これからの働き方を考える

大学職員・専門学校職員、校務ワークフローの「紙」比率は65.8%!職員の約4割が承認フローのシステム化で30%以上の業務削減が可能と回答

大学職員・専門学校職員、校務ワークフローの「紙」比率は65.8%!職員の約4割が承認フローのシステム化で30%以上の業務削減が可能と回答

 ワークフロー総研では、稟議申請・承認業務に携わる大学職員・専門学校職員234名を対象に、「大学職員・専門学校職員のワークフロー」に関するアンケート調査を実施いたしましたので発表いたします。

調査結果サマリー

  • 稟議申請に月あたり20時間以上の時間を使う職員は20.9%
  • 職員の65.8%が校務の承認作業や承認依頼を主に「紙」で行っている
  • 「紙」での承認フローを行うことで、「承認までのスピードが遅くなる」ことに課題を感じる職員は約8割
  • 職員の85.6%が校務の承認フローのシステム化・電子化を希望
  • 職員の約4割が承認フローのシステム化で30%以上の業務削減ができると回答

調査概要

調査期間:2020年4月13日〜4月16日
調査方法:インターネット調査
調査目的:大学職員・専門学校職員のワークフローの実態把握
有効回答:稟議申請・承認に携わる大学職員・専門学校職員234名

「物品購入・管理」「出張申請」に稟議申請を行う職員は半数以上

 「Q1. あなたが稟議申請を行う校務について教えてください。」(n=234)と質問したところ、「物品購入・管理(パソコン、ITシステム、文房具)」と回答した職員が56.8%、「出張申請」と回答した職員が52.6%と、職員の多くが物品購入・管理、出張申請などに稟議申請を行っていることがわかりました。

  • 物品購入・管理(パソコン、ITシステム、文房具):56.8%
  • 出張申請:52.6%
  • 出退勤管理:39.3%
  • 預り金管理テキスト(研究費、経費):26.9%
  • 学籍関連事務(入試、在籍管理):25.6%
  • 労務給与:23.5%
  • 教務関連事務(成績処理、時間割作成、教育相談):21.8%
  • 保険関係事務(健康報告):7.3%
  • その他:11.1%

稟議申請に月あたり20時間以上の時間を使う職員は20.9%

 「Q2. Q1で回答した校務への月あたりの合計作業時間を教えてください。」(n=234)と質問したところ、「20時間以上」と回答した職員が20.9%、「15時間以上〜20時間未満」と回答した職員が3.8%、「10時間以上〜15時間未満」と回答した職員が10.3% と、職員の35.0%が稟議申請に月10時間以上の作業時間を費やしていることがわかりました。

  • 0時間〜3時間未満:27.4%
  • 3時間以上〜5時間未満:21.8%
  • 5時間以上〜10時間未満:15.8%
  • 10時間以上〜15時間未満:10.3%
  • 15時間以上〜20時間未満:3.8%
  • 20時間以上:20.9%

稟議の承認作業を「紙」で行っている職員は65.8%

 「Q3. Q1で回答した校務の承認作業や承認依頼は、主にどのような方法で行っていますか。最も当てはまるものをご選択ください。」(n=234)と質問したところ、「紙」と回答した職員が65.8%と、6割以上の職員が稟議の申請を「紙」で行っていることがわかりました。

  • 紙:65.8%
  • ワークフローシステム:15.8%
  • グループウェア:8.1%
  • メール・チャット:4.7%
  • 口頭:3.9%
  • あてはまるものはない:1.7%

「紙」での承認フローでは「承認までのスピードが遅くなる」と約8割が回答

 Q3で「紙」と回答した方に、「Q4. 承認フローをこの方法で行うことへの課題を教えてください。」(n=154)と質問したところ、「承認までのスピードが遅くなる」と回答した方が79.9%と、約8割の職員が「承認までのスピード」に課題を感じていることがわかりました。

  • 承認までのスピードが遅くなる:79.9%
  • どこで承認がストップしているかがわからない:51.9%
  • 資料が間違っている場合、改めて紙を出力し最初からやり直しになる:44.2%
  • 紛失する可能性がある:31.8%
  • プリントアウト作業が煩雑:29.2%
  • コピーして配布したり、コミュニケーションに気を使う:13.6%
  • 特に課題はない:6.5%
  • 修正がすべて赤字なので、更新履歴がわからない:5.2%
  • その他:3.2%
  • わからない:1.3%

