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基幹システムとは?ERPとの違いやメリット、導入のポイントを解説

基幹システムとは?ERPとの違いやメリット、導入のポイントを解説

「2025年の崖」問題が指摘される昨今、「基幹システム」の刷新に取り組む企業が増えつつあります。

基幹システムは企業経営において非常に重要な役割を果たしますが、
「そもそも基幹システムとは?」
「ERPや情報系システムとの違いは?」
「基幹システムを導入するメリットは?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、基幹システムの意味や類似用語との違い、導入のメリットなどについてわかりやすく解説します。

基幹システムの効果を最大限に高めるためのポイントもご紹介しているので、基幹システムの導入を検討している企業や詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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基幹システムとは?

基幹システムとは?

まずは、基幹システムの意味や、混同しがちな「ERP」や「情報系システム」との違いについて確認していきましょう。

基幹システムの意味

基幹システム(Mission-Critical System)とは、企業活動に欠かせない主要な業務を管理するためのシステムを指します。

業務範囲によってさまざまな基幹システムが存在し、主な種類として以下を挙げることができます。

基幹システムの例

  • 販売管理システム
  • 購買管理システム
  • 勤怠管理システム
  • 人事・給与システム
  • 会計システム
  • 生産管理システム
  • 在庫管理システム など

基幹システムは「ヒト」「モノ」「カネ」といった組織の根幹に関わる仕組みであり、基幹システムが停止することで企業活動そのものが停止してしまう恐れがあります。

そのため、基幹システムの運用には強固なセキュリティ体制が求められます。

ERPや業務システム・情報系システムとの違い

基幹システムと混同しやすい用語に、「ERP」があります。

ERPは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の頭文字を取った用語で、企業が保有するあらゆる資源を一元管理し、経営の最適化を図るためのシステムです。

業務範囲ごとに独立している基幹システムの機能を集約・統合し、1つのパッケージにしたものをイメージするとよいでしょう。

また、基幹システムとは別に「情報系システム」と呼ばれるシステムも存在します。

情報系システムとは、基幹業務とは直接関係しないものの、導入することで業務効率化などの効果が期待できるシステム・ツールを指します。

情報系システムの例としては、グループウェアやスケジュール管理ツール、ビジネスチャットなど、社内外の情報共有やコミュニケーションに役立つシステムが該当します。

これらの基幹システムやERP、情報系システムなどを総称して「業務システム」と呼ぶのが一般的です。ただし、企業によっては情報系システムのみを指して業務システムと呼ぶ場合もあるため、認識の齟齬がないよう注意しましょう。

基幹システムに関する近年の動向

近年、基幹システムの刷新に取り組む企業が増えつつあります。

そしてその背景には、経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」があります。

「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年9月に発表した『DXレポート~IT システム「2025 年の崖」克服と DX の本格的な展開~』のなかで示されたシナリオのこと。

このDXレポートでは、2025年には21年以上にわたってレガシーシステム(老朽化・複雑化・ブラックボックス化してしまったシステム)を運用し続けている企業が6割に達すると言われています。

そして、レガシーシステムの刷新に乗り遅れた企業は多くの事業機会を失い、日本全体では年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性が示されています。

この「2025年の崖」という最悪のシナリオを受け、現在稼働している基幹システムがレガシーシステム化してしまう前に刷新しようと考える企業が増えてきているのです。

以下の記事では、DXの必要性や2025年問題について詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

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基幹システムを導入するメリット

基幹システムを導入するメリット

次は、基幹システムを導入することのメリットとして、以下の3点をご紹介します。

基幹システムの導入メリット

  • 基幹業務の効率化
  • 基幹業務の属人化解消(標準化)
  • 経営状況の可視化

それぞれ詳しく確認していきましょう。

基幹業務の効率化

基幹システムを導入することのメリットとして、業務効率化を挙げることができます。

基幹業務に関する各種情報を、紙の帳票に手書きしたりExcelなどに手入力して管理するのは大きな手間であり、ヒューマンエラーも発生しやすくなります。

特定業務に最適化された基幹システムを利用することで、効率的に情報を入力・管理することが可能になり、ミスの防止にもつなげることができます。

基幹業務の属人化解消(標準化)

