アクセス権限はなぜ重要?企業における必要性や管理のポイントを解説!
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本記事では、アクセス権限の意味や重要性、管理のポイントについて解説します。
アクセス権限管理の効率化に役立つソリューションや事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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内部統制の基礎知識から構築方法まで徹底解剖!

こんな人におすすめ
・アクセス管理や証跡管理を強化したい
・自社の内部統制に課題がある
・内部統制を構築・強化する方法を知りたい
アクセス権限の基本
アクセス権限とは、特定のユーザーやグループが、システムやデータを閲覧したり利用したりするための権利を意味します。企業においては、ファイルサーバーに保存している各種情報や、システムそのものおよびシステム内に保存しているデータに対してアクセス権限を設定するケースが一般的です。
アクセス権限を適切に管理することは、セキュリティの強化やコンプライアンスの徹底、業務効率化の観点で非常に重要です。
たとえば、企業が扱うデータには機密情報が含まれることも多く、不正アクセスやデータ漏えいなどを防ぐ取り組みが求められます。また、法令で取り扱いについて定められている情報・データもあるため、厳重な管理が必要です。さらに、然るべき人物が必要な情報に円滑にアクセスできるか否かは、業務効率を左右する要素だと言えます。
このように、アクセス権限の管理は企業にとって非常に重要だと言えるでしょう。
3つの主要なアクセス管理手法

アクセス権限には、主に以下3種類の管理手法が存在します。
- ロールベースアクセス制御(RBAC)
- 属性ベースアクセス制御(ABAC)
- ルールベースアクセス制御
管理対象に応じて使い分けたり、場合によっては組み合わせたりすることが必要です。
ロールベースアクセス制御(RBAC)
ロールベースアクセス制御(RBAC)は、ユーザーの役割に基づいてアクセス権限を設定する方法です。たとえば、管理者、一般ユーザー、ゲストなどの役割ごとに異なる権限を設定します。
基本的に同じ役割を持つユーザーは同じ権限を持つため管理が容易で、多数のユーザーに対して役割ごとに一貫したアクセス権限を設定したい場合などに有効な手法です。
属性ベースアクセス制御(ABAC)
属性ベースアクセス制御(ABAC)は、ユーザーの属性に基づいてアクセス権限を設定する方法です。属性とは、たとえば部署・部門や職位、勤務地などが挙げられます。
属性の組み合わせによって柔軟かつ細やかにアクセス制御を行えるのが特徴で、状況に応じてアクセス権限が動的に変動する場合などに適した手法だと言えます。
ルールベースアクセス制御
特定のルールに基づいてアクセス権限を設定する方法です。たとえば、特定の時間帯や場所からのアクセスを制限することができます。
すべてのユーザーに対して一律にルールが適用されるのが特徴であり、オフィス以外からのアクセスや、業務時間外のアクセスを制限したい場合などに適しています。
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・アクセス管理や証跡管理を強化したい
・自社の内部統制に課題がある
・内部統制を構築・強化する方法を知りたい
アクセス権限管理のポイント
次は、アクセス権限の管理で押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。
最小権限の原則(PoLP)
アクセス権限管理で大切なポイントとして、最小権限の原則(PoLP/Principle of Least Privilege)を挙げることができます。
最小権限の原則とは、ユーザーに対して必要最低限の権限のみを付与する考え方です。最小権限の原則を徹底することで、権限の乱用や誤用のリスクを低減し、セキュリティ強化につなげることが可能です。
権限付与・解除フローの一元化
ユーザーにアクセス権限を付与したり、不要になった権限を解除したりする手順・フローを一元化することも大切です。
権限付与・解除フローを一元化することで、不適切なアクセス権限付与・解除のリスクを低減することができ、管理の適正化や効率化につなげることができます。
権限の定期的な見直し
ユーザーに付与したアクセス権限は、定期的に見直す必要があります。
アクセス権限を更新せずに放置していると、人事異動や組織改編、従業員の入れ替わりなどによって権限の過剰付与が生じてしまう可能性があります。定期的にアクセス権限の棚卸し・見直しを実施し、こまめに不要な権限を削除するようにしましょう。
ワークフローシステムでアクセス権限の管理を効率化!