その他にも「紙」での承認フローの課題は「稟議書の保管場所」や「決裁者不在時の時間ロス」など様々

 Q3で「紙」と回答した方に「Q5. Q4で回答した課題以外に、承認フローをこの方法で行うことへの課題を自由に教えてください。」(n=125)と質問したところ、「稟議書の保管場所」や、「決裁者不在時に承認が進まない」など、承認フローを紙で行うことの様々な課題が浮き彫りになりました。

自由回答・一部抜粋

  • 46歳:勤務地が大学であるため、承認者の数が多く、また教員が毎日出勤しているわけでもなく、時間のロスが多い。
  • 50歳:稟議書の保管がめんどう。
  • 41歳:保管に場所を取る。
  • 28歳:印鑑決裁しなければならない。
  • 48歳:どこで滞っているのかがわからない。あと、すべての決裁者を終えた後で、起案担当者が内容の一部を無断で差し替えることが可能になっている。
  • 31歳:承認後の保管方法。
  • 57歳:書式の様式がたびたび変更され、書き直しさせられることがある。
  • 38歳:在宅勤務に対応できない。
  • 33歳:管理文書が膨大になること。
  • 61歳:紙の保管が大変で置き場所をとる。
  • 52歳:紙資源の浪費。
  • 59歳:決裁権者に、会うのに調整する必要がある。
  • 30歳:文書を管理する場所が必要。廃棄作業もひと苦労。
  • 39歳:必ず出社し、デスクで仕事をする必要があるためリモートワークなどが不可能になる。
  • 48歳:押印が必要であり、タイムロスが生じるほか、決裁権者が休んでいたりすると止まってしまう。
  • 41歳:承認決裁者以外の人たちへの周知が別ルートになり2度手間になる。
  • 39歳:決裁者が出張等で外出の期間が長いと稟議を通すまでの期間が長くなりがち。

校務のワークフローのシステム化を希望する職員は85.6%

 Q4で「紙への課題がある」と回答した方に「Q6. それらの校務がワークフローシステム等で電子化になってほしいと思いますか。」(n=222)と質問したところ、「システム化・電子化を強く希望する」「システム化・電子化を希望する」と回答した方が85.6%と、多くの職員が校務のワークフローのシステム化を希望していることがわかりました。

  • システム化・電子化を強く希望する:35.1%
  • システム化・電子化を希望する:50.5%
  • 紙のままで良い:7.2%
  • あてはまるものはない:7.2%

職員の約4割がワークフローのシステム化で30%以上の業務削減ができると回答

 Q6で「システム化を希望する」と回答した方に「Q7. システム化・電子化によってどの程度業務の削減ができると思いますか。」(n=190)と質問したところ、「50%以上」と回答した方が13.7%、「40%〜50%未満」と回答した方が8.4%、「30%〜40%未満」と回答した方が14.7%と、職員の36.8%がワークフローのシステム化で30%以上の業務削減ができると考えていることがわかりました。

  • 0%〜10%未満:5.3%
  • 10%〜20%未満:24.2%
  • 20%〜30%未満:27.4%
  • 30%〜40%未満:14.7%
  • 40%〜50%未満:8.4%
  • 50%以上:13.7%
  • わからない:6.3%

まとめ

 今回の調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で学校職員もテレワーク化・オンライン化が求められている中、稟議の承認作業や承認依頼を「紙」で行う職員は65.8%と、多く存在することがわかりました。また、これにより「承認までのスピードが遅くなる」ことを課題に感じる職員が約8割に上り、その他にも「どこで承認がストップしているかがわからない」「資料が間違っている場合、改めて紙を出力し最初からやり直しになる」などの声が数多くあげられました。さらに、校務のワークフローのシステム化を希望する職員は85.6%、そのうち36.8%がワークフローのシステム化で30%以上の業務削減ができると考えていることも明らかになりました。

 今後ますます進んでいくであろう大学や専門学校のデジタルシフトに向けて、校務の効率化及び円滑化のために、学校内へのワークフローシステム導入は必須であると言えるでしょう。

ワークフローを知らない人に 上手に説明するための「ワークフローとは?」
ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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