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建設DXとは?建設業界が抱える課題や注目のデジタル技術、成功事例を紹介!

建設DXとは?建設業界が抱える課題や注目のデジタル技術、成功事例を紹介!

昨今ビジネスシーンでよく耳にする言葉に「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」が挙げられます。

DXとは、2018年に経済産業省が公表した「DX推進ガイドラインVer.10」によると
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

つまり、デジタル技術による変革を指します。

そして、あらゆる産業のなかで、とりわけDXの推進が急務とされている業界のひとつに建設業界が挙げられます。

そこで今回の記事では
「なぜ建設DXが急務なのか」
「建設DXにはどのようなものがあるか」
「建設DXは何からはじめればいいのか」
など、建設DXに関する基礎知識や導入事例について解説していきます。

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建設業界のニューノーマル! 建設DXにおける働き方改革を支えるワークフローシステムとは

建設DXのはじめの一歩としてワークフローシステムをご紹介させていただきます。

こんな人におすすめ

・建設業界にお勤めの方
・紙やアナログな申請手続きのデジタル化を検討されている方
・ワークフローシステムの新規導入、リプレイスを検討している方
・働き方改革、DX化、業務効率化にご興味ある方

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建設業界が抱える課題

建設DXが何かを説明する前に、まずは現在の建設業界が抱える課題について整理しておきましょう。

1.人材不足

建設業界が抱える課題としてまず挙げられるのは人材不足です。

2021年3月に国土交通省により発表された「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、平成9年のピーク時に685万人いた就業人口が、2020年の時点では492万人まで落ち込んでいます。

また、同報告によると、2020年の建設業の就業者のうち36%を55歳以上が占めているのに対し、29歳以下の割合はたった12%しかなく、全産業の平均が、55歳以上31.1%、29歳以下が16.6%であることを鑑みても、ほかの業界と比べて著しく高齢化が進行していることがわかります。

これは、労働人口の減少だけではなく、伝統的な建築技法を次の世代へつなぐことができないなど、技術継承の観点からも深刻な課題であるといえます。

2.働き方改革

建設業界における2つ目の課題は働き方改革です。

前述の報告によると、2020年における建設業従事者の年間実労働時間は、1985時間となり、全産業の平均1621時間と比較して約2割多くなりました。

また、年間の出勤日数についても、全産業の平均が212日であるのに対し、建設業が244日であることから、建設業に従事する者が恒常的に長時間労働の過酷な環境にさらされていることがわかります。

しかしながら、2019年に施行された働き方改革関連法における特例処置(時間外労働の月上限45時間に対して、5年の猶予期間が与えられた)の期限である2024年がすぐそこに差し迫ってきていることにより、建設業界は今、働き方を抜本的に見直す必要性に迫られています。

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3.低い生産性

建設業界における3つ目の課題は低い生産性です。

建設ハンドブック2021によると、2019年の付加価値労働生産性において、建設業は2872.9円/人・時間となり、全産業平均の5788.7円/人・時間を大きく下回る結果となりました。

現場ごとに環境が異なるため業務や作業の標準化が難しいほか、1で説明したような人材不足が原因で適切なリソースを配置することができない、慢性的な長時間労働で作業効率が低下してしまう、手作業が多く存在しているなどさまざまな要因が挙げられています。

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4.対面主義

現場に赴かなくてはならない、連絡体制の構築が難しい、作業指示書や図面を共有しなければならないなどさまざまな事情により、建設業界では対面主義が根強く残っています。

そのため、建設業界はテレワークなど場所に縛られない働き方の導入がなかなか進みませんでした

総務省より発表された「令和3年版情報通信白書」のテレワークの実施状況によると、2020年における建設業界のテレワーク実施率は15.7%と全体平均の24.7%を大きく下回っています。

このことからも、建設業界の従事者の多くがコロナ禍においても出社を余儀なくされたことがうかがえます。

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建設DXとは?

