不二サッシ株式会社のワークフローシステム導入事例
電子取引システムとの連携で 経理の二大法改正に対応、全社でペーパーレス化を推進し業務のムダを大幅に削減
サッシを中心としたビル建材、住宅用建材を製造・販売する不二サッシ株式会社は、改正電子帳簿保存法とインボイス制度という、経理業務に関する二大法改正への対応を目的に、AgileWorksを導入。ウイングアーク1st社が提供する電子取引システム「SVF Transact」(旧invoiceAgent 電子取引)との連携により、従来、紙で運用していた請求書業務をペーパーレス化し、二大法改正の要件に対応した文書管理体制を構築した。
これにより、同社は遠隔拠点との紙の文書のやりとりや、押印を必要とする申請業務を削減し、全社レベルで業務効率化を推進している。
課題・背景
- 二大法改正を控え、経理業務の刷新が急務
- 長年続く紙文化がペーパーレス化の障壁に
- 遠隔拠点との紙文書のやりとりが業務のムダに
業務効果
- SVF Transactとの連携で、二大法改正に対応する体制を構築
- AgileWorksにより、請求書業務のペーパーレス化を実現
- 遠隔拠点との文書のやりとりを削減し、全社の業務効率が向上
【経緯/課題】二大法改正を前に、 経理業務の見直しと請求書業務のペーパーレス化が急務
不二サッシは、1930年の創業以来、アルミサッシの技術とともに進化を続け、90年以上の歴史を持つ。1958年には日本で初めてビル用のアルミサッシを製造・販売し、国内のランドマークとなる建築物をはじめ、多くの建物に建材を供給してきた。現在は国内外に20以上の主要拠点を有し、国内では北海道から沖縄、海外ではフィリピンやベトナムなどに拠点を展開している。
グローバルに事業の裾野を広げる不二サッシだが、その巨大な組織体制が時に業務改革の障壁となることもあった。その一例が、法改正に伴う業務変更だ。2022年頃から、不二サッシは改正電子帳簿保存法とインボイス制度という経理業務における二大法改正を見据え、既存業務の見直しを検討し始めた。しかし、こうした取り組みには多くの課題があった。管理本部経営管理部経理部長の松本嘉子氏は、当時の状況を振り返る。
「以前、当社ではほとんどの取引関係書類を紙で運用していました。そのため、電子取引のデータ保存などが義務付けられる二大法改正の対応には、単なる業務の見直しではなく、抜本的な改革が求められました。例えば、請求書の支払依頼業務です。以前、支払依頼業務にはシステムを利用していましたが、機能的な制約からすべての業務フローをデジタル上で行えず、紙の帳票が混在する運用になっていました。具体的には、そのシステムには取引先から受領した請求書を添付する機能が備わっておらず、申請者が支払依頼をする際にはシステムに請求書の内容を入力したあと、原本を本社経理部に別途郵送する必要がありました。そのため、本社経理部では処理時の請求書原本と、会計システムで自動起票された仕訳内容を照合する必要があり、多くのアナログで非効率な作業を行わなければいけませんでした」(松本氏)。
その間にも、法改正の施行日は刻一刻と迫っていた。二大法改正の要件を満たし、適正な業務体制を確立するために、不二サッシは何らかの手段で既存の経理業務を見直さなければならなかった。
【選定/導入】SVF Transactとの連携で、全社規模の業務改善に挑む ユーザーへの働きかけが、ペーパーレス化への不安を払拭
既存の経理業務を見直すにあたり、不二サッシは大胆な改革を計画した。単なる法改正対応にとどまらず、全社的な業務効率化とデジタル化を同時に進める決断をしたのである。
そうしたなかで、不二サッシが選定したのが、ワークフローシステム「AgileWorks」と、ウイングアーク1st社が提供する電子取引システム「SVF Transact」の連携導入だった。SVF Transactは、取引先との文書の送受信から文書管理までをデジタル化できるシステムであり、AgileWorksとの連携により、社内での申請・承認業務から取引先とのやりとり、文書管理まで一気通貫にデジタル化・ペーパーレス化できる。これにより、単なる法改正対応を超えた幅広い業務改善効果が期待できた。
不二サッシがAgileWorksを選定した理由は、連携機能の優秀さだけでなく、業務の標準化のしやすさと操作性の高さにもあった。この点について、管理本部経営管理本部経理部経理グループ長兼財務グループ課長の金川晃之氏は、次のように語る。
「当社では、販売請求書や見積書をはじめとする取引関係書類を各事業部門や拠点で発行・受領しています。しかし、同じ種類の文書でも書式にバラつきがあり、業務の標準化が課題となっていました。その点、AgileWorksはExcelで作成した文書の書式をそのままシステム上で再現できるので、書類フォーマットの統一を容易に実現できるという手応えがありました。また、AgileWorksはITの専門知識がなくても直感的に操作できる点が大きな強みでした。通常、当社ではシステム導入は情報システム部が担当しますが、今回の導入は二大法改正対応を目的とした経理部主導のプロジェクトだったため、情報システム部のサポートなしでも経理部のメンバーが自分たちで運用できることが重要でした。さらに、当社は組織も大規模で、人事異動なども比較的多いため、組織改編時のメンテナンスのしやすさも重要なポイントでした。そうした面でも、AgileWorksは極めて優れていたと思います」(金川氏)。
