これからの働き方を考える

DX推進の課題やポイント、有効なソリューションと導入事例を紹介!

DX推進の課題やポイント、有効なソリューションと導入事例を紹介!

デジタル技術の急速な発展に伴い、企業におけるDX推進の重要性は一層高まっています。

一方で、
「DX推進で気を付けるべき課題や失敗は?」
「効果的にDXを推進するためのポイントは?」
「DX推進に有効なITシステム・ツールはある?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、DX推進の基本からよくある課題・失敗、推進のポイント、そしてDX推進に役立つITシステム・ツールまでわかりやすく解説します。

DX推進部門に配属された方や、DX推進の取り組み方についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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DX推進とは?

そもそもビジネスにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセス、組織体制や企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立すること。

そしてDX推進とは、その名の通りDXの実現に向けた取り組みを推し進めることを意味します。以下のように、DX推進は大きく3つのステップに分けることができます。

DX推進の3ステップ

  1. デジタイゼーション:既存のビジネスモデルにデジタル技術を取り入れ業務を効率化
  2. デジタライゼーション:デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出
  3. DX:競争上の優位性を確立し、社会全体に影響を与える
DXの基礎知識を知りたい方はこちら

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?デジタル化との違いや重要性、事例まで徹底解説

国内企業におけるDX推進の現状

次に、国内企業におけるDX推進状況を確認していきましょう。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が2024年6月に公開した「DX動向2024」によれば、2023年度におけるDXに取り組んでいる企業の割合は73.7%を占め、2021年度の55.8%から増加しています。とくに、「全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる」と回答した企業は37.5%にのぼり、これは2022年度調査の米国の値を上回っています。

国内企業におけるDX推進状況
(出典元:DX動向2024|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

また、DXに取り組む企業のうち64.3%の企業が「成果が出ている」と回答しており、2022年度調査の58.0%と比較すると、DX推進の成果を実感している企業が増えつつあることも示唆されています。

DX推進部門の役割

企業におけるDXの取り組みが活発化するなか、社内にDX推進部門を設置する企業も急速に増えつつあります。

DX推進部門は、文字通りDXの取り組みを主導・牽引する役割を担う部門であり、DX実現に向けた戦略を立案し、組織内の各部門と連携しつつ各種施策を実行および評価改善していきます。

なかでもDX推進部門が担う大きな役割が、組織全体を巻き込みDXの取り組みを推し進めていくことです。DXを実現するには、全社戦略に基づき、部署部門の垣根を超えて取り組むことが必要不可欠です。

そのため、DX推進部門を発足する際は、情シス部門などITに強い一部の部署・部門からメンバーを招集するのではなく、実際に業務を担う各部門からも広くメンバーを招集し、推進チームを組成することが大切だと言えます。

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DX推進でよくある課題

DX推進でよくある課題

次に、DX推進でよくある課題を見ていきましょう。

人材面の課題

DX推進でよくある課題として、人材に関する課題を挙げることができます。

現在、各領域で人材不足が嘆かれていますが、なかでも深刻なのがIT人材の不足です。DXを推進していくにはIT・デジタルに精通する人材が必要ですが、そのようなIT人材は数が少なく、企業による獲得競争も激しいことから採用が難しいという課題があります。

IT人材を社内で育成するという方法もありますが、社内にノウハウ・ナレッジがない場合、「どんなスキルを習得してもらえばよいかわからない」「どのように育成を行えばいいかわからない」といった状況に陥りがちです。

戦略面の課題

DX推進において、経営層を中心とした戦略面の課題を抱えている企業も少なくありません。DX推進の取り組みは、経営層が明確な戦略を持って社内に啓蒙していく必要があります。DXに対する経営層の理解が乏しい、あるいはコミットメントが弱い場合、当然ながら組織全体でDXに対する機運が高まることはありません。

このような状況では、DX推進の担当者や担当部門を設置したとしても、他部門からの理解を得られずに取り組みが難航したり、十分な予算が確保されずに必要な施策を行えないといった状況が発生してしまいます。

