【組織作りの完全ガイド】成功のロードマップから最新トレンドまで徹底解説！

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化する現代、企業には変化に強い組織作りが求められています。

本記事では、組織作りの重要性や成功のためのロードマップ、近年のトレンドまで、変化に強い組織作りに必要な情報を網羅的に解説します。

変化に強い組織作りが重要視される理由

まずは、変化に強い組織作りが重要視されている理由について確認していきましょう。

VUCA時代を勝ち抜く組織基盤の必要性

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化する現代は、Volatility（変動性）、Uncertainty（不確実性）、Complexity（複雑性）、Ambiguity（曖昧性）の頭文字を取った「VUCA（ブーカ）」の時代と呼ばれています。これは、市場のニーズ、競合の動向、テクノロジーの進化など、あらゆるものが急速に変化し続け、将来の予測が困難な状況を意味します。

このような時代においては、トップダウンの指示を待つだけの旧来型の組織では、変化のスピードに対応できません。現場の従業員一人ひとりが自律的に考え、迅速に意思決定し、行動できるような柔軟な組織基盤を構築することが、変化を乗り越え、競争優位性を確立するための必須条件だと言えます。

「2025年問題」への対策も急務に

「2025年問題」もまた、企業が組織作りに注目する理由のひとつです。

2025年問題とは、戦後の第一次ベビーブームに誕生した「団塊の世代（1947～1949年生まれ）」が2025年に後期高齢者（75歳以上）に到達し、超高齢社会に突入することで引き起こされる諸問題を指します。

企業においては、人手不足の深刻化やノウハウ・ナレッジの喪失、事業承継の困難化といった影響を与えることが懸念されており、これらの諸問題に対応するためにも、組織作りの見直しが進められているのです。

【5ステップ】組織作りを成功に導くロードマップ

では、変化に強い組織はどのようにつくれば良いのでしょうか。ここでは、組織作りを成功に導くロードマップを5つのステップで紹介します。

STEP1：現状分析による課題把握

まず、自社の組織が現在どのような状態にあるのかを客観的に把握することから始めます。思い込みや感覚に頼るのではなく、以下のような取り組みを通じて、データや事実に基づいて課題を洗い出すことが重要です。

• 従業員アンケートやサーベイの実施：エンゲージメント、満足度、人間関係などを調査します。
• 各種データの分析：離職率、残業時間、生産性などに関する指標を分析します。
• 従業員へのヒアリング：経営層から現場社員まで、さまざまな階層の意見を聞き、課題を抽出します。

ここで明らかになった課題が、組織作りの出発点となります。

STEP2：理念・ビジョンの策定・再定義

STEP1で見えた課題を踏まえつつ、自社がどこへ向かうのか、その羅針盤となる理念やビジョンを策定もしくは再定義します。

• ミッション（Mission）：社会における企業の存在意義、果たすべき使命
• ビジョン（Vision）：ミッションを果たした先にある、企業の理想の姿
• バリュー（Value）：ミッション・ビジョンを実現するために、従業員が共有すべき価値観や行動指針

これらを明文化し、組織全体で共有することが、一体感を醸成する上で不可欠です。

STEP3：組織図の設計

理念や戦略を実現するために、どのような組織の「形」が最適かを設計します。

事業内容、企業規模、文化などによって最適な構造は異なります。この段階で、誰がどのような役割を担うのかを視覚的に示した組織図を作成することが有効です。

組織図を作ることで、指揮命令系統や各部門の役割が明確になり、円滑な組織運営の土台となります。

STEP4：職務権限の明確化

組織構造が決まったら、各部門や役職における役割（職務）と権限を具体的に定義します。「誰が」「何を」「どこまで」決定できるのかを明確にすることで、迅速な意思決定を促します。

職務権限規程として文書化し、全社で共有することが望ましいでしょう。これにより、従業員は自分の役割と責任範囲を正しく認識し、安心して業務に取り組むことができます。

STEP5：評価制度・ルールの整備と継続的な改善

最後に、STEP2で定めた理念やバリューを体現する行動を促し、組織が目指す方向に人材が育つような評価制度や社内ルールを整備します。

• どのような行動や成果が評価されるのかを明確にする。
• 評価プロセスは公平性・透明性を担保する。
• 定期的な1on1ミーティングなどを通じてフィードバックを行う。

