株式会社神崎高級工機製作所のワークフローシステム導入事例
申請業務のペーパーレス化で月額100万円の経費削減を実現
kintoneとの連携を軸に全社的なデジタル戦略を加速
ヤンマーグループの一員であり、歯車、工作機械、油圧機器、トランスミッション、マリンギヤ等製造・販売する株式会社神崎高級工機製作所は、コロナ禍をきっかけに社内のデジタル化に着手。
その第一歩としてX-point Cloud(エクスポイントクラウド)を導入し、改善活動を軸に申請業務のデジタル化を推進した。
その結果、100種類を超える紙の帳票のペーパーレス化に成功。申請業務の効率化により、月額100万円の経費削減も実現している。
さらに、業務アプリツールなど他システムとの連携にも取り組み、全社的なDX推進の原動力となっている。
課題・背景
- コロナ禍を契機に、社内のペーパーレス化が急務に
- 年間10,000件超の紙の申請業務がコスト増の要因に
- 手入力や転記など、非効率な業務プロセスが多数残存
業務効果
- 年間10,000件超の紙帳票を削減し、業務のデジタル化を推進
- 申請業務の効率化により、月額100万円の経費を削減
- 業務アプリツールとの連携で、業務環境のデジタル化が加速
【経緯/課題】コロナ禍で浮上した業務環境の課題 申請業務を軸としたデジタル化の着手
KANZAKIは、国内大手発動機メーカーであるヤンマーホールディングスのグループ会社であり、主にグループ内向けに、歯車や油圧機器、トランスミッションなどのコンポーネントを製造・提供している。一方で、その技術力と製品力はグループ外からも高く評価されており、国内外に向けても製品を展開。特にガーデントラクターなどの軽車両用トランスミッションは米国で評価が高く、現地生産拠点も展開している。
行動理念の一つである「和(やわらぎ)」の精神のもと、モノづくりを通じて産業・社会に貢献してきたKANZAKI。従業員一人ひとりが意見を出し合い、現場で改善を図る社風が、現在の地位を支えている。しかし、過去には、そうした文化の継続を脅かす事態にも直面した。2020年に訪れたコロナ禍では、従来のアナログな業務環境にまつわる課題が表面化し、業務の継続に支障をきたす場面もあった。当時の状況について、経営統括部経営企画グループの川内隆史氏は振り返る。
「長年、当社では紙帳票に依存した業務が数多く残っていたため、コロナ禍では多くの壁に直面しました。具体的には、紙の申請書の提出や承認のために出社が必要だったり、承認者が不在で承認が大幅に遅れたりといった事態です。当社は製造現場を有しており、従業員全員がPCを保有しているわけではないため、当時としては、紙の帳票のほうが効率的と思われるような場合もありました。また、もともと従業員同士が意見を出し合い、議論を重ねるような対面コミュニケーションの文化もあり、こうした点がデジタル化への遅れにつながっていました。しかし、コロナ禍によって多くの課題が浮き彫りになり、アナログな業務からの脱却は避けられないと判断しました」(川内氏)。
こうした中、KANZAKIは全社一体でデジタル化に着手。その中でも最優先課題として取り組んだのが、申請業務のデジタル化である。当時、KANZAKIでは年間10,000枚以上の紙の申請書が作成されており、その回付や承認、保管にかかるリソースは他業務と比べても際立っていた。申請業務は生産性向上を阻むボトルネックであり、効果の大きさを見込み、最初の対象業務として選定された。
【選定/導入】代行申請などの機能で現場に定着 改善活動を通じて活動範囲を拡大
申請業務のデジタル化にあたり、KANZAKIはワークフローシステムの導入を決定した。製品選定にあたっての要件は3つ。「製造現場に馴染みやすいシステムであること」「クラウドサービスであること」「価格が適正であること」である。特に製造現場が最も影響を受けることから、誰にとっても直感的に使える操作性が重視された。また当時は、社内システムのクラウド移行が全社方針として掲げられており、さらにコロナ禍により迅速な導入も求められていたことから、クラウド型であることは欠かせない要件だった。
