AgileWorks

学校法人順天堂のワークフローシステム導入事例

二段階の導入で大学と附属病院のDXを強力に推進
60,000件の申請をデジタル化し、大幅な業務効率化を実現

「健康総合大学・大学院大学」を掲げ、9学部、大学院6研究科、医学部附属6病院を擁する順天堂大学は、既存のアナログな業務を見直し、DX推進のためAgileWorksを導入。
本部の情報システム系部門を中心に体制を整え、その後にシステムを全学へ展開する段階的な導入法でAgileWorksを組織全体に広げた。

その結果、年間60,000件の申請業務がデジタル化され、年間約2,000万円相当の効率化を実現(エイトレッド算出)。
さらに、AgileWorksのデータ連携機能を活用し、大学全体のDXを加速させる基盤を確立した。

課題・背景

  • 紙の申請書により業務効率が低下し、生産性向上の妨げに
  • 承認に3週間~1ヶ月を要し、意思決定が遅滞
  • 大学と附属病院が併存する複雑な組織構造がDX推進の壁に

業務効果

  • AgileWorksで年間60,000件の申請をデジタル化
  • 1ヶ月かかることもあった承認が最短1週間に短縮
  • AgileWorksが全学に浸透し、DX推進の基盤として定着

多くの大学でAgileWorksをご活用いただいています。:

大学MEETUP開催レポート(ユーザー会)

【経緯/課題】ペーパーレス化を目的に申請業務のデジタル化に着手 先行事例が少ない難易度の高いプロジェクトに挑戦

1838(天保9)年、蘭方医の佐藤泰然が東京都中央区東日本橋に開学した医学塾を起源とする順天堂大学。180年以上の歴史を通じて、思いやりや慈しみを大切にする心「仁」を学是として重んじてきた。現在は、医学部、スポーツ健康科学部をはじめとする9学部、大学院6研究科、医学部附属6病院を擁する「健康総合大学・大学院大学」へと発展している。

現状に満足せず、高い目標を追い続ける「不断前進」を理念として掲げる順天堂大学。その姿勢はデジタルへの取り組みにも表れている。同大学はコロナ禍の2年前にあたる2018年に、業務のペーパーレス化を目的としてAgileWorksを導入。以降、継続的な施策と全学的なシステム展開により、デジタル化の効果を広く波及させてきた。この取り組みに至る経緯を、本郷地区情報センター課長補佐の上松智子氏は次のように説明する。

「導入のきっかけは、紙の申請書に伴う承認期間の長期化や紛失のリスクでした。AgileWorksの導入以前、当大学では多くの申請業務を紙で運用しており、帳票の回付や保管に少なくない手間を要していました。特に、静岡県三島市や千葉県浦安市などの遠隔地にキャンパスや病院を有していたこともあり、紙の申請書を本部まで運搬し、承認後に返送するだけでかなりの時間を要していました。当時、承認を得るまでに3週間~1ヶ月を要することも珍しくなく、その間は常に帳票の紛失や破損のリスクもありました。こうした状況を問題視した経営層から、申請業務のデジタル化検討の指示があったのです」(上松氏)。

申請業務のデジタル化にあたり、上松氏ら本郷地区情報センターの職員は、取引先のITベンダーなどを通じて、医学部を持つ大学での電子申請導入事例を調査。類似した組織構造を持つ大学での事例を参考にする狙いだった。しかし当時は、先行例がほとんどなく、順天堂大学は手探りで製品選定と導入を進めざるを得なかった。

【選定/導入】附属病院を有する大学の組織を再現可能なAgileWorksを選定 スモールスタートから全学展開へと二段階で導入

製品の選定にあたって、順天堂大学は3つの製品を比較検討し、機能や価格を多角的に評価した。

その結果、選ばれたのがAgileWorksである。決め手となったポイントは3点。まず一つ目は柔軟な組織設定の機能だ。順天堂大学は大学、大学院、附属病院と複数の組織体で構成される。組織図上では、附属病院は医学部の下部組織に位置付けられるが、運営や決裁権限は独立性が高い。このため承認経路や決裁権限は複雑であり、システムで再現するには困難が伴った。実際に、比較検討した他の2製品では、順天堂大学の組織を再現するには追加開発が必要だったが、AgileWorksは所属する組織ごとにロール(役職)を割り当てる「セクションロール」などの機能により、カスタマイズなしで再現可能だった。