こうして不二サッシは、AgileWorksとSVF Transactの導入を決定し、経理部を中心にシステムの構築を開始した。この際、特に注力したのが「ユーザーの意識改革」だったと金川氏はいう。長年の紙文化に慣れ親しんでいた社員たちは、ペーパーレス化に伴う業務フローの大幅な変更に戸惑いを見せた。そこで、金川氏らは全国約50拠点を訪問し、取引先を含めた説明会を実施。社員や取引先が新しいシステムをスムーズに受け入れられるよう、社内向け・取引先向けの操作マニュアルや動画マニュアルを作成し、広く公開した。さらに、イントラネットからのシングルサインオンを導入し、ユーザーの利便性向上にも力を注いだ。
こうした取り組みは奏功し、ペーパーレス化への理解が社内に浸透、システム導入も円滑に進んだ。その結果、2023年10月のインボイス制度開始を前に、AgileWorksとSVF Transactの運用を開始することができた。
【活用/効果】急務だった改正電子帳簿保存法への対応を実現 支払・仕入・販売の請求業務をデジタル化し、紙文化からの脱却を推進
現在、不二サッシではグループ会社を含む24社、800名のユーザーがAgileWorksとSVF Transactを活用している。これにより、改正電子帳簿保存法とインボイス制度の両方の要件を満たす文書管理体制を確立し、業務のデジタル化を大幅に進めた。
例えば、従来、紙の帳票とシステムが混在していた支払依頼業務は、AgileWorksとSVF Transactの自動連携により、支払い依頼書の作成から回付、承認、支払い、文書の保管までをデジタル上で完結できる体制を整備。これにより、各拠点からの請求書の原本の郵送や、本社経理部による会計システムへの入力作業が削減され、業務の効率化が進んでいる。今後、販売請求書の電子配信も本格化すれば、その他仕入請求書とあわせて月間の処理件数は3,000件を超える見通しで、業務全体の効率化が一層進むと期待されている。
AgileWorksとSVF Transactの連携により、支払依頼書の申請から請求書の保管、 支払処理までの業務がデジタル上で完結できている。
さらに、不二サッシは導入の第二フェーズとして販売請求書業務の見直しにも着手。ここでも、改正電子帳簿保存法とインボイス制度の両方の要件を満たした文書管理体制を確立し、業務のデジタル化を大幅に進めている。その効果について、松本氏は次のように説明する。
「従来、販売請求書業務は、各拠点の担当者が販売請求書を作成し、上長の承認後、取引先へ郵送するといった流れでした。ただこの方法では、紙の帳票の回付、押印による承認、封入から投函までの郵送作業など、非効率な作業が複数発生していました。取引先によっては『早く請求書を送付してほしい」という要望がありましたが、紙による郵送作業ではタイムリーな対応が難しいのが実状です。現在では、AgileWorks上で販売請求書が回付され、最終承認が決裁されるとGoogleドライブに一時的に自動連携され、不備のない正しい販売請求書だけがSVF Transactに連携されるといった仕組みが構築されています。この結果、販売請求書業務はデジタル上で完結し、従来の非効率なアナログ作業を削減できました。また、AgileWorksの導入により、これまで拠点ごとに書式がバラついていた販売依頼書を標準化でき、ガバナンスの強化にもつながっています」(松本氏)。
販売請求書業務では、AgileWorks上で販売請求書を回付、承認したのち、Googleドライブを 介してSVF Transactに連携される。
【今後の展望/活用のポイント】ペーパーレス化を加速し、経理業務のさらなる高度化へ
今後、不二サッシはAgileWorksの利用範囲を拡大し、経理業務のさらなるペーパーレス化を推進する方針だ。具体的には、入金伝票や出金伝票などの伝票類をAgileWorksに移行し、紙文化からの脱却、間接業務の削減、テレワークの普及をより一層加速させる。
最後に、金川氏に今回の導入のポイントを尋ねると「いかに事業部門や遠隔拠点の協力を得られるかが重要です」と答えた。
「経理業務のデジタル化が叫ばれる昨今ですが、単にデジタル化をするだけでは、ユーザーからの協力は得られません。だからこそ、私はマニュアル類を作成するなど、ユーザーの利便性向上の取り組みが重要だと考えています。これからAgileWorksを利用される企業にも「いかにユーザーがシステムを使いやすい環境を整備するか」を重視して導入することをお勧めします」(金川氏)企業におけるお金の流れは、人体における血液の流れに例えられる。その例えに倣えば、不二サッシにおけるAgileWorksとSVF Transactは、血液の流れを支える「血管」のような役割といえるだろう。AgileWorksは、同社の企業活動の根底を支える極めて重要な役割を担っている。
お客様の声
不二サッシ株式会社 管理本部 経営管理本部 経理部長 松本 嘉子 様 「AgileWorksはExcelで文書を 作成する感覚で申請書のフォー マットを作成できるので、導入範囲 を拡大しやすいです。この利点を 活かして、今後もペーパーレス化を 加速していきます」
不二サッシ株式会社 管理本部 経営管理本部 経理部 経理グループ長 兼 財務グループ 課長 金川 晃之 様 「AgileWorksの導入により、二大 法改正への対応、ペーパーレス化、 業務効率化と数々の変革を実現 できました。まさに当社のような 課題を抱える企業にはうってつけ のシステムだと思います」
お客様プロフィール
| 会社名 | 不二サッシ株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒212-0058 神奈川県川崎市幸区鹿島田1丁目1番2号 |
| 設立 | 昭和44年5月1日 |
| 従業員数 | 892名(連結 2,919名、2024年3月31日現在) |
| 事業内容 | カーテンウォール、ビル用サッシなど建築材料やアルミ製品、産業廃棄物処理プラントの製造・販売・施工 |
| URL | https://www.fujisash.co.jp/ |




