X-point Cloud

ヤンマーグリーンシステム株式会社のワークフローシステム導入事例

若手中心のDX推進チームがアナログな組織文化を変革、申請業務の電子化を起点に業務のデジタルシフトを加速

ヤンマーグループの一員であるヤンマーグリーンシステム株式会社は、農業施設の設計・施工・アフターサービスを提供し、国内の重要な食料インフラ施設を手がける企業である。
同社は、業務効率化やリモートワーク体制の確立を妨げていた紙の申請書を電子化するため、X-point Cloud(エクスポイントクラウド)を導入。
若手社員を中心としたDX推進チームがシステム構築を主導し、約1年間で60種類以上の紙の申請書を電子化した。

この取り組みにより、リモートワーク体制を確立し、年間約600時間の業務時間を削減
さらに、文書管理システムやRPA、BIツールの導入・連携を進め、DX推進体制の確立を加速している。

課題・背景

  • 紙の申請書がリモートワークの障壁に
  • アナログな組織文化が根強く、DX人材も不足
  • 次世代に対応する業務環境の確立が急務

業務効果

  • 申請業務の電子化によりリモートワークを実現
  • 若手主体のDX組織で人材育成が進展
  • 多様なシステム連携でDX推進が加速

【経緯/課題】コロナ禍に行った拙速なシステム運用が裏目に 新たな製品への移行を決め、申請業務の再構築を図った

兵庫県伊丹市に本社を置くヤンマーグリーンシステムは、世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した産業機械メーカーで知られるヤンマーグループの一員である。農作物の集出荷施設をはじめとする農業施設の設計・施工・アフターサービスを提供し、持続可能な農業の発展に向け、ポストハーベスト(収穫後)分野を中心に事業を展開し、国内の重要な食料インフラ施設を支えている。近年では、トマト栽培の自動給水装置「NSP」の開発・提供を行うなど、選果・園芸分野におけるソリューション開発にも積極的に取り組んでいる。こうした技術革新を通じ、農業従事者の高齢化や人手不足といった業界が抱える課題に対して、独自の視点から解決策を提案している。

国の根幹を支える一次産業をインフラやデジタルの側面からサポートする同社は、社内におけるデジタル活用にも注力している。2023年には若手社員を中心に「DX推進チーム」を結成し、複数のシステム導入を推進。これにより、従来のアナログな業務環境を変革し、高度で柔軟な働き方やデータドリブン経営を実現することを目指している。その取り組みの第一弾として位置づけられたのがX-point Cloudの導入だった。

なぜ、同社はDXの起点にX-point Cloudを選んだのか。その経緯について、DX推進チームのリーダーであり企画部企画Gの早坂翼氏は次のように語る。

「もともとのきっかけはコロナ禍です。コロナ禍以前、当社では主に紙の帳票で申請業務を行っていました。しかし、感染拡大に伴い出社が制限されるなか、従来の手法では業務を円滑に進めることが難しくなりました。紙の帳票では、申請書の回付や承認のためだけに出社しなければならなかったからです。この問題を解決するため、当初はX-point Cloudではなく、既存のワークフローシステムを転用しました。しかし、コロナ禍初期の混乱した状況で迅速な対応を迫られた結果、十分な検討をできないままの転用運用となってしまい、課題を抱えることになりました。具体的には、転用したシステムは機能が汎用的で、承認ルートは申請者自身が選定・設定する必要があり、業務負担が増加しました。さらに、iOSに対応しておらず、当社が支給するiPhoneと互換性がない点も問題でした。結果として、非効率な運用を強いられることになったのです」(早坂氏)。

同社は農業プラントを手がけている関係で、営業社員が郊外や山間部に出張する機会も多い。そのため、スマートフォンを用いた申請業務が求められていたが、それが実現できない現状に営業サイドの間で不満が高まっていた。ワークフローシステムを利用しているにも関わらず、十分な効果を得られなかったことを問題視した早坂氏は、システム移行を決意し、新たな製品の検討を開始した。

【選定/導入】グループ会社のワークフロー活用事例を参考に製品を選定 システム連携や保守運用の効率化が可能なX-point Cloudを導入

移行先製品の選定にあたり、早坂氏はまずグループ会社へのリサーチを行った。ワークフローシステムを活用しているグループ会社の事例を参考にし、自社のDX推進体制を構想することが目的だった。そのなかで、早坂氏が注目したのが、ショベルカーなどの建設機械を提供するヤンマー建機だった。ヤンマー建機では、X-point Cloudの姉妹製品である大規模組織向けワークフローシステム「AgileWorks」を中心に、ウイングアーク1st社が提供するBIダッシュボード「SVF Transact」(旧invoiceAgent)などを連携して、年間1,000時間以上の業務時間削減を達成していた。

この事例を参考にした早坂氏は、AgileWorksと同じエイトレッド社が提供する中小企業向けのX-point Cloudに注目し、各種機能を確認していった。X-point CloudはiOSに対応しており、スマートフォンでの利用が可能。さらに、クラウド製品であるため、導入後の保守運用が効率的である点も魅力的だった。ヤンマーグリーンシステムは160名程度の中規模組織であり、システム関連業務に割ける人員が限られるため、手軽にシステムの導入や保守運用が行えるクラウド製品は適していた。

こうして早坂氏はX-point Cloudの導入を決定。経営陣もスマートフォン対応や運用効率の高さを評価し、導入を承認した。さらに、2023年初夏、ヤンマーグリーンシステムは自社のDXの実現を目的に、早坂氏を中心とした若手社員による「DX推進チーム」を組成。X-point Cloudの導入をDX推進チームによるプロジェクト第一弾と位置づけ、申請業務の電子化に着手することを決めた。