基幹システムを用いることで、基幹業務の属人化解消(標準化)という効果も期待できます。

紙の帳票やExcelなどを使って基幹業務を管理していると、統一された手順や方法が存在せず、属人化してしまうケースが珍しくありません。

その結果、担当者の不在時に基幹業務が停止してしまうリスクや、業務の最適化が進まず作業効率が低下してしまうリスクが高まります。

一方、基幹システムであれば、入力すべき項目や手順、更新方法などが統一され、業務の属人化解消につなげることができます。

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業務の属人化を解消する方法は?原因や標準化(属人化解消)のポイントを解説

経営状況の可視化

基幹システムを導入することで、経営状況を可視化することが可能になります。

紙ベースで基幹業務を管理している場合、経営に関係する各種情報の閲覧や共有、リアルタイムに情報更新を行うハードルは高いと言えます。

一方、基幹システムを導入していれば、これまで紙媒体で管理していた情報をデータとして扱うことができ、スムーズに閲覧や共有を行えるほか、リアルタイムに情報をアップデートすることも可能になります。

これにより、正確かつ最新のデータに基づいた経営判断を行うことができるでしょう。

基幹システムを導入する際のポイント

次に、基幹システムを導入する際の流れや意識するべきポイントを確認していきましょう。

導入目的の明確化

まず、基幹システムを導入する目的を明確にすることが大切です。

基幹システム導入によって得たい効果や解決したい課題が明確でなければ、適切なシステムを選定することはできません。

自社の現状を踏まえたうえで、基幹システムを導入することで「具体的にどのような成果を得たいのか」「どのような状態になりたいのか」といった点を明確にしましょう。

適用範囲の決定

次に、基幹システムの適用範囲を決定します。

明確化した導入目的を果たすには「どの業務を最適化するべきなのか」という点を検討します。

現状の業務フローを洗い出し、目的達成を目指すうえでボトルネックとなっている業務をピックアップしましょう。

システムの選定

導入目的と適用範囲が決定したら、導入するシステムを選定します。

ボトルネックとなっている業務課題を解消するには何が必要なのかを明確にしたうえで、機能要件を満たすシステムを選定しましょう。

また、システムの拡張性も重要なポイントとなります。

基幹システムの導入により部分最適を図れますが、全体最適を目指すうえでは基幹システム間の連携が必要です。

すでに導入しているシステムとの相性はもちろん、今後導入を予定しているシステム・ツールとの連携可否についても事前に確認しておきましょう。

導入効果の検証・改善

基幹システムは、「導入して終わり」ではありません。

「当初の導入目的は達成できているのか」、「達成できていない場合には何が問題となっているのか」といった点を継続的に検証することが大切です。

定期的な効果測定や現場へのヒアリングを実施し、改善につなげていきましょう。

ワークフローシステムと基幹システムの連携効果

ワークフローシステムと基幹システムの連携効果

基幹システムには多くのメリットがあることをお伝えしましたが、その効果をさらに高めたいと考えるのであれば、ワークフローシステムの活用をおすすめします。

ワークフローシステムとは、各種申請や稟議など、社内で行われるあらゆる手続きを電子化するシステム・ツールのことで、近年多くの企業で導入が進められています。

では、ワークフローシステムと基幹システムを連携するべき理由を見ていきましょう。


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基幹業務に付随する各種手続きを電子化

ワークフローシステムを導入することで、基幹業務に付随する各種手続きを電子化することができます。

企業で行われるあらゆる基幹業務の前後には、申請・承認という流れが存在します。

たとえば勤怠管理においては、申請された出退勤に関する情報を承認したうえで、勤怠管理システムに勤務時間などに関する情報を入力する作業が発生します。

ワークフローシステムを導入していれば、出退勤に関する申請をワークフローシステム上で処理し、RPAで勤怠管理システムに自動入力する仕組みを構築することが可能です。

基幹業務に付随する各種手続きを紙ベースで処理するよりも、効率的かつ正確に作業を進めることができるでしょう。

部門を横断する共通基盤として利用可能

部門を横断するシステム共通基盤として利用できる点も、ワークフローシステムの特徴です。

基幹システムは特定の業務範囲を仕組化するものであり、業務別に複数の基幹システムを導入・利用しているというケースは珍しくありません。

そして、基幹システムがそれぞれ独立しているために、運用が煩雑化・複雑化しているという企業は多く存在します。

ワークフローシステムを導入して社内の各種基幹システムと連携することで、さまざまなシステムで個別に行っていた申請・承認手続きを一元化することができ、部門を横断する共通基盤として利用することができます。

