AgileWorks

株式会社鴻池組のワークフローシステム導入事例

建設DXを加速する契約業務のデジタル変革
購買システム連携で実現する効率化と電帳法対応

大阪府を本拠とする総合建設会社の株式会社鴻池組(以下、鴻池組)は、協力会社と下命契約を結ぶ際に用いる「上申書」の紙回覧が、業務のスピードを低下させ、現場や管理部門の負担にもつながるなど、複合的な課題を抱えていた。

そこで、同社は「AgileWorks」を導入し、調達システムや文書管理システム「SVF Transact」(旧invoiceAgent)と連携した電子申請の体制を構築。月間1,500件ほどの上申書の申請業務をペーパーレス化し、大幅な業務効率化を実現した。これは業務プロセス全体の円滑化に寄与するとともに、改正電子帳簿保存法(以下、電帳法)への対応も可能にしている。

課題・背景

  • 紙の申請書である「上申書」が業務効率化を阻害
  • 上申書の紙回覧などが原因で契約業務の処理に時間を要していた
  • 電帳法への対応のため上申書の電子化、見積書の電子保管が急務に

業務効果

  • 月間約1,500件の申請業務がデジタル化
  • 申請業務の効率化が進み、業務プロセスの円滑化が進展
  • 文書管理システム「SVF Transact」(旧invoiceAgent)との連携により、電帳法対応が実現

【経緯/課題】契約業務に必要な「上申書」が効率化のボトルネックに 業務の円滑化に向け、デジタル化に着手

鴻池組は、155年以上の歴史を誇る総合建設会社。国内外で数々の大規模な建築・土木工事を手がけてきた。2021年には創業150周年をきっかけに新たな長期ビジョン「KONOIKE ONE VISION 2050」を策定し、「つくる、支える、共にする」の3つのアクションを通じた持続的な価値提供を掲げた。

さらに、近年、力を注いでいるのがDXだ。同社は2022年にDX推進をミッションとする「デジタル戦略室」を設置。2024年、2025年と2年連続で経済産業省が定める「DX認定」を取得するなど、活発に活動を展開している。

その取り組みの一つが、AgileWorksの導入だった。同社はAgileWorksを活用して、契約業務に係る「上申書」をデジタル化し、業務の効率化を進めた。では、この上申書はどのような性質の文書で、どのような課題を生んでいたのか。経営管理総括本部経営戦略本部情報システム部課長の茅野学氏が次のように説明する。

「上申書は工事の協力会社と下命契約を結ぶ際に起案する申請書です。調達業務の一環であり、当社の承認権限に則った承認者が契約の可否を判断します。申請のフローとしては、まず現場で勤務する所長や事務員、本支店の調達部門の従業員などが、購買システムに必要事項を入力して紙の帳票を出力。その帳票を上申書に添付し、さらに見積書などと併せて承認者に回付します。最終承認の後は、調達部門が帳票を回収して保管し、購買システムで契約決定の処理をして業務は完了です。

しかし、この場合、工事現場から本支店、さらに本支店から本社へなど、郵送による回覧が必要なため承認までの期間はどうしても長期化してしまいます。承認期間の長期化は業務効率の低下を招きますし、契約決定が遅滞すると現場の工期に影響が出ます。工期の延長は私たちにとって何より避けたい事態です。
そうしたリスクを軽減し、DXを通じた生産性向上を図るうえでも、上申書のデジタル化が求められていました」(茅野氏)。

上申書に起因するさまざまな課題に直面していた鴻池組だが、時を同じくして上申書の起点となる購買システムのリプレイスが計画されていた。これを機会と捉えた同社は、購買システムと同時にワークフローシステムの導入にも取り組むことを決めた。

【選定/導入】多彩なシステム連携の機能を評価し、AgileWorksを導入 購買システムなどと連携した、シームレスな業務体制を構築

ワークフローシステムの選定にあたって鴻池組はいくつかの要件をまとめた。上申書の起案者は工事現場や本支店の調達部門など多様であり、また条件によって承認権者も異なることから、柔軟に回覧ルートを設定できること。また、デジタル化による混乱を最小限にとどめるため、分かりやすく操作しやすいUIであること。そして、特に重視したのが既存システムとスムーズに連携できることだった。その理由について、茅野学氏は次のように解説する。

「上申書に係る業務を効率化するには、単に紙の帳票を電子化するだけでは不十分です。上申書には契約情報を記載するため、購買システムからデータを連携しなければ、それらの情報を再度、ワークフローシステムに打ち込む必要があります。その手間は決して少なくないため、購買システムからのデータ連携は業務効率化の前提条件でした。また、上申書には見積書を添付するため、見積書のデータを添付できる機能も必要です。さらに、当時は電帳法への対応が必要であり、上申書や見積書を効率よく電子保存する仕組みも同時に構築しなければいけませんでした。こうした複数の要件を一体で満たせることが、選定の大きなポイントでした」(茅野氏)。

その結果、AgileWorksが選定される。AgileWorksは多彩な連携機能を有しており、購買システムとの連携も容易だった。さらに、回覧ルートの柔軟な設定や、直感的に分かりやすいUIなど、求める要件を不足なく備えていた。

AgileWorksの導入を決めた鴻池組は、茅野氏や髙田氏を中心に導入プロジェクトを推進する。その末に確立したのが、購買システム、AgileWorks、SVF Transact(旧invoiceAgent)の三者をつなぐシステム連携だ。具体的な連携の流れは以下の通り。

