差し戻しとは?ビジネスにおける意味や対策、改善事例を紹介!
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本記事では、ビジネスにおける「差し戻し」の意味や原因、防止のポイントを紹介します。
差し戻しの防止に効果的なITシステムと成功事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
文書業務のデジタル化を実現する方法とは?
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こんな人におすすめ
・社内文書のペーパーレス化を推進したい
・差し戻しや承認の遅延を解消したい
・意思決定の可視化・迅速化を目指している
差し戻しとは?
差し戻しとは、承認・決裁権限を持つ者が申請者に対して、申請内容の見直しや修正を求めること。ビジネスにおいては、各種申請・稟議などの社内手続きで行われることの多い処理であり、差し戻しされた申請・稟議は、修正・調整した後に承認工程を再開することができます。
ここでは、差し戻しが発生することの問題点や原因、関連用語との違いを見ていきましょう。
差し戻しが引き起こす問題
差し戻しは、申請者・承認者の双方にとって手間であり、頻出することで業務効率の低下を招きます。申請者は差し戻しのたびに内容を見直し、修正しなければならず、あらためて関係者に回付する必要があります。また、承認者・決裁者においても何度も確認するのは負担であり、1件1件は些細なタイムロスであっても、積み重なることで多くの工数が割かれてしまうでしょう。
さらに、差し戻しが起こることで、組織としての意思決定の遅延にもつながります。
差し戻しのたびに承認工程がやり直しになれば、当然ながら決裁は遅れることになります。意思決定のスピードが重視される現代において、差し戻しが頻出する状況は大きな問題と言えるでしょう。
差し戻しが起こる原因
差し戻しが起こる主な原因として、申請内容の不備が挙げられます。たとえば、必要な情報が記載されていなかったり、添付書類が不足していたりといったケースです。
また、申請書のフォーマットが間違っている場合も差し戻しの対象となります。たとえば、古いバージョンの申請書雛形を利用していたり、異なる用途の申請書フォーマットを利用していたりといったケースです。
そのほか、承認ルートが誤っているケースも考えられます。申請内容によって回付先や承認ルートが変わることが一般的ですが、然るべき関係者の確認・承認を経ていない申請は当然ながら差し戻しの対象となります。
差し戻しと関連用語の違い
差し戻しと混同しやすい関連用語に、「却下」や「取り消し」があります。
却下
ワークフローにおける却下とは、申請内容を否認する処理のこと。差し戻しの場合、修正後に承認工程を再開することができますが、却下された申請はその時点で承認工程が終了となります。
取り消し
ワークフローにおける取り消しとは、申請者自身が申請を取り下げることを意味します。承認者や決裁者ではなく、申請者自身による処理である点が差し戻しとの違いです。
ワークフローシステムで差し戻しを解消

次は、差し戻しを防止して業務効率化や意思決定の迅速化を実現するソリューションとして、ワークフローシステムをご紹介します。
ワークフローシステムは、社内で行われる各種申請や稟議などの手続きを電子化するツールのこと。では、ワークフローシステムが差し戻しの防止・解消に役立つ理由を見ていきましょう。
入力内容のミスを防止
ワークフローシステムには、申請時の記入ミスや手間を軽減する入力支援機能が備わっています。エラーチェックや選択入力、数値の自動計算などにより、手入力によるミス・手間を防ぎ、差し戻しの発生リスクを抑えることが可能です。
承認ルートの自動化
ワークフローシステムには組織図や職務権限規程を反映することができ、申請の種類や内容に応じて適切な承認ルートを自動的に判別します。そのため、誤った承認ルートによる差し戻しを防ぐことが可能です。
過去の申請・決裁情報を参照可能
ワークフローシステムには、過去の申請・決裁情報がデータとして蓄積されます。
必要なデータを速やかに検索・参照できるので、過去の申請が差し戻しになってしまった原因を探ったり、スムーズに承認を得るためのヒントを見つけたりと活用できるでしょう。
申請フォーマットの一元管理が可能
ワークフローシステムを用いることで、申請フォーマットの一元管理が可能です。
過去のフォーマットが使われたり、別用途のフォーマットが利用されたりといったミスによる差し戻しを防止できます。