こうした条件を踏まえ、KANZAKIは3製品を比較検討し、最終的にX-point Cloudを選定した。X-point Cloudはクラウド対応であると同時に、他製品と比べて機能と価格のバランスに優れ、現場導入のハードルが低い点が評価された。中でも特に高く評価されたのが、現場の負担軽減に直結する利便性の高い機能群である。例えば、紙の帳票レイアウトをそのまま再現できる機能により、従来の書式を活かしつつデジタル化が図れたため、システム導入後の反発や混乱を抑える効果が期待できた。
KANZAKIは選定後、プロジェクトチームを立ち上げ、導入に着手。人事労務グループが中心となって要件を整理し、人事マスタの設定を担当。経営企画グループは申請書作成などの技術支援を行いながら、システム構築を進めていった。こうしたチーム編成は功を奏し、コロナ禍の混乱下にも関わらず導入プロジェクトは順調に進行。システムの構築期間は約1ヶ月半、テスト運用を含めた全体工程はおよそ半年でカットオーバーに至った。
導入後もその取り組みは継続され、全社で実施している改善会活動を通じて、X-point Cloudの活用範囲はさらに拡大された。その過程について、経営統括部経営企画グループの草葉真里氏はこう語る。
「当社では毎年、部門ごとにテーマを設定して改善活動を行っています。私が所属する経営統括部では、2021年度のテーマにペーパーレス化を掲げ、X-point Cloudを活用した紙帳票のデジタル化を推進しました。この取り組みの結果として、1年間で60種類の紙帳票をデジタル化し、活用の幅を大きく広げることができました。システム導入では、利用範囲の拡大が重要になりますが、当社の場合は、長年に渡って取り組んできた改善活動の土壌が大きく後押ししてくれたと思います」(草葉氏)。
このように、組織文化として根付く地道な改善の習慣が、X-point Cloudの定着を促し、KANZAKIにおける導入効果を着実に引き上げていった。
【活用/効果】100種類以上の申請書をデジタル化し、月額100万円の経費を削減 kintoneとの連携でデジタル化をさらに拡大
現在、KANZAKIでは社内の全部署でX-point Cloudを活用しており、運用中の申請書は102種類にのぼる。申請件数は月間約2,000件に達し、日常業務に欠かせないツールとして定着している。これにより、年間10,000件超の紙の申請書がペーパーレス化され、申請業務のデジタル化が大きく進展した。
紙の申請書の回付や保管業務は不要となり、時間や場所に縛られない承認作業も可能となった。こうした業務効率化の効果を人件費などで換算すると、月額で約100万円のコスト削減につながっているという。
X-point Cloudの導入効果はこれだけにとどまらない。申請業務のデジタル化を起点として、他の業務領域へもデジタル化の波が広がっている。その一例として、草葉氏は業務アプリツール「kintone」とX-point Cloudとの連携を挙げる。
「現在、案件管理や資材管理を担うkintoneとX-point Cloudを連携し、入力作業の削減や業務の一元管理を進めています。例えば、kintoneアプリのマスタデータをX-point Cloudの帳票から参照して入力に利用したり、見積申請がX-point Cloud上で承認されると、その結果が自動でkintoneアプリに反映され、該当案件に見積金額が登録される仕組みを構築しています。さらに、X-point Cloudで決裁された帳票のPDFデータをkintoneアプリに自動格納する仕組みや、kintoneの案件管理アプリ内でX-point Cloudの申請状況を自動で反映する仕組みも導入しました。具体的には、「XP進捗状況」というフィールドを設け、申請ステータスに応じて「未」「申請中」「完了」のいずれかに自動更新されるようになっています(草葉氏)。
この仕組みにより、「XP進捗状況」が「完了」となった案件のみが、kintone上で次のステップである「受注」に進めるよう制御されており、承認未完了の状態で誤ってステータス変更してしまうリスクが排除された。従来はこれらの工程を手作業で対応していたが、X-point Cloudとkintoneとの連携により、複数の管理業務が自動化されることになった。
