詳しく確認していきましょう。
初期・運用コストの負担
外部委託していた業務を内製化することで、初期・運用コストが必要になる場合があります。
外部委託していた業務によっては、新たに設備やシステムを導入しなければなりません。
また、社内で対象業務を運用していくための人的リソースも確保しなければならないでしょう。
人材獲得・育成のハードル
これまでアウトソーシングしていた業務を内製化する場合、社内で対応するために新たに人材を獲得したり育成したりする必要があります。
とくに、システム開発や運用など、専門的な知識や経験が求められる業務を内製化する場合、相応の教育コストを掛けて人材を育成したり、外部から専門人材を獲得しなければならないケースも考えられます。
コスト意識が低くなる可能性
業務を外部委託する場合、対象業務にかかるコストが外部委託費用として可視化されます。
一方、内製化した場合、対象業務に携わる従業員の人件費や経費、業務遂行に必要な設備・備品コストなどが複雑に絡み合うため、正確にコストを把握するハードルが高くなります。
その結果として、対象業務に携わる従業員のコスト意識が低下してしまう可能性も考えられます。
内製化が注目されている理由

システム内製化の動きが活発化している大きな要因として、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」が挙げられます。
このレポートでは、2025年には21年以上にわたってレガシーシステムを運用している企業が6割に達するという試算が示されています。
そして、レガシーシステムの刷新に乗り遅れた企業は多くの事業機会を失うと考えられており、DXレポートでは年間最大12兆円の経済損失が生じるシナリオ、いわゆる「2025年の崖」に警鐘を鳴らしています。
そもそも日本は欧米諸国に比べて自社内にIT人材を雇用しているユーザー企業が少なく、ベンダー企業にシステムの受託開発を依頼するケースが一般的です。
そのため、自社内にシステムの開発や保守を行うためのノウハウ・ナレッジが蓄積されておらず、レガシーシステムの存在に気が付いていても放置してしまうケースが少なくなかったのです。
しかし近年では、時間が経てば経つほどレガシーシステムを刷新するコストが増大化してしまうことから、システム開発・運用の内製化に舵を切り、レガシーシステムからの脱却を目指す企業が増えつつあるのです。
(参照:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省))
内製化を進める際のポイント

次に、内製化を進める際のポイントとして以下の3点をご紹介します。
内製化を進めるポイント
- 業務を整理して内製化の対象を検討
- 内製化による費用対効果を検証
- ノーコード/ローコードのITシステムを活用
では、詳しく見ていきましょう。
業務を整理して内製化の対象を検討
内製化を進めるにあたり、まずは既存の業務内容を整理することが大切です。
業務がどのような流れで行われているのかを把握しなければ、内製化することも業務効率を改善していくこともできません。
まずは業務の棚卸しを行い、外部に委託している工程も含めて、「誰が」「いつ」「何をしているのか」を整理して可視化していきましょう。
そのうえで、業務の一連の流れのなかでどの工程を内製化するのかを検討していきます。
内製化による費用対効果を検証
内製化する業務が決まったら、コストを試算していきます。
これまで外部委託していた業務を内製化する場合、新たに設備やITシステム・サービスが必要になるかもしれません。
また、対象業務を行う人材を育成・確保する必要があるほか、担当者の人件費も考慮しなければなりません。
初期投資や社内運用で発生するコストに見合った効果を得られるかどうかを、慎重に検証しましょう。
ノーコード/ローコードのITシステムを活用
ノーコードやローコードのITシステムを活用することも、内製化を成功させるためのポイントのひとつです。
ノーコードとはソースコードを記述せずにシステムなどを開発する手法のことで、ローコードは必要最低限のソースコードを記述しながら開発を行う手法のこと。
近年は、ノーコードやローコードで開発可能なITシステムやクラウドサービスが数多く登場しており、専門知識を持つ人材ではなくてもシステム開発を行いやすくなっています。
ノーコード/ローコードのITシステムやサービスを利用することで、人材獲得・育成の高いハードルを解消しつつ内製化を進めていくことができるでしょう。
内製化の第一歩にワークフローシステム