次に決め手となったのが、同時ログインユーザーライセンスの料金体系である。全学への導入を想定した際、利用対象ユーザー数は28,000人にのぼる。そのなかには非常勤職員などの利用頻度の低いユーザーも多く含まれる。こうした特性を踏まえると、同時ログインユーザーライセンスの料金体系は非常に適しており、導入の後押しとなった。

そして三つ目が、紙の申請書レイアウトをそのまま再現できるフォーム作成機能である。デジタル化には抵抗感も伴うため、ユーザーが違和感なく使える点は大きな魅力となった。

こうしてAgileWorksの導入を決めた順天堂大学は、本郷地区情報センターを中心にシステムの展開を進めた。導入初期には人事や総務など、申請件数の多い部署から導入していき、その後に到来したコロナ禍を契機に全学への展開を加速させた。さらに、取り組みを加速させるきっかけとなったのが、2023年に始まった事務部門のDX
推進プロジェクトである。この取り組みについて、本郷地区情報センターの青山栄梨子氏は次のように語る。

「2023年に全学的なDXを推進するため、各部署から代表者を招聘し、デジタル化の方針と目標を策定する委員会が立ち上がりました。その際、各部署にAgileWorksの活用を推奨したことでシステム展開が急加速します。当時、すでに本郷地区情報センターでは申請書の作成や承認経路の設定などのAgileWorksの基本的な運用方法は確立され、人事マスタなど他システムとの連携も複数実施されていました。加えて、申請書作成の手順書や操作方法のレクチャー動画も整備されていたため、システム展開に向けた準備は整っていました。こうした基盤があったことで、AgileWorksは全学に瞬く間に浸透し、デジタル化をさらに後押ししたのです」(青山氏)。

スモールスタートで基盤を整え、その後、全学プロジェクトを通じて一気に広げる二段階導入は、順天堂大学の業務改革を大きく前進させる成果につながった。

【活用/効果】60,000件/年の申請業務をデジタル化し、大幅な業務効率化を実現 CSV出力とデータ連携で業務効率化を加速

現在、順天堂大学ではAgileWorksで100種類以上の申請書が運用され、年間60,000件以上の申請が行われている。ユーザー数は17,000人にのぼり、大学、大学院、附属病院と多様な組織で幅広く活用されている。その一例として、医学部附属順天堂医院臨床研究・治験センター臨床研究オペレーション統括室の小倉秀剛氏は、自身の所属部署での活用法を紹介する。

「私が所属する臨床研究オペレーション統括室では、主に当大学と共同研究を行う企業との契約業務にAgileWorksを活用しています。これらの契約に関する申請は年間400~500件ほどありますが、従来は紙の申請書で運用していたため、承認までに2ヶ月かかることもありました。現在ではAgileWorksに移行したことで、承認期間は最短で1週間ほどに短縮され、大幅な効率化が実現しています」(小倉氏)。

このような申請業務の効率化は、順天堂大学の組織全体に広がっている。こうした効果については、エイトレッド社による試算で人件費換算の効果が算出されており、AgileWorksの導入により申請業務1件あたり約10分の業務時間が削減され、年間で約2,000万円の経費削減効果が見込まれている。

さらに、この効率化を一段と高めているのが他システムとのデータ連携である。順天堂大学はAgileWorksのCSV出力機能と、株式会社セゾンテクノロジーが提供するデータ連携ツール「DataSpider Servista」を組み合わせることで、業務の自動化と効率化を一層推進している。その一例を本郷地区情報センターの金浜美咲氏は次のように解説する。

「例えば、健康診断結果の集計業務です。当大学の附属病院では、健康診断を実施した際には、実施した旨とその結果を申請しなければいけませんが、従来はその集計作業に多くの手間を要していました。しかし現在は、AgileWorksにより申請がデジタル化され、さらに承認後のデータはCSV出力によって管理表に自動転記されるだけでなく、添付ファイルもDataSpider Servistaを通じて特定のフォルダに自動保管されます。当大学のAgileWorksには、こうしたデータ連携の仕組みが数多く組み込まれており、業務効率化をさらに後押ししているのです」(金浜氏)。

