AgileWorks

SCSK株式会社のワークフローシステム導入事例

導入後6ヶ月で16,500件の起案文書を処理。「意思決定の迅速化」、「意思決定プロセスの一元化」、「内部統制の強化」などが大きく改善。

※住商情報システム株式会社は2011年10月に株式会社CSKと合併し、SCSK株式会社となりました。
※本文は導入当時(2009年)の情報となります。

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SCSK株式会社における導入事例をPDFでもご覧いただけます。ご検討時の社内での共有の際にぜひご活用ください。

─住商情報システム株式会社について教えてください。

住商情報システム株式会社(以下、SCS)は、情報システムの構築・運用サービスの提供およびパッケージソフト・ハードウェアの販売を行なうシステムインテグレーション企業です。年商は1,343億円、従業員数は3,415人です(※1)。
AgileWorksは、2009年6月に、全社標準のワークフローシステムとして導入しました。2009年11月までの半年で、すでに16,500件の意思決定をAgileWorksで処理しました(※2)。

※1. 年商、社員数共に、2009年3月期 連結ベースの数字
※2. 16,500件の意思決定の中には、「申請したが却下されたもの」も含まれます。

AgileWorksを全社標準のワークフローシステムとして導入

─AgileWorksの活用状況を詳しく教えてください。

SCSでのAgileWorks活用の詳細は、以下のとおりです。

項目 内容 詳細
使用者数 全社社員 約3,000名
(いわゆる全社導入)
- 客先常駐社員による使用もあり
- 休日の自宅、出張先からのリモートアクセス使用もあり
- 産休社員、在宅勤務社員による使用例もあり
活用範囲 役員、社員が「意思決定」を行う場合は
AgileWorksを使う
「定型申請業務」は既存簡易システムで処理する場合あり
導入時期 2009年6月~ - 2007年8月~2008年12月: 要件定義、設計、構築
- 2009年1月~2009年3月: 事前運用テスト
- 2009年4月~6月: 順次導入
意思決定
ルート数
約450 2010年4月までにルート数を750まで増やす予定
※横にスワイプしてください。

SCSでの意思決定の種類

─SCSで発生する「意思決定」の詳細を教えてください。

社内における意思決定は、業務ドキュメントの承認権者への回付、承認(否認)の形で処理されます。回付される業務ドキュメントは「審査」、「起案」、「承認」、「人事」の四種類に分類されます。詳しくは次のとおりです。

項目 備考
審査 取引審査、与信など 何かを「起案する(案を起こす)」には、まず相手企業が「審査」に通っている必要がある。
起案 プロジェクト起案、見積もり起案、投資起案、契約書起案、新規商材取り扱い起案、取引開始起案、取引停止起案、契約締結(見直し)起案など 起案は「案の実行可否」以前に「案そのもの」が却下される場合がある。
承認 購買申請、手当申請など 「承認」の場合、「案そのもの」はすでに認められている。申請者がそれを実行して良いかどうかを可否判断するのが「承認」
人事 目標管理など
※横にスワイプしてください。

ワークフローシステムに期待した導入効果

─今回、AgileWorksワークフローシステムを導入したことの「SCSにとっての意義」についてお聞かせください。

今回のワークフローシステムの導入は、SCSが取り組んでいる「基幹情報システム(ERP)の刷新」の一環です。したがってその導入意義は、上位プロジェクトであるERP刷新の意義に準ずることになります。ERP刷新の意義のうち、ワークフローシステムに関連するのは、「事業基盤の強化」、「内部統制への対応」、「はたらきやすい職場づくり」の三点が対象となっています。※「ERP刷新の意義は、この三点に「人材力の拡充」を加えた四点です」

─それら三点の意義に関連させての、「ワークフローシステム導入に期待した効果」につき、さらに具体的にお聞かせください。

SCSでは、ワークフローシステム導入により、次のような効果が得られることを期待しました。

「意思決定の迅速化を通じたオペレーショナルエクセレンスの実現」
ワークフローシステムの導入を通じ、企業全体の意思決定を迅速化させ、「あらゆることが早く決まり、確実に実行される事業基盤」を築きたいと考えました。
(※「事業基盤の強化」に関連)

