イチジク製薬株式会社 のワークフローシステム導入事例
社内の申請業務を完全電子化し、煩雑な手書き書類を一掃
決裁に要する期間は1/2以下になり知識共有のデータベースが確立
便秘治療薬「イチジク浣腸」で高い知名度を誇るイチジク製薬株式会社は、紙の帳票による申請業務に起因する意思決定の遅滞など、複数の課題を抱えていた。こうした課題の解消を目指し、同社はX-point Cloud(エクスポイントクラウド)を導入。約20種類の申請書をすべて電子化し、申請業務のペーパーレス化を実現した。これにより、決裁に要する期間は従来の1/2以下に短縮され、回付や保管などに費やしていた手間も大幅に削減された。
さらに、同社では蓄積したデータを営業企画などの業務にも利用し、従業員共通の知識基盤としてもX-point Cloudを活用している。
課題・背景
- 約20種類の紙の申請書で申請業務を運用
- 承認者の不在時などに申請業務が大幅に遅滞
- 決裁後の記録閲覧に手間が多く、振り返りが困難
業務効果
- 紙の申請書すべてのペーパーレス化が実現
- 意思決定が加速し、決裁までの期間は半分に
- 業務に活用できる従業員共通の知識基盤を確立
【経緯/課題】紙の申請書が引き起こすさまざまな非効率 意思決定の遅れや知識活用の課題
便秘治療薬「イチジク浣腸」で広く知られるイチジク製薬。創業以来、主軸事業である医薬品事業を通じて人々の健康や生活に貢献してきた。同社の事業の原
点は創業者である医師の田村廿三郎(たむらはたさぶろう)の強い思いにある。
1920年(大正9年)、自身の医院を開業した田村は、便秘に苦しむ子供たちを数多く診察するなかで「早く子供たちを楽にさせる方法はないか」と思案するよ
うになった。その後、独自の研究を開始した田村は試行錯誤の末に現在のイチジク浣腸の原型となる医薬品を開発した。それから100年近くが経過した今も、
田村の「一人でも多くの人を救いたい」という精神はイチジク製薬に受け継がれている。それを象徴するように、同社の本社は現在も田村の縁の地である東京
都墨田区に所在している。
高い知名度を誇る一方、従業員数50名と少数精鋭の組織を維持しているイチジク製薬。長い歴史のなかで磨かれた組織力や部門を超えた連携が強みだ。しか
し、そうしたなかでも社内には見逃せない非効率の種が生まれていた。それが紙の帳票による申請業務だ。2017年ごろまで、同社は稟議書や出張申請、振込
依頼など、さまざまな申請業務を紙の帳票を用いて行っていた。これにより生まれる非効率は少なくなかったと、情報企画部の安達博行氏は話す。
「以前、当社では紙の申請書で申請業務を行っていたため、申請書の回付や承認、処理、保管など一連の作業には多大な手間がかかっていました。特に、承認
者が出張などでオフィスを長期間不在にしている場合には申請がさらに遅滞し、承認までに1週間ほどを要することもありました。申請業務の遅滞は意思決定
の遅れを招き、組織運営全体に影響を及ぼします。他にも、過去の申請書の閲覧にも問題がありました。従来は、営業部では、稟議書はPDFにしてサーバー保
管、申請書はファイリングして保管していましたが、前者では閲覧権限をつけることができない問題、後者ではファイルを一枚一枚めくって探すという工数が
かかる問題がありました」(安達氏)。
実際に、イチジク製薬では、日常の業務のなかで過去の申請書を閲覧する機会がたびたびあった。例えば、卸売業者や小売店に向けたキャンペーンを企画する
際には、営業職の従業員が過去事例を参考にするために申請書を閲覧していた。こうした業務をより円滑に行うためにも、申請業務の電子化は必要不可欠だった。
【選定/導入】現場ニーズに応える柔軟なフォーム作成機能を評価 段階的なスモールスタートで紙の申請書を電子化
紙の申請書に伴う複数の課題に直面していたイチジク製薬に、転機が訪れる。当時の社長の発案により申請業務の電子化が決まったのだ。社長は以前から、申
請書の閲覧に多大な手間がかかることを問題視しており、その体制を改善するのが狙いだった。
こうしたなかで、イチジク製薬は複数のデジタルツールの検討を開始する。製品の選定を担当した安達氏は「最初はグループウェアを活用して申請業務に対応
しようと考えていました」と振り返る。当初、安達氏は申請業務に限らず、より広範囲にデジタルツールを導入し、業務全体の改善を図ろうとしていた。しか
し、その方針は選定の過程で変更になった。その経緯を安達氏は説明する。
「著名な製品を含め、いくつかのグループウェアを調査しましたが、正直なところ、当社に適した製品には出会えませんでした。というのも、グループウェア
のワークフロー機能は付随的なものであり、当社が求める性能を持つ製品はありませんでした。例えば、フォームを柔軟に作成できる機能です。製品選定に並
行して、当社では業務改善運動が盛んに行われていたのですが、そのなかで既存の紙の申請書の様式を変更して、作業効率を向上させるアイデアがいくつか発
案されていました。こうした草の根的な改善アイデアをシステム上に反映するには、細やかかつ柔軟にフォームを作成できる機能が不可欠です。しかし、多く
のグループウェアは所定の様式を変更しにくい仕様になっており、柔軟な活用が期待できませんでした」(安達氏)。
こうしたなかで、イチジク製薬はワークフローシステムに焦点を絞って製品選定を継続し、その末にX-point Cloudの導入が決まる。同社の親会社であるオカモト株式会社がオンプレミス版のX-pointを以前から利用しており、その評判が上々だったことが選定の後押しになった。X-point及びX-point Cloudには、フ
