【調査レポート】大学の校務DXに関する実態調査〜教職員の業務効率化と教育の質向上のために求められることが明らかに〜
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校務において「紙文書が半分以上」と約7割が回答、ペーパーレス化を進める上での課題「個人情報を含む電子データの安全管理」が40.8%で最多
ワークフローシステムのリーディングカンパニーである株式会社エイトレッド(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡本 康広 以下、エイトレッド)は、大学で教務・事務のデジタル化(校務DX)を担当している管理職・事務職員103名を対象に、大学の校務DXに関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
調査サマリ
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●大学校務における紙文書の使用状況、「紙文書が半分以上」が70.9%にのぼる、「紙文書はほとんど使用していない」はわずか9.7%。
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●ペーパーレス化を進める上での課題、「個人情報を含む電子データの安全管理」が40.8%で最多
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●校務支援システムに期待すること、第1位「既存システムとの連携のしやすさ」(43.7%) 第2位「紙のイメージのまま電子化できる」(41.7%)
調査概要
調査名称:大学の校務DXに関する実態調査 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査 調査期間:2025年5月27日〜同年6月2日 有効回答:大学で教務・事務のデジタル化(校務DX)を担当している管理職・事務職員103名 ※※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
校務DXにも有効!
ワークフローシステムで校務はどう変わる?
学校法人における業務効率化の課題を、ワークフローシステムを活用して解決する方法を解説します。
こんな人におすすめ
・紙文化が残っている
・承認者の不在で意思決定が遅れがち
・現場が保守的でデジタル化が進まない

大学の校務DX推進状況、「レベル3:組織的な取り組みやデータ活用を推進」以上が約8割を占める
「Q1.あなたの大学における、校務DX推進の進捗状況として最も当てはまるものを教えてください。」(n=103)と質問したところ、「レベル5:デジタル技術を活用して事業成長を実現し、市場での優位性を確立している」が19.4%、「レベル4:組織文化・風土を変革し、競争力を高められている」が29.1%、「レベル3:計画的なDX戦略のもと、組織的な取り組みやデータ活用を進めている」が28.2%という回答となりました。

・レベル5:デジタル技術を活用して事業成長を実現し、市場での優位性を確立している:19.4% ・レベル4:組織文化・風土を変革し、競争力を高められている:29.1% ・レベル3:計画的なDX戦略のもと、組織的な取り組みやデータ活用を進めている:28.2% ・レベル2:一部の業務のデジタル化・効率化に留まっている:17.5% ・レベル1:デジタル化に着手できていない:2.9% ・わからない/答えられない/あてはまるものはない:2.9%
校務DX推進において、「強固な情報セキュリティ」や「ペーパーレス化の実現」を重視
「Q2.校務DX推進において、特に重視しているポイントを教えてください。(複数回答)」(n=103)と質問したところ、「情報セキュリティを強固に保てる」が50.5%、「ペーパーレス化が実現できる」が45.6%、「データを分析して意思決定に活用できる」が41.7%という回答となりました。

・情報セキュリティを強固に保てる:50.5% ・ペーパーレス化が実現できる:45.6% ・データを分析して意思決定に活用できる:41.7% ・業務プロセスを標準化して簡素化できる:38.8% ・校務支援システムをクラウド環境で利用できる:35.0% ・システム間でデータを共有・連携できる:31.1% ・場所を選ばずリモートで業務ができる:26.2% ・業務効率化して事務作業を削減できる:24.3% ・業務のブラックボックス化や属人化を解消できる:16.5% ・その他:0.0% ・わからない/答えられない:3.9%
校務における紙文書の使用状況、「紙文書が半分以上」が7割にのぼる、「紙文書はほとんど使用していない」はわずか9.7%
「Q3.現在の校務における紙文書の使用状況はどの程度ですか。」(n=103)と質問したところ、「ほとんどの業務で紙文書を使用している」が10.7%、「主要な業務は紙文書中心」が22.3%、「紙文書とデジタル文書が半々程度」が37.9%という回答となりました。

