DX推進におけるROIとは?最大化のポイントとソリューションを紹介!
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本記事ではDX推進におけるROIの重要性や課題、最大化のポイントを解説します。
DX推進に役立つソリューションも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
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ワークフローシステム導入のROIを見える化!

こんな人におすすめ
・費用対効果の算出に苦労している方
・システム導入のROIを説明する必要がある方
・システム導入効果の定量的・定性的な評価方法を学びたい方
DX推進におけるROIとは?
まずは、ROIの意味やDX推進における重要性を見ていきましょう。
ROIとは?
ROIとは「Return on Investment」の頭文字を取った用語で、日本語では「投資利益率」と訳されます。ROIを簡単に説明すると、投資金額に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標であり、「費用対効果」と言い換えてもよいでしょう。
ROIが高いほど投資が成功していることを意味し、経営判断を行う上で重視すべき指標だと言えます。
ちなみに、DX推進におけるコストとリターンの例としては以下を挙げることができます。
コスト要素(投資額)
- システム導入・開発費用(SaaS、クラウド、オンプレミス等)
- インフラ整備費(ネットワーク、セキュリティ対策など)
- 人材育成・研修コスト
- 運用・保守コスト
リターン(効果)
- コスト削減:業務効率化による人件費・運用コストの削減
- 生産性向上:ワークフローの自動化、ペーパーレス化、データ活用による意思決定の迅速化
- 収益増加:データ活用による新たなビジネスモデルの創出、マーケティングの高度化
- リスク低減:シャドーIT対策、情報漏えい防止、コンプライアンス強化
- 顧客満足度向上:サービスの利便性向上、パーソナライズ化、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上
DX推進におけるROIの重要性
では次に、DX推進におけるROIの重要性について見ていきましょう。
投資判断の根拠
ROIを算出し、DX実現に向けた投資に対しどれだけの利益が得られたかを示すことで、経営陣やステークホルダーに対して投資の正当性を証明しやすくなり、より良い投資判断の根拠として役立てられます。
リソースの最適配分
ROIを計算することで、DX推進の取り組みの中でもどのプロジェクトがとくに効果的かを判断できます。これにより、限られたリソース(予算や人材)を効果の大きいプロジェクトに配分することが可能になるでしょう。
予実管理の高度化
定期的にROIを計測することで、DXプロジェクトの進捗状況を把握し、精度の高い予実管理につなげることができます。これにより、プロジェクトが計画通りに進んでいるかを確認し、必要に応じて早期に対処することが可能になります。
DX推進でROIを示しにくい理由と解決の糸口

DX推進においてROIの算出は重要な役割を果たします。一方で、DX推進の取り組みでは、さまざまな理由からROIを示しにくいケースも存在します。
次は、DX推進でROIを示しにくい理由と解決の糸口を見ていきましょう。
短期的な効果測定が難しい
DXの取り組みの多くは長期的な視点で投資を行う必要があり、短期間でROIを測定することが難しい場合があります。
DXの取り組みを適切に評価するためにも、複数の評価期間を設定するのが好ましいです。たとえば、1年・3年・5年といった異なる期間でROIを計測することで、取り組みの成果を高い精度で評価することができるでしょう。
成果の定量化が難しい場合がある
DXによる成果は、業務効率化や顧客満足度の向上など、定量的な効果を算出することが難しい場合があります。
データ分析ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用して定量化を図ったり、定量評価を補完する定性的な評価指標を導入するのも一策です。
複数の要因が絡み合う
DX推進には、技術的な要因に加え、組織文化の変革や人材の成長など、多様な要因が絡み合うため、ROIを単純に計算することが難しくなります。
各要因の寄与度を明確にするためにも、KPI(重要業績評価指標)を設定して各要因の成果を個別に評価しましょう。
新たなビジネスモデルの不確実性
DX推進により新たなビジネスモデルに参入する場合、その市場性や収益性が不確実であることが多く、ROIを予測することが難しくなります。
そのような場合、スモールスタートやパイロットプロジェクトの実施が有効です。まずは小規模で試験的に導入し、その成果を評価してから本格的な展開を行うことで、リスクを低減しつつ、ROIをより正確に予測することができるでしょう。
収益に直結しない取り組みも必要
データ整備やプラットフォーム構築などの基盤整備は、DX推進には不可欠な取り組みです。一方で、これらの投資は直接的な収益を生むものではないため、ROIの算出が難しい場合があります。
DX推進のための基盤整備の投資に関しては、TCO(総所有コスト)を計算し、長期的なコスト削減効果を評価することが大切です。
DX推進とROI向上にワークフローシステムが有効

次に、DX推進およびROI向上に役立つソリューションとして、ワークフローシステムをご紹介します。
ワークフローシステムとは、各種申請や稟議などの手続きを電子化するツールのことで、業種業界や組織規模を問わず多くの企業で活用されています。
では、ワークフローシステムがROIを高めつつDX推進していくのに役立つ理由を見ていきましょう。
業務効率化とコスト削減
ワークフローシステムを導入することで、業務効率化とコスト削減を実現可能です。
企業では日々さまざまな申請・稟議などの手続きが行われますが、これらを紙ベースで運用していると、さまざまな無駄・非効率が生じてしまいます。
ワークフローシステムを利用することで、紙に起因する無駄・非効率を解消して手続きを効率化することができ、紙文書の印刷や郵送、保管にかかっていたコストも削減することができます。
また、申請・稟議といった手続きは部署部門を問わず行われるプロセスという点も重要です。全従業員が関わる業務プロセスをデジタル化できるため、作業工数の削減効果が大きくタイムパフォーマンス(タイパ)に優れており、DX推進の第一歩としても非常に効果的だと言えるでしょう。
ワークフローシステムがタイムパフォーマンスを改善!

