ワークフローの承認ルートとは?重要性や基本のルートを解説!
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ワークフロー(業務の流れ)を改善するには、承認ルートを見直し、改善に取り組むことが大切です。
こちらの記事では、ワークフローの承認ルートに注目し、その重要性や基本の型について解説します。
ワークフローシステムを導入して各種申請を電子化することのメリットについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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ワークフローの承認ルートとは?
まずは、ワークフローの承認ルートとは何か確認しておきましょう。
承認ルートとは、「申請された内容が、承認を経て、最終的に決裁されるまでの経路・道筋」のことを指します。
承認ルートは、特定職位の人物を承認者・決裁者とするのが一般的であり、申請の種類や内容、その他条件に応じて承認に関わる人数や経路が変化します。
そして、承認ルートの統制をとるために必要なのが、多くの企業で設けられている「職務権限規程」です。
職務権限規程とは、会社の主な職位についてその権限の範囲を定めたもので、さまざまな事項における承認権限や決裁権限を、職位別に確認することができます。
職務権限規程で定められた各職位の権限に沿って、申請フォーム(申請書)と承認ルートに落とし込むことで、適切な意思決定が可能になります。
ちなみに、承認ルートと混同しがちな用語に「承認フロー」があります。
承認フローとは、申請に対して承認・決裁を行う一連の流れを指します。
承認ルートは「誰が承認・決裁に携わるのか」に焦点を当てているのに対し、承認フローは「どのように承認を行うのか」を表しており、承認に関するより大きな枠組みだと言えます。
つまり、承認ルートは承認フローを構成する要素のひとつであり、承認ルートを適切に設定することが承認フローの最適化につながります。
ワークフローの承認ルートはなぜ重要?
冒頭でも触れたとおり、ワークフローを改善するうえでは承認ルートが重要です。
次は、ワークフローの承認ルートが重要である理由について確認していきましょう。
ガバナンスの強化
承認ルートの設定は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の要である内部統制強化につながります。
内部統制においては、全従業員がルールに従って業務手続きを行い、適切に申請・承認・決裁されることが重要です。
承認ルートの設定により業務手続きのルールが明確になり、「いつ」「誰が」「何を」承認したのかという証跡も管理しやすくなります。
リスクマネジメント
承認ルートはリスクマネジメントの観点においても非常に重要な役割を果たします。
承認ルートが明確でない場合、申請・承認の状況を把握するのが困難になったり、文書の紛失リスクや不正決裁・文書改ざん、あるいは情報漏えいなどのリスクも高まります。
また、故意ではないとしても、本来必要な承認を得ることなく決裁され、後から不備が発覚するといったケースも考えられるでしょう。
適切な意思決定
承認ルートは企業として適切な判断、意思決定を行うために不可欠です。
承認ルートが適切かつ明確に設定されていない場合、然るべき人物の確認・承認を得ないまま決裁されてしまう可能性が高まり、誤った判断・意思決定、あるいは独裁的な経営に陥りやすいと言えます。
承認ルートの基本の型をチェック
組織の規模や申請の種類・重要性によって変化する承認ルートですが、大きく以下の4型に分類することができます。
- 直線型
- 指名型
- 条件分岐型
- 並列型
これらの基本型を組み合わせることで、より複雑な承認ルートを設定することも可能です。
次は、承認ルートの基本となる4つの型について確認していきましょう。
直線型
承認ルートでもっともシンプルなのが「直線型」です。
あらかじめ指定されたルートに沿って、申請→承認→決裁の流れが直線的に進んでいきます。
承認者および決裁者は、主に申請者の上級職位や特定の職位となります。
指名型
「指名型」は直線型から派生したもので、承認ルートの途中で新たに承認者を指名・追加するパターンです。
承認を進めるなかで、「○○さんにも確認してもらうべき内容」と判断された場合に、新たに承認者を追加するケースがあります。
また、申請者から順々に次の承認者を指名していくバケツリレーのような方式も、指名型と言えます。
条件分岐型
「条件分岐型」は申請内容や金額によって、承認ルートが分岐するパターンです。
たとえば、金額が100,000円未満の申請であれば課長が決裁、100,000円以上の申請であれば課長が承認して部長が決裁、といった具合です。
申請内容の重要性や金額が大きくなるほど、決裁までに必要な承認ステップが増えるイメージです。
並列型
4つの基本パターンでもっとも複雑なのが、「並列型」の承認ルートです。
複数の部署が関わる大規模なプロジェクトなどでは、同時に複数のルートで承認フローが進むケースがあります。
