X-point Cloud

シリコンスタジオ株式会社のワークフローシステム導入事例

クラウド版への移行を機に既存帳票の再編成を推進
多彩な機能を活用し、効率的で安定的な運用体制を確立

3Dグラフィックスの開発やソリューションを提供するシリコンスタジオ株式会社は、2023年に15年近く運用していたオンプレミス版のX-pointをX-point Cloud(エクスポイントクラウド)に移行。サーバコストの削減により大幅な経費節減を実現したほか、X-point Cloudのフォーム作成機能やJavaScriptによる機能拡張を活用し、既存帳票の効率化、改廃、再編成にも成功している。これにより、同社はより効率的かつ安定的なシステム運用体制を確立した。

課題・背景

  • グループウェアのリプレイスをきっかけにクラウド版への移行を決定
  • サーバの保守運用、維持などに継続的に費用が発生
  • オンプレミス版の長期運用に伴い、運用体制が複雑化

業務効果

  • クラウド版への移行により、サーバの保守運用に伴うコストがゼロに
  • クラウド移行やデータセンター削減を含む一連の取り組みで大幅なコスト減
  • 各種機能を活用して既存帳票を再編成し、運用体制の高度化を実現

【経緯/課題】15年の運用を経たオンプレミス版X-pointを刷新 クラウド移行で、より機動的なIT環境へ

1999年設立のシリコンスタジオは、祖業であるデジタルコンテンツ制作事業で培った3DCGの技術を軸に複数の事業を展開している。開発推進・支援事業で
は、ゲーム・映像業界などに向けて最先端のリアルタイムCGを提供するほか、自動車業界や建築業界に向けた専門ソリューションをリリースする。また、人材
事業においては、ゲーム・映像業界に特化したクリエイター人材派遣・人材紹介サービス「シリコンスタジオエージェント」を提供し、業界全体の開発力・人
材力の底上げに貢献している。業界最高水準の技術を武器に、幅広い事業を展開するシリコンスタジオ。その一方で、近年では社内向けのデジタル戦略にも力
を注いでいる。社内システムのクラウド移行やインフラの見直しなどを通じて、機動的で効率的なIT環境を整備するのが目的だ。その一環として取り組まれた
のがX-point Cloudの導入だった。情報システム部の金川聡一氏は、同社がX-point Cloudを導入した経緯について振り返る。

「当社では2008年頃からオンプレミス版のX-pointを導入し、以降、長期間にわたって運用してきました。当時、運用していた帳票は約200種類以上。帳票の
種類も経理系、人事系、業務系と幅広く、「組織運営の要」と言っても過言ではないシステムでした。しかし、組織としてクラウド化に取り組むなかで、X-
pointのサーバ運用が次第に負担となり、既存のグループウェアを刷新するタイミングで、ワークフローシステムもクラウド製品に移行することになりまし
た。当時、X-pointをはじめ複数のシステムをグループウェアに紐付けてログインしていたため、両者を同じ機会にクラウドへ刷新したほうが手間も少なく好都合だったのです」(金川氏)。

X-pointの運用を担当していた金川氏は、移行先のシステムの選定をするため、展示会への参加や比較調査など、幅広いリサーチ活動を開始した。

【選定/導入】他製品との比較でX-point Cloudの強みを再認識 「もくもく会」などを通じて運用改善の知識を習得

当初、他社製品へのリプレイスも視野に入れていた金川氏だが、リサーチ活動を進めるなかで、あることに気が付いたという。展示会などで他社製品について
情報収集するなかで、むしろX-pointの製品の強みや長所について耳にする機会が増えたのだ。
「他社製品の営業担当者に話を伺うなかで「X-pointは優れた製品です」「設定の自由度は競合製品のなかでも頭一つ抜けています」といった声をたびたび聞
いたのです。そのときに初めて「使いきれていないだけで、X-pointには優れた機能がたくさん備わっているのだな」と気が付きました。もともと、前任者か
らそれほど引き継ぎを受けずに担当者になったこともあり、X-pointの機能を詳しく調べて使いこなすといったことは、それまでほぼありませんでした。しか
し、同業者の人々も太鼓判を押すほどの製品であれば、利便性の高い機能が数々備わっているはずです。そこで、X-point Cloudへの移行を決め、移行後は各
種機能の「使い込み」に取り組んでみようと決意しました」(金川氏)。

こうしてX-point Cloudへの移行を決めたシリコンスタジオは、2023年末から導入作業に着手。協力会社と要件整理を進めながら、移行作業自体は短期間で完
了し、スムーズに運用開始へと至った。オンプレミス版からクラウド版への移行は想定以上に円滑で、ユーザーUIや操作性なども維持されていたため移行に伴
う混乱もほぼ発生しなかった。安定的にX-point Cloudへの移行を完了した金川氏は、次なる取り組みとして各種機能を活用した運用体制の改善に着手した。
しかし、運用担当者が他の業務と並行しながら製品や機能について独学で学ぶのは容易ではない。そこで、知識習得の後押しとなったのがエイトレッド社のサ
ポートだった。例えば、「もくもく会」がその一つだ。「もくもく会」はエイトレッド社が定期的に開催しているユーザー参加型のオンライン自習イベント
バーチャルオフィス上で常駐する製品担当者に質問しながら帳票作成やシステムの設定を行えるほか、他のユーザーと運用などに関する意見交換も可能だ。

