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「OCR」や「AI-OCR」とは?意味やメリット、ペーパーレス推進のポイントを解説!

「OCR」や「AI-OCR」とは?意味やメリット、ペーパーレス推進のポイントを解説!

ビジネスにおけるペーパーレス化やデジタル化の流れが加速するなか、「OCR」や「AI-OCR」といったキーワードを耳にする機会が増えてきました。

一方で、
「そもそもOCRとは何?」
「OCR/AI-OCRが注目を集めている理由は?」
「OCR/AI-OCRを活用するメリットは?」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、OCRやAI-OCRの基礎知識から注目を集める背景、活用のメリットについてわかりやすく解説します。

業務のペーパーレス化を加速させるITシステム・ツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。

OCR/AI-OCRの基礎知識をチェック!

OCR/AI-OCRの基礎知識

まずは「OCR」の基礎知識として、その意味や「AI-OCR」の概要、基本的な仕組みについて確認していきましょう。

OCRとは?

OCR(オーシーアール)とは、書面に記された文字をスキャナやカメラで読み取り、テキストデータに変換する技術、あるいはツール・サービスなどを指します。

OCRは「Optical Character Recognition/Reader(オプティカル・キャラクター・レコグニション/リーダー)」の頭文字を取った言葉であり、日本語では「光学文字認識」と訳されます。

通常、紙の文書をスキャンしたりデジタルカメラで撮影しても、書面の文字はあくまで画像データの一部であり、テキストデータとして扱うことはできません。

しかし、OCRによる処理を施すことで、書面の文字をテキストデータに変換することができます。

また、ツール・サービスによっては、PDF形式の書類にもOCR処理を施すことができ、文書内の文字情報をテキストデータ化することが可能です。

AI-OCRとは?

近年では、OCRとAIを組み合わせた技術・サービスとして「AI-OCR」が注目を集めています。

AI-OCRは、従来のOCRよりも高い精度で文字認識できる点が特徴です。

たとえば、カタカナの「カ(か)」と漢字の「力(ちから)」のように形状が似ている文字であっても、前後の文脈やこれまでに蓄積されたデータを参考に、高い精度で文字を認識・区別することができます。

また、手書き文字の読み取りに対応しているAI-OCR製品も登場するなど、従来のOCRよりも活用の幅が大きく広がっていると言えます。

OCRの基本的な仕組み

OCRの仕組みについても簡単に確認しておきましょう。

一般的に、OCRは読み取り文書に対して以下のような処理を施して文字をテキストデータ化します。

OCRの仕組み

  1. 文字領域の特定
    書面(画像)のレイアウトを解析し、文字領域(文字があるブロック)を特定します。
  2. 文字領域の行・文字を解析
    文字領域が何行で構成されているのかを解析し、各行の文字を1文字ずつに分解します。
  3. 文字認識
    分解した文字の大きさを一定に揃える「正規化」、文字の特徴を抽出する「特徴抽出」、抽出した特徴とデータベースを照合する「マッチング」などの処理を施し、文字を認識します。
  4. 文字の訂正・判別
    必要に応じて認識した文字の訂正したり、複数の文字候補から適切な文字の選択を行います。AI-OCRでは、前後の文脈や機械学習によって自動で文字の訂正・判別を行うことも可能です。
  5. テキストデータ化
    上記のステップを経て確定した文字情報を、テキストデータとして出力します。

OCR/AI-OCRが注目を集める理由

OCR/AI-OCRが注目を集める理由

次は、OCR/AI-OCRが注目を集める理由を見ていきましょう。

デジタル技術の発展

OCR/AI-OCRが注目を集める背景には、デジタル技術の発展があります。

先述したAI-OCRのように、AI技術が発展したことで従来よりも高い精度で文字認識を行うことが可能になり、活字だけでなく手書き文字のデータ化も可能になりました。

また、RPAの普及もOCRへの注目度が増している一因です。

OCRとRPAを組み合わせることで、データ化した文書情報のシステム入力など、定型的な作業を自動化することが可能になります。

こうしたデジタル技術の発展によりOCRの実用性が高まり、多くの企業で利用が進められているのです。

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高まるDXの必要性

デジタル技術の発展に加え、DXの必要性が高まっている点も見逃せません。

グローバル化が進むビジネスシーンで競争力を高めていくためには、先進的なデジタル技術の活用によるイノベーション創出が不可欠です。

また、日本国内においては少子高齢化による人材不足や労働生産性の低迷、働き方改革への対応といった観点で、DXの必要性が高まっています。

そうしたなか、DX推進のための手段のひとつとして、OCR/AI-OCRの活用が注目を集めているのです。

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電子帳簿保存法の改正

電子帳簿保存法の改正もまた、OCR/AI-OCRへの注目度が増している理由のひとつです。

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類の全部もしくは一部を電子データとして保存することを認める法律のこと。

