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グループウェア導入が効果につながらない理由とは?よくある課題と本質的な解決策を解説

グループウェア導入が効果につながらない理由とは?よくある課題と本質的な解決策を解説

情報共有の円滑化やコミュニケーションの活発化を促進してくれる「グループウェア」。

しかし、グループウェアを導入したものの思うような成果につながっていないという企業も多いのではないでしょうか。

その原因は、グループウェアそのもののUIや機能面ではない、意外なところに隠されているかもしれません。

本記事では、グループウェア導入企業が直面しがちな課題や、成果につながらない原因、そして課題解決に有効なアプローチをわかりやすく解説します。グループウェアの活用・運用方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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こんな人におすすめ

・導入したグループウェアが成果につながっていない。
・グループウェア付属のワークフロー機能に限界を感じている。
・ワークフロー連携で得られる効果を知りたい。

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グループウェア導入企業が抱えやすい課題

多くの企業が業務効率化やコミュニケーションの活性化を目指してグループウェアを導入している一方、期待した成果につながっていないばかりか、「小さな非効率」が積み重なっているケースが散見されます。

まずは、多くのグループウェア導入企業が抱える「よくある課題」を見てみましょう。

発信した情報が埋もれやすい

とくに多い課題のひとつが、「グループウェア上で情報は発信されているが、関係者に届いていない(届きにくい)」というケースです。

たとえば、重要な全社通達などを掲示板にアップしても、既読率が上がらない。あるいは、チャットツールで業務連絡をしても、他の雑談や通知に埋もれてしまい、担当者が見落としているといった状況です。

「情報はそこにある」にもかかわらず、社員が能動的に見に行かなければ伝わらない状態では、真の情報共有とは言えません。

情報伝達手段が分散している

業務領域や伝達事項ごとに、情報共有の手段が分散してしまっているケースも挙げられます。

具体的には、グループウェアのほかにも、メールや紙の書類、部門ごとに導入しているチャットツールやファイルサーバーなどでの情報伝達が行われている状態です。

たとえば、以下のような経験があるという方も多いのではないでしょうか。

  • 「あの件、どうなった?」と聞くと「チャットに書きました」と返される
  • 最新のファイルがどこにあるか分からず、メールの添付履歴を漁る
  • スケジュールの調整はグループウェアで行うが、会議室予約は別システムで行わなければならない
    など

このように情報が散らばっていると、社員は「情報を探す時間」に多くのリソースを割くことになり、本質的な業務時間が削られてしまいます。

システム間の「二重入力」が発生している

グループウェア上のワークフロー機能やスケジュール機能と、人事システムや会計システムなどの基幹システムが連携していないケースも深刻です。

たとえば、グループウェアに付属しているワークフロー機能で休暇申請を提出・承認を得た後、人事担当者が同じ内容を勤怠管理システムに手入力するような運用です。

これでは、デジタルツールを導入しているにもかかわらず、アナログな転記作業が残り続け、ヒューマンエラーの温床となります。

グループウェア導入が成果につながっていない原因

グループウェア導入が成果につながっていない原因

上記のような課題に直面すると、導入したグループウェアのUIや機能不足に原因を見出し、別製品へのリプレイスを検討してしまいがちです。

しかし実際には、グループウェアをリプレイスしたとしても、上記の問題が解決されるケースは稀だと言えます。

なぜなら、本質的な問題は、グループウェアでやり取りされる情報が、業務プロセスと紐づいていないことにあるからです。

では、グループウェアを導入したにもかかわらず思うような成果を得られない、根本的な原因について詳しく見ていきましょう。

「情報共有」と「業務プロセス」の分断

グループウェアは本来、「情報をストックし、共有する」ことに長けたツールです。

簡易的なワークフロー機能が備わっている製品もありますが、「業務プロセスに沿って情報を流す」という機能に関しては、多くの場合において不十分だと言えます。

そのため、グループウェアで情報を共有しても、「誰がいつまでに何をすべきか」という点が不明確になりがちです。そのため、個々人のタスクの進捗が見えづらい、コミュニケーションは活発に行われているが最終的な意思決定につながらない、と言った状況が発生してしまい、円滑な情報伝達および業務進行を妨げられてしまうのです。