システム面の課題

システム面の課題が、DX推進を妨げてしまうケースも散見されます。

たとえば、長期間にわたる運用によって老朽化・複雑化・ブラックボックス化してしまったレガシーシステムの存在が、DX推進を阻害するケースは珍しくありません。

このようなシステムは、開発・保守に多くのリソースが割かれてしまうケースが多く、DX推進に向けた投資が難しくなってしまったり、システム自体の拡張や他システムとの連携、新たなシステムへのリプレイスが困難になってしまうことがあります。また、保守・開発を外部ベンダーに委託せざるを得ないケースも多く、システムの拡張や刷新の動きが制限されてしまうことも珍しくありません。

組織文化面の課題

DX推進でよくある課題として、組織文化面の課題も存在します。

DXの取り組みでは、従来の企業文化や慣習にとらわれることなくことなく、新たな価値・プロセスを創造していくことが大切です。

しかし、変化を嫌う組織文化が根付いていると、DX推進の取り組みに反発の声が上がったり、現場メンバーが協力に消極的だったりして、取り組みが進まないケースがあります。

とくに、これまで紙やハンコといったアナログな手法で業務を行っていた場合、ITシステム・ツールの導入にあたって現場従業員の抵抗感を軽減する工夫が求められます。

DX推進で陥りがちな失敗

次に、DX推進で陥りがちな失敗について見ていきましょう。

デジタル化が目的になってしまっている

DX推進の取り組みで陥りがちな失敗のひとつが、業務のデジタル化が目的になってしまうケースです。

DXの目的は、デジタル技術の活用によりビジネスプロセスを変革したり新たな価値を創出したりすることであり、業務のデジタル化は目的を達成するための手段でしかありません。

業務のデジタル化が目的になってしまうことで、本来のDXの目的が果たされないだけでなく、「投資に見合った効果が得られない」「システムが乱立してしまいかえって業務効率化が下がった」といった状況に陥ってしまう可能性が高まります。

一過性の取り組みになってしまっている

DX推進で陥りがちな失敗として、一過性の取り組みになってしまっているケースも散見されます。たとえば、DXの一環としてITシステム・ツールを導入した場合、導入後の効果を検証し、改善を繰り返していく必要があります。

しかし、ITシステム・ツールを導入しただけで終わってしまうと、導入効果の検証・改善が行われず、「実際の効果がわからない」「活用されているかわからない」といった状況に陥りがちです。

導入したシステムが定着しない

DXに向けてITシステム・ツールを導入したものの、社内に定着しないケースも少なくありません。

ITシステム・ツールを有効活用するには、実際にITシステム・ツールを利用する現場のスキルや要望を基に製品・サービスを選定することが大切です。

しかし、DX推進部門と現場のコミュニケーションが不足したままITシステム・ツールを導入してしまうと、専門外のスキルが求められて使いこなすことができない、あるいは業務の実態に合っていない、といった事態に陥りがちです。結果として、せっかく導入したITシステム・ツールが社内に定着せず無駄な投資になってしまう可能性が高まります。

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DX推進を成功に導くポイント

DX推進を成功に導くポイント

DXの取り組みでは「どうやって業務をデジタル化するか」がフォーカスされがちですが、DXを効果的に推進するには「どうやって人を巻き込むか」が大切です。DX推進を主導する担当者あるいは担当部門だけでなく、社内のさまざまな立場・部署の人々を巻き込んでいくことで、DX推進の取り組みを加速させることが可能です。

では、DX推進を効率的に進めるためのポイントを詳しく確認していきましょう。

スモールスタート・クイックウィンを意識する

DX推進を効率的に進めるには、スモールスタート・クイックウィンを意識することが大切です。

業務のプロセス全体を一度に刷新することは、コストの負担が大きいだけでなく現場の混乱を招く可能性も高まります。その結果、多くの反対の声が挙がってしまい計画が途中で頓挫したり、新たな業務プロセスでかえって業務効率が低下してしまったりといった状況に陥ってしまうケースがあります。

