これからの働き方を考える

脱ハンコへの具体的な取り組み

脱ハンコへの具体的な取り組み

日本の商習慣に深く根付いているハンコ文化ですが、近年では脱ハンコの動きが活発になっています。

本稿では、脱ハンコに向けたアプローチと先行企業の成功例をお伝えしたいと思います。

読了後、本稿を参考にぜひハンコについて見直し、取り組みへ着手していただければと思います。

また、以下の記事では脱ハンコのメリットや実現方法について詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。

あわせてお読みください

脱ハンコはなぜ必要?メリットやアプローチ方法を解説

OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。

脱ハンコへのアプローチと先行企業の成功例

社内・社外文書の中でどの文書をどのようにして脱ハンコを実現していけるかを解説していきます。

社外文書は取引先と「一緒に」変えてみる姿勢で

対象:
受発注書といった契約書など

脱ハンコへのアプローチ:
前回の記事でハンコ文化を抜け出せない理由について触れられた調査レポートをご紹介しました。その中で最も回答率の高い答えは「取引先が対応できるかどうか分からない」でした。
しかし、すでに「相手企業があるから…」という理由は少しずつなくなろうとしています。例えば「#取引先にもリモートワークを」アクションが広まり始めています。
https://www.for-partners-remote.work/

こちらは訪問や捺印といった対面、オフィスへの出社を前提とした働き方を変えようとするアクションをとる企業が集まったアライアンスです。
このような活動がさらに普及すれば、「相手企業があるからできない」ではなく「相手企業もやっているから自社もやる」というポジティブな行動変容が期待できます。

確かに社外との調整は気を遣うものですが、この気運を追い風にぜひ「一緒に」脱ハンコに取り組んでみてはいかがでしょうか。

先行企業、アライアンスの例:
GMOグループ(https://www.gmo.jp/denshi-inkan/)
メルカリ(https://about.mercari.com/press/news/articles/electronic_seal/
#取引先にもリモートワークを(https://www.for-partners-remote.work/
こちらの他にも先ほどご紹介したアライアンスから、業種・業界を超え様々な企業が趣旨に賛同していることが分かります。このことから、IT企業にとどまらず脱ハンコ、IT化は一般化していく未来が予想できます。

社内文書はスモールスタートで始める

対象

社内の回覧文書、稟議書など

脱ハンコへのアプローチ

社外よりは自社のシステムについてよく分かり、コミュニケーションがとりやすい自社であっても、社内文書のドキュメント化にはいくつかのハードルがあります。

まず導入コストです。単に手書きの署名に切り替えるだけであれば新しいコストは発生しませんが、新しいワークフローシステムや電子署名サービスを利用する際にはシステム利用費だけでなく導入準備のための人的コストがかかることが懸念されます。

むしろ人的コストは本来の仕事の時間を減らすか、専用のスタッフを用意するかですが、いずれにせよ多大なコストがかかりますから躊躇する要因となるでしょう。

そのため心理的ハードルも高くなってしまうということもよく耳にします。導入・移行の手間や負担は触れた通りですが、運用になれば確かに組織が大きくなればなるほどITリテラシーの差もばらつきが出てきますし、職種ごとの仕事の進め方も異なります。

こうした懸念・不安で脱ハンコが進められない場合には、ぜひスモールスタートで脱ハンコを進めてみましょう。

例えばまず1つの文書から始めてみましょう。1つの文書でも脱ハンコを進めるにはいつまで、誰に署名をもらうのか、業務プロセスの棚卸しが必ず必要になります。しかしそれが一度できれば、他の文書も同じように脱ハンコを進めていくことができます。

また、全社が関わる文書ではなく、1部署や1チーム内で使っている文書から始めてみるのも手です。最初から他の組織の人たちを巻き込んでいくのは説得や調整にも時間がかかります。

まず自分たちの組織で成功を収めておけば、その後に続く人たちも安心して改善活動に取り組むことができるでしょう。

このように、最初から全ての文書に着手するのではなく、一部分から取り組み、社内の脱ハンコの成功事例を少しずつ増やしていってみてください。

先行企業の例:
獨協大学(https://www.atled.jp/xpoint_cloud/case/dokkyo/

脱ハンコを働き方改革のきっかけに

脱ハンコの進め方をイメージしていただけたでしょうか? 最後に、働き方改革に向けた脱ハンコの役割をお伝えして締め括ります。

脱ハンコを進めるには単に押印だけをやめるのであれば手書きの署名という手もあります。

しかし日本で署名の文化、商習慣がないことはご存知の通りで、かつ日本の働き方にはペーパーレスが進まない、紙書類を使っていることによる無駄な仕事が多い、その一方でIT化はなかなか進まないという課題も存在しています。

そこでよりこれまでの文化にも親和性があり、導入することでペーパーレス・IT化も進められるワークフローシステムのアプローチや事例をご紹介してきました。

働き方を変えるためには制度設計やITツール導入などアプローチの方法は様々です。その中でも脱ハンコは目の前の業務を改善し、中長期的にも生産性向上の効果をもたらす、価値ある取り組みの一つと言えるでしょう。

この記事をご覧になってこれまで検討してこなかった方、検討してみたかった方、ぜひこれを機に脱ハンコに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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ワークフロー総研 編集部
この記事を書いた人 ワークフロー総研 編集部

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