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脱ハンコはなぜ必要?メリットやアプローチ方法を解説

脱ハンコはなぜ必要?メリットやアプローチ方法を解説
働き方改革推進の重要なテーマとして脱ハンコが注目される今、実現のためのさまざまなアプローチが各企業で検討されています。

日本の商習慣に深く根付いているハンコ文化ですが、近い将来、ビジネスシーンでハンコを見ることがほとんどなくなるかもしれません。

本稿では、従来のハンコ文化が抱える課題脱ハンコのメリット、そして脱ハンコを実現するためのアプローチ事例を紹介します。

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ハンコ文化が抱える課題とは?

ハンコ文化は、通信・その他コミュニケーションツール等がない時代からの慣行として現在も残り続けています。

しかし、働き方が多様化し各種ITツールが充実している現在においても、ハンコ文化は本当に必要なのでしょうか?

まずは、ハンコ文化が抱える3つの課題に注目し、解説していきます。

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1.押印ありきの業務が生産性を低下させる

従来のハンコ文化が抱える課題として、生産性の低下を挙げることができます。

実際に、2020年6月にアドビシステムズより発表された調査レポートによると、72.6%の人が「ハンコは生産性を下げている」と回答しています。※1

押印の本来の目的は、「承認の意思を証拠として残すこと」であり、押印自体は会社に利益をもたらす業務ではありません。しかし、押印前の根回しや、押印のための回覧や待ち時間、そして押印後の書類提出や管理など、従来のハンコ文化においては押印ありきの業務が発生しがちです。

これらの押印ありきの業務に追われることで、本来取り組むべき業務の時間が奪われ、生産性向上の妨げとなってしまうのです。
※1参考:アドビ「中小企業経営者に聞いた判子の利用実態調査」の結果を発表

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2.ペーパーレスが進まない

ハンコ文化はそのまま、ペーパーレスを妨げる原因となります。

従来のハンコと紙によるワークフローでは、書類のファイリングやラベリングなどの管理業務や、他拠点や取引先への輸送などの業務が必要になります。また、社内外文書の保管スペースが必要になるほか、印刷・輸送コストなども発生します。

つまり、ハンコ文化とそれに伴うペーパーワークが、バックオフィスの負担とコストを増やす要因となっているのです。

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3.ハンコ文化がテレワーク導入のハードルに

ハンコ文化やそれに伴うペーパーワークが、テレワーク導入・定着のハードルとなっている一面もあります。

2020年2月にアドビ株式会社が行ったインターネット調査では、ハンコの捺印や紙書類へのサイン・確認などのために、テレワーク中に出社した経験がある人は6割以上にのぼっています。※2

近年の働き方改革でテレワークのルール整備は幾分か進みましたが、押印のために出社しなければならない状況を見ると、あくまで「出社を前提としたテレワーク」であったと言わざるを得ません。
※2参考:アドビ「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果(2020年)」

脱ハンコがもたらすメリットとは?

脱ハンコがもたらすメリットとは

前段の通り従来のハンコ文化にはいくつかの課題が存在しますが、脱ハンコを実現することで具体的にどのような変化があるのでしょうか。

次は、脱ハンコがもたらすメリットについて解説していきます。

1.生産性向上への貢献

脱ハンコの最大のメリットとして、「生産性向上への貢献」を挙げることができます。

脱ハンコの実現により、押印ありきの無駄な業務を減らすことができ、書類保管・管理業務の負担軽減にもなります

ただし、無駄な業務がなくなっただけでは生産性が上がったとは言えません。これらの業務がなくなることで、注力するべき業務に充てる時間が増え、生産性の向上につながるのです。

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2.場所や時間に囚われない働き方への対応

脱ハンコは、テレワークをはじめとした新しい働き方の実現にもつながります。

脱ハンコにより紙書類の電子化が進むことで、捺印のためだけに出社する必要はなくなり、いつでも・どこからでも申請・承認プロセスを滞りなく遂行できるようになります。

脱ハンコで場所や時間に囚われない働き方に対応することで、生産性向上はもちろん、従業員のワークライフバランスや採用活動にも好影響をもたらすでしょう。

3.コスト削減

脱ハンコのメリットとして、コスト削減も挙げることができます。

ペーパーレスの実現で、従来のペーパーワークで発生していた紙書類の印刷費や設備の維持費、輸送費などをカットすることが可能です。

また、書類保管スペースの確保や、書類管理業務の人件費も削減できるため、不要なコストの削減につながるでしょう。

4.コンプライアンスの強化

脱ハンコを実現して各種書類を電子化することで、コンプライアンスの強化にもつながります。

紙書類の場合、手作業による管理で紛失してしまう恐れや、文書改ざんなどの不正が発生するリスクを防ぐことができません。

一方で電子化した文書であれば、適切なセキュリティ対策を施すことができ、コンプライアンスを強化することが可能です。

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脱ハンコを実現する方法

多くのメリットが期待できる脱ハンコですが、実現に向けた取り組みに踏み出せていない企業が多いのも事実です。

次は、脱ハンコを阻むハードルと、実現のための方法について解説していきます。

脱ハンコを阻むハードルとは

先述のアドビシステムズの調査レポートによると、「生産性向上のためにハンコの慣習をなくすべき」という回答が74.7%にのぼった一方で、「ハンコの撤廃は容易ではない」という回答が50.1%となっています。

また、脱ハンコを阻むハードルとして「取引先の契約方法に従う必要がある」という回答が51.4%で最多となっており、法的な有効性やセキュリティ上の不安、導入コストやリソースなどの要因も挙げられています。

