【調査レポート】4割以上の総合病院でペーパーレス化が進んでいない実態、業務効率化への課題が明らかに
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【「医師の働き方改革」の実態とは?】約6割が「対応は進んでいる」と回答。一方、対応への一番の課題は「人材不足」
ワークフローシステムのリーディングカンパニーである株式会社エイトレッド(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡本 康広 以下、エイトレッド)は、病床数200以上の総合病院(大病院)に務めるバックオフィス担当者105名を対象に、「医師の働き方改革」に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
調査サマリ
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●「医師の働き方改革」、約6割が「進んでいる」と回答。
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●「医師の働き方改革」への対応で課題となっていること、「人材不足」(60.7%)が最多
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●4割以上の医療施設で、院内のペーパーレス化が「進んでいない」
調査概要
調査名称:「医師の働き方改革」に関する実態調査 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査 調査期間:2024年10月29日〜同年11月5日 有効回答:病床数200以上の総合病院(大病院)に務めるバックオフィス担当者105名 ※「医師の働き方改革」とは|厚生労働省|2024年4月より、時間外労働と休日労働時間の上限が設けられ、ほかの医療従事者へのタスクシフト/シェアや地域の医療・介護の整備などが求められています。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html ※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
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約6割が、「医師の働き方改革」への対応が進んでいると回答
「Q1.お勤め先の医療施設では、2024年4月から開始された「医師の働き方改革」への対応が進んでいますか。」(n=105)と質問したところ、「十分進んでいる」が10.5%、「やや進んでいる」が46.7%という回答となりました。
・十分進んでいる:10.5% ・やや進んでいる:46.7% ・あまり進んでいない:15.2% ・全く進んでいない:11.4% ・わからない/答えられない:16.2%
すでに取り組んでいる、「医師の働き方改革」への対応、「勤務時間を正確に記録・管理するシステムの導入」や「当直・夜勤体制の見直し」など
Q1で「十分進んでいる」「やや進んでいる」と回答した方に、「Q2.お勤め先で取り組んでいる、「医師の働き方改革」への対応があれば教えてください。(複数回答)」(n=60)と質問したところ、「勤務時間を正確に記録・管理するシステムの導入」が61.7%、「当直・夜勤体制の見直し」が61.7%、「診療時間(外来・手術など)の調整」が33.3%という回答となりました。
・勤務時間を正確に記録・管理するシステムの導入:61.7% ・当直・夜勤体制の見直し:61.7% ・診療時間(外来・手術など)の調整:33.3% ・書類作成やカルテ入力などの事務作業を効率化するシステムの導入:28.3% ・医師の増員・採用による負担の分散:25.0% ・特定の医師への業務集中を防ぐためのチーム制導入:21.7% ・救急受入れ体制の見直し:16.7% ・その他:1.7% ・わからない/答えられない:1.7%
「医師の働き方改革」への対応における課題、「人材不足」が60.7%で最多
Q1で「あまり進んでいない」「全く進んでいない」と回答した方に、「Q3.「医師の働き方改革」への対応で課題となっていることを教えてください。(複数回答)」(n=28)と質問したところ、「人材不足」が60.7%、「労働時間の正確な把握」が46.4%、「医師への周知」が21.4%という回答となりました。
・人材不足:60.7% ・労働時間の正確な把握:46.4% ・医師への周知:21.4% ・アナログ業務の見直しおよび業務効率化:14.3% ・労務管理業務の負担増加:7.1% ・患者サービスへの影響:7.1% ・地域医療体制への影響:3.6% ・その他:0.0% ・特にない:7.1% ・わからない/答えられない:7.1%
医師の診療外業務において、特に負担が大きい作業、「診療記録の作成・管理」や「各種書類の作成」が上位に
「Q4.医師の診療外業務において、特に負担が大きいと思われる作業を教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「診療記録の作成・管理」が38.1%、「各種書類の作成」が30.5%、「患者・家族との面談」が24.8%という回答となりました。
・診療記録の作成・管理:38.1% ・各種書類の作成:30.5% ・患者・家族との面談:24.8% ・院内会議・委員会への参加:23.8% ・研修医の指導・管理:19.0% ・診療報酬請求の関連業務:18.1% ・他院との連携業務:13.3% ・シフト管理・調整:12.4% ・医療機器・医薬品の発注業務:7.6% ・出張:3.8% ・その他:0.0% ・特にない:7.6% ・わからない/答えられない:26.7%
