空研工業株式会社のワークフローシステム導入事例
X-point Cloudを導入し、稟議への速やかな承認が可能に
申請業務のデジタル化を通じて遠隔拠点への統制強化も実現
福岡県福岡市を本拠に全国14ヶ所の拠点を展開し、冷却塔をはじめとした空調設備機器を製造・販売する空研工業株式会社は、長年続いていたアナログな業務体制を、コロナ禍をきっかけに刷新。その一環としてX-point Cloud(エクスポイントクラウド)を導入し、紙の帳票で運用していた申請業務を電子化した。
これにより、紙の帳票の回付や郵送に費やされていた手間がほぼゼロに削減され、承認までに要する期間が大幅に短縮された。
さらに、申請業務が可視化されたことにより、独立性の高かった遠隔拠点への統制も強化されている。
課題・背景
- アナログな申請業務により数多くの非効率が発生
- 稟議申請などの承認までの期間が長期化
- 遠隔拠点の独立性が高く、統制に多大な手間が発生
業務効果
- 紙の申請書のデジタル化により、業務効率化が進展
- 承認までの期間が短縮され、速やかな意思決定が可能に
- 申請業務の可視化、遠隔拠点への統制強化
【経緯/課題】紙の帳票申請で業務効率が大幅に低下 遠隔拠点からの申請書回付・郵送が業務負担を増大
1956年に福岡県福岡市で創業した空研工業は、70年近くにわたり空調設備機器を手がけてきた。主力製品である冷却塔(クーリングタワー)は大気を水など
の熱媒体と接触させて冷却する熱交換器の一種で、商業ビルやプラントなどに設置される。同社は、冷却塔上部の空気出口付近に送風機を設置する「軸流送風
式冷却塔」の特許を取得し、国内のシェアを大幅に拡大。現在では、この製品のリーディングカンパニーとして確固たる地位を築いている。国内の著名なテー
マパークやスタジアムでも同社の冷却塔が稼働している。
空研工業は長年にわたり蓄積した技術力と提案力を武器に拡大を続けてきた。現在、福岡県の本社を中心に、東京、大阪、名古屋、広島、札幌、仙台など、
全国14ヶ所に拠点を展開している。さらに、2020年にはベトナムに「空研ベトナム」を設立し、海外への事業展開も積極的だ。ますます組織の裾野を広げつ
つある空研工業だが、その勢いが課題に転じることもあった。その一つが、同社で長年運用されてきたアナログな業務体制である。システム部副部長の林祐介
氏は、紙の帳票を使用した申請業務をより効率的なものに切り替える必要があったと説明する。
「例えば、申請業務はExcelのフォーマットに所定事項を記入し、紙に印刷して回付するという方法で行っていました。紙の帳票を持ち運んで決裁を受けるに
は時間がかかり、最終的な承認までに遅れが生じます。特に、承認者が不在時などには承認が滞ることがありました。例えば、私の上長である取締役は海外事
業も兼任しているため、数日ほどオフィスを不在にすることも少なくありません。そうした場合には、取締役が海外から帰るまで承認を待つ必要がありました」(林氏)。
また、紙の帳票は回付や保管の途中に紛失したり所在がわからなくなったりするリスクもある。何より、手間を要していたのが、遠隔拠点からの申請だ。社長
決裁の申請書などは、申請書を福岡の本社に郵送して承認を受けなければいけないため、遠隔拠点では意思決定にタイムラグが生まれ、支障を来すことが度々あった。
【選定/導入】コロナ禍を契機に業務体制のデジタル化が急速に進展 丁寧なコミュニケーションを通じて社内の不安を解消
空研工業は、コロナ禍が契機となり申請業務のデジタル化を決定した。企業の出社制限が広がるなか、空研工業にもリモートワークの導入が求められたことが
その背景にある。これを受けて、同社は勤怠管理システムや経費精算システムなどを導入し、既存のアナログな業務を着実に刷新していく。
X-point Cloudの導入も、このデジタル化施策の一環だった。導入のきっかけは、当時のシステム担当者からの提案によるものだ。前職時代にX-point Cloud
を利用していた担当者は、その操作性の高さやメンテナンスの手軽さを高く評価していた。また、当時は複数のデジタル化施策が同時並行していたこともあ
り、クラウド製品であるX-point Cloudの導入の容易さも大きな魅力となっていた。こうしてX-point Cloudを選定した空研工業だったが、導入にあたってはあ
る課題にも直面している。長年にわたり紙の申請書や押印作業に慣れ親しんでいたため、新しいシステムの導入には当初、慎重な意見も多かったのだ。これら
の意見に対応するため、同社はさまざまな施策を講じている。その内容を林氏は振り返る。
「まずは丁寧な説明が何よりも重要でした。たしかに、当社の業務体制は10年間ほどほぼ変わっていませんでしたし、当時は経費精算や勤怠管理システムの
導入も同時並行で行っていたため、社員が反発を覚えるのもしかたなかったかもしれません。そのため、取り組みの理解を得ることが重要だと考え、導入時に
は全国の14のすべての拠点でシステム説明会を実施しました」(林氏)。
さらに、X-point Cloudの「モバイル承認機能」も導入の後押しになった。モバイル承認機能は、iPhone、iPad、Android端末の専用アプリで申請や承認を行
える機能だ。オフィスに出社することなく申請業務を行えるため、出張や外出の機会が多い経営層の心を捉えた。場所や時間を問わずに承認が可能で、組織の
意思決定を止めずに済む点が特に高く評価されたのだという。こうしたなかで、当初は不安視されていたシステム導入は次第に円滑化し、組織の隅々に広がっていった。