「事業活動の見える化の徹底」
意思決定のプロセスにおいて、だれが、何を考え、どう行動・発言し、どう意思決定したかを記録すること。そのプロセスにおいて業務牽制や相互認証が適切に機能していること。すなわち全社の意思決定プロセスが、適切に証跡化(見える化)され、かつ適切に運用されている状態を求めました。
( ※「内部統制への対応」に関連)

「全社マネジメント機能の強化」
変わり続ける外部環境、すなわち「市場・顧客・社会」に合わせ、企業内部の組織構造、意思決定プロセスも、また適切に変化していく必要があります。具体的には、決定権限の下位譲渡や、決定ルートの適正化が必要です。ワークフローシステムの導入により、そのような変化を可能ならしめる状態、すなわち「可塑性の高い状態」を実現したいと考えました。しかも、それらの適正化を、適宜かつ迅速に実施する必要があると考えます。
(※「事業基盤の強化」に関連)

「在宅勤務社員や客先常駐社員の意思決定プロセスへの参加」
SCSでは、子育てしながらでも働ける環境づくりや、フレックスタイム制勤務、在宅勤務の導入など、ワークライフバランスの実現に取り組んでいます。しかし意思決定が稟議書など紙ベースで実行されている場合、在宅勤務者が意思決定プロセスに参加することは困難ですが、ワークフローシステムを導入すれば、システムにログオンするなどして、自宅にいながらにして意思決定にタイムリーに参加することが可能になります。また弊社の場合、SI会社という業種ゆえ、客先に常駐して業務に従事する社員も多くいます。そうした社員も、客先からワークフローシステムにログオンすれば、意思決定プロセスに正しくタイムリーに参加できるようになります。
(※「はたらきやすい職場づくり」に関連)

「意思決定のナレッジマネジメント」
ワークフローシステムが導入されれば、意思決定のプロセスがデータベース化され、管理職なら誰もが検索・閲覧できるようになります(組織や起案内容によっては、範囲の制約はあります)。つまり自分が何らかの起案を行う際に、「類似の起案書の過去事例」を参照できるようになります。このように、各人の意思決定ノウハウがナレッジとして社内共有されることにより、全社的な意思決定スキルが底上げされることが期待できます。
(※「事業基盤の強化」に関連)

ワークフロー製品を選定する際の要件

─ワークフロー製品の選定に際し、どんな要件を求めましたか。

SCSが、自社で使うワークフローシステムに求めた要件は、次のとおりです。

要件1. 単なる申請処理ではなく「意思決定」が行えるシステムであること
世の中にワークフロー製品は多くありますが、ほとんどは定型の申請業務を処理するための製品にすぎません。そのような簡易製品ではなく、「意思決定と内部統制に真に対応している本格的な製品」が必要でした。

要件2. 大量の業務文書を安定して処理できること
新たなワークフローシステムでは、全社3,000人が日々、起案する、大量の業務ドキュメントを処理することになります。この使用環境において、安定かつ高速に動作するシステムが必要でした。

要件3. インターフェースは紙文書に似ていることが望ましい
見た目や使用感は、なるべく紙文書と同じである方が、社員みなにとって使いやすいといえます。

要件4. 認証経路が柔軟に変更できること
先ほど述べた「可塑性の高い組織」を実現するには、意思決定の認証経路を柔軟に変更できることが必要です。

要件5.起案作成者が、認証経路を簡単に把握できること
かつての紙ベースの運用においては、起案書類を作成しようとする場合、まず回覧経路を調べることから始めなければなりませんでした。大きなプロジェクトの起案の場合は、回覧経路もそれだけ複雑であり、間違いもたびたび生じていました。新たに導入するワークフローシステムには、その認証経路の設定が自動化され、簡単に、かつ間違えることなく、起案書類が作成できることを求めました。