部門ごとにバラバラな運用方法

グループウェアは汎用性が高く、さまざまな使い方が可能なツールです。

そのため、営業部はチャットメイン、管理部は掲示板メイン、開発部はWikiメインといった具合に、部門ごとに「使いやすい機能」だけを使うようになりがちです。

これは個別最適という観点で一見効率的に見えますが、全社的な業務プロセスから見ると「情報のサイロ化(分断)」を招きます。部門をまたぐ情報伝達や承認・決裁が必要になった途端、どのツールで連絡すればいいか迷い、結局電話やメール、書面による回覧などに戻ってしまう現象が起きるのはこのためです。

グループウェアの役割を再定義することが課題解決の近道

ワークフローシステム連携で業務プロセスの分断を解消

では、グループウェアの課題を解消するにはどうすればよいのでしょうか。

大切なポイントは、単なる「情報伝達手段」としてのグループウェアの役割を見直し、業務の起点となる情報が集まる「ハブ」として再定義することです。

各従業員がバラバラにグループウェア上で情報を発信し、関係者が自らグループウェア上の情報を確認しに行くという「プル型」の運用を、グループウェアの情報と業務プロセスを連動させ、然るべきタイミングで必要な情報やタスクが関係者の元に届く「プッシュ型」の運用へと変える視点が必要です。

そのためにも、「グループウェア(情報の場)」と「業務プロセス(仕事の流れ)」をつなぐ接着剤が必要であり、その役割を果たすのが後述する「ワークフローシステム」です。

ワークフローシステム連携で業務プロセスの分断を解消

先に触れたとおり、グループウェアの弱点である「プロセス管理」や「強制力」を補完し、業務と情報を一体化させる方法のひとつが、ワークフローシステムとの連携です。

「グループウェアにもワークフロー機能はついているのでは?」と思われるかもしれません。しかし、多くのグループウェア付属の機能は簡易的なものであり、複雑な組織構造やプロセスへの対応、他システムとのシームレスなデータ連携には十分に対応しきれないケースがほとんどです。

では、グループウェアとワークフローシステムを連携させることで得られる効果について見ていきましょう。

1. タスクと承認の進捗が可視化される

グループウェアとワークフローシステムの連携により、バラバラだった情報と業務プロセスが紐づき可視化されます。

たとえば、グループウェアのポータル画面に、ワークフローシステムからの通知をガジェットとして表示させることが可能です。 社員はグループウェアを開くだけで「自分にボールがある案件」を即座に認識でき、ワンクリックで承認画面へ遷移できます。また「自分が起案した申請の承認状況」を確認し、必要に応じて承認者に督促通知を送ることもできます。

これにより、自分宛ての情報やタスクを見落としたり、情報は確認したものの処理し忘れたりといった事態を防ぎ、業務の進行や意思決定のスピードを向上させることが可能です。

2.各種システムとの円滑なデータ連携を実現

グループウェアとワークフローシステムの連携により、各種基幹システムやツールとの円滑なデータ連携を実現します。

たとえば、ワークフローシステムで承認・決裁プロセスが完了したデータを、基幹システム(会計・人事など)やグループウェアのカレンダーへ連携させることも可能です。

具体的には、「出張申請」が承認されたら、自動的にグループウェアのスケジュールに「出張」の予定が登録され、経費精算システムにもデータが渡る、といった仕組みを構築することも不可能ではありません。これにより、転記作業によるミスと手間がゼロになります。

3. 複雑なプロセスも全社的に標準化

専用のワークフローシステムと連携させることの利点として、条件分岐を伴う承認や部門を跨ぐ多段階承認、合議、代理承認といった複雑なプロセスであっても柔軟に対応し、全社統一のプロセスを構築できる点が挙げられます。

