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緊急事態宣言下でも稟議申請・決裁は31.4%が「紙」で実施!約4割が「そもそも在宅では稟議不可」など紙媒体の課題噴出

緊急事態宣言下でも稟議申請・決裁は31.4%が「紙」で実施!約4割が「そもそも在宅では稟議不可」など紙媒体の課題噴出

 ワークフロー総研では、テレワーク導入企業における稟議申請・決裁の実態把握を目的に、東京にあるテレワーク導入企業で働く会社員324名を対象にインターネットによるアンケート調査を実施いたしました。

 本記事では、調査結果を公開するとともに、浮き彫りになったテレワーク推進企業における稟議申請・決裁の課題や実態をお伝えします。

調査結果サマリー

  • テレワーク導入企業で働く会社員の約5割が、紙媒体、メールやチャット、口頭などシステムを利用せずに稟議の申請・決裁を行っている
  • 稟議の申請・決裁が紙媒体で行われていることで「そもそも在宅では稟議の申請・決裁ができない」会社員は約4割
  • テレワーク実施に際して、稟議の申請・決裁以外に改善が必要なものとして「業務管理や進捗の共有」と回答した会社員は41.4%
  • テレワーク実施に際して、紙媒体からの脱却とデジタル化を必要だと感じる会社員は、93.2%

調査概要

調査期間:2020年4月15日〜4月16日
調査方法:インターネット調査
有効回答:東京にあるテレワーク導入企業で働く会社員324名

テレワークでも稟議の申請・決裁は紙媒体で行う会社員は31.2%

 「Q1. 現在、あなたのお勤め先では稟議の申請・決裁は主にどのように行われていますか。」(n=324)と質問したところ、「紙媒体による申請・決裁」と答えた会社員が31.2%と、約3割の会社員がテレワーク中においても稟議の申請・決裁は紙媒体で行なっていることがわかりました。

  • 紙媒体による申請・決裁:31.2%
  • システムでの申請・決裁:43.5%
  • メールやチャットでの申請・決裁:10.8%
  • 口頭での申請・決裁:5.2%
  • わからない:7.1%
  • その他:2.2%

稟議の申請・決裁が紙媒体で行われていることで、「そもそも在宅では稟議の申請・決裁ができない」と答えた会社員は4割近くにのぼる

 Q1で「紙媒体よる申請・決裁」と回答した方に「Q2. 稟議の申請・決裁が紙媒体で行われていることによってリモートワーク ・テレワークにどのような影響がありますか。」(n=101)と質問したところ、「そもそも在宅では稟議の申請・決裁ができない」と答えた会社員が39.6%、「稟議の申請・決裁の際にわざわざ職場に行かなければならない」と答えた会社員が20.8%、「書類が手元に届かないと稟議の確認ができない」と答えた会社員が17.8% と、紙媒体で稟議の申請・決裁が行われていることが、テレワーク中に様々な弊害を与えていることがわかりました。

  • そもそも在宅では稟議の申請・決裁ができない:39.6%
  • 稟議の申請・決裁の際にわざわざ職場に行かなければならない:20.8%
  • 書類が手元に届かないと稟議の確認ができない:17.8%
  • 稟議の申請・決裁の際に印刷・郵便などの手間がかかる:15.8%
  • 特に影響はない:10.9%
  • 差し迫った際に稟議が間に合わない:9.9%
  • 自宅に紙とプリンターを用意しなければならない:7.9%
  • 小さなことでも稟議書の作成に時間を取られる:6.9%
  • 稟議書類を探すのに時間がかかる:4.0%
  • わからない/自分はリモートワーク ・テレワークをしていない:4.0%
  • 稟議書類の作成にあたり細かいミスが発生する:3.0%
  • その他:5.9%

現状の稟議の提案・承認方法についての課題は、「書類や印鑑がないと仕事にならない」「紙だと時間がかかる」など様々

 Q1で「紙媒体による申請・決裁」と回答した方に「Q3. 現状の稟議の提案・承認方法について課題に感じている部分を自由に教えてください。」(n=93)と質問したところ、紙自体の管理への課題や、オンライン化推進に際しての課題など様々な意見が寄せられました

