バージョン管理とは?基本的なルールや効率化に役立つシステム・ツールを紹介!
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OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
- バージョン管理とは?
- バージョン管理の基本ルール
- Excelを使ったバージョン管理の課題
- ワークフローシステムがバージョン管理に役立つ理由
- ワークフローシステムでバージョン管理の課題を解消した事例
- まとめ
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バージョン管理に有効!申請書運用が楽になるワークフローシステム

こんな人におすすめ
・担当者によって申請フォームやバージョンがバラバラ
・新しく帳票を設計するのが大変
・自社のプロセスに合うテンプレートが見つからない
バージョン管理とは?
バージョン管理とは、ファイルやデータの作成・更新の履歴を記録し、管理することを指す用語で、「版管理」とも呼ばれます。文書、設計図、プログラムのソースコードなど、時間とともに変更が加えられていくファイルに対して行われます。
バージョン管理の主な目的としては、以下の3点を挙げることができます。
- 最新版の明確化:どのファイルが最新のバージョンかを常に明確にする。
- 変更履歴の追跡:いつ・誰が・何を変更したのかを後から確認できるようにする。
- 過去のバージョンへの復元:必要に応じ、ファイルを過去の特定の状態に戻せるようにする。
バージョン管理の基本ルール

先述したバージョン管理の目的を果たすには、組織やチーム全体で守るべき基本的なルールが存在します。では、バージョン管理に取り組む上で押さえておきたい基本的なルールを確認していきましょう。
ファイルの命名規則を統一する
ファイル名から情報が分かるように命名ルールを定めます。
たとえば、文書名に加えて、日付やバージョン番号、ステータスなどを組み合わせる命名方法が一般的です。
命名規則のパターン例
- 日付+文書名のパターン:20250814_業務マニュアル.docx
- 文書名+バージョンのパターン:業務マニュアル_v1.2.docx
- 文書名+ステータスのパターン:業務マニュアル_レビュー中.docx
ファイルの保存場所を一元化する
ファイルは個人のPCではなく、関係者全員がアクセスできる共有サーバーやクラウドストレージ上の特定フォルダに保存します。ファイルの保存場所が分散すると、最新版が分からなくなる原因になります。
変更履歴を記録する
ファイルに変更を加えた際は、その内容を記録します。
Excelファイルなら「変更履歴」シートを作成し、「更新日」「更新者」「バージョン」「変更内容」を一覧で記録する方法が有効です。
Excelを使ったバージョン管理の課題
バージョン管理を行っている企業のなかには、Excel(エクセル)で管理台帳を作成・運用している企業も多いことでしょう。
Excelによるバージョン管理は、専用システムなどを用いずに手軽に取り組めるのが利点ですが、いくつかの課題が存在します。次は、Excelを使ったバージョン管理の課題を見ていきましょう。
最新版が不明確になりやすい
手動でのExcel管理では、最新版のファイルがどれか分からなくなる問題が頻発します。
たとえば、各担当者のローカル環境に「見積書_最新.xlsx」「見積書_最終.xlsx」といったファイルが乱立し、確認の手間や古いファイルで作業を進めてしまうミスが発生します。
同時編集に向いていない
Excelファイルは、複数人での同時編集が困難です。
複数人がそれぞれのローカル環境で作業を行う場合、後から保存した人の変更によって先に保存した人の内容が消えてしまう「先祖返り」のリスクがあります。また、別々に編集した内容を後から手作業で統合するのは非常に手間がかかります。
手作業によるミスや管理工数の増大
命名規則の遵守や履歴の記録はすべて手作業に依存するため、ヒューマンエラーが発生しやすくなります。 「うっかり古いファイルに上書きした」「履歴を書き忘れた」といったミスが起こりがちで、管理業務自体がコア業務を圧迫する原因にもなります。
ワークフローシステムがバージョン管理に役立つ理由

