ワークフローを整理することが生産性向上のカギを握る
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ワークフローという言葉について、「ワークフロー」という言葉の力が働き方改革を促進するで簡単な申請業務を例にお伝えしました。
ワークフローとは、ワーク=業務、フロー=(業務の)流れのことです。申請業務ではなく「申請の“ワークフロー”」というと新しい仕事のように感じるかもしれませんが、単にいつも行っていることの言葉を置き換えているだけなのです。
言葉を置き換えただけなのですが、「ワークフロー」という言葉で業務の全体像を把握しやすくする効果があります。
今回はワーク=業務、フロー=(業務の)流れ、それぞれ具体的にはどのような対象があるのかお話ししていきます。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
「ワーク=業務」の具体例

実は「~~管理」「~~業務」と名のつくものはほとんどすべてワークフローのワーク=業務の部分に当てはめることができます。
- 総務であれば物品購入や資産管理(モノの管理)
- 経理であれば経費精算や債権管理(カネの管理)
- 人事であれば入退社や異動の管理(ヒトの管理)
- 情報システムであればネットワーク接続許可やID・PASS管理(情報の管理)
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これはワークフローシステムを開発・提供するエイトレッドが、業種・業界を超えて長年ワークフロー事業に取り組んできた結晶と言える申請書集です。様々な企業で行われている様々な業務を定型化し、書類のテンプレートとして公開しています。
すでに一般化されて公開されている、つまり定型化されているというのは非常に重要で、定型化していく過程で業務のムダ・ムラを見つけることができ、システム化の準備にも繋がります。
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「フロー=(業務の)流れ」を可視化する

実はワークフローはパターンが複数存在します。これらパターンを押さえワークフローを設計することで、仕事のスピードとクオリティが向上します。
自分たちがどのようなワークフローの形式をとっているかぜひ確認してみてください。ここでは以下の四パターンを説明します。
- 直線型
- 指名型
- 条件分岐型
- 並列型
1.直線型

直線型のワークフローは、申請者(起票、申請)→課長(承認)→部長(決裁)というシンプルな流れのものを指します。
このようなワークフローの場合は役職や役割、直接個人を指定してワークフローを回付します。人数が増えても、部署等をまたいでも同じです。
2.指名型

指名型は直線型の派生形です。直線型でフローが進んでいても、途中でAさんが「今回の内容は、Bさんの確認が必要」と気づいたとします。その際、もともと直線で決められたワークフローであっても、Aさんは途中でBさんを指名してそのワークフローに入ってもらうことがあります。
また単純に申請から次々指名を繰り返して承認を行うパターンも該当します。(バケツリレー型)
ルーティーンの業務というよりは、毎回参加者が異なる会議の議事録を回付したり、新しい企画を申請する際に確認して欲しい関係者を都度追加していくパターンと言えます。
3.条件分岐型

条件分岐型は、金額や起案する申請内容によって、ワークフローのルートが複数用意されているパターンです。
大きい金額になるほど、より高い職位の人の承認が最終承認前に必要になる例です。職務権限規定で定められた範囲に沿ってワークフローを分岐させて決裁します。
図では決裁までに1人~3人の承認で完結するワークフローになりますが、大企業や大規模なプロジェクトでは、より複雑で人数も多いルート設定が必要になることもあります。
分岐条件は、申請者属性や申請内容のキーワードなどにより、細かな要件が存在します。これらをシステム化せずアナログで実現しようとすると、コミュニケーションが混乱しないよう、都度誰かが交通整理をしながら申請や稟議を回さないといけません。
4.並列型

並列型は最も複雑なパターンです。組織が大きくなり複数の部署が関わるようなケースでは、ワークフローのルートが「同時」に「複数」走る場合があります。
X部署、Y部署、Z部署すべての部署の決裁が次に進めるには必要という場合(合議)があります。
または、例えば2/3以上の部署の決裁があれば進めてよいという多数決で承認される場合や3部署のうちいずれかの承認があれば進めてよい(OR承認)という場合もあります。
このように複数のルートで同時に申請や稟議が回るワークフローを並列型と分類します。
このレベルになると、どこの部署でどれくらい申請や稟議が進んでいるのかを確認して回るのは一苦労です。
さらにシステム化されていない場合、誰からいつ承認されたのか確認しづらく、改ざんされる可能性がある手渡しやチャットツールでのやりとりになりががちで、内部統制の観点からもリスクが高まります。
ワークフローの承認ルートを適正化したい
4つの大分類以外にもいろいろあるワークフローの分類方法とパターン
この他にも意思決定の仕方、決裁の方法の切り口でいくつかワークフローのパターンがあります。
例えば申請の却下や差し戻しです。却下は申請や提案自体がNGであるという決定がされたということですが、差し戻しの場合は途中の承認者や時には申請者にまで戻って再度ワークフローを開始してもらう場合を指します。
情報の抜け漏れ、内容の変更が必要な時には差し戻しで対応することがあります。こういった条件であれば稟議を通せそうだということで、担当者間で調整をしながらワークフローを進めるイメージです。
また出張やその他の理由で申請者または承認者が不在の場合、代わりの人が代理で申請をする、または代理で承認をする場合もあります(代理申請・代理承認)。
「ワークフロー」が生産性を向上させる
具体的なワーク=業務、フロー=(業務の)流れのパターンを見てきました。みなさんの周りではどのパターンが多かったでしょうか。実は完全に整理されているという会社はなかなか見当たりません。
多くの企業では、業務ルールや承認ルートが曖昧だったりして属人的な状態なのが現実です。
しかし、暗黙に運用されているこれらのワークフローをきちんと可視化することで生産性は飛躍的に向上します。
申請者や承認者・決裁者が判断に迷わずに仕事を流す(フロー)ことができ、ルールが明確になることにより、そのルートから外れた際には例外対応を即時に検討できます。
これは例外なのかそうでないのかに悩む必要がないため、仕事のスピードが向上します。
また、可視化ができればアナログな業務をシステムに落とし込むことも可能になります。
システム化を経て、デジタルで完結できる業務が可能になります。そしてデジタル化が進めば、時間・場所問わずに業務が可能になり、テレワークを含めた、自由度が高い働き方が実現するのです。
まずはワークフローのパターンを理解し、現状の可視化の第一歩としていただければと思います。
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ワークフローシステムを開発・提供する株式会社エイトレッドの代表取締役社長も務める。ワークフローを出発点とした働き方の見直しが意思決定の迅速化、組織の生産性向上へ貢献するという思いから、ワークフローの普及を目指し2020年4月、ワークフロー総研を設立して現職。エイトレッド代表としての知見も交えながら、コラムの執筆や社外とのコラボレーションに積極的に取り組んでいる。