
伊勢農業協同組合のワークフローシステム導入事例
AgileWorksによる申請業務のデジタル化で 約2,000時間/年削減し、 組織の付加価値を向上
三重県の伊勢市や鳥羽市など、県東南部を管轄する伊勢農業協同組合(以下、JA伊勢)は、近年、デジタル化に力を入れており、2022年にはDX専門組織である「IT・DX対策課」を設置し、各種デジタルツールの導入を通じたDXを推進してきました。
2023年には、経済産業省による「DX認定事業者」にJA組織として全国で初めて認定されましたが、こうした一連の取り組みのなかで、重要な位置を占めたのがAgileWorksの導入でした。
AgileWorksを活用した申請業務のデジタル化により、これまで年間およそ2000時間も費やされていた、紙の申請書の処理にかける時間がほぼ0となり、大幅な業務効率化と意思決定の迅速化、それに伴う付加価値の向上を実現しました。
【導入の背景・課題】
- 複雑な組織構造に起因して意思決定が遅滞
- 事業ごとや部門ごとに承認権限のバラつきが散見
- 紙の申請書の処理業務に年間2,000時間近くを浪費
【導入の効果】
- 書類の処理業務に要していた時間がほぼゼロに
- 承認権限が標準化され、内部統制が強化された
- 意思決定が加速し、速やかな貸付審査などが可能に
2,000種類を超える承認ルートと「紙」の運用が原因で、申請業務に年間2,000時間近くを浪費
営農事業、経済事業、金融共済事業、管理事業の4つの事業領域で9つの部門を運営し、100ヶ所近い事業所を有するJA伊勢。
各事業所により、組織構造や役職の階層、購買する物品などがバラバラであることから、延べ2,000種類以上もの承認ルートが存在し、職員は申請のたびに承認権限を確認しながら正しいルートで申請書を回付しなければならないなど、極めて複雑なものとなっていました。
しかも、その運用が「紙」で行われていたことから、申請書の回付、回収、保管などの処理業務に約2,000時間/年もの手間が費やされていました。
そして、このような非効率な申請業務は、回付先を誤るなどのミスを増長させるだけでなく、承認までの時間を長期化させ、意思決定の遅滞へとつながっていきました。
そこで、こうした状況を深刻に受け止めたJA伊勢は、ワークフローシステムの導入による申請業務のデジタル化に乗り出すことになりました。
視覚的に承認ルートを設定できる「FlowEditor」が導入の決め手
ワークフローシステムの導入にあたって、JA伊勢は7つのワークフローシステムを比較検討し、その中から選ばれたのがAgileWorksでした。
決め手となったのは、承認ルートを設定する際の画面操作ツール「FlowEditor」。
申請業務のデジタル化に先行して、2,000ある既存の承認ルートの統廃合を実施し、合理化したものの、1,000種類を超える承認ルートを持つJA伊勢にとって、『いかに効率的に承認ルートを設定できるか』が、申請業務のデジタル化における重要なポイントとなったのですが、その点、127×127のシート上にドラッグ&ドロップでアイコンを配置して、感覚的に承認ルートを設定できる「FlowEditor」は打ってつけでした。
現在、JA伊勢ではAgileWorksで45種類の申請書が利用され、1日につき平均150件程度の申請があるなど、日常的なツールとして定着しています。
速やかな貸付審査が可能になるなど、組合員に向けた提供価値の向上を実現
従来、紙で運用されていた申請書がデジタル化されたことで、申請書の印刷や保管などの処理業務がほぼ0になり、約2,000時間/年の業務時間が削減されたほか、かねてから問題視されていた意思決定の遅延についても、平均して3〜4日、長いものだと、約1ヶ月の短縮に成功しました。
また、こうした意思決定の加速は、貸付審査に関する申請期間を大幅に短縮し、事業者への早期貸付を可能にするなど、JA伊勢の組織としての付加価値向上にもつながっています。
お客様プロフィール
組合名 | 伊勢農業協同組合 |
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住所 | 〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1858番地 |
設立 | 昭和63年4月1日 |
従業員数 | 正職員503名、臨時職員・パート職員383名(2024年4月1日現在) |
事業内容 | 営農事業、経済事業、金融共済事業 |
URL | https://www.jaise.jp/ |