【ガバナンス・内部統制の完全ガイド】企業価値を高める仕組み作りと実践ステップを徹底解説
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企業が持続的に成長し、社会からの信頼を獲得するためには、コーポレートガバナンスと内部統制を強化する取り組みが不可欠です。
本記事では、ガバナンスと内部統制の基本や必要性、実践するためのステップやポイントなどの情報を網羅的に解説します。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
- コーポレートガバナンスと内部統制の基本
- ガバナンス・内部統制が不可欠となる重要シーン
- 内部統制・ガバナンス強化に向けた5つの実践ステップ
- ガバナンス・内部統制の強化を成功に導く3つのポイント
- ガバナンス・内部統制の強化にワークフローシステム!
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コーポレートガバナンスと内部統制の基本
コーポレートガバナンスと内部統制はしばしば混同されがちですが、その目的と役割は異なります。
簡単に言えば、コーポレートガバナンスが「企業経営を監視・規律する大きな枠組み」であるのに対し、内部統制は「その枠組みを適切に機能させるための具体的な仕組み・プロセス」です。つまり、「健全な企業経営を実現するための両輪」と言える関係にあります。
では、コーポレートガバナンスと内部統制について、それぞれもう少し詳しく内容を見ていきましょう。
コーポレートガバナンスとは?
コーポレートガバナンスとは、株主をはじめとするステークホルダー(利害関係者)の利益を最大化するために、企業経営を監視・規律する仕組みのことです。
具体的には、取締役会の機能強化や社外取締役の設置、情報開示の徹底などを通じて、経営の透明性・公正性を確保し、企業の持続的な成長を目指します。
これは、不正を防ぐという守りの側面だけでなく、適切なリスクテイクを促し企業価値を高める「攻めのガバナンス」としての役割も担います。
内部統制とは?
内部統制とは、コーポレートガバナンスを実現するために、企業内部に構築される具体的なルールやプロセスのことです。
日本では、金融商品取引法(J-SOX法)に基づき、上場企業に内部統制報告書の提出が義務付けられています。その目的は、以下の4つに集約されます。
- 業務の有効性及び効率性:事業活動の目的を達成するため、無駄なく効果的に業務を遂行する。
- 財務報告の信頼性:決算書などの財務情報が、不正や誤りなく適正に作成されることを保証する。
- 事業活動に関わる法令等の遵守(コンプライアンス):法律や規範、社内ルールなどを守り、企業活動を行う。
- 資産の保全:会社の資産(有形・無形問わず)が、不正や盗難、誤用などから守られるように管理する。
これらは、健全な組織運営の根幹をなす「守りの内部統制」と言えるでしょう。
ガバナンス・内部統制が不可欠となる重要シーン
ガバナンスや内部統制の強化は、企業のさまざまな活動と密接に関わっています。
ここでは、ガバナンス・内部統制がとくに重要となる3つのシーンを取り上げ、そのポイントを解説します。
IPO(株式上場)準備
IPO(株式上場)を目指す企業にとって、内部統制の整備は審査における最重要項目のひとつです。上場企業には、投資家保護の観点から、より高いレベルでの経営の透明性や財務報告の信頼性が求められます。
そのため、証券取引所の審査では、「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」が厳しく問われます。投資家が安心して投資できる企業であることを証明するために、規程の整備、職務分掌の徹底、監査体制の構築などを計画的に進める必要があります。
整備が不十分な場合、審査の通過が困難になるだけでなく、上場後の信頼失墜にもつながりかねません。
決算業務のスピード・正確性向上
企業の経営成績や財政状態を示す決算書は、投資家や金融機関が意思決定を行う上でもっとも重要な情報のひとつです。
内部統制を強化することで、勘定科目の承認プロセスやデータ入力のチェック体制が整備され、人為的なミスや不正を防ぎ、決算書の信頼性を担保できます。これは迅速かつ正確な月次・年次決算の実現にもつながります。
ESG経営の推進
