AgileWorks

トヨタ自動車東日本株式会社 のワークフローシステム導入事例

AgileWorksで余力を創出し「トヨタウェイ2020」に貢献
カイゼン文化を活かして92,000件の紙帳票を削減

トヨタグループの一角を担い、東北地方を拠点にコンパクトカーの製造を行うトヨタ自動車東日本株式会社は、施設内への立ち入り時に発生する煩雑な申請手続きの見直しを契機に、AgileWorks(アジャイルワークス)を導入。
立入申請を皮切りに対象業務を広げ、現在では、約130種類の申請書のデジタル化、約92,000件のペーパーレス化へとつなげている。

これにより、遠隔拠点との紙の帳票のやり取りや申請書の回付にかかるリードタイムは大幅に削減された。
AgileWorksの導入は、グループ行動指針である「トヨタウェイ2020」の一つ「余力を創り出す」の実現に向けて大きな一歩となった。

課題・背景

  • 大量の紙申請書が業務効率の妨げに
  • 回付に手間がかかり、リードタイムが長期化
  • グループ全体で「余力創出」への取り組みを強化

業務効果

  • 約92,000件の紙の申請書を削減し、業務効率化を実現
  • 申請書のリードタイムを平均約3日短縮
  • AgileWorksが「トヨタウェイ2020」の実現に寄与

【経緯/課題】1組の工事業者の来訪ごとに、複数の紙帳票が発生 1枚の申請書のデジタル化がワークフロー導入の契機に

トヨタグループの一角を占めるTMEJは宮城県黒川郡に本社を構え、東北地方を拠点としたものづくりを展開している。同社の強みは、アクアやシエンタとい
ったコンパクトカーを企画・開発から生産まで一貫して手がける体制にある。こうした体制のもと、小型車市場を牽引する人気モデルを数多く世に送り出して
きた。東北から日本全国、そして世界に向けて優れた製品と高い技術力を発信するTMEJ。その根幹を支えているのがムダを排除した生産現場だ。トヨタ生産
方式に基づくカイゼンの文化がTMEJの高い競争力を築いてきた。その姿勢はAgileWorksの活用においても変わることはない。TMEJは2018年からAgileWorks
を導入し、社内の幅広い申請業務に活用している。

その導入のきっかけを、情報システム部の堤由貴氏は説明する。
「AgileWorksを導入するきっかけは、外部業者などが施設内に立ち入る際に作成する『立入申請』でした。従来、立入申請は紙の帳票で作成し、承認者が押印
する形で運用していたのですが、作成や回付にまつわる手間が少なくありませんでした。一口に立入申請と言っても、立ち入るエリアごとに別々の申請書を作
しなければならず、エリアごとに承認者も異なります。さらに、情報セキュリティに関する確認書やPCの持ち込みに関する申請書を付随して作成することも
多く、手続きは極めて煩雑でした。事実、1組の工事業者が来訪するだけで何枚もの申請書を作成しなければいけませんでしたし、その分の回付や承認の手間
も発生します。承認者が不在の際には、申請者が工場内を探し回ることもしばしばありました。これらの負担を問題視した所管部署が、情報システム部に紙の
帳票のデジタル化を提案したことが、AgileWorksの導入のきっかけでした」(堤氏)。

当初、情報システム部の担当者はスクラッチ開発による専門システムの導入を検討した。しかし、それではシステムを横展開しにくく、導入効果は一部にとど
まってしまう。そこでTMEJは、デジタル化の効果を全社的に広げることを見据え、汎用的なワークフロー製品の導入を決断した。

【選定/導入】拡張性とシンプルさを兼ね備えたAgileWorksを選定 ベンダー支援を有効に活用し、システム展開の原動力に

ワークフローシステムの導入にあたって、TMEJが重視した要件は二つある。一つは、スケーラビリティとシンプルさを兼ね備えた機能性。立入申請のデジタ
ル化を当初の目的としたため、スモールスタートが前提であり、複雑な機能は初期段階では必要なかった。その一方で、導入後に対象範囲を段階的に広げてい
けるスケーラビリティや柔軟性は欠かせなかった。そして二つ目は、操作性の高さである。TMEJでは、デジタル化の取り組みを現場と連携しながら進めてお
り、そのためには、専門的なIT知識がなくても操作できる仕組みであることが重要だった。

こうした観点を踏まえ、TMEJは約10種類のワークフローシステムを比較検討。その後、2製品に候補を絞り、個々の機能や使い勝手などを対照比較した結果、
AgileWorksの導入を決定した。AgileWorksは同時接続できるユーザー数に応じて料金が発生するライセンス方式のため、スモールスタートでの導入が可能で
あると同時に、大規模な組織でも活用できるスケーラビリティを有していた。さらに、Excelのフォーマットをそのまま再現できるため、従業員にとっても操
作しやすく、現場でのスムーズな導入につながった点が評価された。

このような背景を経てAgileWorksを選定したTMEJは、2018年秋頃から導入に着手。導入に際しては、ベンダーである日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)
の支援を受けながら、まずは立入申請のデジタル化を軸に運用基盤を整備し、その成果を他業務へと段階的に展開していくという二段構えの計画を立てた。
その内容について堤氏は次のように振り返る。
「最初のステップとして立入申請業務のデジタル化に着手し、申請書のフォーマットや承認フローを整備しました。現場の実情に即した設計を進めるうえで、
NSSOLにはきめ細かなサポートをいただきましたし、AgileWorksの柔軟な設定機能も、そうした対応をスムーズに実現する上で非常に役立ちました。結果と
して、整えた仕組みを他業務にも無理なく展開していくことができました」(堤氏)。