このプロジェクトの際、特に注力したポイントとして、DX推進チームの一員であり企画部業務Gに所属する宮崎遥氏は「ユーザーに利便性を感じてもらえるシステムを構築するよう心がけました」と話す。

「以前のシステムは、承認ルート設定が煩雑で、操作性の低さが不満につながっていました。そのため、X-point Cloudでは、ユーザーの負担を減らすことに力を注ぎました。例えば、承認ルートの設定です。以前のシステムだとユーザーが申請時に承認者をすべて指定する必要がありましたが、X-point Cloudでは条件分岐機能や代理承認機能を活用し、社内で必要な承認ルートを簡単に設定できるようにしました。承認ルートは30以上にのぼったため構築に多少の手間を要しましたが、この取り組みは功を奏しました。実際に、システムの運用開始後、申請時のエラーはほぼ発生しておらず、申請内容の誤りや申請書の差し戻しも大幅に削減されています」(宮崎氏)。

ユーザーの利便性を念頭にシステムを作り込んでいったヤンマーグリーンシステムだが、X-point Cloudの各種機能が後押しとなり、導入はスピーディに進行した。2023年10月から導入を開始し、わずか約2ヶ月後には運用を開始した。その後も、紙の帳票の電子化を着実に進め、約1年後の2024年末には60種類の申請書を電子化するに至った。

ユーザーの利便性向上を目的に、30以上の承認ルートを設定。この取り組みが 功を奏し、運用開始後の申請書の差し戻しや設定ミスが大幅に減った。

【活用/効果】紙の申請書の約8割を電子化し、リモートワーク体制を確立 年間約600時間の業務削減やDX人材の育成も実現

現在、ヤンマーグリーンシステムではX-point Cloudが約160名の全社員、16の全部門で利用されている。年間の申請数は約2,000件にものぼり、導入を通じて社内の紙の申請書は80%以上電子化された。

これにより、社内の業務環境は大幅に変化した。特に様変わりしたのが社員の働き方だ。その変化について宮崎氏は次のように解説する。

「まずはリモートワーク体制が確立されたのが大きいです。以前とは異なり、社用携帯電話での申請や承認が容易になったことで、場所や時間を選ばない働き方が可能になっています。システムの運用開始後、ある営業社員から『スマホでの申請のおかげで本当に助かっています。ありがとう』というお礼の電話がありました。それほど現場の社員にとって大きな変化でした。また、申請に要する手間が削減され、定型業務が大幅に効率化されています。私たちの試算では、申請に関する業務時間の約90%が効率化され、年間約600時間の業務が削減されました」(宮崎氏)。

さらに、ヤンマーグリーンシステムではX-point Cloudの導入を通じて、副次的な効果も得ている。それがDX人材の育成だ。DX推進チームによる導入プロジェクトは、チームメンバーのITスキルを向上させ、さらなるDX推進の起爆剤となった。実際、同社はX-point Cloudの導入後、複数のシステム導入に着手し取り組みを進めている。さらに、今後はDX推進チームが主導して教育プログラムを整備し、全社員のITスキルを向上させる計画だ。

社用携帯電話による申請画面。以前のシステムはiOSに対応して いなかったため、外出先からの申請や承認が困難だったが、現在 ではこの画面から容易に申請書を作成できる。

【今後の展望】SVF Transactとの連携により、文書保管の自動化も実現 RPAの活用などにも取り組み、独自のDX体制の構築を目指す

今後、ヤンマーグリーンシステムはX-point Cloudの導入で得た組織能力を活かし、独自のDX推進体制を確立する方針だ。その構想について、早坂氏が次のように説明する。
 
「現在、すでにウイングアーク1st社が提供する文書管理システム「SVF Transact」をX-point Cloudと連携させ、承認後の文書をSVF Transactに自動保管する仕組みを構築しています。今後は、これにRPAを組み合わせ、入力作業のさらなる省力化を図るつもりです。X-point Cloudは連携性に優れているため、システム連携によるDXを実現しやすいのが特徴です。X-point Cloudを当社におけるDXの中心に据え、今後もさまざまな自動化や効率化を進めていきたいと考えています」(早坂氏)。

紙の帳票の電子化を通じて、社内のDX人材を育成し、その知見を活用して自社のDXを推進しているヤンマーグリーンシステム。まさに「DXの教科書」といってもよい同社の事例には、学ぶべき点が多いだろう。

お客様の声

ヤンマーグリーンシステム株式会社
企画部 企画G 早坂 翼 様
「X-point Cloudの優れた連携性 はシステムを機動的に運用する うえで大きな武器になります。まさ に変化の激しい時代にぴったり の製品だと思います」

ヤンマーグリーンシステム株式会社
企画部 業務G 宮崎 遥 様
「私はX-point Cloudが初めての システム導入の経験でした。当初 は不安もありましたが充実した 機能群に助けられ、1ヶ月ほどで 構築に必要な知識を習得すること ができました」

お客様プロフィール

会社名 ヤンマーグリーンシステム株式会社
本社所在地 〒664-0851
兵庫県伊丹市中央3丁目1番17号
設立 2007(平成19)年11月21日
従業員数 161名(2025年2月28日現在)
事業内容 農業用プラントの設計・施工・アフターサービス、土木建築工事の請負・設計・管理の請負、農業用プラントに関する単品製品、建築資材等の販売
URL https://www.yanmar.com/jp/about/company/ygs/

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