この点について、草葉氏は次のように補足する。
「kintoneにもプロセス管理機能はありますが、複雑な承認経路には対応が難しく、代行申請や承認機能もありません。また、すべての従業員にライセンス配付するとなると、投資対効果の観点で難しいという判断がありました。その点、X-point Cloudは機能性や連携性が高く、kintoneと補完的に連携させることで、コストパフォーマンスに優れた広範なデジタル化の中核を担う存在となっています」(草葉氏)。
さらに、X-point Cloudとkintoneの中間に、データ連携ツール「ASTERIA Warp」を組み合わせることで、より柔軟な業務運用を実現している。例えば、X-point Cloud側で「差し戻し」や「却下」となった承認ステータスも、ASTERIA Warpを介してkintone側で正確に把握できるようになっている。
このような連携により、両システム間の承認状況が詳細かつ正確に同期され、業務全体の可視化と効率化が実現している。複数のツールを連携させながら、自社に最適化された柔軟な運用を実現できる点も、X-point Cloudの大きな特徴といえる。
社員マスタをkintoneで一元管理し、連携機能を通じてX-pointでも活用。これにより、重複管理をなくし、メール アドレスやPCを持たない社員に代わって上長が申請できる仕組みを実現した。
X-point Cloudで承認された申請結果が、kintoneの案件管理画面に自動反映。従来は手作業で入力していた 見積金額やステータスが、自動連携により省力化されている。
【今後の展望】生成AI活用で業務の高度化を推進 X-point CloudがDXの第一歩に
KANZAKIでは今後も、業務のさらなるデジタル化に向けた取り組みを加速させていく。直近では、ノーコードツールやRPAの導入に加え、生成AIを活用した社内ヘルプデスクチャットボットの開発に着手するなど、デジタル活用の高度化が着実に進んでいる。
川内氏は、こうした一連の取り組みの原点がX-point Cloudの導入だったと、振り返る。
「当社はX-point Cloudの導入をきっかけに、デジタル化の範囲を大きく広げることができました。紙の申請書がデジタル化されていく様子を目の当たりにした従業員たちは、『デジタルを使うと仕事が楽になる』という実感を得られたと思います。その経験がデジタル化への意識を醸成し、他ツールの活用に対する心理的ハードルも下がりました。そうした意味で、X-point Cloudは、DXの第一歩を踏み出す際に非常に適したツールだったと感じています」(川内氏)。
次世代に向けた強靭な業務体制を確立しつつあるKANZAKI。X-point Cloudは、その飛躍の原動力となり、今なお同社の成長を支え続けている。
お客様の声
株式会社神崎高級工機製作所 経営統括部 経営企画グループ 草葉 真里 様 「私は数年前に初めて情報シス テム部門に配属されたばかりで すが、実務経験の少ない私でも X-point Cloudは問題なく運用 できています。操作性の高さは 際立っていると思います」
株式会社神崎高級工機製作所 経営統括部 経営企画グループ 川内 隆史 様「想定よりも短期間で導入できた ことに正直驚きました。コロナ禍の 真っ只中にも関わらず、ここまで スピーディに運用を開始できた のは、X-point Cloudの機能性 の高さがあってこそだと思います」
お客様プロフィール
| 会社名 | 株式会社神崎高級工機製作所 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒661-0981 兵庫県尼崎市猪名寺2-18-1 |
| 創業 | 1947年5月1日 |
| 従業員数 | 669名(2025年3月31日現在) |
| 事業内容 | 歯車、工作機械、油圧機器、トランスミッション、マリンギヤの製造 |
| URL | https://www.kanzaki.co.jp/ |