近年、企業の価値を測る指標として、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視する「ESG投資」が注目を集めています。とくに「ガバナンス(Governance)」は、「環境(Environment)」と「社会(Social)」の取り組みを支える土台として極めて重要です。
取締役会の監督機能の強化、コンプライアンス体制の整備、適切な情報開示といったガバナンス強化策は、企業の透明性を高め、ステークホルダーからの信頼を獲得します。これが結果として、資金調達の円滑化や企業ブランドの向上といった形で企業価値を高めることにつながります。
内部統制・ガバナンス強化に向けた5つの実践ステップ
次は、内部統制とガバナンスを強化するための具体的な手順を、5つのステップにわけて解説します。
STEP1:現状の可視化・ブラックボックス化の解消
最初に取り組むべきは、自社の業務プロセスを正確に把握することです。
特定の担当者しか手順が分からない「業務のブラックボックス化」は、不正やミスの温床となり、内部統制上の大きなリスクとなります。現場へのヒアリングや業務フロー図の作成を通じて、「誰が・何を・どのように行っているのか」を可視化しましょう。
STEP2:規程・ルールの整備
可視化された業務プロセスに基づき、必要な規程やルールを整備します。
就業規則や経費精算規程、情報セキュリティポリシーなど、従業員が拠り所とすべき判断基準を文書で明確に定めます。これは、組織全体で統一された行動を促し、リスクマネジメントを徹底する上で不可欠です。
STEP3:業務プロセスの仕組み化
規程やルールだけでなく、具体的な業務手順もマニュアルを作成し、業務プロセスを仕組み化します。
これにより、担当者が変わっても業務の品質を維持でき、業務の属人化を防ぎます。また、新人教育の効率化や、内部監査時の説明資料としても役立ちます。
STEP4:証跡(エビデンス)の管理
内部統制がルール通りに運用されていることを客観的に証明するために、「証跡(しょうせき)」の管理が重要になります。申請書や承認記録、契約書、議事録などがこれにあたります。これらの証跡を適切に記録・保管する体制を構築することで、監査への対応や説明責任を果たすことができます。
STEP5:監査による評価と改善
構築した内部統制は、一度作って終わりではありません。内部監査や外部監査を通じて、その有効性を定期的に評価し、不備が見つかれば速やかに改善する「PDCAサイクル」を回すことが重要です。
これにより、内部統制の形骸化を防ぎ、事業環境の変化に対応した実効性のある仕組みを維持できます。
ガバナンス・内部統制の強化を成功に導く3つのポイント
次は、ガバナンスや内部統制の取り組みを実効性のあるものにするための重要なポイントを3つご紹介します。
経営トップによる強いコミットメント
内部統制やガバナンスは、管理部門だけが取り組むものではありません。
経営トップ自らがその重要性を理解し、全社に向けて明確な方針を発信することが絶対条件です。トップの強いリーダーシップが全社的な意識改革を促し、取り組みを推進する原動力となります。
現場を巻き込んだ全社的な文化の醸成
現場の従業員に当事者意識がなければ、整備したルールや仕組みも形骸化してしまいます。そのため、取り組みの目的やメリットを丁寧に周知し、現場の意見も取り入れながら改善を進めることが重要です。統制を「文化」として根付かせることが、真に強い組織づくりのポイントになるでしょう。
ITシステムの活用による効率化と標準化
ガバナンスや内部統制を強化する上では、ITシステムの活用が有効です。
なかでも、社内で行われる各種申請や稟議、報告といった手続きを電子化するワークフローシステムは、ガバナンス・内部統制の強化と業務効率化を両立するソリューションだと言えます。
ワークフローシステムによる承認プロセスの自動化は社内規程・ルールの徹底や証跡管理を容易にし、他システムとの連携によるデータの一元管理は情報の信頼性を高めます。また、システムによって業務プロセスを標準化することは、属人化の防止にも極めて有効だと言えます。
ガバナンス・内部統制の強化にワークフローシステム!
本記事では、コーポレートガバナンスや内部統制の基本から実践ステップ、重要なポイントについて解説しました。
ガバナンスと内部統制は、企業の持続的な成長と社会からの信頼獲得に欠かせない要素です。そして、その取り組みを加速させるソリューションが、ワークフローシステムです。
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