これからの働き方を考える

来る大副業時代に備え、いまこそ社内ルールの整備を

来る大副業時代に備え、いまこそ社内ルールの整備を

前回と前々回で、企業の成長にはCEO・COO・CFOによる三権分立が重要であり、そのうえで稟議やワークフローの活用が欠かせないとお話ししました。その中で触れたキーワードが「人治から法治へ」というものですが、今回は昨今のトレンドである副業を例に、法治の必要性を掘り下げていきます。

<プロフィール>

高森厚太郎

ワークフロー総研 フェロー
高森厚太郎

一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事
東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。現在は数字とロジックで経営と現場をナビゲートするプレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFOとして中小・ベンチャー企業などへの経営コンサルティングのかたわら、デジタルハリウッド大学院客員教授、グロービス・マネジメント・スクール講師、パートナーCFO養成塾頭等も務める。2020年9月にはワークフロー総研のフェローに就任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。

人材の流動化を乗り越え、ガバナンスも強化。それが法治。

近年叫ばれている「働き方改革」ですが、コロナ禍によるテレワークの浸透も後押しし、副業がいっそう活発化しています。このトレンドはより身近になるでしょうし、その風潮の中で、企業としてはより柔軟性をもって受け入れていくべきでしょう。

副業が社会にもたらすメリットに関しても、よく見聞きするようになりました。例えば、社員が副業をすることで多様な価値観やノウハウを吸収でき、本業副業ともに相乗効果をもたらすといった議論。労働者としてのワークライフバランスを叶えることで、本業へのエンゲージメントやパフォーマンスが向上するといったメリットも唱えられています。

しかし、このメリットはすべての副業者に当てはまるものではありません。ある意味希望的観測です。逆に、仕事への意識が分散してしまって、本業・副業ともに中途半端となってしまうケースもあるでしょう。経営者の本音としては、優秀な人材はフルコミットで働いて欲しいのが実態です。副業が広がることで、本業で本来発揮が期待されるパフォーマンスが出されず、生産性が全体として低下する懸念も存在します。また、もう一つ抑えるべきリスクは、機密情報の漏洩などのガバナンス観点です。関係者の増加および流動化により、ガバナンスをより意識する必要があります。

重要なことは大きく2点。一つは流動化に耐えられるよう、組織がどんな人員構成であっても一定以上のパフォーマンスを発揮できる組織づくり。もう一つは秘密保持などガバナンスを遵守させる仕組みづくりです。そしてそのために重要なのが社内ルール。つまり法治組織の構築です。

副業の活用において抑えておきたいポイントとは

組織づくりにおいては、コアとなる人材は会社にフルコミットで長く活躍してもらうよう計らう。あるいはその重要ポジションが不在とならないよう、人材パイプラインを持っておくことが重要です。一方で、自社の従業員に副業を認めるケースも出てくるでしょう。
その場合は、従業員の専門性を社内でも発揮できるように計らい、そのうえで現職の秘密保持を守らせつつ、副業先での活動を詮索しないといった取り決めの整備が欠かせません。

また、新たに副業人材を活用する場合は、専門性を発揮してもらうために時間でなく成果で評価する、秘密保持を守らせつつ社内情報にアクセスできるようにする、業者扱いでなくプロフェッショナルとして遇する、といった対応が求められます。

副業人材に期待するのは、専門性。メンバーシップ型雇用的な正社員と違い、ジョブ型雇用のドライな業務委託関係です。であれば、成果として何を求めるか、何が守秘義務であるかを明文化し、契約とセットで徹底させましょう。

しかし現実として、ルールが整備されている企業はそれほど多くないと思います。そしてそれは同時に、コーポレートガバナンスの観点におけるリスクと隣り合わせだと言えます。例えば業務委託だからと言って青天井な労働を求めてしまったり、取り決めを明文化した契約締結を疎かにして、後で言った言わないで揉めたり。副業人材の使い方や使われ方、認め方や認められ方がわからず、お互い遠慮してしまう、逆に土足で入り込んでしまい、結果として双方に不満を抱えて不完全燃焼となってしまいがちです。ルールがなく曖昧な状態では、順境でないときの意思疎通がうまくいかないのは当然のことなのです。

ワークフローで外部人材とのよりよいコラボを実現

副業がトレンド化する中、企業と外部人材をシームレスにつなげるコラボレーション型の働き方が注目されています。この、新たな働き方を法治の観点で支えるのが稟議であり、ワークフロー。ワークフローは外部人材の知見をフル活用するには有効なツールです。

プロジェクトごとに集まったプロフェッショナルが、専門性を活かして十分なパフォーマンスを発揮するには情報共有が欠かせません。ワークフローで稟議のプロセスを「内部の承認」ではなく「外部の確認」といった形でルートを設定すれば、リスクコントロールをしながら情報共有を行えます。更に、意思決定への外部知見の取り込みも可能となります。業務プロセスをしっかり把握し、誰が確認して誰が決裁するかという権限規程がシステム内で管理できれば、どの副業人材をどのポイントで社内に巻き込めばよいのかも、おのずと見えてくるでしょう。

ワークフローでは、社内情報共有システムへのアクセスに承認フローを挟むことで情報開示を制御できます。変化が激しいビジネスシーンにおいては意思決定のスピードが重要ですが、安易な情報オープンやスピード重視は思わぬ事故を招きかねません。

業務や意思決定の進行プロセスの要所要所で立ち止まって考えることができるワークフローは、健全なビジネスを約束する安全装置といえるもの。社内規定を設けて法治組織化するとともに、ワークフローを整備して外部人材とのよりよいコラボレーションを実現する。これが、副業礼賛時代を勝ち抜く企業経営メソッドです。

ワークフロー総研<br>フェロー<br>高森厚太郎
この記事を書いた人 ワークフロー総研
フェロー
高森厚太郎

一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事
東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。現在は数字とロジックで経営と現場をナビゲートするプレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFOとして中小・ベンチャー企業などへの経営コンサルティングのかたわら、デジタルハリウッド大学院客員教授、グロービス・マネジメント・スクール講師、パートナーCFO養成塾頭等も務める。2020年9月にはワークフロー総研のフェローに就任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。

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