ここまでは、内製化のメリット・デメリットや重要性について解説してきました。
しかし、
「内製化といっても、何から始めればよいかわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
そのような場合、ワークフローシステムの導入から始めてみるのも一策です。
ワークフローシステムとは、各種申請や稟議など社内で行われる業務手続きを電子化するシステムのことで、業務の内製化を進める基盤として大いに役立てることが可能です。
/
サクッと学ぼう!
『1分でわかるワークフローシステム』
無料ダウンロードはこちら
\
業務の流れが可視化される
ワークフローシステムを導入する際は、既存の業務の流れをワークフローシステム上に再現していく作業が発生します。
つまり、「内製化を進める際のポイント」である既存業務の棚卸しを行い、システム上で業務の流れを可視化することになります。
さまざまなシステムとつながりDXを加速
ワークフローシステムを利用するメリットとして、他のシステムやクラウドサービスと連携してDXを推進していくことができる点が挙げられます。
会計システムや受発注システム、人事システム、グループウェアなど、さまざまなシステム・クラウドサービスと連携することができ、各システム・サービスで行っていた業務手続きをワークフローシステム上に集約することも可能です。
ノーコード/ローコードで開発可能
ワークフローシステムのなかには、ノーコードやローコードで開発可能な製品が存在します。
ノーコード/ローコードのワークフローシステムであれば、申請フォームや承認ルートを社内で開発・設計することができるので、専門知識がなくても簡単に導入・運用することが可能です。
「X-point Cloud」で内製化の推進基盤を構築!
次は、内製化推進基盤の構築に役立つ具体的なソリューションとして、「X-point Cloud」の特徴をご紹介します。
ノーコード開発に対応するクラウド型ワークフローシステム
「X-point Cloud」は国内シェアNo.1(※)のクラウド型ワークフローシステムです。
※Saasワークフロー市場占有率 (2020年度) 出典 富士キメラ総研 『 ソフトウェアビジネス新市場 2021年版 』
サーバーなどの初期投資は不要で、利用するユーザー数に応じた料金体系となっているためコストを抑えつつスモールスタートすることができます。
また、ノーコード開発に対応しており、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で申請フォームや承認ルートを設計・開発可能です。
また、さまざまなシステム・クラウドサービスと連携可能なので、さまざまな業務の効率化・内製化を推進する基盤として活用することができるでしょう。
「X-point Cloud」で業務の内製化を進めた事例
最後に、「X-point Cloud」で業務の内製化を進めた企業事例をご紹介します。
電子関連の先端技術情報提供を主力事業とする一般社団法人KEC関西電子工業振興センターは、「X-point Cloud」を導入して社内稟議や各種申請、経費精算等の業務を電子化しました。
同社では従来、エクセルで作成した書類を印刷して社内手続きを行っており、書類作成や回付の負担が大きく、総務部における生産性低下の要因となっていました。
そこで同社は、ワークフローシステムで申請業務の電子化を決断し、内製開発・運用を前提に「X-point Cloud」を導入。
総務部メンバーが中心となって工夫と改善を繰り返し、承認ルートと17種類の申請フォームの内製開発と、会計システムとの連携を実現しました。
その結果、各種申請書の処理業務を約4割削減し、従来よりも早期の月次決算が可能になるなど、大きな効果を得ることに成功しています。
まとめ
今回は、内製化の意味やメリット・デメリットなどを解説してきました。
DXの重要性が増す昨今、システムの内製化に着手する企業は今後ますます増えていくことでしょう。
これから業務の内製化を進めていきたいと考えている方は、まずはワークフローシステムの導入から体制を整えてみてはいかがでしょうか。
もっと知りたい!
続けてお読みください
DX推進に悩むあなたへ
DX最初の一歩はワークフローシステム
DXの基礎知識やDX推進を成功に導くための秘訣をお伝えいたします。
こんな人におすすめ
・DXの基礎知識が知りたい。
・DXの進め方が分からない。
・成功事例が知りたい。


「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。