「根回し」の意味や重要性とは?スムーズな起案・決裁を実現する方法も紹介!
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ビジネスシーンでは、「根回し(ねまわし)」というキーワードを耳にすることが多々あります。
組織の意思決定をスムーズにしたり、関係者とのトラブルを防止したりするためにも重要な根回しですが、
「根回しとはどういう意味?」
「根回しが必要な場面とは?」
「上手に根回しするためのポイントは?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、根回しの意味や重要性、類語といった基礎知識から、根回し上手な人に共通するポイントやスムーズな起案・決裁を実現する方法を解説します。
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根回しとは?
まずは基礎知識として、根回しの意味や類語、重要性や必要な場面について簡単に解説していきます。
根回しの意味や類語
「根回し(ねまわし)」とは、「物事を進める際、事前に関係者の了承を得ること」という意味の言葉で、ビジネスシーンでは重要な交渉や稟議を通す際などに用いられます。
根回しを行うことで、物事を円滑に進めることが可能になり、結果として組織の意思決定スピード向上にもつなげることができます。
ちなみに、もともと根回しは「樹木の移植に先駆けて行う根もとの処理」を指す園芸用語でしたが、本来の意味が転じて先述した意味合いで使われるようになりました。
また、根回しにはいくつかの類語があり、「段取りをつける」や「コンセンサス(同意)を得る」といった表現に言い換えることができます。
根回しを行うことの重要性
「根回し」という行為に対して、「面倒」「卑怯」と言ったネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。
しかし実際には、根回しを行うことは決してネガティブなことではなく、むしろ前向きな行為だと言えます。
たとえば、重要な稟議で根回しを行わなかった場合、承認者や決裁者は稟議書が手元に回ってきた段階で初めてその内容を目にすることになります。
すると、唐突に重大な決断を迫られた承認者や決裁者は、冷静な判断ができずに拒絶反応を示してしまう恐れがあります。
一方、根回しによって事前に内容を説明しておけば、承認者や決裁者は内容を十分に理解したうえで冷静な判断を下すことができます。
つまり、根回しを行うことは物事を円滑に進めるためだけでなく、関係者への気遣い・配慮といった側面もあるのです。
根回しが必要な場面とは?
先述したように、根回しは重要な交渉や稟議の前に行うケースが一般的です。
たとえば、根回しが必要な場面として以下を挙げることができます。
- 大きな変化が生じるとき(例:業務システムの刷新など)
- 相手にとって好ましくない影響が生じるとき(例:取引終了や金額変更など)
- 関係者の数が多いとき(例:部署を横断するプロジェクトの発足など)
このような場面で、事前の根回しによって起案内容が周知されていないと、すんなりと受け入れてもらえない可能性が高いと言えます。
反対に、根回しをして関係者の立場に応じた説明・説得をしておくことで、受け入れてもらいやすくなるでしょう。
上手な根回しのポイントは?
次は、交渉や稟議をスムーズに進めるためにも覚えておきたい、根回しのポイントをご紹介します。
- 日頃から人脈を広げておく
- 根回しすべき相手の見極め
- 相手の立場で考えられる想像力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日頃から人脈を広げておく
根回し上手な人に共通する特徴として、人脈の広さを挙げることができます。
日頃から色々な立場の人と交流して情報交換しておくことで、根回しが必要な場面でアプローチしやすくなります。
根回しすべき相手の見極め
人脈が広いだけでなく、根回しすべき相手を見極めることも重要です。
関係者のなかでとくに大きな影響力を持つキーパーソンに対して根回しを行うことが、交渉や稟議をスムーズに通すポイントとなります。
相手の立場で考えられる想像力
上手に根回しを行うには、想像力の豊かさも大切です。
相手の立場で物事を考え、説得するために必要な材料を分析・準備したうえで根回しを行うことが重要になります。
意思決定スピードの向上を目指すならワークフローシステム
ここまでは、根回しの意味や必要な場面、上手に根回しを行うためのポイントを解説してきました。
適切に根回しを行うことで関係者の承認を得やすくなりますが、紙ベースで申請書や稟議書を運用している場合、決裁までに多くの時間を要してしまいがちです。
組織として意思決定のスピードをさらに早めていきたいと考えるのならば、承認プロセス自体の効率化・電子化が必要になります。
そこで役立つのがワークフローシステムです。
次は、ワークフローシステムが組織の意思決定スピード向上に役立つ理由を見ていきましょう。
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申請・起案のスピードアップ
ワークフローシステムを活用することで、申請・起案のスピードを早めることができます。
紙ベースで申請・起案を行っている場合、内容を文書に手入力して印刷を行う必要があります。
申請・起案のたびに一から内容を記入する必要があるため時間がかかり、記入漏れや誤字脱字といったミスも発生しやすくなります。
たとえ事前の根回しによって関係者の合意を得ていたとしても、書面の記載内容にミスがあれば差し戻しとなってしまい、多くの時間がかかってしまうでしょう。
一方、ワークフローシステムであれば入力補助機能が豊富に備わっている製品もあり、効率的に申請書・稟議書を作成することができます。
また、過去のデータを参照することもできるので、似たような申請・稟議の一部を複製して、入力作業を省力化することも可能です。
承認・決裁のスピードアップ
ワークフローシステムの活用は、承認・決裁スピードの向上にも効果を発揮します。
組織内で行われる申請や稟議は、その内容によって承認・決裁に関わる部署部門や役職、人数が変わるのが一般的です。
ワークフローシステムであれば、申請・起案内容に応じて適切な承認・決裁ルートを自動判別し、速やかに回付することが可能です。
また、承認者や決裁者は、申請・起案内容を各種デバイス上で確認することが可能です。
承認・決裁のための押印も再現でき、外出やテレワークでオフィスにいない場合でも承認・決裁を行うことができます。
承認・決裁が滞っている人物に対して督促通知を配信することもできるため、紙ベースの承認・決裁よりもスピーディーな意思決定が可能になるでしょう。
ほかにも多くのメリットが!