電子帳簿保存法には紙の書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」という保存区分があります。

OCRを活用することで、スキャナ保存する文書の文字情報をテキストデータとして扱うことが可能になります。

2022年1月に電子帳簿保存法改正により対応要件が大幅に緩和され、文書の電子データ保存に着手する企業が増えつつあり、OCRへの注目度も高まってきています。

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OCR/AI-OCRを活用するメリット

OCR/AI-OCRを活用するメリット

次は、OCR/AI-OCRを活用するメリットとして、以下の4点をご紹介します。

OCR/AI-OCR活用のメリット

  • 業務効率化
  • 検索性の向上
  • データ活用の促進
  • コスト削減

では、それぞれ詳しく確認していきましょう。

業務効率化

OCR/AI-OCRを活用するメリットとして、業務効率化の効果を挙げることができます。

例として、紙媒体で請求書を受領しているケースで考えてみましょう。

OCR/AI-OCRを利用していない場合、請求書の情報を目視で確認して会計システムなどに手入力しなければならず、作業工数が増えてしまいがちです。

一方、OCR/AI-OCRで請求書をデータ化していれば、会計システムへの入力作業を効率化したり、RPAツールで自動化することも可能です。

目視や手入力などの作業を省略できるので、ヒューマンエラーの防止という観点でも有効です。

検索性の向上

書類の検索性向上という点も、OCR/AI-OCRを活用するメリットだと言えます。

企業が扱う書類は一定期間の保存が義務付けられているものも多く、紙媒体のまま保存していると膨大な量になってしまいがちです。

そのため、保存している文書を確認する際、大量の書類のなかから当該の文書を探し出さなければならず、多くの時間を要してしまうケースが多々あります。

一方、OCR/AI-OCRによって書類の情報がデータ化されていれば、ファイル名や文書内の文字情報で検索を行うことができます。

必要な情報を速やかに参照することが可能になり、データとして扱えるため容易に共有することができるでしょう。

データ活用の促進

OCR/AI-OCRの活用は、データ活用の促進という面でも有効です。

紙の書類の情報は、目視による確認や手作業による入力などの手間が発生することから、データとして有効活用するハードルが非常に高いと言えます。

一方、OCR/AI-OCRで書類の情報をデータ化することで、データ分析のための素材として活用したり、他のシステム・ツールと連携して業務を自動化したり、BIツールなどでデータを可視化することも可能になります。

コスト削減

OCR/AI-OCRを活用することで、コスト削減につなげることも可能です。

紙の書類を保管しておくには、ファイルやキャビネット、保管しておくためのスペースなどが必要になります。扱う書類が多い企業では、書類保管のために倉庫を契約しているケースもあります。

紙の書類をOCR/AI-OCRでデータ化することで、物理的な保管スペースが不要になり、書類保管のための設備・備品コストを削減することができます。

また、先述した業務効率化によって作業工数が削減されれば、人的コストの削減にもつなげることができるでしょう。

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ワークフローシステムの併用でペーパーレスがさらに加速

ワークフローシステムとの連携でペーパーレスがさらに加速

ここまでは、OCR/AI-OCRの概要やメリットについて紹介してきました。

ビジネスシーンのペーパーレス化やデジタル化に役立つOCR/AI-OCRですが、その効果をさらに高めてくれるのがワークフローシステムです。

次は、OCR/AI-OCRとあわせてワークフローシステムを活用すべき理由を見ていきましょう。


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社内業務のペーパーレス化を実現

ペーパーレス化を実現するには、紙媒体で発行・受領した文書をデータ化することと同時に、業務を電子化して紙の文書を必要としない仕組みを整えていくことも大切です。

そして、ワークフローシステムを導入することで、社内で行われている各種申請・稟議を電子化し、社内業務のペーパーレス化を推進することができます。

ワークフローシステムであれば、申請書や稟議書といった書類を印刷することなく、PCやタブレット、スマートフォンなどのデバイス上で申請から決裁までの一連の工程を完結することが可能です。

システム連携でペーパーレス化を加速

ワークフローシステムと外部システム・ツールの連携により、ペーパーレス化の範囲をさらに拡大していくことも可能です。

たとえば、電子取引システムとの連携で請求書や領収書といった企業間取引文書を電子化したり、電子契約システムとの連携で契約業務を電子化したりすることも可能です。

このように、ワークフローシステムと外部システム・ツールを連携することで、社内業務だけでなく対外的な業務に関しても効率的にペーパーレス化を推進していくことができるでしょう。

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まとめ

今回は、OCR/AI-OCRに焦点を当てて、その概要や注目される理由、活用のメリットを紹介してきました。

ペーパーレス化やデジタル化の流れが加速する今、OCR/AI-OCR活用の重要性はますます高まっていくことが予想されます。

そして、ペーパーレス化やデジタル化をさらに推進したいと考えるのであれば、OCR/AI-OCRとあわせてワークフローシステムを活用することが有効です。

今回ご紹介した情報も参考に、OCR/AI-OCRおよびワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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