立入申請の整備にあたっては、業務上の複雑さを吸収する工夫がいくつも盛り込まれている。たとえば、TMEJでは立ち入るエリアによって所管部署や承認者
が異なり、複数エリアにまたがる場合はそれぞれの承認を得る必要がある。従来はそのたびに申請書を個別に作成し、回付する必要があり、対応の遅れやリー
ドタイムの長期化を招くこともあった。こうした課題に対して、AgileWorksでは申請フォーム上に設けたチェックボックスの選択内容に応じて、承認経路が自動で設定される仕組みを構築。対象エリアが複数ある場合でも、申請書は一つで済み、各承認者への回付は並列で進む。これにより、現場の負担が軽減された
だけでなく、承認プロセス全体のスピードも大きく向上した。こうした運用上の工夫が、のちのシステム展開を力強く後押しする結果となった

NSSOLによる導入サポートは約3ヶ月で完了。その後、堤氏らは現場主導によるデジタル化を推進するため、社内への啓発活動にも力を注いだ。各部門からキ
ーマンとなる人材を選び、操作方法をレクチャーするとともに、社内イントラネットにAgileWorksの使い方や活用事例などの情報を掲載、全社的な活用を促し
た。この取り組みは徐々に浸透し、社内のあちこちでデジタル化の成功事例が報告されるようになる。堤氏は、導入からしばらく経った頃に現場の従業員から
寄せられた「こんなに簡単に業務を楽にできるとは思わなかった」という声が、特に印象に残っていると語る。
AgileWorksの導入によって、TMEJに根付いているカイゼン文化はさらに加速し、その成果は組織全体へと広がっていった。

立入申請のフォーマット。関連書類機能で付随する申請書が複数連携されており、煩雑だった申請業務の効率化に貢献している。

社内イントラにAgileWorksの操作方法や活用事例などを掲載し、現場主導のシステム導入を後押しした。

【活用/効果】約92,000件の帳票削減で業務効率化を推進申請書のリードタイムを平均3日短縮

現在、TMEJはAgileWorksを活用し、約130種類の申請書を運用している。立入申請に関連するおよそ20種類の申請書を出発点に、現在では、その数を6倍以
上までに拡大
している。これまでの申請総数は約92,000件に達し、それだけの帳票が紙からデジタルへと置き換わったことになる。

このような変化がもたらした業務効率化の効果は明らかだ。堤氏は、その一例として、リードタイムの変化を挙げる。
「従来、紙の申請書を回付する際のリードタイムは、業務効率を損なう要因の一つでした。特に当社では、岩手県や静岡県など、複数の遠隔拠点を有してお
り、申請書のやり取りには時間がかかっていました。承認がスムーズに進んでも5日程度、長い場合には最終承認までに1ヶ月を要することも珍しくなかったの
です。しかし現在では、地理的な制約に左右されることなく、どの拠点でも迅速に承認が得られるようになりました。平均すると、リードタイムはおよそ3日
短縮されたと思います。これは意思決定の迅速化を促し、組織全体の運営効率にも大きく貢献しています」(堤氏)。

業務効率化の効果は、申請業務の範囲にとどまらない。TMEJでは、AgileWorksと他のシステムとの連携を活用し、申請業務の前後に位置するプロセスにも効
率化を広げている。その一例が、ユーザー登録に関する申請書の運用である。新入社員などに社内システムの利用権限を付与する際、TMEJではユーザー登録
の申請書を作成しているが、これをAgileWorksでデジタル化し、登録システムとデータ連携させることで、従来発生していた手入力の負荷を軽減している。
こうした取り組みは、申請の枠を超えて業務全体を見渡しながら効率化を進める、カイゼンの模範的な事例と言える。

【製品への評価】AgileWorksが行動指針「トヨタウェイ2020」の実現に貢献活用拡大により余力を創出し、さらなる競争力向上を目指す

さらに、堤氏はAgileWorksの導入がトヨタグループの掲げる行動指針の実現にも大きく寄与していると語る。
「トヨタグループでは、トヨタで働くうえで守るべき10の行動指針『トヨタウェイ2020』を定めています。その一つが『余力を創り出す』という考え方で
す。人手不足が深刻化する現在、余力の創出は企業運営において不可欠なテーマになっています。また、余力は突発的な事態への対応や、創造的な発想を実行
に移すうえでも必要なリソースです。そうした背景から、グループ全体で余力の創出に取り組んでおり、TMEJにおいてはAgileWorksがその取り組みにおいて重要な役割を果たしています。今後は、さらに高度なデータ連携やシステム間連携を通じて、AgileWorksの持つポテンシャルを引き出していきたいと考えて
います」(堤氏)。

「東北から世界へ」を掲げ、東北地方におけるものづくりの発展を支えるTMEJ。その原動力となっているのがムダを徹底的に排除した生産現場である。この
現場こそが、新たな価値や創造的な発想を生み出し、魅力ある製品として結実させている。そうした価値創出のプロセスを支えるツールとして、AgileWorks
は今後も重要な役割を担っていく。

お客様の声

トヨタ自動車東日本株式会社
情報システム部
堤 由貴 様
「AgileWorksを活用するうえで重要なのは、導入体制の構築だと考えています。導入時には、システムをいかに効率よく横展開できるかを見据えて、最初から展開を前提とした体制を整えることをお勧めします」

お客様プロフィール

会社名 トヨタ自動車東日本株式会社
本社所在地 〒981-3609
宮城県黒川郡大衡村中央平1番地
発足 2012年7月
従業員数 約7,000名(2025年4月1日現在)
事業内容 トヨタ車の企画・研究開発、および生産
URL https://www.toyota-ej.co.jp/

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