北海道中央バス株式会社のワークフローシステム導入事例
拠点間でやり取りしていた紙の申請書をデジタル化
X-point Cloudを起点にDX推進の土台を構築
小樽・札幌エリアで乗合バス事業などを展開する北海道中央バス株式会社は、拠点間での社内便の発送・受領作業や押印作業、承認者不在による決裁待ちなど、紙に起因する課題を抱えていた。そこで同社は、X-point Cloud(エクスポイントクラウド)を導入し、申請業務をデジタル化。
従来は1週間ほどかかることもあった稟議が即日で決裁できるようになるなど、申請業務は大きく効率化した。さらに、文書管理システムとの連携により、承認後の保管作業など後工程のデジタル化も実現。X-point Cloudは、同社のDXを支える基盤としても活用されている。
課題・背景
- 社内便による各種書類の発送・受領作業に、大きな手間がかかっていた
- 承認者不在による決裁待ちが発生し、時間的なロスにつながっていた
- 申請業務の後工程では紙のスキャンやファイリングなどが発生
業務効果
- 申請業務のデジタル化により、社内便の作業が大きく低減
- 従来、1週間ほどかかることもあった稟議が即日で決裁可能に
- X-point Cloudと文書管理システムを連携し、承認後の保管作業も効率化
【経緯/課題】本社への持ち込みは往復2時間以上、冬は道路の通行止めも 紙の申請書での運用に限界を感じ、システム導入に着手
北海道小樽市に本社を置き、小樽・札幌エリアで乗合バス・高速バスなどの事業を展開している北海道中央バス。17社のグループ会社を率いる中核企業として
「地域社会に貢献する企業集団」を目指し、地域の交通を支えてきた。近年では運輸業界全体の課題である人手不足への対応として、バス運行やダイヤ作成な
どに関わるシステムの導入、AIを活用したダイナミックプライシングなど、各種デジタル化施策を推進している。北海道中央バスは、デジタル化への取り組み
も早かった。コロナ禍の3年前にあたる2017年には、DXの専任部門である「IT戦略推進室」を立ち上げ、組織的にデジタル化施策を進めてきた。そして、そ
の初期の取り組みの一つがX-point Cloudの導入だった。同社は2020年にX-point Cloudを導入し、他のシステムとの連携を通じたDX基盤を構築している。
X-pointCloudの導入に至る背景には、どのような課題があったのか。総務部副部長の青塚太氏は、当時、直面していた申請業務にまつわる課題を振り返る。
「以前、当社は申請業務で紙の帳票を使っていたことで、さまざまな業務上の課題を抱えていました。その一つが、稟議書の回付です。当社では、施設の修繕
や宣伝広告物の掲載などの際に稟議書を作成しますが、以前は紙の帳票で運用していたため、承認までに時間がかかっていました。特にネックだったのが拠点
間をまたぐ稟議です。当社は小樽と札幌に本社機能を分散しているほか、札幌に3つの事業部を有します。そのため、担当役員や社長決裁を得るには、社内便
で稟議書を送付して返送を待たなければならず、その期間が1週間ほどに及ぶことも珍しくありませんでした。また、至急に承認が必要な場合に、小樽本社に
稟議書を持ち込んでも、承認者が札幌勤務ですれ違いになったり、会議中の場合には、決裁のためだけに数時間待機したりしなければならないこともありまし
た。さらに、冬の大雪で道路が通行止めになると、そもそも社内便が止まってしまい、書類のやり取りが滞ります。こうした問題は申請業務を停滞させ、意思
決定の遅れなど業務上のリスクになっていました」(青塚氏)。
北海道内では比較的近距離とはいえ、小樽本社と札幌本部の往復にはゆうに2時間以上を要する。稟議書の承認を得るためだけに半日から丸一日もの時間を費
やすのは、社員の業務上の負担であり心理的な負担にもなっていた。こうした課題に直面するなかで北海道中央バスは申請業務のペーパーレス化に着手した。
【選定/導入】複数部門で進めたスモールスタートが奏功 既存業務と承認ルートを反映したシステムを構築
