テレワーク中の出社を減らすには? 鍵は業務の「電子化」
- 更新 -
テレワークを導入したものの、業務のために出社する必要があり、不便に感じている方もいらっしゃるでしょう。
例えば請求処理を紙で行っている、稟議書に判子を押さなければならないといった理由で、完全なテレワークに切り替えられないというケースは珍しくありません。
しかし、業務の電子化に踏み切ることでテレワークの問題を解決し、生産性向上につなげることができます。
今回はテレワークを阻む原因の解説と、電子化による具体的な対策方法をご紹介します。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
6割以上の方がテレワーク中に「やむなく出社」している
2020年2月にアドビ株式会社が行ったインターネット調査によると、テレワーク中にやむを得ず出社するケースが多いことがわかっています。
紙書類へのサインや捺印、オフィスに保管してある書類の確認といったタスクで出社した経験があるという回答は、「頻繁にある」が21.4%、「ときどきある」が42.8%で、全体の6割以上。
実際の現場においては、捺印や書類確認以外にも報告書作成や申請書提出のために出社するといったケースも散見されます。
↑出典:アドビ「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果(2020年)」
同調査の「テレワークを実際に実施して感じた業務上の課題」に関する質問でも、「会社にある紙の書類をすぐ確認できない」という回答が39.6%でトップです。
また、「プリンターやスキャナーが無い」といった設備環境の課題や、「自分以外の仕事の進捗が把握しづらい」というコミュニケーション上の課題も上位に挙がっています。
↑出典:アドビ「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果(2020年)」
テレワークを阻む「壁」の原因は環境にある。解決方法は?
テレワークを定着させるためには、土台となる仕事環境の整備が欠かせません。テレワーク中の出社が発生してしまうのも、環境が整っていないことが原因です。
テレワークを妨げる3つの「壁」について、問題点と解決方法を考えてみましょう。
見積書、稟議書などの捺印と回覧
決裁などに必要な捺印作業は、テレワーク導入を妨げる大きな障壁の一つです。判子を押すためだけに出社するのは通勤時間の無駄になるうえ、ビジネス上の意思決定のスピードにも影響を与えるなど、業務効率の低下を招きます。「場所を選ばずに自宅でも働ける」というテレワークの利点も活かせません。
こうした問題の解決には、どこにいてもWeb上で捺印や書類の回覧ができるワークフローシステムなどの導入が必要です。
紙資料の確認やプリントアウト
オフィスでの働き方をそのままにテレワークへ移行しようとすると、社内文書など紙の資料の確認やプリントアウトが問題になります。しかし、書類が社内にしか置いていない、自宅にプリンターがないといった状況では出社を余儀なくされてしまい、業務が滞ってしまいます。「紙」の利用は、テレワークを阻害する大きな要因なのです。
テレワークでは、紙の資料を電子化し、確認も画面上で行うようにしましょう。ファイルの保存や閲覧には、クラウド上にファイルをアップロードできるサービスを利用すると便利です。
取引先との打ち合わせや会議、社内コミュニケーション
普段は対面で行っている社内外でのコミュニケーションも、テレワーク導入の際は課題となります。往訪しての取引先との打ち合わせや会議が行えないだけでなく、社員同士の情報共有や相談が頻繁にできず、業務効率が落ちることが考えられます。
打ち合わせや会議には、相手の顔を見ながら話せるビデオ会議ツールを、社内コミュニケーションにはチャットツールを用いて、遠隔地にいてもコミュニケーションが取れるようにしましょう。
ワークフローシステムで紙を使った業務を電子化し、出社を減らそう
テレワークにおける紙の書類に関する課題は、ワークフローシステムの導入によって解決できます。さまざまな紙の業務を電子化することで、書類の申請や承認がWeb上で完結するため、使う場所を選びません。
また、ファイルの管理もPC上で行えるため、紙での保管は不要です。システム上でファイルの検索が可能なので、書類を探すために使っていた時間をカットして、業務効率化も図れます。
テレワークの定着にワークフローシステムは必須
ICT環境を整え、ワークフローシステムやコミュニケーションツールを活用することが、テレワークの定着につながります。しかし、紙で業務を行っている企業も散見されるのが実情で、出社せざるを得ない方もいるでしょう。
現在テレワークを導入している、あるいは今後継続的なテレワークの推進を検討している企業で「なかなかペーパーワークから脱却しきれない」という場合は、まずワークフローシステムを採用してみてはいかがでしょうか。
「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。