また、組織作りは一過性の取り組みではありません。市場環境や事業フェーズの変化に合わせてこれらのステップを定期的に見直し、必要なタイミングで組織改編を実施することが成功の鍵となります。

なお、組織改編は事業の持続的な成長・発展に寄与する大切なイベントですが、それに伴い社内システムの設定変更や問い合わせ対応、業務の引き継ぎなど、多くの作業が発生します。そのため、組織改編をスムーズに行うための基盤やシステム環境の整備も必要だと言えるでしょう。

日本企業に多い「縦割り組織」の特徴と課題

多くの日本企業が抱える課題として「縦割り組織」が挙げられます。

縦割り組織の例としては、職能（機能）ごとに部門を編成する「機能別組織」や、事業単位で組織を編成して各事業部に大きな権限を委譲する「事業部制組織」などの組織構造が代表的です。

縦割り組織は、部門内における専門性向上や部門間競争によるモチベーション向上といったメリットが期待できる一方、部門間の壁が高く、自部門の利益を優先する「セクショナリズム」が蔓延しやすいという特徴があります。結果として、顧客への対応が遅れたり、全体最適の視点が失われたりといった弊害を生み出す可能性があります。

そのため近年では、従来型とも言える縦割りの組織構想を見直し、現代のビジネス環境に適した組織構造への変革を目指す企業が増えてきているのです。

変化の時代に対応する新しい組織のカタチ

近年では、従来の組織構造の枠組みを超え、より柔軟でスピーディな組織運営を目指す新しい組織モデルが注目されています。ここでは、その代表例を3つ紹介します。

部門の垣根を超える「クロスファンクショナルチーム」

「クロスファンクション（Cross Function）」とは、部門の垣根を超えて組織横断でメンバーを招集し、全社的な課題解決を目指す取り組みを指します。そして、クロスファンクションの観点で組成された組織・チームのことを、「クロスファンクショナルチーム（CFT／Cross Functional Team）」と呼びます。

多角的な視点によるスピーディーな問題解決やイノベーションの促進、組織を横断したコミュニケーションの活発化など、多くのメリットがあることから、近年多くの注目を集めています。

状況の変化に即座に対応する「アジャイル組織」

変化の時代に相応しい組織のカタチとして、「アジャイル組織」も注目を集めています。

「アジャイル（Agile）」とは、「素早い」「機敏な」といった意味であり、ビジネスにおいては「状況の変化に対して素早く対応すること」を表す言葉として用いられています。

そしてアジャイル組織とは、組織を取り巻く状況の変化に対して柔軟かつ素早く対応可能な組織構造を指します。

アジャイル型の組織構造では、従業員個人が自律的に行動することが重要であり、基本的にボトムアップによる意思決定プロセスが用いられます。そのため、従来型の組織に比べて意思決定スピードの向上や業務プロセスの最適化が進みやすく、組織を取り巻く環境の変化にも対応しやすいと言えます。

現場主導で変化を生み出す「市民開発」

「市民開発」もまた、組織作りにおける近年のトレンドキーワードのひとつです。

市民開発とは、IT部門に所属していない現場の従業員が、ノーコード・ローコードツールなどを活用しながら業務に必要なアプリケーションやシステムを自ら開発・改修すること。

現場主導で変化を生み出す組織文化を醸成する上で非常に有効なアプローチであり、まさに「変化し続ける組織」を体現するものだと言えます。

変化に強い組織作りにワークフローシステム

本記事では、組織作りの基本からトレンドまで解説してきました。

VUCA時代とも言われる現代、企業には変化に強い組織作りが求められています。そして、変化に強い組織作りを目指す上で有効なソリューションが、ワークフローシステムです。

ワークフローシステムは、社内で行われる各種申請や稟議、報告といった手続きを電子化するツールで、組織図や職務権限、業務プロセスをシステム上に反映・可視化し、業務効率化やガバナンスの強化、情報共有やナレッジマネジメントの高度化を実現。組織改編を円滑化する機能が備わっている製品も存在します。

なかでも、株式会社エイトレッドが提供する「X-point Cloud」と「AgileWorks」は、シリーズ累計5,000社超の導入実績を誇り、業種業界や組織規模を問わず多くの企業で活用されているワークフローシステムです。変化に強い組織作りに取り組まれている方は、ぜひお気軽にご相談ください。