差し戻し後の対応も迅速化
ワークフローシステムであれば、もしも差し戻しが発生した場合も、速やかに承認プロセスを再開することが可能です。
差し戻しなどの進捗状況が可視化され、関係者に督促通知を配信することもできるので、対応の遅れや漏れを防げます。また、承認者によるコメントを記録することで差し戻しの理由を明示することができるので、申請者は速やかに修正して再申請できるでしょう。
ワークフローシステムによる差し戻しの解消事例
最後に、シリーズ累計4,500社超の導入実績を誇るワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」を導入して差し戻しなどの課題を解消し、業務効率化や意思決定の迅速化を実現した事例をご紹介します。
申請書の差し戻しが大幅に削減(ヤンマーグリーンシステム)
ヤンマーグリーンシステム株式会社は「X-point Cloud」を導入して紙の申請書を電子化し、差し戻しを大幅削減することに成功しました。
従来、同社では紙帳票で申請業務を行っており、コロナ禍で出社が制限されたことで円滑な業務進行が困難に。既存のワークフローシステムを転用して申請業務の改善を図ったものの、承認ルート設定の煩雑さや操作性の低さが原因で課題の解消には至りませんでした。
そこで同社は、グループ会社で導入実績がある「AgileWorks」の姉妹製品であり、スマートフォン対応や運用効率の高さが魅力の「X-point Cloud」を導入することを決定しました。
条件分岐機能や代理承認機能を活用して申請業務を再構築し、「X-point Cloud」の運用を開始。現在、「X-point Cloud」は全社員・全部門で利用されており、年間の申請数は約2,000件にのぼります。リモートワーク体制が確立されたほか、大幅な業務効率化を達成。申請内容の誤りや申請書の差し戻しが大幅に減少し、同社の試算によれば申請に関する業務時間の約90%、年間約600時間の工数削減につながっています。
常態化していた申請ミスや差し戻しを解消(トプコン)
株式会社トプコンは、「AgileWorks」を導入して時間や場所に捉われない申請承認業務を実現するとともに、常態化していた申請ミスや差し戻しの問題を解消しました。
世界29の国と地域に拠点を構える同社では従来、拠点ごとにITインフラや業務システムが異なるために情報共有や意思決定に遅れが生じることがありました。当時利用していたワークフローシステムにおいても、スマートフォンなどに対応していないために申請承認業務が停滞しがちで、開発・保守のコストも増大している状況でした。
そこで同社は、各国共通で利用できるIT基盤構築の一環としてワークフローシステムの選定を行い、検討の結果「AgileWorks」の導入に至りました。
導入から約5年後にはグループ9社、従業員約1,900人に「AgileWorks」を展開。懸案であったスマートフォンからの申請・承認が可能になったことで、組織運営の円滑化と意思決定の迅速化を達成しました。
さらに、「AgileWorks」は従業員の業務効率化にも貢献。たとえば、以前は経費精算の申請が煩雑で、申請ミスや差し戻しが常態化していました。「AgileWorks」導入後は、RPA連携により申請書を自動作成する仕組みが整い、入力ミスや差し戻しが減少。月に143時間の業務削減につながっています。
まとめ
今回は、ビジネスにおける差し戻しの意味や原因、対策方法について解説しました。
差し戻しが発生すると、業務効率の低下や意思決定の遅延を招いてしまいます。そして、差し戻しを解消するのにとくに有効な手立てが、ワークフローシステムの活用です。
差し戻しの多さに課題を感じている企業は、今回ご紹介したワークフローシステム「X-point Cloud」や「AgileWorks」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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差し戻し防止にも有効!
文書業務のデジタル化を実現する方法とは?
社内文書のペーパーレス化により業務効率や生産性を向上するためのポイントや役立つソリューションについてご紹介しています。
こんな人におすすめ
・社内文書のペーパーレス化を推進したい
・差し戻しや承認の遅延を解消したい
・意思決定の可視化・迅速化を目指している
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