ワークフローシステムの導入検討を始めた北海道中央バスは、X-point Cloudを含む複数の製品を候補に挙げ、機能や価格などを比較検討した。その際にX-
point Cloudを選定した理由について、青塚氏は「フォーム作成機能に惹かれました」と説明する。X-point Cloudは紙の申請書のレイアウトをそのまま再現で
きるフォーム作成機能を備えている。業務のデジタル化に伴う社員の違和感を最小限に抑えられる点に期待したという。こうしてX-point Cloudを選定した北
海道中央バスは、申請業務のデジタル化に向けた導入プロジェクトを開始した。この際、同社が留意したのが「複数の担当者でシステムの構築を進めること」
だった。一人の担当者が導入を一貫して担えば、システム構築に関するノウハウや知識が属人化してしまう。それはリリース後の保守運用の妨げにもなり得
る。そのため、IT戦略推進室と申請業務を所管していた総務部が連携し、相互に知見を共有しながら申請フォームの作成や承認経路の設定を進めていった。さ
らに、特徴的なのが導入プロジェクトに着手してから、約1週間という短期間でX-pointCloudをリリースした点だ。総務部管財課主任の成田みずほ氏は、こう
したスケジュールの狙いを次のように説明する。
「いきなり大量の紙の帳票をペーパーレス化しようとすれば、タスクが山積みになり、プロジェクト自体が頓挫しかねません。X-point Cloudの利点は、シス
テムのリリース後にも申請書を自由に追加・改修できることです。今回のプロジェクトでは、その利点を活かして、まずは一部の申請書だけを作成した段階で
システムをリリースしました。その後、徐々に申請書の数を増やし、利用範囲を広げていきました。社員はシステムを利用するうちに画面の操作に慣れていき
ますし、利用しにくい箇所があれば改修の要望が上がってきます。そうした反応を見ながら、自社に適したシステムの形を見極めていきました」(成田氏)。
このスモールスタートの導入により、北海道中央バスは画面のレイアウトや設定を段階的に改善していった。その一つが、稟議書の承認ルートの設定だ。稟議
書は申請内容や起案者の所属部門によって、承認ルートや最終決裁者が異なる。これらを同一の申請フォームに紐づけて再現しようとすれば、設定作業は極め
て複雑になる。そこで成田氏らは、申請内容や起案者の所属部門ごとに申請フォームを作成し、それぞれに固有の承認ルートを紐づけることで、複雑な設定作
業を回避した。これにより申請書の総数は増えたが、X-point Cloudはフォルダ管理機能を備えており、システム上の文書を整然と分類・整理できる。そのた
め、社員が申請書の保存先を探せないなどの支障は生じなかった。こうした工夫を通じて、北海道中央バスはX-point Cloudを自社の実務に合わせて作り込んでいった。
北海道中央バスのフォルダ管理画面。フォルダ管理機能により、申請内容ごとに分かれた多数の申請書を整然と分類・整理できている。
【活用/効果】200種類以上の申請書をX-point Cloudへ移行し、 拠点間の申請業務をスムーズに 文書管理システムとの連携で、承認後の保管作業まで自動化
現在、北海道中央バスでは約200種類の申請書がX-point Cloudで運用されている。ユーザー数は300名以上。累計の申請数は10万件以上にのぼる。現在で
は、小樽本社だけでなく、各地の営業所の社員もX-pointCloudを日常的に利用しており、組織全体に活用が広がっている。その効果は、申請業務の各所に表れ
ている。紙の申請書を社内便で送付したり、直接持ち運んだりする必要がなくなり、拠点間の申請業務は大幅に効率化した。従来は1週間ほどかかることもあ
った稟議についても、即日で承認を得られるようになっている。回付期間の短縮は、意思決定の遅れによる機会損失を抑え、組織運営のスピード向上にもつな
がっている。さらに、変化は申請書の回付だけにとどまらない。北海道中央バスはX-point Cloudと既存の文書管理システムを連携させ、承認後の申請書の保