並列型の承認ルートで決裁ステップへと進む条件には、以下のようなパターンがあります
- すべてのルートで承認されれば決裁ステップへ進む(AND承認・合議)
- 複数のルートのうち過半数の承認で決裁ステップへ進む(多数決承認)
- いずれかのルートで承認されれば決裁ステップへ進む(OR承認)
並列型のように複雑な承認ルートでは、紙の文書で申請・稟議を行っていると「どこまで承認が進んでいるのか」、「どこで承認が滞っているのか」といった進捗を把握するのが難しくなります。また、改ざんや文書の紛失といったリスクも高くなるため注意が必要です。
承認ルートに関するよくある課題
ここまでは、主に紙ベースの業務における承認ルートについて解説してきました。
次は、紙ベースで業務を行っている場合の、承認ルートに関するよくある課題を解説していきます。
適切な承認ルートがわからない
紙ベースの業務では、「適切な承認ルートがわからない」という状況が発生しがちです。
申請の種類や内容によって申請ルートは変わるため、承認ルートを都度判断する必要があります。
職務権限票を参照して承認者を確認するのは大きな手間であり、業務効率の低下や意思決定の遅延を招く要因となってしまうでしょう。
承認状況がわからない
紙ベースの申請業務は、承認状況を把握しづらいという課題も存在します。
申請者は、承認ルート上のどこで承認が止まっているのかがわからず、決裁完了後に速やかにアクションへと移すことができません。
また、承認者や決裁者は、いつ自分のもとに承認・決裁依頼が来るのかを予測できないため、外出やテレワーク、休暇取得などの予定が立てづらくなってしまいます。
ワークフローシステムで申請・承認業務を効率化!
承認ルートの見直し・改善だけでも一定の効率化が見込めますが、紙ベースで行われている申請・承認手続きを電子化することで、さらなる効率化が見込めます。
各種申請・稟議の電子化(デジタル化)は、ワークフローシステムの導入で実現可能です。
次は、ワークフローシステムが承認業務の効率化に役立つ理由を見ていきましょう。
デバイス上で申請・承認が完結
ワークフローシステムを活用することで、デバイス上で申請・承認手続きを完結することが可能になります。
紙ベースの手続きで発生していた申請書の印刷や手渡しによる回覧、ハンコによる押印といった作業が不要になるため、効率的に承認を進めることができます。
また、システム上で承認ルートを設定しておくことで、適切なルートで自動的に回付を進めることができるので、わざわざ承認者を判断したり居場所を探したりといった手間がかかりません。
ノートPCやタブレット、スマートフォンなど、モバイル端末から申請内容の確認や承認を行えるので、承認者は外出中やテレワーク中でも承認作業を進めることができます。
そのため、紙の文書で発生しがちな承認者不在による手続きの停滞を防ぎ、申請から決裁までのスピードを速めることができるでしょう。
承認手続きが見える化
ワークフローシステムを利用するメリットとして、承認手続きが見える化される点が挙げられます。
紙ベースの承認手続きでは、承認ルート上のどこまで回覧・承認が進んでいるのか、あるいはどこで止まっているのか、といった状況を把握しづらいとお伝えしました。
一方、ワークフローシステムの場合、システム上で承認手続きの進捗状況を確認でき、承認作業が停滞している場合には承認者に対して通知・督促することもできます。
また、過去の決裁データもシステム上に記録されます。
「いつ・誰が・何をしたのか」という証跡をシステムログとして確認することができるため、セキュリティ・ガバナンスの強化に役立つほか、承認ルートの定期的な見直し・改善にも役立てることができるでしょう。
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「X-point Cloud」は、複雑な承認ルートに柔軟に対応可能な機能が充実しており、日本の組織文化に合わせた承認プロセスを定義することができます。
自動条件分岐
申請内容や申請者の所属部署や役職によって承認ルートを自動判別すること可能です。
そのため、申請者は承認ルートを意識することなく速やかに正しいルートで回付することができ、意思決定におけるガバナンスを担保することができます。
柔軟な承認者指定
各ステップの承認者について、個人を指定する「ユーザー指定」だけでなく、部署やプロジェクト単位を指定する「ユーザーグループ指定」、特定の役職を指定する「役職指定」が可能です。
共通承認ルート
作成した承認ルートを複数のフォームで適用する共通承認ルートとして設定可能です。
フォームごとに一から承認ルートを設定する必要がなく、承認ルートをメンテナンスする負担を軽減することができます。
ここでご紹介した以外にも、「X-point Cloud」には承認ルートの設定に関するさまざまな機能があるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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「X-point Cloud」で承認業務の効率化を実現した事例