ォーム作成機能「eFormMaker」が備わっている。eFormMakerを活用すれば、当初の狙いだった柔軟なフォーム作成が期待できた。またシステム導入後には
従業員が外出時にも申請書の作成や承認作業を行える体制を目指していたことから、社外からもアクセスしやすいクラウド版のX-point Cloudが選定された。
導入を決めたイチジク製薬は安達氏を中心に2名のメンバーでシステムの構築を開始する。その際に留意したのが導入のスモールスタートだった。それまで、
同社ではワークフローシステムを運用した経験がなかったため、運用側とユーザ側の双方がシステムに不慣れな状態だった。こうした状況で全面展開を進めれ
ば各所での混乱が予想される。そのため、安達氏らは既存の紙の申請書のうち、利用頻度の高いものから段階的に電子化を実施。システムの現場への定着を徐
々に促すとともに、導入を通じて運用側のシステムへの理解を高めていく方針を採った。この方針は功を奏し、X-point Cloudの導入は円滑に進行。既存の紙
の申請書はイチジク製薬のオフィスから着実に姿を消していった。
フォーム作成ソフト 「eFormMaker」の画面。項目や入力 フォームなどを柔軟に設定できるため、 自社の運用に適した申請書を作成で きる。
【活用/効果】申請業務のペーパーレス化を実現し、意思決定のスピードが2倍に 過去の申請書を蓄積し、従業員共通の知識基盤として活用
2017年10月にX-point Cloudの運用を開始したイチジク製薬は、その後のシステム展開を通じて、申請業務のペーパーレス化を達成した。既存の約20種類の
申請書はすべてX-point Cloud上に移行され、申請回数は年間3,700件にのぼる。また、電子化にあたってはeFormMakerの特性を活かした申請書様式の改善
も施されている。その一例が、振込依頼書だ。振込依頼書は従業員が経理担当者に取引先などへの振込みを依頼する際に用いられるが、以前は紙の申請書に併
せて振替伝票を作成して添付していた。それが現在では、振込依頼書のフォーム内に振替伝票が組み込まれ、同時に作成できる。両者の入力項目には共通する
箇所もあるため、入力制御機能による自動入力の仕組みも施されている。これにより、ユーザ側の申請書作成の手間が省かれるだけでなく、決裁後の経理担当
者による処理業務も効率化された。
安達氏は、こうしたペーパーレス化や業務効率化による変化は目に見える形で表れていると述べる。
「申請業務のスピードは大幅に加速しています。従来であれば、1週間ほどを要していた申請が現在では3日ほどで承認されており、決裁までの期間は半分以下
になりました。こうした意思決定の加速は組織運営の効率化に繋がっており、日常の業務のなかでも効果を実感しています。以前は、私自身も決裁が下りるの
を待ったり、申請書を差し戻されたりすることを煩わしく感じていたのですが、現在では申請業務全体が効率化され、そうしたストレスはかなり軽減されてい
ます」(安達氏)。
さらに、イチジク製薬はX-point Cloudを、従業員が業務に関するノウハウを得るためのデータベースとしても活用している。X-point Cloudを検索すれば、申
請書の作成方法や過去の申請内容、稟議書の添付資料など幅広い情報にアクセスできる。これらの情報は業務を進めるうえで極めて有用だ。X-point Cloudは
同社の業務推進を支える従業員共通の知識基盤としても役割を果たしている。
X-point Cloudで作成した振込依頼書。同一の画面内に振替 伝票を挿入することで、経理処理の効率化も図っている。
【製品への評価】X-point Cloudの強みは、小規模組織でも成果が得られること 小規模組織こそ業務改善に向けた電子化の推進を
最後に、X-point Cloudへの評価について尋ねると、安達氏は「X-point Cloudの強みは小規模組織でも効果を実感できることです」と答えた。
「当社は50名ほどの少数の組織ですが、X-point Cloudを利用し始めてから目に見えて業務の状況が変化しています。『電子化で成果が得られるのは大規模な
組織だけ』と誤解している方も多い印象ですが、少なくとも当社は申請業務の電子化で業務のあり方が大きく変わりました。ぜひ少数の組織の方にもX-point
Cloudを積極的に活用して、業務改善を進めてほしいです」(安達氏)。
X-point Cloudの各種機能を細やかに活用し、申請業務のペーパーレス化を達成したイチジク製薬。その取り組みで得られた成果は、同社が次の100年へ向か
うための原動力になるに違いない。
お客様の声
「従来、1週間ほどを要していた申請が、現在では3日ほどで承認されます。意思決定の加速と申請業務全体の効率化を実現できました」
イチジク製薬株式会社 情報企画部 安達 博行 様
お客様プロフィール
| 会社名 | イチジク製薬株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 〒130-0005 東京都墨田区東駒形4-16-6 |
| 創業 | 大正14年(1925年) |
| 従業員数 | 50名 |
| 事業内容 | 医薬品製造販売 |
| URL | https://ichijiku.co.jp/ |