あらかじめ定義したルールに基づき自動で承認ルートを判別・実行することが可能なので、グループウェアは「業務の入り口」として使いやすさを維持しつつ、ワークフローシステムで業務プロセスを厳格に管理することができます。

グループウェアの効果を最大化するワークフローシステム

次は、グループウェアとの連携に強みを持つワークフローシステムとして、シリーズ累計5,000社超の導入実績を誇る「X-point Cloud」と「AgileWorks」をご紹介します。

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「X-point Cloud」と「AgileWorks」は、Microsoft 365やSharePoint、Google Workspace、Garoon(ガルーン)、desknet’s NEOといった主要グループウェアとのシームレスな連携が可能です。

シングルサインオン(SSO)により、グループウェアにログインすることで、「X-point Cloud」や「AgileWorks」に別途ログインする手間なく、ワークフロー機能を利用することができます。

また、グループウェアのトップ画面に「承認待ち」や「差し戻し」などのステータスをポートレットで表示させたり、申請・承認画面へと速やかに移動したりすることが可能です。

さらに、グループウェアのユーザー情報をエクスポートしてアカウントを同期することもできます。

次は、「X-point Cloud」と「AgileWorks」をグループウェアと連携させ、業務効率化や情報共有の高度化を実現した事例をご紹介します。

届きづらかった情報の周知が円滑に(京都女子学園)

学校法人京都女子学園は、グループウェアと「X-point Cloud」の連携により幅広い業務の効率化と情報共有の活発化を実現しました。

かねてよりグループウェア「サイボウズGaroon」を利用していた同法人ですが、職員向けの学内掲示板で情報を発信しても、なかなか関係者に伝わらないという状況でした。

また、同社では軽微な申請から巨額の予算を要する申請まで、紙の稟議書と押印による運用を行っており、意思決定の長期化や書類の管理負担に悩まされていました。

そこで同社は、紙文化・押印文化からの脱却を図りワークフローシステムの導入を決断。紙のイメージを再現でき、電子押印機能も備わっているなど、紙に慣れた教職員の抵抗感軽減が期待できる「X-point Cloud」の導入に至りました。

導入にあたっては、快適なユーザー体験にこだわり、グループウェア「サイボウズGaroon」、認証システム「CloudGate UNO」との連携を実施。

「サイボウズGaroon」にログインするとトップ画面に「X-point Cloud」の一部機能が表示され、そのまま申請書の作成や承認を行うことができる仕組みを構築。シングルサインオンも実施し、効率的かつセキュアな申請業務が可能となっています。

京都女子学園の連携イメージ

運用開始後、稟議書の申請に要する時間は1/2程度に短縮し、組織全体の運営スピードが向上。また、申請業務をグループウェアのトップ画面から行えるようにしたことで、職員がグループウェアを利用する回数が急増。職員が学内掲示板を目にする機会が増え、周知事項が以前よりも行き渡りやすくなったと効果を実感されています。

グループウェアの利用回数が増加!
学校法人京都女子学園のロゴ

学校法人京都女子学園のワークフローシステム導入事例をダウンロード|X-point Cloud

課題であったグループウェアの利用率が大幅増(アルコニックス)

アルコニックス株式会社は、グループウェアと「X-point Cloud」を連携し、利用率の向上とグループ全体の業務効率化を実現しました。

同社では以前からグループウェア「サイボウズ Garoon」を導入していたものの、なかなかシステムの利用率が伸びないことが課題視されていました。また、事業拡大によって従業員が増加するにつれて、申請業務に用いる紙の利用量が増加。グループ会社との業務のバラつきも課題となっていました。

そこで同社は、ペーパーレス化の推進とバラついている業務の標準化を図る取り組みの一環として、ワークフローシステムの導入を決定。ユーザビリティの高さや組織に馴染みやすいUI、そして「サイボウズ Garoon」との連携サービスが決め手となり、「X-point Cloud」の導入を決めました。