最後に、「X-point Cloud」で承認業務の効率化を実現した企業事例をご紹介します。
申請業務のデジタル化とメンテナンス作業の効率化を実現した事例(株式会社東京ダイヤモンド工具製作所)
ダイヤモンド工具の製造販売などを手掛ける株式会社東京ダイヤモンド工具製作所は、「X-point Cloud」の導入により申請業務のデジタル化を推進しました。
同社では以前、グループウェアのワークフローシステムを利用していたものの、複雑な承認ルート設定を行えず、電子と紙という二つの手段で申請業務を行っていました。
同社の国内出張届の回付ルート。役職ごとに回付ルートが異なるため、条件分岐機能や代理承認機能などが必要だった。
また、旧システムは承認者をユーザマスタで指定する仕様であり、組織再編や人事異動の度に多大なメンテナンス作業が発生し、保守管理の工数も増大化していました。
そこで同社は、紙の帳票で運用せざるを得なかった申請業務のデジタル化を図り、ワークフローシステムの導入を検討開始。
「Garoonとの親和性の高さ」「フォーム作成などの機能の充実」「メンテナンスのしやすさ」などを要件に挙げて複数製品を比較検討した結果、「X-point Cloud」の導入を決めました。
GUIで申請フォームを簡単に作成できる点や、条件分岐や代理承認はもちろん、組織マスタと連携して承認権限の設定ができる点などが決め手となりました。
導入後、以前は紙の帳票で運用せざるを得なかった20種類の申請書をデジタル化することに成功。組織設定機能や先付けメンテナンス機能により、組織改編や人事異動時などのメンテナンス作業も大幅に効率化されました。
「X-point Cloud」の導入をきっかけに、従業員の「業務のデジタル化」に対する意識が向上するなど、DX推進に向けた土壌が整備されたという点でも大きな成果を実感されています。
承認手続きの電子化で業務効率化に成功した事例(日通学園 流通経済大学)
回付先が多いときには30にも上るという同大学の稟議書。
立案者の部署内の係長、課長補佐、課長、部長代理、部長の承認が済んだ後、供覧先の役職者への回覧を経て、内容により事務局長もしくは、学長、理事長による決裁が行われるなど、その承認ルートは非常に複雑です。
そのため、起案から決裁までに2週間程度かかることも珍しくなく、自分が承認した後の書類の行方が把握できないなどの問題もあり、多くの職員が承認手続きの紙による運用に限界を感じていたため、組織変更をきっかけにワークフローシステムを導入しました。
導入後、従来2週間程度かかっていた稟議期間が1~2日に短縮され、また、承認ルートが可視化されたことで、どこで稟議が止まっているかなどを把握できるようになりました。
承認ルートや申請書式の標準化により組織運営を効率化した事例(公益財団法人 岡山県環境保全事業団)
承認ルートや申請書の書式が統一されておらず、曖昧なまま運用されていたという同社の申請業務は、承認時の押印が生産性の低下を招くだけではなく、内部統制の阻害要因となり組織運営の大きな課題となっていました。
そこで、組織体制の変更をきっかけに申請業務の改革に踏み切り、承認ルートや権限の明確化、組織規定の改訂、ワークフローシステムの導入などの取り組みを実施。 申請業務におけるさまざまな「ムダ・ムラ・ムリ」の削減に成功し、承認までの期間を約1/3に短縮したほか、150万円/年ほどの業務効率化効果を達成しました。
申請・承認業務の一元管理で業務効率化と内部統制強化を実現!(UiPath株式会社)
RPA市場を牽引するUiPath株式会社は、社員数の急増により増大化した申請・承認業務の負担を軽減するためワークフローシステムを導入。
従来、同社ではメールによる申請とExcelによる管理を行っており、効率だけでなく情報の正確性の面も課題となっていました。
ワークフローシステムの導入により申請・承認業務をシステム上で一元管理することが可能になったほか、月間1,300件発生していたメール対応の工数がゼロになるなど、大幅な業務効率化と内部統制の強化を実現しています。
まとめ
今回は、ワークフローの承認ルートとは何か、その重要性や基本となる承認ルートの型についてご紹介しました。
ワークフローシステムを導入することで、複雑な承認ルートであっても自動的に判別でき、承認ルートの見直し・改善も行いやすくなります。
今回ご紹介した情報も参考に、承認ルートを見直してワークフローの改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
1ユーザー500円ですぐはじめられる
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ワークフローシステムX-point Cloudの機能詳細や特長をご紹介します。
おすすめポイント
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「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。