自由回答・一部抜粋

  • 54歳:規定を変更する必要があり、今回のケースでは対応できていない。
  • 54歳:電子化すれば手間も保存もメリットがあるのにPCリテラシーが低すぎて広められない。
  • 56歳:全て電子決裁できるようにすべき。
  • 55歳:早急に電子化すべき。
  • 28歳:リモートワークに対応できない。
  • 49歳:書類と印鑑がないと仕事にならない。印影が同じでも、偽装防止が施された電子印鑑(印影には見えないコード)が必要。コードは、国際認証に対応したものが良い。もちろん、有料にする。
  • 49歳:紙の枚数が多く、余計な書類が多く、管理が煩雑。
  • 51歳:出勤の必要あり。
  • 59歳:早期に電子認証に切り換える必要がある。
  • 47歳:押印の文化が根強くあり,オンライン決裁の妨げになっている。
  • 53歳:捺印が何箇所もあるため、一般的に時間がかかるが、リモートワークで資料作成後、会社で印刷・捺印そして上司・役員、さらに経理部門などを回るとなると、誰か出社していないと数日以上かかることがある。社内なのでワークフローで承認する仕組みがあると楽なのにと思う。
  • 56歳:いちいち紙だと時間がかかる。紙の無駄。決裁する人がいないとき、提出できない。たまってしまう。
    外部から急な決裁をお願いできない。
  • 57歳:全てインターネット上でできるようになると良い。

テレワーク実施に際して、稟議の申請・決裁以外に最も改善が必要なものは「業務管理や進捗の共有」

 「Q4. リモートワーク ・テレワークをするにあたって、稟議の申請・決裁以外に改善が必要だと思うことはありますか。」(n=324)と質問したところ、「業務管理や進捗の共有」と答えた会社員が41.4%「各種資料のデジタル化」と答えた会社員が40.1%、「自身のモチベーション管理」と答えた会社員が34.6%と、リモートワーク ・テレワークをするにあたっては稟議の申請・決裁以外にも多くの課題が残されていることがわかりました。

  • 業務管理や進捗の共有:41.4%
  • 各種資料のデジタル化:40.1%
  • 自身のモチベーションの管理:34.6%
  • 社員とのコミュニケーション方法:33.3%
  • ネットワーク端末のセキュリティリスク:28.4%
  • オフィスにいなければわからないことがある:27.5%
  • 社内のITリテラシー格差の是正:18.5%
  • 特にない:17.0%
  • 自分はリモートワーク ・テレワークをしていない:6.5%
  • その他:3.1%

テレワークをするにあたって紙媒体からの脱却とデジタル化が必要だと考える会社員は93.2%

 リモートワーク ・テレワークを行なっている人に対し「Q5. リモートワーク ・テレワークをするにあたって、紙媒体からの脱却をしてデジタル化することが必要だと思いますか。」(n=248)と質問したところ、「早急に必要だと思う」「必要だと思う」と答えた会社員が93.2%と、リモートワーク ・テレワーク実施にあたってほとんどの会社員が紙媒体からの脱却とデジタル化を必要と感じていることがわかりました。

  • 早急に必要だと思う:44.8%
  • 必要だと思う:48.4%
  • 必要ではない:2.0%
  • 紙媒体の方が良い:0.8%
  • あてはまるものはない/わからない:4.0%

まとめ

 今回の調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響で各社のテレワーク化が進む中、
口頭、メール・チャット、紙媒体での稟議の申請・決裁業務が約5割と、まだまだシステム化が進んでいない現状が露わになりました。

 さらに稟議の申請・決裁業務を紙媒体で行う会社員の多くが「そもそも在宅では稟議申請・決裁ができない」「稟議申請・決裁時にわざわざ職場に行かなければならない」など様々な課題を抱えていることが明らかになりました。

 また、テレワーク実施に際して、稟議の申請・決裁以外には「業務管理や進捗の共有」や「各種資料のデジタル化」などの業務改善が必要だと感じる会社員が多くいることがわかりました。
さらに、テレワークをするにあたって、紙媒体からの脱却とデジタル化が必要だと感じる会社員は93.2%とほとんどの社員が紙媒体からの脱却を希望しているという事実も浮き彫りになりました。
今後さらに進んでいくであろうテレワーク化に向けて、社内業務を円滑に進めるために、稟議の申請・決裁業務のデジタル化はもちろん、社内における紙媒体からの脱却とデジタル化が急務であると言えるでしょう。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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