反対に、まずは特定の領域から取り組みをスモールスタートし、効果が得られたら段階的に規模を拡大したり他領域に横展開したりといった形で進めることで、リスクを抑えつつ効率的にDXを推進していくことができるでしょう。

全従業員が関わるプロセスから着手する

全従業員が関わるプロセスから着手するのも、DX推進を図るうえで大切なポイントです。

たとえば、特定の部署や業務領域に特化したITシステム・ツールを導入した場合、その領域において一定の成果を収めたとしても、他の部署や業務に展開していくことが困難です。そのため、先述した一過性の取り組みになってしまいがちで、全社的なDX推進の機運上昇や恩恵の享受につなげることが難しくなってしまいます。

また、各部署・業務領域でITシステム・ツールを導入していった結果、システム・ツールの乱立を招き、かえって業務効率が低下してしまったり、保守・運用の工数が増大化してしまうケースもあります。

こうした事態を避けるためにも、全従業員が関わるプロセスのなかで比較的容易にデジタル化が可能な領域を抽出し、ITシステム・ツールを活用して代替していくことが大切です。

成功体験の共有

DXに関する成功体験を共有することも大切です。

たとえ小さな成功であっても積極的に社内共有することで、DX推進の効果や必要性に対する社内の理解が深まります。

また、小さな成功体験の積み重ねにより、組織全体のDXに対する気運が高まれば、特定の領域で効果が出たDXの施策を他の業務領域や部門に展開しやすくなるでしょう。

変化しない提案

ITシステム・ツールの導入によって変わる部分だけでなく、変化しない部分にもフォーカスすることが大切です。

組織のなかには、慣れ親しんだ方法やプロセスからの変化を嫌う従業員も少なくないはずです。そんななか、一方的にITシステム・ツールの導入を進めても、新たな方法やプロセスを受け入れてもらえない可能性が高く、現場の混乱を招いたり活用が進まなかったりといった事態に陥りやすくなります。

そのITシステム・ツールを導入する意図や必要性を説明するだけでなく、導入によって「何が変わり・何が変わらないのか」を事前に説明することで、従業員の納得感が高まり、協力を得やすくなるでしょう。

また、ITシステム・ツールの導入にあたり、「業務にシステムを合わせる」という視点も重要です。システムを導入するたび、そのシステムに合わせて業務を変更するのは現場の負担が大きいだけでなく、業務全体の整合性を損ないボトルネックが生じてしまう恐れがあります。システムに業務を合わせるのではなく、自社の業務にシステムを合わせていくことで、業務全体の一貫性を保ちつつデジタル化を進めることができるでしょう。

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DX推進の第一歩にワークフローシステム

DX推進の第一歩にワークフローシステム

DX推進のポイントをご紹介しましたが、具体的に何から着手すればよいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

次は、DX推進の第一歩におすすめのITシステムとして、ワークフローシステムをご紹介します。ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請・稟議などの手続きを電子化するITシステムのこと。

意思決定プロセスの可視化決裁スピードの向上など多くのメリットがあることから、近年数多くの企業に導入されています。


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ここでは、シリーズ累計4,500社以上の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」を例に、DX推進に効果的な理由を見ていきましょう。

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すべての従業員が関与できるITシステム

ワークフローシステムがDX推進に有効な理由として、すべての従業員が関わるITシステムである点を挙げることができます。

企業では日々さまざまな文書を扱いますが、すべての従業員に関わる文書も少なくありません。たとえば、入社手続きで利用する文書や作業日報、休暇申請に関する書類など、挙げればキリがありません。ワークフローシステムは、このような社内文書を扱う業務プロセスを電子化することができ、すべての従業員がその恩恵を受けることができます。