建設DXとは、建設業界にデジタル技術を取り入れることで、前述にあるような課題を解決し、業務や組織に変革をもたらすことを指します。

では、建設DXに取り組むことのメリットや用いられている技術、建設DX推進に向けた国の取り組みを見ていきましょう。

建設DXに取り組むメリット

建設DXに取り組むことで、以下のようなメリットが期待できます。

建設DXに取り組むメリット

  • 生産性の向上
  • 働き方改革の促進
  • ナレッジの共有

それぞれ詳しく確認していきましょう。

生産性の向上

建設DXに取り組むことで、生産性の向上が見込めます。

先述したように、生産性の低迷が課題となっていることに加え、それを補うための人材も不足している状況です。

後述するようなデジタル技術を活用して業務効率化を図ることで、労働生産性の向上および労働力不足の解消につなげることができるでしょう。

働き方改革の促進

建設DXの取り組みは、働き方改革の促進という面でも効果を発揮します。

デジタル技術を活用して労働生産性が向上すれば、建設業界で恒常化している長時間労働の是正にもつながるでしょう。

また、事務手続きなどのデジタル化が進めば、バックオフィス部門のテレワーク導入・定着にも効果が期待できます。

ナレッジの共有

建設DXの取り組みは、属人化しがちな経験や技術といったナレッジの共有にも有効です。

先述の通り、建設業は就業者の高齢化が深刻であることに加え、職人の技術や経験が属人的であることから、技術継承が大きな課題となっています。

デジタル技術を活用し、熟練の職人が持つ技術のデータ化・見える化を図ることで、共有可能なナレッジとして蓄積・継承していくことが可能になるかもしれません。

建設DXで用いられるデジタル技術

それでは、建設DXで用いられる具体的なデジタル技術についてみてみましょう。

AI(人工知能)

AI(人工知能)とは人間の知能をコンピュータによって再現する技術のことで、建設DXにおいて重要視されている技術のひとつです。

たとえば、建設現場の画像や映像をAIで分析して進捗状況を可視化したり、建築物の構造設計の安全性を判定したり、職人の技術を解析してデータ化したりといったAI活用が進められています。

クラウド

クラウドとは、インターネットなどのネットワーク経由で各種サービスを提供する形態・技術を指します。

クラウドサービスを活用することで、現場とバックオフィスの手続きや図面・資料の共有などを遠隔地でもシームレスに行うことが可能になります。

ドローン

ドローンとは無線で遠隔操作される無人の飛行物体のことで、主に測量の際に効果を発揮します。

たとえば、人手で行えば膨大な日数を要する数百万地点の測量データの取得も、ドローンであれば15分ほどで取得できます。

また、高所や斜面など危険が伴う確認作業についても、現場で目視する必要がなくなるため、従業員の安全を確保することができます。

ICT建機

ICT建機とは、情報通信技術を取り入れた重機を指します。重機のコントロールや操作のガイダンスを位置検測装置で入手したデータをもとに自動で行います。

従来、オペレータの経験や技量に依存する分野でしたが、ICT建機を活用することで、属人化が解消され、工事全体の効率化や品質保持につながります。

BIM/CIM

BIM/CIMとは、計画・調査・設計の段階から3次元モデルを利用した情報共有を行うことにより、建設における生産管理を効率化させる取り組みを指します。

BIMが建築領域、CIMが土木領域で主に活用されています。

BIM/CIMを活用することにより、ミスや手戻りの大幅な減少、単純作業の軽減、工程短縮等の施工現場の安全性向上などの効果が見込まれます。

国の取り組み

次は、上記のようなデジタル技術を普及させるために国がどのような取り組みを行っているのか見てみましょう。

i-Construction

「i-Construction」とは、2016年に建設現場の生産性向上を目標に国土交通省が主導で行うプロジェクトです。

「ICTの全面的な活用」「規格の標準化」「施行時期の標準化」の3つの施策が柱として掲げられました。

なかでも「ICTの全面的な活用」については、「ICT導入協議会」の設置や、各種容量の策定、ICT建設機械等認定制度の導入など重点的に取り組まれています。

BIM/CIM原則適⽤

2020年4月国土交通省より「2023年までに小規模を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適応」との発表がありました。