「医師の働き方改革」の開始後、バックオフィス部門では、約2割が「残業時間が増加」
「Q5.「医師の働き方改革」の開始後、バックオフィス部門(事務部門)では残業時間に変化はありましたか。」(n=105)と質問したところ、「かなり増加した」が5.6%、「やや増加した」が16.2%という回答となりました。
・かなり増加した:5.6% ・やや増加した:16.2% ・変わらない:42.9% ・やや減少した:8.6% ・かなり減少した:0.0% ・わからない/答えられない:26.7%
導入済みシステム/デジタル機器、第1位「電子カルテ」、第2位「自動精算機」
「Q6.お勤め先の医療施設で、既に導入されているシステム、デジタル機器を教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「電子カルテ」が81.0%、「自動精算機」が59.0%、「レセコン(レセプトコンピューター)」が49.5%という回答となりました。
・電子カルテ:81.0% ・自動精算機:59.0% ・レセコン(レセプトコンピューター):49.5% ・労務管理システム:45.7% ・オーダリングシステム:42.9% ・Web予約システム:21.0% ・グループウェア:18.1% ・ワークフローシステム:9.5% ・Web問診システム:8.6% ・その他:0.0% ・特にない:4.8% ・わからない/答えられない:7.6%
4割以上の医療施設が、院内のペーパーレス化が「進んでいない」実態
「Q7.お勤め先の医療施設における、院内のペーパーレス化の進捗状況を教えてください。」(n=105)と質問したところ、「あまり進んでいない(30-49%)」が25.7%、「ほとんど進んでいない(29%以下)」が15.2%という回答となりました。
・ほぼ完了している(90%以上):6.7% ・かなり進んでいる(70-89%):9.5% ・ある程度進んでいる(50-69%):24.8% ・あまり進んでいない(30-49%):25.7% ・ほとんど進んでいない(29%以下):15.2% ・わからない/答えられない:18.1%
ペーパーレス化が進まない理由、「紙の方が使いやすいから」が37.2%で最多
Q7で「あまり進んでいない」「ほとんど進んでいない」と回答した方に、「Q8.ペーパーレス化が進まない理由を教えてください。(複数回答)」(n=43)と質問したところ、「紙の方が使いやすいから」が37.2%、「システムの導入コストが高いから」が27.9%という回答となりました。
・紙の方が使いやすいから:37.2% ・システムの導入コストが高いから:27.9% ・導入・運用において、人材が不足しているから:25.6% ・既存システムとの連携が困難だから:25.6% ・職員の理解を得るのが難しいから:18.6% ・システムの選定が難しいから:11.6% ・法規制上の制約があるから:7.0% ・セキュリティ面で不安があるから:4.7% ・その他:4.7% ・わからない/答えられない:16.3%
「医師の働き方改革」を踏まえ、業務効率化のために実施している、または検討中の取り組み、「医師の業務の他職種への移管」や「ペーパーレス化」など
「Q9.「医師の働き方改革」を踏まえ、業務効率化のために実施している、または検討中の取り組みを教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「医師の業務の他職種への移管」が30.5%、「ペーパーレス化」が30.5%、「医療従事者の追加採用」が30.5%という回答となりました。
・医師の業務の他職種への移管:30.5% ・ペーパーレス化:30.5% ・医療従事者の追加採用:30.5% ・周辺病院との連携:17.1% ・人事制度改革:16.2% ・ICTの活用:11.4% ・変形労働時間制の導入:10.5% ・その他:0.0% ・特にない:6.7% ・わからない/答えられない:21.9%
まとめ
今回は、病床数200以上の総合病院(大病院)に務めるバックオフィス担当者105名を対象に、「医師の働き方改革」に関する実態調査を実施しました。
まず、2024年4月から施行された「医師の働き方改革」について、全体の約6割が改革への対応が進んでいると回答しました。具体的な内容としては、「勤務時間管理システムの導入」と「当直・夜勤体制の見直し」がいずれも61.7%で最多となっています。一方、対応が進んでいないと感じる人は26.6%おり、課題として「人材不足」が60.7%で最も多く挙げられています。また、バックオフィス部門では、「医師の働き方改革」開始後に「残業時間が増加した」との回答が21.8%を占めました。さらに、院内で導入済みのデジタル機器は、「電子カルテ」(81.0%)といった医療業務に関連したシステム導入は進んでいるものの、バックオフィス関連のシステム導入は遅れをとっている現状が明らかになりました。4割以上の施設ではペーパーレス化が進んでおらず、紙の利便性や導入コストが阻害要因となっています。
今回の調査では、「医師の働き方改革」への対応において、総合病院のバックオフィス業務に関する課題が浮き彫りとなりました。バックオフィスの効率化が与える影響として「コスト削減」「リスク管理の強化」「意思決定の迅速化」「生産性・モチベーション向上」などが挙げられ、バックオフィスの業務効率化が実現することによって医療業務支援、ひいては患者さんの満足度向上にも繋がると言えるでしょう。人材不足が課題視される中、バックオフィスのDXが推進されることにより一人ひとりの生産性が向上することで、「医師の働き方改革」への対応も大きく前進すると考えられます。
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