スモールスタートに適している

ワークフローシステムは、先述したDX推進のポイントであるスモールスタート・クイックウィンにも適しています。

たとえば、ワークフローシステムを導入したからと言って、一度にすべての文書をペーパーレス化する必要はありません。まずは利用頻度の高い文書をワークフローシステムに移行し、段階的に適用範囲を拡張していくことも可能です。一部の業務プロセスをデジタル化し、着実に業務効率化などの成果を上げることで、デジタル化に対する社内の理解も得やすいでしょう。

また、「X-point Cloud」や「AgileWorks」は、スモールスタートに適した料金形態となっています。たとえば「X-point Cloud」であれば、ユーザー数に応じた従量課金制となっています。また、「AgileWorks」は同時接続ユーザー数に応じた料金形態です。そのため、まずはスモールスタートで運用を始め、適用範囲や利用者数の拡大に合わせてユーザー数・同時接続ユーザー数を追加していくことができます。

ノーコードで既存の帳票・承認フローを再現

既存の帳票・承認フローをシステム上に再現できる点も、ワークフローシステムの特徴です。「X-point Cloud」や「AgileWorks」には、ノーコードで利用可能な帳票レイアウトツールが備わっています。そのため、新たに帳票を設計する場合も、使い慣れた既存の帳票を移行する場合も、直感的な操作でワークフローシステム上に再現することができます。

紙のイメージをそのままシステム上で再現できるため、ITに不慣れな従業員が多くても抵抗感を軽減しつつペーパーレス化を図ることが可能です。

また、承認ルートの設定に関しても簡単に行えます。部署部門や拠点をまたがる承認ルートや条件分岐が発生する複雑な承認ルートであっても、GUIベースで簡単に設計することができ、プログラミングなどの専門知識不要でメンテナンス・開発を行うことが可能です。

システム連携でデジタル化の範囲を拡張可能

ワークフローシステムは、他システムとの連携によりその効果をさらに高めることが可能です。企業活動のなかでは、社内で承認・決裁を得た内容を基に後続業務を遂行するケースが多々あります。ワークフローシステムと各種業務システムを連携することで、社内手続きと後続業務との間で発生する情報の引き継ぎや入力・転記作業を効率化・自動化することが可能です。

また、業務ごとに専用のシステム・ツールを多数導入している場合、手続きが分散してしまい、現場の混乱を招いたり作業効率が低下したりするケースがあります。ワークフローシステムであれば、各種システムで行っていた手続きを集約して一元化することができ、システム乱立による弊害を解消することができるでしょう。

ワークフローシステムによるDX推進事例

最後に、ワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」を導入してDXを推進した事例をご紹介します。

ITへの苦手意識を払拭し「草の根DX」を加速(ヤンマー建機)

ヤンマーグループの一角として建設機械の製造・販売を手掛けるヤンマー建機株式会社は、「AgileWorks」の導入により申請業務の電子化を実現し、DX推進の取り組みを加速させました。

社内に情シス部門を持たない同社では、システム導入などIT関連の業務はグループ内の情シス会社に委託することが通例となっており、デジタルに苦手意識を持つ従業員が多数を占めていました。さまざまな業務がアナログな状態で残されている状況を危惧した同社は、2022年1月に「DX推進グループ」を設置し、現場メンバーを主体とした「草の根DX」の実現を目指すことに。そして、「草の根DX」の一環として「DX推進グループ」が着目したのが「AgileWorks」でした。

当時、同社では数多くの申請業務が紙の帳票で運用されており、持ち回りによる決裁に多くの工数が費やされていただけでなく、承認後の処理業務も煩雑でバックオフィス部門の業務負担が増大化していました。この状況を打破するため、「DX推進グループ」はワークフローシステムの導入を提言し、経営層による承認を受けた上で導入に向けた製品選定を開始。すでに導入していたウイングアーク1st社の各種システムとの連携性やデザイン性、申請・承認の容易さなどを考慮した結果、「AgileWorks」の導入の導入に至りました。導入にあたっては、「DX推進グループ」だけでなく他部門からも人員を募り導入プロジェクトを推進。その背景には、各部門の担当者にデジタル化の成功体験をしてもらう狙いがありました。