要件6. 人事システム(マスター)とリンクできること
人事システムのマスターデータとリンクできれば、ワークフローシステムの中で、決定権者を「名前」で把握できます。意思決定のルート設定と、職務権限表とは「バイネームで」リンクしている方が便利です。

要件7. 内部統制への対応
相互認証や業務牽制などの「チェック機能」がシステム仕様として実現されていることを求めました。

要件8. トレーサビリティ
どの案件(起案)が、今、どの認証者まで回覧され、誰で止まっているのかが確実に分かる仕様が必要でした。

以上の要件を前提に調査したところ、エイトレッドのAgileWorksがSCSの求める条件を最も満たしていたため、これを採用することを決めました。 2007年秋口から設計を始め、2009年4月~6月にかけて社内に導入しました。

導入効果

─現在の導入効果をお聞かせください。

AgileWorksの導入後、大局的に見て「意思決定の迅速化」、「意思決定プロセスの一元化」、「内部統制の強化」などが大きく改善されました。
まず「意思決定の迅速化」については、正しい権限者が、正しい決定を迅速に行えるシステム基盤が確立できました。導入後、半年ですでに16,500件の起案を処理できています。

また「社内プロセスの一元化(電子化)」については、旧来の紙ベースの意思決定プロセスに変わる、一元的かつ電子的な意思決定プロセスを、全社規模で確立することができました。

最後に「内部統制への対応」についても、大型案件の見積もり、契約などの重要な意思決定が、会社の方針通り、正しい部署の正しい認証者が適正に関与できているかどうかを、常にチェックできる体制が整いました。
今回のAgileWorks導入により、SCSのオペレーショナルエクセレンスは大きく向上したと考えています。

実際に使ってみて実感したAgileWorksの便利な点

─その他、実際に使ってみて実感した「AgileWorksの便利な点」などあればお聞かせください。

実際に使ってみると、AgileWorksにはいくつも便利な点があると分かります。

第一に、承認についての事前通知がシステムから来るので、意思決定のダンドリが立てやすくなりました。以前は、いつどんな文書が来るか分かりませんでした。たとえば決裁者が海外出張等のため、文書が一週間、停滞するということが起きていました。今は、いつどんな文書が回ってくるのかが事前に分かるので、先に述べたような場合でも、決裁者に対し、「出張前に、この決裁をお済ませください」というようにダンドリ良く依頼できています。

第二に、過去の起案文書の再利用が可能になりました。新たに起案を書きおこすときに、過去の類似起案を検索し、定型的な部分をコピーして再利用できます。 また以前の起案を見れば、「各部門の承認権限者が、その起案にどんなコメントをしたのか」も分かります。それを参考に、同じような指摘を受けぬよう、起案内容を工夫(進化)することができます。AgileWorksでは、検索した文書はCSV形式で出力可能なので、デスクトップ上で様々な加工が可能であり、便利です。

第三に、会社の生きた情報がつかめるようになりました。「ある部署から、ある起案が生じ、それは時期的にそろそろ自分の所まで上がってくるはずなのに、いっこうに上がってこない。どこで止まっているのかとAgileWorksを見れば、自分の手前の承認者まで来ているけれど、そこでNGをもらっている。これは少し静観しておこうかな…」と、そんな生きた判断を、システムを通じて下せます。「意思決定のデータベース」であるAgileWorksを覗けば、その時その時の、会社活動の縮図が見えるのです。

今後の期待

─エイトレッドへの今後の期待をお聞かせください。

今回、AgileWorksにより、SCSの「意思決定の迅速化、見える化」、「内部統制強化」、「社員の働きやすさ強化」などを確保するためのシステム基盤を構築できました。エイトレッドには、今後も優れた製品と技術サポートの継続提供を通じ、SCSの事業基盤の進化を支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いいたします。

─住商情報システム様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ 取材日時 2009年12月
※ 記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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