導入後、申請業務に要していた時間が従来の1/3ほどに短縮されたほか、バラついていた業務フローを統一し、グループ会社の統制を強化。

さらに、「サイボウズ Garoon」のトップページにX-point Cloudを組み込む形でシステムを展開したことで、グループウェアの利用率が大幅に向上。

アルコニックスのグループウェア連携キャプチャ

掲示板などの機能の活用が促進され、グループ内に根強かったアナログな業務スタイルの変革に効果を実感されています。

グループウェアの利用率が大幅に向上
アルコニックス株式会社のロゴ

アルコニックス株式会社のワークフローシステム導入事例をダウンロード|X-point Cloud

X-point Cloudとサイボウズ Garoonの連携サービスを徹底解説!

X-point Cloud × サイボウズGaroon

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・すでにサイボウズGaroonを導入している方
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グループウェアとのシームレスな連携が決め手に(東洋大学)

学校法人 東洋大学は、利用中だったグループウェアと「AgileWorks」を連携し、意思決定の迅速化を果たしました。

かねてよりペーパーレス化の取り組みを進めてきた同法人ですが、稟議書については紙による運用が残されており、事務手続きや意思決定の遅延が生じていました。また、同社が利用しているグループウェアにはワークフロー機能が備わっていたものの、回付ルールの調整や権限分けなどの細かな設定が行えず、学内の稟議規定に沿った運用が行えないなど、稟議書の電子化システムとしては機能面が不足していました。

一方で、グループウェアは日々の業務で頻繁に利用することから、グループウェアと連携可能なワークフローシステムの導入に向けて動き出すことに。製品選定の末、グループウェアとのシングルサインオンが可能な点や、グループウェアを構築しているサーバのLinux OSに対応している点、大規模組織での導入実績が豊富な点などを評価し、「AgileWorks」の導入を決めました。

導入後、「AgileWorks」による一元管理で業務安全向上と作成・回付の迅速化を実現。グループウェアのワークフロー機能では実現が難しかった複雑な承認フローに対応できるようになったことで、今後さらに幅広い業務での活用にも期待を寄せています。

グループウェアだけでは実現困難だった承認フローに対応
学校法人 東洋大学のロゴ

学校法人 東洋大学のワークフローシステム導入事例をダウンロード|AgileWorks

グループウェア導入・運用に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、グループウェア導入・運用に関するよくある質問とその回答について、改めて整理していきましょう。

Q.グループウェアとは何ですか?

A.グループウェアとは、組織内のコミュニケーションを円滑にし、業務効率化を促進するためのソフトウェアのことです。

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Q.グループウェア導入・運用でよくある課題は?

A.グループウェアでよくある課題として、発信した情報が埋もれやすい点や、情報伝達手段の分散、システム間で生じる「二重入力」などが挙げられます。

Q.グループウェア導入が成果につながらない理由は?

A.グループウェア導入で思うような成果が得られない主な原因として、グループウェア上でやり取りされる情報が業務プロセスと分断されている点が挙げられます。また、部門ごとに運用方法がバラバラになりやすい点も原因のひとつです。

Q.グループウェアの導入効果を引き出すコツは?

A.単なる「情報伝達手段」としてのグループウェアの役割を見直し、業務の起点となる情報が集まる「ハブ」として再定義することが大切です。

その上で、「グループウェア(情報の場)」と「業務プロセス(仕事の流れ)」をつなぐツールとしてワークフローシステムを活用することが有効です。

まとめ

今回は、グループウェア導入企業が直面しがちな課題や、成果につながらない原因、根本的な課題解決に向けたアプローチをご紹介しました。

情報共有やコミュニケーションの活発化に有用なグループウェアですが、そこでやり取りされる情報と業務が分断されている場合、思うような成果が得られなかったり、社内に定着しなかったりといった状況に陥る可能性があります。

そのような状況を避け、グループウェアの効果を最大限に高めるには、ワークフローシステムとの連携が有効です。

グループウェアのパフォーマンス改善や活用促進を目指している方は、記事内でご紹介したワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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