X-point Cloud

学校法人日通学園 流通経済大学のワークフローシステム導入事例

2キャンパスの事務組織統合を機に X-pointを導入し稟議申請を電子化
業務効率・意思決定スピードを向上

2つのキャンパスから学生が自ら学ぶ場所を選ぶ「キャンパス選択制」を採用している流通経済大学。同大学の2つのキャンパスは各々が独立組織として運営されていたが、さらなる学生サービス向上を目指し一つの組織に統合された。それを機に、稟議書および予算執行申請業務をX-pointにより電子化し、業務効率および意思決定スピードの向上を実現した。

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別々だった2キャンパスの 組織を一つに統合 紙による稟議書回付が限界に

学校法人日通学園 流通経済大学(以下、RKU)は1965年、産業界の要請を受け日本通運株式会社の全面的な支援により創設された産学協調型大学だ。その名の通りロジスティクスや経済に関する教育に強みを持ち、現在は2つのキャンパスに5学部9学科と5つの大学院研究科を擁する総合大学へと発展した。

これまでに4万人を超える卒業生を世に輩出しており、交通や流通はもちろん、金融、商社、公務、教育、スポーツなど幅広い分野で活躍している。同大学の特色の一つに、学生の利便性と自主性を重視した日本初の「キャンパス選択制」がある。学生は充実した教育設備と緑豊かな自然環境の龍ケ崎(茨城県)と、都心に近くアクセス至便な新松戸(千葉県)の、どちらのキャンパスで学ぶかを入学時に自分で選ぶことができる。

この制度について総務部総務課の折山俊樹氏は「キャンパス選択制を実現するために先生方が2つのキャンパスを行き来することで、学生は自分が選んだキャンパスで4年間を過ごすことができます。自らが考え、選び、やりきることで自主性が育まれます」と語る。

大学をはじめとする教育機関は、長年の慣習により紙での業務が根強く残っている傾向がある。働き方改革や生産性向上という世の中の流れに合わせてIT化や電子化には関心があるものの、複数のキャンパス、大学と付属校、教員と職員など様々な組織が存在し一部重なり合う、といった民間企業とは異なる特殊性が見えない障壁となり、思うように進まないのが実態だ。

その中でもRKUは早くから学内のICT利活用を推進して来た。2001年に教職員および学生全員が活用する情報基盤としてのポータルを構築。その後、2007年に教職員向け基盤としてグループウェアを刷新し、2013年にはグループウェアのクラウド化も実施している。

しかし、申請書類などは紙による運用が多く残り、総務や人事などの各部署から相談が多く寄せられ、長年、解決策を模索していた。

学内の情報システム全般を担当する総合情報センター図書情報グループ 情報システム課 係長の青砥光一氏は、展示会で出会ったX-pointの印象を次のように語る。 「他社のいかにもWebフォームといった見た目の入力画面と違い、X-pointは紙のイメージそのままで直感的に利用できる点に魅力を感じました。旧態依然とした学内業務の電子化を推し進める場合、現状の紙と判子の印象をそのまま残すことで抵抗感が少なくなります。さらに複雑な承認ルートも標準機能で柔軟に対応できる点や、先行して導入しているグループウェア、サイボウズGaroonとの連携も可能ということで、一気に導入への意欲が高まりました」

とはいえ青砥氏は当初、X-pointによるワークフロー導入を情報システム部門内など部分的な導入で検討していたという。

しかしちょうどそのタイミングで、キャンパスをまたいだ業務管理が必要になる出来事が起こる。それが、2018年7月に実施された大幅な事務組織変更である。

RKUは創設以来、龍ケ崎キャンパスに教務課や学生生活課、就職支援課など事務職員の各組織が存在していた。

一方で2004年に新設された新松戸キャンパスは当初、学生数も少なかったことから事務センターのもとに、いくつかの担当課のみが存在し、その中に各担当者がいる、という体制で運営されてきた。しかしその後、新松戸キャンパスの学生数も増加し、大学全体の業務改革や意思決定を加速させるための見直しが図られ、特色である「キャンパス選択制」の強みをさらに拡充し、学生サービスの向上につなげることを目的として、2キャンパスにまたがる統合型組織体制への変更が実施されたのだ。

この組織変更により、特に役職者は両キャンパスを横断するマネジメントが求められるようになった。従来の大学内での稟議書の回付先は多いもので3 0にも上り、立案者の部署内の係長、課長補佐、課長、部長代理、部長が並び、さらには供覧先の役職者への回覧を経て、内容により事務局長もしくは学長、理事長による決裁となる。