こんな人におすすめ
・ 間接業務に追われてコア業務に注力できない。
・コスト削減をしているが効果が限定的。
・ DXの取り組みを加速させたい。
プロセスや実績の可視化
ワークフローシステムは、社内で行われている業務の流れをシステム上に反映します。
これにより、従来は見えづらかったプロセスが可視化され、ボトルネックとなっている工程を特定しやすくなります。
また、ワークフローシステムで処理したデータはログとして記録されます。「いつ・誰が・何を申請し、どのように処理したのか」という証跡が残るため、不正の防止や早期検知に役立ちます。
さらに、保存されたデータはさまざまな条件で検索・参照したり、集計・出力したりすることができるので、手続き関連のデータを定量的に評価・分析したり予実管理に役立てたりすることが可能です。
データの集約と一元管理
ワークフローシステムを他システムと連携することで、社内のデータを集約し一元管理することが可能です。
近年では、さまざまな業務システム・ツールが登場しており、部署部門や業務領域ごとにシステム・ツールを導入するケースが増えてきています。そうしたなか、部署部門や業務単位で個別最適化が進んだ結果、システム乱立に陥ってしまいデータがサイロ化してしまうケースも少なくありません。
ワークフローシステムと各種システム・ツールを連携することで、システムごとに行っていた手続きを集約することができ、システム間での転記・二重入力の手間を解消したり、マスタデータ連携により管理・メンテナンスの負担を軽減することが可能です。社内に散在していた情報を一元管理できるので、データドリブンな経営判断につなげることもできるでしょう。
ワークフローシステムでDX推進・ROI向上を実現した事例
最後に、ワークフローシステムを活用してDX推進およびROI向上を実現した事例を見ていきましょう。
ここでは、シリーズ累計4,500社超の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」の利用企業のなかから一部事例をご紹介します。
全社展開によりDX実現に向けた取り組みを加速(コロナ)
株式会社コロナは、2017年に「X-point Cloud」を導入して間接部門のペーパーレス化を推進し、全社展開を機に「AgileWorks」へのリプレイスを実施しました。
以前より全社的な生産性向上に取り組んできた同社は、その一環として間接部門の課題の洗い出しを実施。その結果、紙ベースの申請業務が意思決定の遅滞や管理業務の煩雑化を招いていることが判明し、間接部門のペーパーレス化に着手することになりました。
システム選定の結果、スモールスタートに適した料金体系であり、同社が利用しているグループウェア「desknet’s NEO」との親和性の高さが決め手となり、「X-point Cloud」の導入を決めました。
「X-point Cloud」の導入後、約2年で41種類の申請書を電子化し、年間50,000枚の紙帳票削減を達成。この効果に注目した同社はワークフローシステムの全社展開を決め、大規模組織向けの新たなワークフローシステムの選定を実施。比較検討の末、操作性と拡張性に優れた「AgileWorks」へのリプレイスを決定しました。
現在、同社では全従業員約1,600名が「AgileWorks」を利用しており、紙帳票の削減効果は年間約80,000枚に到達。各種システムやRPAとの連携により幅広い業務プロセスのデジタル化を進めており、「AgileWorks」は同社における「DXの起点」としての役割を果たしています。
デジタルへの苦手意識を払拭し「草の根DX」を推進(ヤンマー建機)
ヤンマー建機株式会社は、「AgileWorks」を導入して申請業務の電子化を実現し、DX推進の取り組みを加速させました。
「AgileWorks」の導入以前、社内に情報システム部門を持たない同社ではデジタルに苦手意識を持つ従業員も多く、さまざまな業務がアナログな状態でされていました。
たとえば、数多くの申請業務が紙の帳票で運用されており、持ち回りによる決裁に多くの工数が費やされていただけでなく、承認後の処理業務も煩雑でバックオフィス部門の業務負担が増大化している状況でした。
この状況を問題視した同社は、現場メンバー主導によるDX活動「草の根DX」を提唱し、DX推進グループを発足。DX推進プロジェクトの一環として、申請業務の電子化に着手することとなりました。
製品選定では、すでに導入していたウイングアーク1st社の各種システムとの連携性やデザイン性、申請・承認の容易さなどを考慮した結果、「AgileWorks」の採用を決定。DX推進グループを中心に、各部門の実務に関わる従業員を巻き込み導入を進め、2022年10月に「AgileWorks」の運用を開始しました。
運用開始から半年後には約10種類の申請を「AgileWorks」に移行するなど幅広い業務のデジタル化を実現。年間1,000時間超の業務削減を達成したほか、従業員のデジタル化への意識醸成にもつながるなど定量・定性の両面で効果を得ており、「草の根DX」の加速に手ごたえを実感されています。
まとめ
今回は、DX推進におけるROIの重要性や、よくある課題と解決の糸口をご紹介しました。
DX推進の取り組みを正しく評価し、その効果をさらに高めていくためにも、ROIは非常に重要な役割を果たします。
そして、DX推進およびROIの最大化に役立つツールのひとつが、記事内でもご紹介したワークフローシステムです。DX推進やROI向上に課題を感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。