ここまでは、アクセス権限の重要性や管理のポイントについて紹介してきました。
次は、アクセス権限の管理に役立つソリューションとして、ワークフローシステムをご紹介します。
ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請や稟議などの手続きを電子化するツールのことで、アクセス権限の申請・承認や管理の効率化にも役立てることができます。
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では、ワークフローシステムがアクセス権限管理に有用な理由を見ていきましょう。
アクセス権限の付与・解除フローを電子化
ワークフローシステムを活用することで、各種アクセス権限の付与・解除に関する申請・承認フローを電子化することが可能です。PCなどのデバイス上で、アクセス権限の付与・解除申請を行うことができ、管理者もデバイス上で確認や承認を行うことができます。
また、アクセス権限に関する申請・承認フローについても、細やかに設定することが可能です。ワークフローシステムは、ユーザーの役割や属性に基づき細やかに承認・閲覧権限を設定することができます。製品によっては、申請の種類や内容に応じて適切な承認・回覧ルートを自動判別できるので、アクセス権限付与・解除の申請について、然るべき承認ルートによる処理を徹底できるでしょう。
さらに、ワークフローシステムで処理した申請・承認データは、システム上にログとして保存されます。アクセス権限の付与・解除について、いつ・誰が・どのように申請・承認したのかという証跡を確認できるので、不正行為の防止・検知に役立てることができるでしょう。また、蓄積されたデータはさまざまな条件で検索したり集計したりできるので、アクセス権限の定期的な棚卸し・見直しも効率的に行えます。
システム連携で権限管理の手間を解消
ワークフローシステムは、他システム・ツールとの連携により、利便性をさらに高めることが可能です。
近年では、特定の業務領域に特化したシステム・ツールが数多く存在していますが、部署部門ごとに業務の個別最適化を進めた結果、システム・ツールの乱立に陥ってしまうケースが少なくありません。そして、それらのシステム・ツールごとにアクセス権限を管理しなければならず、管理者の負担が増大してしまうことが多々あります。
一方、ワークフローシステムと各種システム・ツールを連携していれば、システム・ツールごとに行っていたアクセス権限の管理をワークフローシステム上に集約することが可能です。さらに、マスタデータ連携によって、人事異動や組織改編などに伴うアクセス権限の更新も効率化することができるでしょう。
アクセス管理も効率化!クラウド乱立の課題を解消する方法とは?

こんな人におすすめ
・複数のクラウドサービスを利用している
・システム毎に同じデータを何度も入力している
・今後クラウドサービスの利用拡大を考えている
効率的なアクセス権限管理を実現した事例
最後に、ワークフローシステムを活用して効率的なアクセス権限管理を実現した事例をみていきましょう。
ここでは、シリーズ累計4,500社超の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」を利用している企業のなかから事例をご紹介します。
意思決定の遅れや知識共有の課題を解消(イチジク製薬)
便秘治療薬「イチジク浣腸」で高い知名度を誇るイチジク製薬株式会社は、「X-point Cloud」を導入して意思決定の迅速化と知識共有基盤の構築を実現しました。
以前、同社では紙ベースで申請業務を行っており、意思決定の遅れを招いていました。また、保管文書の閲覧に関しても課題を抱えており、サーバー保管している文書は個別にアクセス権限を付与することができず、紙保管の申請書は検索性に乏しいという問題がありました。とくに同社では日常業務のなかで過去の申請書を閲覧する機会が多々あり、閲覧権限の管理と検索性の担保は重要課題に。
そこで同社は、こうした課題の解消を目指し、申請業務の電子化を決定。グループウェアも含め複数のソリューションを検討した結果、柔軟なフォーム作成が可能で社外からのアクセスにも対応可能な「X-point Cloud」の採用に至りました。
現在、約20種類の申請書はすべて「X-point Cloud」上に移行され、申請回数は年間3,700件にものぼります。決裁に要する期間は従来の半分以下に短縮するなど、申請業務のスピードが大幅に向上しています。
さらに同社では、従業員が業務に関するノウハウを得るためのデータベースとしても「X-point Cloud」を活用。「X-point Cloud」で検索すれば、申請書の作成方法や過去の申請内容、稟議書の添付資料など幅広い情報に適切かつスムーズにアクセスすることが可能となっています。
「報告ステップ」機能の活用で特殊な閲覧フローに対応(中間貯蔵・環境安全事業)
PCB廃棄物処理および中間貯蔵事業を手掛ける中間貯蔵・環境安全事業株式会社は、「AgileWorks」を導入して申請業務を電子化しました。
同社では従来、紙の帳票や印鑑の押印による業務が数多く残っていました。紙ベースの業務は多くの手間が発生していただけでなく、同社には承認者以外の関係者にも申請書を回覧して閲覧するプロセスが存在していることもあり、承認期間の長期化を招いている状況でした。
そうしたなか、2020年に国の規制改革の一環として「書面規制・押印・対面規制の見直し」が決定。政府全額出資の特殊会社である同社においても、紙の帳票や印鑑の押印による既存の業務体制の刷新が必要になりました。
システム選定の結果、紙のイメージを再現して利用者の抵抗感を軽減できる点、そして承認権者への回覧という特殊な閲覧フローを効率化する機能を有している点を評価し、「AgileWorks」の導入に至りました。
現在、同社では約600名の社員が「AgileWorks」を利用し、60種類以上の申請書を運用しています。「AgileWorks」の報告ステップ機能を利用することで、承認の流れを止めることなく関係者への回覧が可能になり、申請スピードは従来の約2倍まで加速。今では社員が当たり前のようにAgileWorksを利用しており、根強かったアナログな組織文化の変革にも効果を実感されています。
まとめ
今回は、組織におけるアクセス権限の重要性や管理のポイントなどについて解説しました。
アクセス権限を適切に管理することは、セキュリティやコンプライアンス、業務効率の観点で重要です。そして、アクセス権限の管理に役立つソリューションのひとつが、記事内でご紹介したワークフローシステムです。
アクセス権限の管理に課題を感じている企業は、今回ご紹介した情報も参考にワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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アクセス管理の効率化も!
内部統制の基礎知識から構築方法まで徹底解剖!
内部統制の基礎知識と強化する方法、効果について詳しく説明しています。
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「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。