・ほとんどの業務で紙文書を使用している:10.7% ・主要な業務は紙文書中心:22.3% ・紙文書とデジタル文書が半々程度:37.9% ・一部で紙文書も使用している:17.5% ・紙文書はほとんど使用していない:9.7% ・わからない/答えられない:1.9%
優先的に電子化・ペーパーレス化を進めたい業務領域、「会議資料の作成・共有」「カリキュラム・シラバス管理」など
「Q4.紙文書の電子化・ペーパーレス化において、最も優先的に取り組みたい業務領域を教えてください。」(n=103)と質問したところ、「会議資料の作成・共有」が22.4%、「カリキュラム・シラバス管理」が20.4%、「学生の成績管理」が15.5%という回答となりました。

・会議資料の作成・共有:22.4% ・カリキュラム・シラバス管理:20.4% ・学生の成績管理:15.5% ・予算・経費管理:12.6% ・稟議書や原議書等の申請承認業務:9.7% ・教職員の勤怠管理:6.8% ・文書保管・アーカイブ:5.8% ・学生向け通知・連絡事項:1.9% ・その他:0.0% ・特にない:1.0% ・わからない/答えられない:3.9%
ペーパーレス化を進める上での課題、「個人情報を含む電子データの安全管理」が40.8%で最多
Q4で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.ペーパーレス化を進める上での課題は何ですか。(複数回答)」(n=98)と質問したところ、「個人情報を含む電子データの安全管理」が40.8%、「大量の紙資料を電子化する手間とコスト」が33.7%という回答となりました。

・個人情報を含む電子データの安全管理:40.8% ・大量の紙資料を電子化する手間とコスト:33.7% ・学内での電子文書の取扱規則が未整備:29.6% ・押印文化からの脱却:29.6% ・電子化に対する抵抗感の払拭:29.6% ・認証評価や行政対応に必要な書類の電子化:27.6% ・システム導入・更新の予算獲得:26.5% ・学部・研究科間での業務フローの違い:14.3% ・その他:3.1% ・特に課題はない:2.0% ・わからない/答えられない:0.0%
「紙文化に慣れ親しんでいる職員の意識改革」や「担当者を人的に割く余裕がない」などの課題も
Q5で「特に課題はない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q6.Q5で回答した以外に、ペーパーレス化を進める上での課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=96)と質問したところ、「紙文化に慣れ親しんでいる職員の意識改革」や「作業を進めるうえでの、担当者を人的に割く余裕がないこと」など66の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋> ・紙文化に慣れ親しんでいる職員の意識改革。 ・必要な情報がどこにあるかがすぐに分かるためのシステムの構築。 ・作業を進めるうえでの、担当者を人的に割く余裕がないこと。 ・入学試験の合否判定は安全性の担保のために紙印刷をすることが欠かせない。このように国で定められたガイドラインがあるのでペーパーレス化をするための障害となっている。 ・パソコンを使うのに慣れていないベテラン教員への周知徹底。
稟議書や申請書などの承認フロー、「メール添付で承認を得ている」と「専用のワークフローシステムを導入している」が同率1位
Q1で「レベル2~レベル5」と回答した方に、「Q7.あなたの大学では、稟議書や申請書などの申請承認業務はどのように行われていますか。」(n=97)と質問したところ、「メール添付で承認を得ている」が25.8%、「専用のワークフローシステムを導入している」が25.8%という回答となりました。

・紙の書類を回覧している:13.4% ・メール添付で承認を得ている:25.8% ・専用のワークフローシステムを導入している:25.8% ・グループウェア等のオプション機能で電子申請している:19.6% ・紙と電子申請が混在している:14.4% ・その他:0.0% ・わからない/答えられない:1.0%
現在の承認フローにおける課題、「承認ルートに関わる人数が多く、フローが複雑」「承認状況の可視化ができない」が上位
Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q8.現在の承認フローにおける課題は何ですか。(複数回答)」(n=96)と質問したところ、「承認ルートに関わる人数が多く、フローが複雑」が39.6%、「承認状況の可視化ができない」が35.4%、「承認者が不在の際に決裁が滞る」が34.4%という回答となりました。