モバイル承認機能の画面。iPhone、iPad、Android端末の専用アプリで申請や承認が行えるため、時間や場所を問わず申請業務を実施できる。
【活用/効果】申請業務の効率化により、組織としての意思決定が加速 申請の流れも可視化され、遠隔拠点の内部統制が強化
現在、空研工業ではグループの全部門約560名の社員にX-point Cloudが利用されている。工場勤務などの一部の社員については、上長による代理申請を行っ
ており、事実上、空研工業の全社員がX-point Cloudを通じて申請業務を実施している。申請書の数は約40種類。稟議や経理、人事など、幅広い領域で申請業
務がデジタル化された。
これによる効果も目覚ましい。以前は、紙の申請書で行っていた作業がシステム上で一貫されるようになったため、申請書の回付や押印、保管などに要してい
た手間はほぼゼロになった。遠隔拠点からの申請書の郵送も不要になり、全国のすべての拠点でスムーズに承認が得られるようになっている。また、モバイル
承認機能の活用により、以前は申請を遅滞させる要因だった承認者の不在時の問題も解決された。現在では、経営層を中心にほぼ全ての承認者が、オフィスの
不在時にはスマートフォンを通じて申請書を決裁している。これにより承認までの期間は大幅に短縮され、組織としての意思決定が迅速化した。
さらに、X-point Cloudの運用を担当する総務部の立石 達也氏は、X-point Cloudの導入により、従来はなかなか難しかった内部統制の強化が進んだと語る。
「当社は全国に14の拠点を展開していますが、一つの組織である以上それらを統合して管理する仕組みが必要でした。以前は、紙のため承認フローが拠点ごと
で確立できないこともありましたが、X-point Cloudでは、承認者を固定することができるため、必要に応じて設定しています。例えば、稟議の際は法務部門
を必ず通すルールがあるため、稟議フォーマット作成の際は、法務部門を承認フローに固定することで解決しました。また、導入したことにより統一的な管理
方法に変わったため、各拠点に依存していた保存方法も統制されました。ですが、統制できている範囲が稟議書や財務・人事書類までの事務側に限るため、今
後の課題としては、営業の発注状況も統制できればと考えています。現在ではX-point Cloud上の申請が可視化され、蓄積されるため、福岡の本社にいながら
遠隔拠点の申請を即座に把握することもできます。実際に、経営層はX-point Cloudの検索機能で各拠点から起案される申請書を確認し、管理業務に活用して
います。そのため、X-point Cloudを用いた業務の可視化の仕組みは、当社のように中小規模でありつつも全国に拠点を展開している企業にとって、非常に有
効なものだと思います」(立石氏)
過去の申請書を多様な条件で検索できる。空研工業では遠隔拠点の状況を把握するツールとしても活用されている。
【製品への評価】前任者からの引き継ぎ作業はわずか1~2時間ほど X-point Cloudの運用は手軽で、利便性も優秀
今後、空研工業ではX-point Cloudの導入をさらに推進し、申請業務の完全デジタル化を目指す。すでに全体の7割程度は完了していることから、目標達成は目前だ。最後に立石氏にX-point Cloudの評価を尋ねると「利便性の良さを評価しています」と答えた。X-point Cloudの導入後に空研工業に入社し、前任の担当者からシステムの運用を引き継いだ立石氏だったが、当初の想定よりもすんなり運用作業に慣れることができたという。
「前任の担当者からの引き継ぎ作業はわずか1~2時間で完了したと記憶しています。私自身、本システムの運用経験はなく短期間での引き継ぎには懸念もあり
ました。しかし、実際に操作してみるとそれほど困ることはなく、前任者が問題なく運用できるまでの環境作りをしていたこともあり、マスタ管理の運用にも
次第に慣れていきました。これについては、もともと引き継ぎをする以前にユーザーの一人としてX-point Cloudを利用していたのが大きいかもしれません。
ユーザーとしてシステムの操作には慣れていたので、運用作業もすんなり慣れることができました。さらにX-point Cloudはサポートサイトなども充実してい
ますし、専門的な知識がなくても十分運用が可能です。情報システム部門のリソースが不足しがちな企業であっても、導入検討の余地はあるかもしれません」(立石氏)。
全国各地に拠点を展開し、今後は海外への飛躍も視野に入れている空研工業。その成長を支える役割をX-point Cloudが果たしていた。
お客様の声
空研工業株式会社 システム部 副部長 林 祐介 様「紙の申請書で行っていた回付や押印、保管の手間がほぼゼロに。意思決定が迅速になり、大幅な効率化に繋がりました」
空研工業株式会社 総務部 立石 達也 様 「メンテナンスの手間を減らすのが運用のポイントです。私は承認ルートをシンプルに設定することで、人事異動時などのメンテ ナンスの手間を削減しています」
お客様プロフィール
| 会社名 | 空研工業株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒810-0051 福岡市中央区大濠公園2番39号 |
| 設立 | 1956(昭和31)年6月20日 |
| 従業員数 | 524名 |
| 事業内容 | 空調設備機器販売、機械設備工事等 |
| URL | https://www.kuken.com/ |