次は、バージョン管理に役立つ具体的なシステム・ツールとして、ワークフローシステムをご紹介します。
ワークフローシステムとは、各種申請や稟議、報告などの手続きを電子化するツールのことで、社内文書のバージョン管理にも役立てることが可能です。
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では、ワークフローシステムがバージョン管理に役立つ理由を見ていきましょう。
各種帳票のバージョン管理を一元化
各種申請書や稟議書、報告書など、企業ではさまざまな種類の帳票を扱いますが、それらのフォーマットをワークフローシステムで一元管理することが可能です。
ユーザーが個別に帳票フォーマットを管理したり保存したりする必要がなく、常に最新バージョンの帳票フォームの利用を徹底することができます。
厳格な証跡管理を実現
ワークフローシステムで作成・処理した文書データはシステム上に保存され、証跡管理を厳格に行うことができます。
いつ・誰が・何を作成し、どのように処理されたのかといった情報はもちろん、変更履歴や削除履歴などもログとして記録されます。そのため、履歴を遡って変更内容を確認したり、必要に応じて過去のバージョンを復元したりといったことが可能になります。
柔軟な権限設定でセキュリティ強化
ワークフローシステムは、ファイルに対する閲覧・編集などのアクセス権限を柔軟に設定することができます。
そのため、権限のないユーザーによる不正な改ざんや意図しない変更・削除などを防ぎ、強固なセキュリティ体制を築くことが可能です。
ワークフローシステムでバージョン管理の課題を解消した事例
ここでは、シリーズ累計5,000社超の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」と「AgileWorks」を活用してバージョン管理の課題を解消した事例をご紹介します。
事業部ごとにバラバラだった申請業務を統合(アテクト)
株式会社アテクトは、「X-point Cloud」を導入して事業部ごとにバラバラだった申請業務を標準化しました。
同社では従来、紙の帳票による申請業務が多大な非効率を生んでおり、申請業務のデジタル化が急務となっていました。一方で、同社の主要3事業部はそれぞれ申請業務のフローが異なっており、デジタル化を進めるには事業部ごとのバラつきを標準化する必要がありました。また、同社では各種申請の際、Excelで作成したフォーマットを印刷して利用していましたが、事業部ごとに独自に改変を行ったことでバージョンが乱立している状況でした。
こうした状況のなか、同社は紙イメージを維持したまま申請業務をデジタル化できる「X-point Cloud」の導入を決定。各事業部の承認フローを棚卸しするとともに、入力項目やレイアウトを統一した標準様式を作成しました。
現在、主要3事業部で頻繁に申請される注文書をはじめ、人事系や総務系、情報システム系など、幅広い領域の申請書が「X-point Cloud」上で統合されており、ほぼすべての紙の申請書のデジタル化が完了。年間で約50,000分の業務時間削減につながるなど、大きな効果を実感されています。
大規模組織改編への即時対応が可能に(東急プロパティマネジメント)
東急プロパティマネジメント株式会社は、「AgileWorks」を導入し、生産性低下の要因となっていた紙の申請書・稟議書を廃止するとともに、大規模組織改編への即時対応も実現しています。
「AgileWorks」の導入以前、同社では稟議書や申請書を紙ベースで運用しており、承認は押印で行っていました。紙ベースの業務は承認を受けるまでに多くの時間を要するだけでなく、過去の書類の検索性が悪く、業務上の負担となっていました。
そこで同社は、ワークフローシステムの導入を検討開始。選定の結果、同社の複雑な承認・申請の仕組みを再現できる「AgileWorks」の導入に至りました。
「AgileWorks」の導入後、社内のほぼすべての承認申請業務を集約し、紙の稟議書や申請書の廃止に成功。従来は1~2週間は要していた申請・承認が1~2日に短縮されたほか、書類の検索性が向上したことでナレッジマネジメントの強化にもつながっています。
さらに、「AgileWorks」は書類フォームだけでなく、承認フローや組織図のバージョン管理を行うことができることから、組織改編へのスムーズな対応にも効果を発揮。
2021年4月に実施された大規模な組織改編の際も、先付けメンテナンス機能やをCSVによるユーザー情報の一括変更機能、ステージング環境での検証機能などを活用することで、業務を止めることなく約1週間という短期間での対応を実現しています。
まとめ
今回は、バージョン管理(版管理)の概要や基本的なルール、よくある課題、効率化に役立つシステム・ツールをご紹介しました。
バージョン管理は、効率的に業務を進めるためだけでなく、業務の正確性やガバナンスの観点でも重要です。そして、バージョン管理の効率化に役立つのが、記事内でもご紹介したワークフローシステムです。
バージョン管理にお困りの方は、今回ご紹介した情報も参考にワークフローシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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