そのほかにも、同大学では月間の申請業務の状況をサマリーし、経営層に定期的に報告している。具体的には、特定の申請書を月次でCSV出力し、出力先のマクロ機能で申請状況を自動集計。さらに集計結果のURLをAgileWorks経由で、経営層へ共有している。こうした連携を重ねることで、AgileWorksの導入効果の最大化が図られている。

AgileWorksのCSV出力とDataSpider Servistaを連携し、承認後のデータを自動転記・自動保管する仕組み。

【今後の展望】管財課の機器備品管理にも拡大 AgileWorksを核にDXを全学展開

順天堂大学は今後、AgileWorksの導入をさらに拡大し、大学全体としてのDXの実現を目指している。その展望について、財務部管財課兼経理課課長の大久保勝己氏は次のように語る。

「現在、導入を見据えているのは、私が課長を務める管財課の機器備品の管理業務です。当大学には120,000点以上の機器備品が存在し、それぞれが管理番号などで詳細に管理
されています。これらの返納(廃棄)や移管に関する申請業務は年間10,000件以上にのぼり、極めて煩雑な状態にあります。申請件数が多いだけでなく、対象となる機器備品の種類も多岐にわたるため、従来の紙ベース運用では効率性や正確性に大きな課題がありました。 

そのため、今後はこれらの申請業務にAgileWorksを導入し、大幅な業務効率化を実現したいと考えています。試算では、この業務のデジタル化により年間4,500時間の業務時間削減が期待されており、影響は非常に大きいと見込まれています。人件費や管理コストの削減はもちろん、職員の負担軽減にもつながり、組織全体としての生産性向上が期待できます。

こうした業務は大学内にまだ複数残されており、今後も順次AgileWorksの導入範囲を広げていく計画です。最終的には、申請業務をはじめとする学内のさまざまな事務処理を一元的にデジタル化し、AgileWorksをDX推進の基盤として確立することを目標としています」(大久保氏)。

先行事例の少ないチャレンジングなシステム導入に挑んだ順天堂大学。その野心的な取り組みは約7年を経て着実に成果を積み重ね、今まさに組織変革を確実に進展させている。

AgileWorksのCSV出力とDataSpider Servistaを連携し、承認後のデータを自動転記・自動保管する仕組み。

お客様の声

学校法人順天堂 財務部 管財課 兼 経理課 課長 大久保 勝己 様
「今後、私が所属する管財課の業務 にもAgileWorksを積極的に活用 していく予定です。事前の試算では 導入効果が極めて大きく、今から 大きな期待を寄せています」

順天堂大学 情報センター本部
本郷地区情報センター課長補佐
上松 智子 様
「先行事例の少ないなかでの導入 となりましたが、コロナ禍に先駆 けて取り組んだことで、DXブーム に乗り遅れることなくデジタル化 を推進できました」

順天堂大学 医学部附属順天堂医院
臨床研究・治験センター
臨床研究オペレーション統括室
小倉 秀剛 様
「AgileWorksは操作性が高く、 専門知識がなくても使えるのが 魅力です。私の所属部署でも複数名 が申請書の作成や管理を担って います」

順天堂大学情報センター本部
本郷地区情報センター
青山 栄梨子 様
「現在、AgileWorksは当大学の 業務を推進するエンジンになって います。今後、AgileWorksを中心 に組織全体の申請業務を一元化 することが目標です」

順天堂大学 情報センター本部
本郷地区情報センター
金浜 美咲 様
「AgileWorksはユーザーにも 好評です。2万8千人ものユーザー が利用していますが、利用方法の 問い合わせは少なく、スムーズに 運用できています」

お客様プロフィール

会社名 学校法人順天堂
本社所在地 〒113-8421
東京都文京区本郷2丁目1番1号
設立 1838年
従業員数 8,879名(令和7年5月1日現在)
事業内容 大学・大学院の運営、6附属病院の運営
URL https://www.juntendo.ac.jp/

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