システム連携イメージ

2022年10月、同社は「AgileWorks」の運用を開始。その後も継続的に申請フォームの追加を行い、幅広い業務のデジタル化を実現しました。年間1,000時間以上の業務削減を達成したほか、従業員のデジタル化への意識醸成にもつながるなど、「草の根DX」の加速に効果を実感しています。

従業員のITへの苦手意識をAgileWorksで変革

ヤンマー建機株式会社 ワークフローシステム導入事例をダウンロード|AgileWorks

ペーパーレス促進とシステム運用の内製化を実現(刈谷豊田総合病院)

医療法人豊田会刈谷豊田総合病院は、AgileWorksを導入して事務・管理業務を中心に各種帳票のペーパーレス化を実現しました。

同病院ではかねてより業務効率化プロジェクトを推進しており、その一環として重要課題に掲げられていたのが各種申請業務のペーパーレス化でした。当時、医療現場では電子カルテや医療系システムの導入によりデジタル化が推進されていた一方で、事務・管理業務においては紙帳票が多用されており、紙帳票の回付やExcelへの転記作業は負担が大きい状態でした。また、一部業務においてはグループウェアのワークフロー機能でペーパーレス化を進めていたものの、メンテナンスや開発には専門的な知識が求められるため外部ベンダーへの依頼が必須となっていました。そこで同病院は、事務・管理業務のペーパーレス化を進めるためワークフローシステムの導入を決定。

医療機関としてのセキュリティ要件に対応することができ、全職員約2,500名での利用に適した同時接続数に応じた料金体系、そして既存のグループウェアとの連携が容易な点などを評価し、「AgileWorks」の導入を決めました。総務や人事、購買、システム部門など各部門の担当者で構成されたチームを発足し、導入プロジェクトを開始。当初、既存グループウェアに慣れた一部の職員から反発もあったものの、入念なリサーチと情報共有を行い職員の理解を得つつ導入プロジェクトを進めていきました。

約8か月の導入プロジェクトを経て、同病院は「AgileWorks」の運用を開始。現在では豊田会のほぼすべての職員2,400名が「AgileWorks」を利用し、半年間で10,000件以上の申請が処理されています。たとえば、病院内設備の修理や廃棄などの作業依頼は年間3,000件以上にのぼりますが、AgileWorks導入後は作業全体のリードタイムが約20%短縮され、作業進捗の可視化も実現。

また、グループウェアのワークフロー機能では開発・メンテナンスを病院内で行うことができませんでしたが、「AgileWorks」の直感的なUIにより帳票や回付ルールの作成・改修を内製化することに成功するなど、システム展開を加速する基盤が整いました。

事務・管理業務を中心に各種帳票のペーパーレス化を実現

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DXを後押しする組織文化を醸成(サンヒル)

ベアリングをはじめとした金属・樹脂部品の製造・販売を手がける株式会社サンヒルは、「X-point Cloud」を導入して申請業務をデジタル化するとともに、DXを後押しする組織文化の醸成に成功しました。

同社では従来、Excelフォーマットから申請書を作成し、紙に印刷して回付、といった形で申請業務を紙ベースで行っていました。紙ベースの申請業務は回付に時間がかかるほか、承認の遅滞や承認漏れが発生することもあるなど、円滑な組織運営を阻害する要因に。しかし、同社には紙文化が根強く残っており、デジタル化には踏み出せずにいました。

そうしたなか、同社の担当者が参加したIT製品のオンライン展示会で出会ったのが「X-point Cloud」でした。条件分岐を含む同社の複雑な承認ルートでも柔軟に設定可能で、既存の紙帳票のレイアウトを画面上で再現できる点などに魅力を感じた同社。「X-point Cloud」導入後の費用対効果を試算し、社内に向けて有用性をアピールした結果、「X-point Cloud」を導入することになりました。