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ワークフローシステムと基幹システムの連携事例

ワークフローシステムと基幹システムの連携事例

最後に、ワークフローシステムと基幹システムの連携事例をご紹介します。

勤怠管理システム連携で業務の迅速化・効率化を実現

シューズを中心としたアパレル販売店「ABC-MART」を全国に展開する株式会社エービーシー・マートは、ワークフローシステムと勤怠管理システムの連携によって業務効率化と紙コストの削減を実現しています。

同社では従来、各店舗で記入した紙の勤怠申請書を、FAXや社内メール便で本社に集約し、勤怠管理システムへと情報を取り込んでいました。

しかし、全国の店舗から集まる勤怠申請書の数は毎月4,000部以上に達し、6人のオペレーターが1日がかりで入力・確認作業をしなければならないなど、大きな負担となっていました。

そこで同社は、既存の勤怠管理システムと連携可能なワークフローシステムを導入。

ワークフローシステムで申請・承認されたデータを勤怠管理システムに取り込むフローを確立し、業務のスピードアップと効率化を実現しました。

また、月4,000枚の勤怠申請書が電子化されたことで、保管スペースも不要になり、コスト削減にも効果が表れています。

勤怠管理の効率化とコスト削減を達成

株式会社エービーシー・マートのワークフローシステム導入事例|X-point Cloud

会計システム連携で経費申請業務の効率化に成功

国内有数の歴史を持つレコード会社として知られるキングレコード株式会社は、ワークフローシステムと会計システムの連携により、経費申請業務の効率化を実現しています。

従来、同社では経費申請業務をグループウェア付属のワークフロー機能で行っていましたが、承認作業自体はシステムから印刷した帳票を回付して押印を得る、というアナログな手法が採用されていました。

また、経理担当者は紙の帳票と会計システムのデータを突き合わせて処理業務を行わなければならず、多くの時間と手間が発生していました。

そこで同社は、経費申請業務の効率化を図りワークフローシステムの導入を決定。

会計システムとの連携のほか、交通費申請の効率化を図り乗換案内サイトとも連携し、11種類の帳票を電子化しました。

従来1週間かかっていた承認期間が1日程度まで短縮されたほか、ワンクリックで交通費計算が可能になるなど、経費申請業務の大幅な効率化に成功しています。

経費申請業務の大幅な効率化を実現

キングレコード株式会社のワークフローシステム導入事例|AgileWorks

基幹システム連携により幅広い範囲の業務効率化を実現

総合建設会社の東急建設株式会社は、老朽化した決裁システムの刷新に加え、基幹システムとの連携により幅広い範囲の業務効率化を実現しました。

従来より申請業務にワークフローシステムを導入していた同社ですが、工事に関する受注決裁がネックとなり電子決裁の定着が阻まれていました。

また、当時利用していたワークフローシステムは他システムとの連携が困難なだけでなく、導入から約15年が経過するなど老朽化が進んでおり、メンテナンスに多くの工数が割かれていました。

サポート期限終了が数年後に迫っていたこともあり、同社はワークフローシステムの刷新を決定。

約10か月で導入プロジェクトを完了し、300以上の部署、200以上の作業所に新ワークフローシステムを展開し、全社的にペーパーレス化を推進。

また、基幹システムや営業支援システム、電子契約システムなどと連携し、入力作業やメンテナンス工数の削減につなげています。

幅広い範囲の業務効率化を実現

東急建設株式会社のワークフローシステム導入事例|AgileWorks

まとめ

今回は、基幹システムの概要やメリット、導入のポイントについて解説しました。

基幹システムは、企業経営における主要な業務を効率化・標準化し、経営状況を可視化するのに役立ちます。

また、ワークフローシステムと基幹システムを連携することで、その効果をより高めることができるでしょう。

今回ご紹介した情報も参考に、基幹システム、そしてワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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