ワークフローシステムを導入することで、ほかにも多くのメリットが期待できます。
主なメリットとして、以下を挙げることができます。
ワークフローシステム導入のメリット
- 多様な働き方への対応
- ペーパーレスの促進
- 内部統制・ガバナンスの強化
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進、など
以下の記事では、ワークフローシステムの基礎知識や導入のメリットについて詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
ワークフローシステムで意思決定の効率化を実現した事例
最後に、ワークフローシステムの導入によって意思決定の迅速化を実現した事例を紹介します。
意思決定の迅速化と一元化を実現
SCSK株式会社(※)は、「基幹情報システム(ERP)の刷新」の一環として、オンプレミス型ワークフローシステム「AgileWorks」を導入しました。
同社では、ワークフローシステムの導入目的のひとつとして、意思決定の迅速化による「あらゆることが早く決まり、確実に実行される事業基盤」を構築すること、つまり「意思決定の迅速化を通じたオペレーショナルエクセレンスの実現」を掲げていました。
「AgileWorks」の導入後、「意思決定の迅速化」と「意思決定プロセスの一元化」、そして「内部統制の強化」に大きな効果を実感。
承認に関する事前通知機能によって「意思決定の段取り」が立てやすくなった点も高く評価しています。
※導入当時は住商情報システム株式会社。2011年10月に株式会社CSKと合併し、SCSK株式会社となりました。
稟議に要する期間が半減し、組織全体の運営スピード向上を実現
京都府で幼稚園から大学・大学院までの一貫教育校を運営する学校法人京都女子学園は、クラウド型ワークフローシステム「X-point Cloud」の導入により紙文化からの脱却を推進しました。
同法人では、物品購入などの軽微な申請から巨額の予算を要する重大な申請まで、あらゆる意思決定を稟議書で行っていました。
そんな「組織運営の要」とも言える稟議書は紙媒体で運用されており、承認までに約20日を要することがあったり、印刷や保管に多くの工数が割かれていることが課題視されていました。
そこで同法人は、紙文化と押印文化に慣れ親しんだ教職員の抵抗感を軽減するため、紙のイメージを再現でき、電子印鑑機能も備えている「X-point Cloud」の導入を決定。
導入後、稟議に要する期間は約1/2まで短縮され、早いときには3日で決裁されるようになるなど、意思決定の迅速化を実現しました。
さらに、事務処理にかかる時間も短縮され、組織全体の運営スピード向上に効果を得ています。
社内の意思決定・コミュニケーションのDXを実現
自動車の板金塗装事業などを展開する京南オートサービス株式会社は、クラウド型ワークフローシステム「X-point Cloud」の導入により、社内の意思決定やコミュニケーションのDXを実現しました。
2代目経営者である田澤氏が同社に入社した当初、社内コミュニケーションは電話とFAXで行われており、申請業務においても手書きで記入した紙の帳票で承認・決裁が行われていました。
そこで同社は、DXの第一歩として「X-point Cloud」の導入を決断。
システムの利便性に触れることで徐々に社内で定着し、導入から半年後には月間300件の申請が「X-point Cloud」で処理されました。
社内の意思決定とコミュニケーションのDX推進に手ごたえを得た同社は、申請承認以外の業務にも「X-point Cloud」を展開することを見据えるなど、さらなるDX推進に取り組んでいます。
まとめ
今回は、ビジネスシーンでよく聞く「根回し」というキーワードに焦点を当てて、その意味や根回しが必要な場面、上手な根回しのポイントを解説してきました。
根回しは、組織としての意思決定をスムーズにしたり、トラブルを防いだりするために重要な役割を果たします。
また、起案・決裁を効率化するには、適切に根回しを行うだけでなく、ワークフローシステムを導入して意思決定の仕組みを電子化することが効果的です。
今回ご紹介した情報も参考に、適切な根回しやワークフローシステムの活用で意思決定のスピードアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。