・承認ルートに関わる人数が多く、フローが複雑:39.6% ・承認状況の可視化ができない:35.4% ・承認者が不在の際に決裁が滞る:34.4% ・承認に時間がかかる:31.2% ・承認履歴の管理・追跡が難しい:29.2% ・紙と電子の併用によるプロセスの複雑化:18.8% ・押印や署名の電子化が進んでいない:11.5% ・申請承認業務の標準化ができておらずフローが不明瞭:10.4% ・その他:1.0% ・特に課題はない:3.1% ・わからない/答えられない:1.0%
校務システム間の連携状況、51.5%が「主要なシステム間では連携が進んでいるが、一部連携されていないシステムもある」と回答
Q1で「レベル2~レベル5」と回答した方に、「Q9.現在、校務で使用しているシステム間の連携状況について教えてください。」(n=97)と質問したところ、「主要なシステム間では連携が進んでいるが、一部連携されていないシステムもある」が51.5%という回答となりました。

・ほとんどのシステムが連携され、データの一元管理や業務効率化を実現している:19.6% ・主要なシステム間では連携が進んでいるが、一部連携されていないシステムもある:51.5% ・一部のシステム間でのみ連携が実現している:18.6% ・それぞれのシステムが独立しており、連携は実現していない:7.2% ・わからない/答えられない:3.1%
校務支援システムに期待すること、第1位「既存システムとの連携のしやすさ」
「Q10.今後の校務DX推進において、校務支援システムに期待することがあれば教えてください。(複数回答)」(n=103)と質問したところ、「既存システムとの連携のしやすさ」が43.7%、「使い慣れた紙のイメージのまま電子化できるサービス」が41.7%、「セキュリティが確保されたクラウド環境の提供」が35.9%という回答となりました。

・既存システムとの連携のしやすさ:43.7% ・使い慣れた紙のイメージのまま電子化できるサービス:41.7% ・セキュリティが確保されたクラウド環境の提供:35.9% ・導入・運用コストの低さ:29.1% ・直感的で操作が簡単なユーザーインターフェース:26.2% ・ノーコードで管理、運用ができる:23.3% ・充実したサポート体制:17.5% ・モバイル対応(スマートフォン・タブレットからの利用):16.5% ・データ分析・活用機能の充実:15.5% ・大学特有の業務プロセスへの対応:15.5% ・その他:1.0% ・特にない:1.9% ・わからない/答えられない:2.9%
まとめ
今回は、大学で教務・事務のデジタル化(校務DX)を担当している管理職・事務職員103名を対象に、大学の校務DXに関する実態調査を実施しました。
まず、大学の校務DX推進状況については、「レベル3:計画的なDX戦略のもと、組織的な取り組みやデータ活用を進めている」以上が約8割を占め、校務DX推進において、「情報セキュリティを強固に保てる」(50.5%)や「ペーパーレス化が実現できる」(45.6%)を重視していることが分かりました。一方で、大学校務における紙文書の使用状況では、「紙文書が半分以上」が70.9%にのぼり、「紙文書はほとんど使用していない」はわずか9.7%にとどまります。また、ペーパーレス化を進める上での課題では、「個人情報を含む電子データの安全管理」が40.8%で最も多く、現在の承認フローにおける課題では、「承認ルートに関わる人数が多く、フローが複雑」(39.6%)や「承認状況の可視化ができない」(35.4%)が挙げられました。最後に、今後の校務DX推進において、校務支援システムに期待することに関しては、第1位「既存システムとの連携のしやすさ」(43.7%)、第2位「使い慣れた紙のイメージのまま電子化できるサービス」(41.7%)の結果が出ています。
今回の調査では、大学の校務DXは比較的高いレベルで推進されている半面、セキュリティへの不安や煩雑な承認フロー、ペーパーレス化に対する課題が浮き彫りになりました。デジタル庁が推進する全国的なDX推進の流れの中で、高等教育機関には教職員の業務効率化と教育の質向上を加速させることが求められています。大学特有の複雑な組織構造や多様な業務プロセスを考慮した上で、堅牢なセキュリティを担保しつつ既存システムとシームレスに連携できる包括的な校務支援システムの導入・活用が、今後の大学運営における競争力を左右する鍵となるでしょう。校務DXについて解説!続けてお読みください!
ご担当者必見!
ワークフローシステム導入による"校務DX"成功事例
80校以上の学校法人で導入されている「AgileWorks」の製品紹介と、その導入による校務DXの成功事例をご紹介。
こんな人におすすめ
・学校法人にお勤めの方
・アナログな校務のデジタル化を検討している方
・校務DXにご興味のある方


「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。