龍ケ崎と新松戸のキャンパスをまたぐため起案から承認までの期間は2週間程度かかることも珍しくなかった。折山氏は当時の状況を次のように語る。 「従来はキャンパス間を運行しているシャトル便を利用し、稟議の受け渡しをしていました。承認者は、書類が届いた後は、自身が承認してしまえば、誰の承認待ちになっているのかはまったく把握できません。起案者より、書類の行方を確かめる等の問い合わせがあるなど、それまでは当たり前になっていた実態を解決しなければならないと感じていました。多くの職員が紙による業務に限界を感じていた時に青砥さんからX-pointの導入計画を聞き、それなら稟議書のワークフローを導入しよう、となったのです」

2週間の稟議期間がわずか1日に短縮 業務標準化、可視化で大きな効果

その後、フォームとフローの整備などを進めながら、導入に向けて起案者、承認者対象の説明会をそれぞれ実施。FAQやマニュアルも準備して万全の態勢で臨んだという。

説明会の様子について折山氏は、予想よりもスムーズに理解してもらったと次のように語る。「長年慣れた紙からの電子化に対し、もっと抵抗感を示されるのでは、と考えていましたがそうではありませんでした。やはり起案側だけでなく承認側も、紙による運用に限界を感じていたのでしょう。問い合わせ内容も想定の範囲内でした。不在の人への確認はどうなるのか、決裁ルートのイレギュラーな対応は可能なのか、参考書類は添付できるのか、といったものです」

青砥氏は「X-pointであれば外出先からスマートフォンで承認可能になりますし、書類はスキャンして添付できます。そもそも添付が本当に必要なのかなど、ワークフロー導入により業務の本質を改めて見直す良い機会となりました。それが職員の意識改革にもつながっています」と語る。

こうして2018年11月、X-pointの稟議書フォームで全学での運用がスタートした。

その効果は高く、メールでお知らせが届くことで見落としもなく、従来2週間程度必要だった稟議期間は1~2日に短縮された。承認された時刻、今、誰の手許にあるのか、どこで止まっているかなどが可視化されたことによる改善効果が大きかった。導入後の問い合わせもほとんどなく、運用上も問題は起きていないとのこと。

また、稟議は最終決裁者として学長まで回るものが多く、これまで学長は決裁のために外出先からキャンパスに戻る必要があったが、X-point導入後はその必要がなくなった。同じく事務局長も移動先から確認できるようになり、多忙な決裁者も多様なスタイルで判断を下せるといった、副次的な効果も得られたという。

予算執行承認フローもスタート 今後は教員を含めた全業務の電子化を推進

こうした成果が得られたことで、同大学では2019年3月に予算執行承認フローにもX-point活用をスタートした。経理部 経理課の若山昌弘氏は、「本学では10 万円以上の予算執行は稟議書で承認を得ますが、それ以下のケースについては極端な例を挙げると鉛筆1本購入するにしても、経理部への予算執行伺いが必要です。こちらも稟議書同様の承認フローがあり、多い日には、5~10件申請されます。従来は急ぎの承認を得るために、書類を持って移動するなどかなりの業務負荷が発生していましたが、先に稟議書フローが電子化されていたことで、スムーズにX-pointによる電子化が展開できました」と語る。

折山氏は「部分導入ではなく、全学を巻き込む稟議システムの運用で始めたことが、結果的に正解でした。最も多くの職員が関わる稟議業務の電子化に成功したことで、それ以外の各種業務の電子化へのイメージが容易になりました」と語る。

X-point導入後、処理された稟議書は約1年間で1,700件、予算執行伺書は約9か月で750件にも上る。

そして今、RKUには同様の悩みを抱える他大学からの問い合わせが相次いでいるという。今後は、利用範囲をさらに広げ、教員の各種申請や、物品購入後の支払い業務などにもX-pointを利用していく考えだ。

最後に青砥氏は「本学だけでなく他大学の状況をお聞きしても、大学業界においてはまだまだ業務改善、効率化できる余地は多くあります。エイトレッドには我々ユーザーがクラウド利用によるメリットを最大限発揮できるよう、安定したサービス提供と、教育機関独特の複雑な承認フローでも利用しやすく、可視化しやすい機能の拡充を期待しています」と締めくくった。

* 取材日時 2019年12月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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