オカモト株式会社のワークフローシステム導入事例
決裁に一週間以上もかかっていた稟議書が、X-pointの導入で最短一日に短縮
オカモト株式会社は、1934年(昭和9年)に設立されたゴム・プラスチックの総合メーカーです。“身近な暮らしを科学する”をモットーに、人々の生活に役立つ商品を開発し提供してきました。同社では、2007年にX-pointを導入して、稟議書の電子化に成功し、国内・国際市場で強い競争力を維持する事業を展開し続けています。
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紙による稟議書の決裁が抱えていた数々の課題
ゴム・プラスチックの総合メーカーのオカモト株式会社は、本社のある東京を中心に静岡・茨城・福島に工場や研究所を整備し、海外にも進出しています。同社の総務部長兼人事部長の有坂氏は、X-pointによるワークフローを導入する以前に抱えていた業務の課題について、次のように振り返ります。
「以前は、紙を使った稟議書の決裁にかかる時間が課題になっていました。当社は、工場が離れた場所にあるため、設備投資の申請をはじめとして、各種の稟議が郵送によってやり取りされていました。そのため、一つの稟議書の決裁にかかる時間が、数日から一週間以上もかかっていました。結果として、意思決定や業務の遂行に支障が生じていました。また、稟議書という紙の消費も問題になっていました」
有坂氏は総務部に移る前に、経理部に所属していたキャリアがあり、そのときに社内の交通費を精算するシステムの開発に携わった経験がありました。その知見を活かして、稟議書並びに小口経費精算の電子化に取り組むことになりました。
「紙の稟議書は、決裁に時間がかかるだけではなく、承認者が出張していたり、膨大な稟議を抱えてしまうと、承認そのものが遅れてしまう事態発生していました。こうした問題を根本的に解決するためには、稟議書を電子化できるワークフローとウェブフォームが必要だと考えたのです」と有坂氏は導入の経緯を説明します。
複数のワークフローを比較検討して使い勝手の良いX-pointを採用
稟議書を電子化するためのワークフローの導入にあたって、同社の総務部では複数の製品を比較検討しました。採用にあたっては、情報システム室も協力して、社内システムとの連携なども評価しています。その検討結果について、蛯子氏は以下のように話します。
「何社かの製品を比較しましたが、これまで使っていた稟議書を考えたときに、X-pointがもっとも現在利用している紙のイメージに近い画面を設計できました。また、コスト面でも他と比べて安価で導入し易い投資額でした」
同社の総務部では、ワークフローによる稟議書の電子化は、業務改善の第一弾と考えていました。成果がでた後で、第二弾として経費精算業務への拡張も検討していました。そのため、ワークフローと経理システムの連携も、採用における大きな評価ポイントとなっていました。そして、紙のイメージを忠実に再現できる使い易さと、社内システムと連携できる機能が評価されて、X-pointの導入が決まりました。
稟議書の決裁が迅速になりトレーサビリティも向上
X-pointの全社的な導入にあたり、同社の総務部では説明会を行って教育を充実させました。その成果が実り、稟議書の電子化は大きな混乱もなく、本社から順次、工場にまで導入されていきました。その導入の成果について、総務部の斉藤氏は次のように説明します。
「X-pointを導入してからは、決裁にかかる時間がとても早くなりました。例えば、月曜日の朝に出した稟議が、その日の夕方には決裁されるようになりました。また、出張先の工場や研究所にあるパソコンからも決裁処理ができるので、上長が本社に在席していなくても、承認をもらえます。さらに、誰のところで稟議書が止まっているのかも見える化されているので、急ぎの承認にも迅速に対応できるようになりました」
2007年の導入から6年を経て、X-pointによる電子化された稟議書と経費精算業務は同社にとってなくてはならない存在となっています。そのワークフローを管理している総務部の高野氏は、社員の利便性を以下のように紹介します。
「電子化によって、わかりやすい明確な稟議書が作られるようになりました。手馴れた人は、過去の稟議書を雛形にするので、内容が端的で正確な申請がやり取りされるようになったと思います。また、稟議書のワークフローの仕組みを応用して、設計者が図面を稟議書に添付して、担当部署に渡すなど、活用の幅も広がっています」
スマートフォンにも対応して更なる利便性と迅速化を目指す
X-pointによる稟議書の電子化によって、全社の承認フローを劇的に改善し、業務の効率化と迅速化を実現した総務部では、更なる社員の利便性や業務の迅速化を目指しています。その取り組みと今後の計画について、有坂氏は次のように話します。
「やはりスマートフォンへの対応は、総務部としても急務だと思っています。スマートフォンからX-pointを利用できるようになれば、移動中の車内からでも、稟議書の承認が行えるようになります。先日バージョンアップしたX-pointは、iPhoneのウェブブラウザからアクセスできる機能を提供しているというので、インターネットから社内のX-pointにアクセスするルートを確保して、対応していければと検討しています」
また、斉藤氏は精算業務の利便性について、展望を語ります。 「電子マネーが普及し、定期などもIC化しているので、そうしたICカードの決裁システムと、当社の精算業務が連携できないかを模索しています。もしも、連携が実現すれば、交通費や経費の精算も、さらに便利になると考えています」
さらに、同社では関連するグループ各社への展開も検討しています。
「本社でこれだけ成果を出しているので、連結決算になるグループ会社にも、同じようにシステムを利用できないか、検討しています。実現できれば、グループ会社の業務も効率化できると期待しています」と有坂氏は抱負を述べています。
* 取材日時 2013年11月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
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