協力会社から下命契約に関する打診を受けると、各工事における協力会社との下命契約締結において、工事事務所の所長や購買部門の職員が購買システムに契約情報や見積書などを登録。購買システム上に設けた転送ボタンを押下すると、購買システムに登録されている契約コードや金額などのデータがAgileWorksに連携され、上申書が自動生成され下書きデータとして保存される。この工程では、購買システムに登録されている見積書のファイルも自動連携されるよう、専用のアドオン開発も行われた。

その後、申請者が契約に関するコメントなどを付記して申請書を回覧すると、最終承認の後に購買システムへ承認完了のデータが戻される。このデータを受け取った購買システムでは「契約決定」の処理が可能となり、協力会社との契約作業が進められる。さらに、AgileWorksで最終承認されると、SVF Transact(旧invoiceAgent)に見積書が自動連携され保存される仕組みも構築された。これにより、上申書や添付文書の見積書が電子保存され、電帳法にも対応した文書管理が可能になっている。

こうした連携により、鴻池組は紙の帳票の郵送や運搬に要する手間だけでなく、システムへの入力作業や転記作業、文書保管などを含めた業務効率化を実現。契約業務に関わる一連のプロセスが大きく整理され、現場・管理部門双方の負担軽減につながっている。

購買システム、AgileWorks、SVF Transact(旧invoiceAgent)にしの三者をつなぐ連携の構成。購買システムを起点に、上申書の申請、 契約業務、文書保管がシームレスにつながり、契約業務全体のデジタル化と効率化を支えている。

【効果/製品への評価】AgileWorks導入後、月間1,500件のペーパーレス化を実現 契約業務に要する期間が短縮され、工期への影響も抑制

AgileWorksの導入により、鴻池組では従来から目標であったペーパーレス化が大幅に進んだ。導入から8ヶ月ほどでAgileWorksの申請件数は約12,000件。月換算で約1,500件の申請業務がデジタル化された計算になる。こうしたペーパーレス化の推進に伴い、上申書の承認期間は大幅に短縮。契約締結に要する期間も短くなり、工期への影響を抑制する効果にもつながっている。

これらの導入効果を得るうえではAgileWorksの各種機能が重要な役割を果たしている。

経営管理総括本部経営戦略本部情報システム部の髙田真人氏は、その代表的な機能として、回覧ルートの設定機能を挙げる。

「もともと紙で回覧をしていた上申書は、申請者や契約金額によって回覧ルートが大きく変わるため、当初はシステム上での再現は難しいと考えていました。しかし、AgileWorksは回覧ルートを設定する際にも、役職で承認権限を設定できる『セクションロール』に加え、相対的に役割を設定して承認権限を付与する『ユニバーサルロール』の機能も利用できます。そのほか、契約金額ごとに回覧先を変更できる条件分岐機能なども備えており、複雑な回付ルートでも十分に再現可能です。実際に、当社でもセクションロールをベースに承認権者を設定し、部分的にユニバーサルロールで補完する形で回覧ルートを構築しました。大幅なペーパーレス化や業務効率化が実現できたのは、こうした柔軟な設定機能があったからこそだと思います」(髙田氏)。

【今後の展望】AgileWorksの導入は業務のデジタル化のモデルケース 今回の導入を機に、さらなるペーパーレス化を進めたい

最後に、茅野氏に今後の展望を尋ねると、「今回の導入を契機に、ペーパーレス化をはじめとしたデジタル化の施策をさらに一段引き上げていきたい」と語った。

「現在、当社では全社的にペーパーレス化を進めています。建設や土木の現場では、紙の帳票が長年にわたって業務の前提として使われ続けてきました。しかし、その前提を見直さなければ、DXは先に進みません。生産性をさらに高め、現場の負担を減らしていくためにも、ペーパーレス化は避けて通れないテーマだと考えています。今回のAgileWorksの導入は、そうした取り組みを本格的に前へ進めるための、大きな一歩になりました。今回の事例を一つのモデルとして、現場の理解を得ながら、紙の帳票の削減と業務のデジタル化を、着実に広げていきたいです」(茅野氏)。

AgileWorksの各種機能を活用することで、長年根付いていた契約業務の非効率を一つひとつ解消してきた鴻池組。その成果は単なる業務改善にとどまらず、同社が今後DXを推進していくうえでの確かな自信と指針となっている。

お客様の声

株式会社鴻池組 経営管理総括本部 経営戦略本部 情報システム部 課長 茅野 学 様
「AgileWorksの強みは、シス テム連携のしやすさだと感じてい ます。マニュアルやサポートを活用 すれば、比較的スムーズに連携 できます」

株式会社鴻池組 経営管理総括本部 経営戦略本部 情報システム部 髙田 真人 様
「AgileWorksの導入では、現場 をいかに巻き込めるかが重要で した。違和感なく使える画面や 仕組みであるかどうかが、成功の 分かれ目になります」

株式会社鴻池組 経営管理総括本部 経営戦略本部 情報システム部 末吉 将也 様
「AgileWorksは直感的に操作 できます。UIと操作性の分かり やすさは大きな魅力だと思います」

お客様プロフィール

会社名 株式会社鴻池組
本社所在地 〒541-0057
大阪府大阪市中央区北久宝寺町3丁目6-1本町南ガーデンシティ
創業 明治4(1871)年
従業員数 1,941名(2025年12月31日時点)
事業内容 建設工事の企画・設計・請負および関連事業
URL https://www.konoike.co.jp/

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