管作業も自動化している。この連携の詳細について、総務部IT戦略推進室ITセンターチーフの檜幸江氏は次のように説明する。
「X-point Cloudの導入後に既存の文書管理システムとデータ連携し、承認後の申請書を自動保管する仕組みを構築しています。紙の申請書を利用していた頃
には、承認後に帳票を一枚一枚スキャンして文書管理システムに保管しており、その作業に大きな手間がかかっていました。しかし、現在ではX-point Cloud
で申請書が承認されれば、保管作業まで自動的に完了します。保管作業の負担が減ったことも重要ですが、それ以上に、申請業務だけでなく、システム連携を
通じてより広い範囲までデジタル化を進められたことが大きな成果です」(檜氏)。
檜氏は、X-point Cloudの利用範囲が拡大し、ユーザー数が増えるなかで、社内のデジタル活用への意識にも変化が見られたと指摘する。業務でシステムを利
用することが当然となり、新たなツールの導入やシステム間連携にも、社員が大きな抵抗なく対応するようになったという。同社にとってX-point Cloudは、
DXの起点であり、その後の取り組みを支える基盤にもなっている。
北海道中央バスの稟議書の申請フォーム。フォーム作成機能を活用し、紙の申請書のレイアウトを再現している。
【導入のポイント】「まず作ってみる」姿勢が、定着と改善を後押し AI活用とセキュリティ強化で、DXを次の段階へ
今回の導入プロジェクトの成功要因について尋ねると、総務部IT戦略推進室ITセンター長の有田安宏氏は「まず作ってみるという進め方が功を奏したのだと思います」と振り返る。
「多くの社員が利用するようになれば、システムは自然と使いやすい形に改善されていきます。そのため、まずはシステムをリリースし、利用範囲を広げてい
くことが大切です。完成しきっていない状態に不安もあると思いますが、思い切って使い始めることが成功への近道ではないでしょうか」(有田氏)。
今後、同社はAIの活用やサイバー攻撃を見据えたセキュリティ強化など、デジタル施策をさらに広げていく方針だ。申請業務のペーパーレス化から始まったX-
point Cloudの活用は、北海道中央バスのDXを次の段階へ進める土台となっている。
お客様の声
北海道中央バス株式会社 総務部 IT戦略推進室 ITセンター長 有田 安宏 様 「今後、当社はAIの活用やセキュリティの強化などを通じて、DXを 次の段階へ進めていきます。そうした取り組みを進められるのも、X-point Cloudがデジタル化の土台を築いてくれたからです」
北海道中央バス株式会社 総務部 副部長 青塚 太 様 「X-point Cloudの導入により、営業所の社員にもシステムを利用する習慣が根付き、当社のDX 推進を後押ししてくれています」
「当初、X-point Cloudの導入は稟議書から進めましたが、労務書類のデジタル化をきっかけに利用範囲が大きく拡大しました。導入を進めるうえで、利用頻度の高い文書からデジタル化することが重要だと感じています」北海道中央バス株式会社 総務部 管財課 主任 成田 みずほ 様
「現在、社内にはX-point Cloudの運用担当者が複数います。複数人で運用することで、相互に知識を補完し合い、より利用しやすいシステムへ改善していくことができます」北海道中央バス株式会社 総務部 IT戦略推進室 ITセンターチーフ 檜 幸江 様
お客様プロフィール
| 会社名 | 北海道中央バス株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒047-8601 北海道小樽市色内1丁目8番6号 |
| 設立 | 昭和18年3月1日 |
| 従業員数 | 1,375名(令和8年3月31日現在) |
| 事業内容 | 一般旅客自動車運送事業(乗合・貸切)、不動産事業、飲食業、公衆浴場業、旅行業 |
| URL | https://www.chuo-bus.co.jp/ |