この調査レポートから、長年の習慣をなくし新しい習慣を作ることは、心理面(ソフト面)の抵抗があり、設備面(ハード面)でもコスト・リソースがハードルとなっていることが分かります。

しかしこのままハンコ文化を続ければ、働く人の貴重な時間を奪い続け、脱ハンコに成功した企業との競争力の差に直結します。

また、すでに脱ハンコに成功した先行企業は増えつつあります。ということは脱ハンコできない最大の要因である「取引先の契約方法に従う必要がある」という状況も少なくなると想定されます。

ワークフローシステムで脱ハンコを実現可能

では、脱ハンコを実現するにはどういった方法があるのでしょうか。

脱ハンコに向けた取り組みとしておすすめなのが、ワークフローシステムの活用です。

ハンコ自体の電子化は現在いくつか提供されている電子署名サービス等でも実現できますが、ワークフローシステムには次のようなメリットがあります。

  1. 印影がつくのでハンコ文化自体は残しながら電子化できる
  2. ハンコだけでなく書類の電子化(ペーパーレス)を同時に実現できる
  3. 申請や意思決定は全て保存される。さらに過去の意思決定をすべて情報資産化できる

ワークフローシステムを活用することで、従来のハンコ文化が抱える課題を解決し、脱ハンコを実現することができるのです。

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脱ハンコに向けたアプローチと先行企業の事例

脱ハンコに向けたアプローチと先行企業の事例

脱ハンコは実現可能ということをお伝えしましたが、脱ハンコに向けた具体的な取り組み方が気になるポイントかと思います。

以下で社内文書・社外文書に分けて、脱ハンコのアプローチ方法と事例をご紹介します。

社外文書は取引先と「一緒に」変えてみる姿勢で

まずは、受発注書や契約書などの社外文書における、脱ハンコのためのアプローチ・事例を見ていきましょう。

すでにご紹介している通り、脱ハンコの妨げとなっている要因のひとつが「取引先の契約方法に従う必要がある」という点です。

しかし、「相手企業があるから…」というハードルを解消する動きが活発になりつつあります。

そのひとつが、「#取引先にもリモートワークを」アクションです。

「#取引先にもリモートワークを」アクションとは、契約書等の捺印をはじめとしたリモートワークの障害を取り除き、社会全体でリモートワークを推進するためのアライアンスです。

「#取引先にもリモートワークを」アクションには、業種・業界を超えさまざまな企業が賛同しています。このことから、IT企業にとどまらず脱ハンコ、IT化が一般化していく未来が予想できます。

このような活動がさらに普及すれば、「取引先があるからできない」ではなく「取引先もやっているから自社もやる」というポジティブな行動変容が期待できます。

社外との調整は気を遣うものですが、この気運を追い風に脱ハンコに取り組んでみてはいかがでしょうか。

先行企業の例:
GMOグループ(https://www.gmo.jp/denshi-inkan/
メルカリ(https://about.mercari.com/press/news/articles/electronic_seal/
など
参考:#取引先にもリモートワークを-特設サイト

社内文書はスモールスタートで始める

次に、各種申請書や稟議書などの社内文書における、脱ハンコに向けたアプローチを見ていきましょう。

取引先との調整が必要な社外文書と比べ、脱ハンコに取り掛かりやすい社内文書ですが、いくつかのハードルが存在します。

たとえば、システムの導入コストもそのひとつです。

単に手書きの署名に切り替えるだけであれば新たなコストは発生しませんが、ハンコ文化が抱える課題の本質的な解決にはつながりません。とはいえ、新たにシステムを導入するにはコストやリソースが必要になるため、脱ハンコに踏み出せないという企業もあるのです。

また、部署や従業員によってITリテラシーにばらつきがあり、全社的にシステムを導入することに心理的ハードルを感じるケースもあるでしょう。

こうした懸念・不安で脱ハンコが進められない場合には、スモールスタートで脱ハンコに取り掛かることをおすすめします。

たとえば、まず1つの文書から始めてみるのも一策です。

脱ハンコを実現するには、業務プロセスの棚卸しが必要になります。しかし1つの文書でも脱ハンコを達成することができれば、他の文書でも同じように脱ハンコを進めていくことができます。

また、特定の部署やチーム内で使っている文書から脱ハンコに取り組んでみるのも手です。複数の部署やチームの人たちを巻き込んでいくのは、説得や調整に時間がかかります。まずはひとつの部署で脱ハンコを実現することで、その他の部署やチームも後に続きやすくなるでしょう。

このように、社内文書の脱ハンコ化に一斉に着手するのではなく、まずは一部から取り組み、成功事例を積み重ねることから始めてみてはいかがでしょうか。

先行企業の例:
獨協大学(https://www.atled.jp/xpoint_cloud/case/dokkyo/

生産性向上のために脱ハンコの取り組みを

本稿では、従来のハンコ文化が抱える課題や脱ハンコによるメリット、そして脱ハンコを実現するための取り組みについて解説してきました。

企業が抱える課題を解決する取り組みのなかでも、脱ハンコは目の前の業務を改善し、中長期的にも生産性向上につながる、価値ある取り組みのひとつです。そして、テレワークをはじめとした多様な働き方に対応するためにも、脱ハンコは不可欠だと言えます。

これまで脱ハンコに踏み出せなかった企業や、検討しているものの具体的なアプローチが分からず躊躇していた企業は、本稿を参考に脱ハンコに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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脱ハンコへの具体的な取り組み

まだハンコで押印?今すぐ文書の電子化に取り組むべき理由
ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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