もともと、2020年2月開催の「BIM/CIM推進委員会」第3回会合時には2025年までの目標が掲げられていましたが、それを2年短縮するものとなりました。

建設DX最初1歩はワークフローシステム

さてここまで、建設業界が抱える課題やそれらを解決するためのデジタル技術、建設DXに関する国の動きなどを見て、建設DXの必要性についておわかりいただけたと思います。

しかし、DXの必要性はわかっていても、「いきなり高度なデジタル技術を取り入れることに不安がある」「もっと簡単なことからはじめたい」という人たちもいるのではないでしょうか。

そこで、建設DXの最初の1歩としておすすめしたいのがワークフローシステムです。

ワークフローシステムとは、社内で行われる稟議・申請手続きを電子化するシステムです。

導入することで、さまざまな効果を得ることができます。

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ワークフローシステムが建設DXに効果的な理由

それでは、ワークフローシステムが建設DXに役立つ理由をいくつかご紹介します。

1.業務効率化

ワークフローシステムを導入することによる効果として最初に挙げられるのがペーパーレス促進による業務効率化です。

手続きそのものを電子化できるため、書類の作成や検索、保管だけではなく、申請や承認、回付といった一連の業務を大幅に改善することができます。

2.働き方改革の促進

ワークフローシステムを導入することで、オンライン上で作業指示書や図面の共有が可能となるため、現場へ赴く必要がなくなり、テレワークなどの柔軟な働き方の実現が可能になります。

もちろん、メールやビジネスチャットを利用してこれらを共有することも可能ですが、過去の内容を時系列で確認するのが難しかったり、確認作業を順番に回すことができないといったデメリットがあります。

一方ワークフローシステムであれば、確認のルートを柔軟に設定することができるので、場所を選ばず作業指示書や図面を指定の順番で回付することも可能になります。

3.DX推進の基盤づくり

ワークフローシステムは、業務のデジタル化およびDX推進の基盤として活用することが可能です。

将来的に会計業務や受発注業務、勤怠管理業務などの他業務をデジタル化していく場合、それぞれの業務領域でシステム・ツールを導入していくことになるでしょう。

しかし、システム・ツールが散在してしまうことで、各業務における手続きが煩雑化・複雑化してしまうケースが少なくありません。

システム連携が可能なワークフローシステムを導入していれば、会計システムや受発注管理システム、勤怠システムなどと連携し、各システムの手続きをワークフローシステムに集約することができます。

つまり、ワークフローシステムが基盤となって、デジタル化する業務範囲をシームレスに拡張していくことが可能になります。

ワークフローシステムによる建設DXの成功事例

ワークフローシステムの建設DXの有効性について説明したところで、次はワークフローシステム導入による建設DX成功事例について紹介したいと思います。

清水建設株式会社の事例

清水建設株式会社は、本社移転を転機に働き方の革新活動の一環としてペーパーレスによる業務効率化を目指し、これまで紙で行っていた決裁・申請業務をワークフローシステムで電子化。

決裁の迅速化や起案者の作業効率化、自動申請による所管部署の管理効率UP、保管・管理負荷の軽減、業務改善などの効果を得ることができました。

段ボール30箱分の書類削減と月1200時間のコスト削減に成功

清水建設株式会社 ワークフローシステム導入事例|AgileWorks

東急建設株式会社の事例

東急建設株式会社は、導入から15年以上が経過してサポート終了が迫っていた決裁システムを刷新するため、ワークフローシステム「AgileWorks」を導入。

DXを阻害していた紙の申請書を電子化し、基幹システムなどの複数システムとの連携を実施して幅広い範囲での業務効率化を実現しました。

DXに向けた基盤づくりを推進

東急建設株式会社 ワークフローシステム導入事例|AgileWorks

まとめ

国土交通省と日本経団連が、旧来より建設業界に定着している3K(「きつい」「汚い」「危険」) のイメージを払拭すべく新3K(「給料が良い」「休暇がとれる」「希望が持てる」)を提唱したのは2015年のことです。

あれから7年、働き方改革やコロナ禍などをきっかけに大きく変わりつつある今だからこそ、ワークフローシステムを導入し、建設業界のニューノーマルな組織体制を築いてみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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