金川氏は「イベントに参加すると、他の企業の担当者がどのような悩みを抱えているのかが分かり、共に意見を出し合いながら解決できるので、システムへの
理解が深まりやすいです」と話し、既存の運用体制を改善していくうえで極めて有効だったと語る。さらに、メールによるカスタマーサポートなどを適宜活用
しながら、金川氏はX-point Cloudに関する学習を進め、運用改善にあたって必要な知識を着実に習得していった。

【活用/効果】4種類の購入申請書を1つに統合し、運用を高度化 長期運用で複雑化していたシステムのスリム化を実現

X-point Cloudの導入以降、シリコンスタジオではオンプレミス版で運用していた帳票やシステムに数多くの改善を加えている。その代表例が、購入申請書の
再編成だ。従来、同社ではオンプレミス版のX-point上で、「国内/国外」「IT/非IT」などの条件によって4種類の購入申請書を使い分けていたが、X-point
Cloudへの移行を機に1種類へと統合した。この経緯を金川氏は次のように振り返る。
「前任の担当者が業務内容に合わせて帳票や承認ルートを追加していくうちに、運用が複雑化してしまったのです。これでは、組織改編や業務変更のたびにメ
ンテナンスが煩雑になり、ユーザーにとっても使いやすいとは言えません。そこで、X-point Cloudへの移行を機に購入申請書を含む帳票全体を見直し、運用
全体を再設計する取り組みを進めました」(金川氏)。

従来の購入申請書は条件によって別々のフォームを使い分ける必要があった。そこで金川氏は、申請書のフォームにラジオボタンによる分岐機能を設け、選択
内容に応じて入力項目が切り替わる仕組みを導入し、複数に分散していた帳票を1種類に集約した。改善はこれだけにとどまらない。もう一つの取り組みが、
プレースホルダの活用だ。プレースホルダとは、入力フォームにあらかじめ表示される仮の文字列のことで、入力例やコメントを提示することができる。
金川氏は、稟議書などの長文入力を要する帳票フォームに、JavaScriptによる機能拡張でプレースホルダを追加。記載例をフォーム内に表示することで、ユー
ザーが迷うことなく文章を入力できるようにした。これにより、入力の手間と確認作業の双方が軽減されたという。さらに、X-point Cloudの導入後はシステ
ム運用そのものの設計思想の見直しも進められた。承認フローでは、従来のように各承認ステップの名称を役職名で定義する方式を順次縮小し、承認ステップ
の順番のみで管理するシンプルな方式へ移行した。役職名ベースのステップ名称は、組織改編や新設ポジションが発生するたびに修正が必要となり、メンテナ
ンス負荷が大きかったためだ。ステップ名称を承認順で統一することで、組織変更の影響を受けにくい運用へと改善している。

これについて、金川氏は「X-point Cloudはワークフローシステムであると同時に、データベースとしての側面も持っています。データベースを構築するよう
な視点で運用設計を見直すことが、最適化のポイントだと思います」と述べた。
こうした一連の改善活動により、シリコンスタジオではX-point Cloudの運用体制を抜本的に高度化。場当たり的に作られ膨れ上がっていた帳票群が整理・圧
縮され、メンテナンス負荷は大幅に削減し、あわせてユーザーの日常業務の工数削減やヒューマンエラー防止にもつながった。長期運用に伴い複雑化していた
システムはスリム化され、より効率的で安定した運用が可能になった。さらに、X-point Cloudの導入も含め、社内のクラウド化を段階的に進めた結果、サー
バ維持管理コストを削減。一連の取り組みにより、データセンターの削減も実現し、大幅なコスト減につながった。

ラジオボタンの分岐機能で4種類の帳票を1つに統合。税率計算にも対応し、入力精度を向上した。

稟議書フォームにJavaScriptで記載例を表示。ユーザーは例文を参照しながら効率的に入力できる。

【今後の展望】帳票のバグを可視化する仕組みを構築し、運用品質のさらなる向上へ システムのポテンシャルを最大限に引き出す活用を目指す

今後、シリコンスタジオはX-point Cloudのさらなる運用改善に取り組む。その一環として、帳票のバグを可視化する仕組みの構築を計画している。金川氏
はその構想について、次のように語る。
「現在、GitHub上に格納されたX-point Cloudの帳票からバグを検出する独自パーサ(構文解析ツール)を開発しています。これが完成すれば、長年の運用で
蓄積された帳票群のバグを一覧で可視化でき、システム改善をよりスピーディに進められるはずです。こうした運用を含む改善全般を支えているのがX-point
Cloudのデータ活用における柔軟性と拡張性の高さです」(金川氏)。

同社は、X-point Cloudを単なるワークフローシステムとしてではなく、業務データを活用するプラットフォームとして発展させている。データベースとして
の特性を活かし、申請業務にとどまらない活用領域を広げる姿勢は、まさに“システムのポテンシャルを最大限に引き出す運用”そのものだ。
こうした取り組みを続けるシリコンスタジオの姿勢は、他のユーザー企業にとっても大きな示唆を与える先進的な事例といえるだろう。

お客様の声

シリコンスタジオ株式会社
情報システム部
金川 聡一 様
「X-point Cloudは自由度が高い分、しっかりとした設計や方針が重要です。あらかじめ青写真を描き、長期的な視点で運用体制を構築することがポイントだと思います」

お客様プロフィール

会社名 シリコンスタジオ株式会社
本社所在地 〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-21-3 NRビル
創業 1999年11月
従業員数 261名(2024年12月1日現在)
事業内容 開発推進・支援事業、人材事業
URL https://www.siliconstudio.co.jp/

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