サンヒル 費用対効果の試算イメージ

導入においては、紙帳票に慣れ親しんだベテラン従業員から不安の声も挙がるなど、デジタルツールへの抵抗感の払拭が課題に。そこで同社は、導入に伴うハレーションを抑制するため、すでに利用していたグループウェアとの連携を実施したほか、既存の帳票や承認ルートを可能な限り再現することで従業員の抵抗感を解消。こうした地道な活動を通じて、「X-point Cloud」は同社の現場に根付いていきました。

利用頻度の多い申請書からデジタル化に着手し、運用開始後も着実に適用範囲を拡張していった結果、現在では全従業員53名が「X-point Cloud」を利用し、年間1,800件の申請を「X-point Cloud」上で処理しています。導入効果は著しく、回付ミスや差し戻し、処理の手間が大幅に減少し、年間約10,000分の業務削減につながっています。また、「X-point Cloud」の導入をきっかけにデジタル化への抵抗感が払拭され、DXを後押しする組織文化が醸成されています。

X-point Cloud がDXの起爆剤に!

株式会社サンヒル ワークフローシステム導入事例をダウンロード|X-point Cloud

数々のユニークな施策でデジタル化を推進(日進製作所)

京都府京丹後市に本拠を置く自動車部品・工作機械メーカーの株式会社 日進製作所は、「X-point Cloud」を導入してユニークな施策を展開し、社内のデジタル化を推進しています。

同社には京都府内に3か所、兵庫に1か所の生産拠点、東京・大阪・名古屋には営業所を展開しており、各拠点とのやり取りには紙の申請書を用いていました。遠隔拠点と本社間のやり取りでは、申請書を社内便で郵送しなければならず、承認までの多くの時間を要していました。また、紙の申請業務は承認フローや記載内容を厳密に統制することが難しく、内部統制上のリスクも課題に。

こうした課題を解消するため、同社は自社開発のアプリケーションで一部の申請書をデジタル化。この取り組みが各部署から好評を得たことを機に、全社的な申請業務のデジタル化を目的にワークフローシステムを導入する方針が決定しました。

製品の比較検討を経て、システムの柔軟性とわかりやすい操作性が決め手となり「X-point Cloud」の採用を決定。とくに操作性に関しては、将来的に各部署が自発的に業務改善を行っていくためにも重視したポイントとなりました。

同社にはワークフローシステムに馴染みのない社員も多かったことから、システム展開の円滑化を図り数々のユニークな施策を実践。たとえば、システムのネーミング案を社内で募集・投票を実施し、新システムの名称は「申三郎(しんざぶろう)」に決定。愛称やキャラクターを用いることで、ユーザーに親しみを感じてもらうことに成功しました。

日進製作所のキャプチャ(申三郎)

また、システム展開に併せて「新規フォーム作成依頼書」を公開し、各部署が既存の申請業務を自主的にデジタル化する動きを促進しました。このような取り組みの結果、現在では幅広い業務領域の申請書が「X-point Cloud」によってデジタル化され、約700名の社員が利用するシステムにまで成長。

同社の試算によれば、申請・承認業務の効率化による経費削減効果は年間で約540万円、申請業務に付随する作業の削減効果も加味すると年間で約650万円にものぼります。申請業務の適正化にも効果を実感しており、内部統制上のリスク解消にも寄与。

さらに、各部署の社員を巻き込みながら「X-point Cloud」の展開を進めたことで、社内のデジタル化への意識醸成にもつながったと効果を実感されています。

社内の各部門が自発的に業務改善を行う体制を構築

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まとめ

今回は、DX推進に焦点を当て、その意味やよくある課題・失敗、効果的に推進していくためのポイントを解説しました。

DXを効果的に推進していくには、いかに人を巻き込むことができるかが重要なポイントとなります。そして、DX推進の第一歩として有効なのが、ワークフローシステムの導入・活用です。

これからDX推進に取り組みたいと考えている方や、DXの取り組みに課題を感じている方は、記事内でもご紹介したワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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